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銀行での窓口で現金の海外送金取りやめの動き

 「三菱UFJ銀行」はことし6月から、支店の窓口での現金による海外送金の受け付けを取りやめる方針を固めたとNHKが28日のニュースで伝えた。現金での海外送金は地方銀行の多くがすでに受け付けを取りやめていて、大手銀行としては初めての取り組みとなる。

 現金での送金とは、口座を持たない客への対応ということになり、その多くは日本に働きに来ている海外からの労働者などが自国に送金するために使っているとみられる。

 しかし、経済制裁の網をかいくぐった北朝鮮への不正送金とおぼしき事案も地方銀行などで過去に発生していたとされる(2018年8月18日の産経新聞の記事を参照)。

 このため、地方銀行がマネーロンダリング対策として現金の持ち込みによる海外送金を相次いで停止し、大手銀行でも同様の動きが出てきたといえる。

 地銀が対策を強化したのは、今年のマネーロンダリング対策の国際組織「金融活動作業部会」(FATF)の国内審査が背景にあるともされている。

 OECDのサイトによると、金融活動作業部会-Financial Action Task Force (FATF)とはマネー・ローンダリング(「マネロン」:犯罪で得た資金を合法的な経済活動によって得た資金であるかの如く仮装・隠匿すること)対策における国際協調を推進するため、1989年のG7アルシュ・サミットにおいて設立された政府間会合であり、OECD内に事務局が置かれています、とある。

 第4次FATF相互審査、日本へのオンサイト審査は2019年10月~11月頃の予定となっているようである。もし国内銀行でマネーロンダリング対策が不十分とみなされれば、海外の金融機関と取引しづらくなる恐れがある。


# by nihonkokusai | 2019-03-01 09:53 | 金融

英国のEU離脱は延期の可能性高まる

 英国のメイ首相は26日に議会で、3月29日に予定通り離脱を実現できるようEUと合意に達するべく努力を続ける意向だと表明。それができなかったとしても、議会の同意なく合意なしの離脱に踏み切ることはないとし、「3月29日に合意なしでEUを離脱するのは、議会の明確な同意があった場合だけだ」と言明した(ブルームバーグ)。

 これはどういうことであるのか。24日にエジプトでEUのトゥスク大統領とメイ首相が会談した際に、トゥスク氏は「合意なき離脱」の回避には離脱延期が「合理的」とし、メイ氏と「延期による影響」を話し合ったとされる。EU側から延期の可能性を打診され、メイ氏が離脱期日を最長で2か月延長する案を検討していると報じられた。

 その結果として、遅くとも3月12日までに、EUとの間で修正に向けた協議を続けている離脱協定案について議会で採決を行う。もし否決された場合には、翌日に今度は「合意なき離脱」の是非について採決する。議会が「合意なき離脱」の回避を求めた場合、14日に離脱の延期について議会に諮るとしている。

 離脱協定案は否決される可能性が高い。しかし、議会としても混乱を招きかねない「合意なき離脱」は回避させたい。「合意なき離脱の回避」について賛成票が多数となれば、14日に離脱の延期について議会に諮る。ここで延期が決定されると延長後の新たな離脱日は遅くとも6月末となる可能性が高いとされている。ただし、延期したとしても1回かぎりとしている。

 「合意がまとまらなければ、延期をしても『合意なき離脱』の可能性が消えるわけではない」とメイ首相は主張しているように、いまのところこれは時間稼ぎに過ぎず、具体的な解決策には至らない。

 そもそも英国民のなかでも離脱派と離脱反対派に分かれており、両者の妥協点を探るにも、良いとこ取りはEU側が了承しないであろう。事態が改善するとすれば、どこかが折れる必要があるが、それはそれで反発を招きかねない。

 これを受けて26日の外為市場で一時ポンドが買われたが、不透明感が拭えたわけではない。


# by nihonkokusai | 2019-02-28 10:00 | 国際情勢

日銀の国債引受と財政拡大が招いた悲劇、1936年の二・二六事件

 83年前の2月26日、クーデター未遂事件「二・二六事件」が起きた。その犠牲者となったひとりが高橋是清(当時の蔵相)であった。

 高橋是清の行った高橋財政は金輸出解禁による円安放置政策、日銀引受による国債発行と財政支出の拡大、大きな低金利政策が柱となっていた。景気対策という側面からみると、井上デフレと呼ばれた深刻な不況から脱するために、積極財政と低金利政策により有効需要の拡大を計り、その意味ではケインズ的な政策であったとの指摘もある。ところが、高橋財政の柱のひとつである財政支出の拡大は、農村救済のための時局匡救事業ではあったものの、軍事費の拡大が最大の要因となっていた。

 放漫財政とも呼ばれた拡大財政について高橋是清は、比較的短期間のうちに歳出規模は再び収縮し、景気回復に伴う税収増と相まって財政収支は均衡を回復するとの認識でいたようだが、これはやや楽観的すぎた。

 1934年度の予算編成のころとなると、さすがに高橋是清も財政膨張の抑制、国債増額の是正に取り組みはじめた。1934年4月に高橋蔵相は次のように発言をしている。

 「赤字公債が年々増えることは良くない。政府は決して之を安心して、何時までも続け得るものとは思って居らぬ。併し一昨年以来の我が国の一般経済界、産業界の有様を見たとき、先ず政府が刺激剤を与えるより外に手段はなかった」

