牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

<   2011年 10月 ( 45 )   > この月の画像一覧

日本の長期金利が2%を割り込んだ1997年に起きていたこと

 米国やドイツの長期金利が2%を割り込み、史上最低水準に低下してきているが、それでは日本の長期金利が2%を割り込んだのはいつであったかご記憶であろうか。

 私のホームページの「債券ディーリングルーム」には1996年あたりからの債券市況が残してある。当初はメモ書き程度の記述ではあったが、その中の1997年8月27日に「現物指標銘柄は朝方ついに2%を割り込んだ」とある。

 そこで1997年当時の様子をあらためて確認してみると、1997年5月にタイの通貨バーツの暴落を皮切りに、アジアの新興諸国の通貨が連鎖的に暴落し、東アジア全域の経済が大混乱に陥った。東アジア各国の株は急落し、成長率は軒並みマイナスとなり、企業倒産や失業が急増した。これに対しIMFを中心とした国際金融支援が特に経済に大きな打撃を受けたタイ、インドネシア、そして韓国に対して実施されたのである。いわゆるアジアの通貨危機があったのがこの年であった。

 そして、日本では1997年4月に減税の財源として消費税の引き上げが実施された。財政構造改革とこの消費税の導入がその後の景気後退の要因と指摘されたが、バブルの後遺症ともいえる不良債権処理の遅れがその大きな要因となっていた。

 この1997年には企業の破綻が相次ぎ、7月4日に東海興業、7月30日に多田建設、8月19日大都工業、9月18日ヤオハンが会社更正法の適用申請を行った。その後、11月3日に三洋証券が会社更正法適用を申請、17日には都銀の北海道拓殖銀行が経営破綻し北洋銀行への営業譲渡を発表した。さらに24日には証券大手の山一證券が自主廃業を届け出、26日には徳陽シティ銀行が分割譲渡と金融機関が相次いで破綻したのである。

 このように国内外で危機的な状況に陥っていたのが1997年であり、そんな最中、日本の長期金利は低下を続け2%を割り込んだのである。ちなみに1996年に日本の長期金利は3%台、1995年には4%台にあった。

 1997年に日本の長期金利は2%を割り込み、1998年9月11日には1%割れとなった。その後、1998年末の資金運用部ショックが起き、長期金利は上昇して12月30日には再び2%台を回復し、1999年2月5日に2.440%をつけた。しかし、それが直近での日本の長期金利のピークになり、それ以降は2%が日本の長期金利の上限の壁となっているのである。

 はたして米国やドイツの長期金利は今後はどのような動きを示すのか。日本の長期金利が2%を割り込んだ1997年には国内外で大きな危機が生じ、それがその後の日本経済にも大きな影響を与え、長期金利は2%以内という低水準での推移が続いている。米独の長期金利が2%を割り込んだ今年も欧州での債務危機が起きている。このあと米独の長期金利についても本当に日本化が進むとなれば、両国の長期金利は2%以内に封じ込められる可能性も、日本の例を見る