 1932年以降の政府支出の拡大要因は軍事費の拡大が主要因となったことで、財政政策の転換は簡単にはいかなかった。1935年に高橋蔵相は軍備拡張を強引に要求する軍部と対立する。それがきっかけとなり高橋財政は悲劇的な結末を迎えた。軍事予算の縮小を図ったところ軍部の恨みを買い、1936年の二・二六事件において暗殺されたのである。

 高橋財政のリスクとしては、財政拡大の主因が軍事費であったことに加え、日銀による国債引受があった。これについて高橋是清は「一時の便法」と称していたが、それはある意味、パンドラの箱を開けてしまったとも言えよう。

 高橋蔵相は当初、「日本国民の通貨に対する信用は非常に強固なものがある」ため「通貨の信用ということについてはあまり気にする必要はない」という理由で公債漸減主義は考えていなかったが、その後日銀の深井副総裁の度重なる進言と、第一次世界大戦後におけるドイツ・インフレーションに関する調査物を読んで、その心境に変化が生じたそうである。


# by nihonkokusai | 2019-02-27 10:06 | 国債

債券先物の中心限月の引け値が4日連続で同値という珍事

 債券先物の中心限月の引け値が2月19日から22日にかけて4日連続で152円90銭で引けていた。4日連続というのは記憶になかったため、とりあえずすぐにチェックできる手元のエクセルのデータで確認してみた。

 手元のものが1991年1月からであったため、それ以前のものがすぐには検証できず、またすべてのデータは手入力で行っていたため、誤入力の可能性もある。このため、あくまで暫定的なデータということでみてほしいが、チェックしたところ2日連続はかなりあったが、3日連続となると下記の例のみであり、4日連続はなかった。

 3日連続は、1991年7月8日から10日の3日間連続で95円10銭、2012年6月6日から8日の3日連続の143円59銭、2014年10月29日から31日の3日連続で146円53銭、2015年11月17日から19日の3日連続の148円54銭、2016年5月27日、30日、31日の3営業日連続での152円03銭、2017年9月1日、4日、5日の3営業日連続での151円22銭、

 つまり4日連続の同値引けは債券先物史上で初である可能性が高い。少なくとも値動きがあったにも関わらず4日連続の同値引けはまさに珍事といえよう。

 日銀の長短金利操作付き量的・質的緩和政策によって日本の債券市場の流動性が低下していることは確かである。それでも債券先物は一定の出来高は維持し、値動きも多少なりある。だからこそ引け値の同値が続く例が少なかったともいえる。

 今回の4日連続の同値引けは、たまたまそうなってしまったといえるが、それだけ相場の膠着感を示したものともいえるかもしれない。欧州や中国を主体とした景気減速懸念で債券は買われているものの、高値警戒感もあり米中通商交渉の進展への期待も上値を抑えているというか様子見姿勢を強めさせている。


# by nihonkokusai | 2019-02-26 09:40 | 債券市場

金融緩和で物価を上げられるという発想はやめるべき

 総務省が22日発表した1月の全国消費者物価指数は、総合が前年同月比プラス0.2%と昨年12月のプラス0.3%から上昇幅を縮小させた。日銀の物価目標ともなっている生鮮食品を除く総合は、同プラス0.8%となり、こちらは12月のプラス0.7%から上昇幅を拡大させた。生鮮食品及びエネルギーを除く総合はプラス0.4%と12月のプラス0.3%からこちらも上昇幅を拡大させた。

 総合の落ち込みはキャベツやレタスなどの生鮮野菜が、昨年に高騰した反動で下落したことが大きい。生鮮食品を除く総合は、電気代や都市ガス代などエネルギー関連が押し上げた。生鮮食品とエネルギーを除く総合は宿泊料の上昇なども寄与した。

 ということで、今年に入っても日銀の物価目標の2%に、全国消費者物価指数の生鮮食品を除く総合が届く気配はない。日銀は非常時対応ともいえる異次元緩和をすでに6年近く続けている。いくらタイムラグがあると言っても、日銀の金融緩和策が物価を直接押し上げる効果を持っていないことは明白ではなかろうか。

 これは2014年の消費増税が影響したとの主張があるが、これによって消費の落ち込みは一時的にあっても、息の長い景気回復は継続しているとしているのは何故か。消費増税と物価との関連について、それほど影響があるという前提はおかしい。

 デフレからの脱却というが、日本の物価が上がりにくいという面もあるが、グローバルスタンダードとされる2%という数字に日本の物価を当てはめること自体に問題があるといえるのではなかろうか。

 いま統計がいろいろな意味で脚光を浴びている。毎月勤労統計(毎勤)の不正問題が国会でも取りあげられているが、もし現政権がアベノミクスの効果を強調したかったのであれば、賃金以前にこの物価の統計を操作すべきであったと思われる。むろん、そのような操作はあってはならないし、消費者物価指数についてはそのような操作が行われたという気配はない。

 結果として生鮮食品を除く総合は1%あたりにとどまった状態が続いている。これをみても、もうすでに日銀の金融緩和によって能動的に物価を上げられるという発想はやめるべきではなかろうか。その考えに基づいて、あらためて現行の日銀による異次元緩和策の修正を図る必要もあるのではなかろうか。


# by nihonkokusai | 2019-02-24 11:30 | 日銀
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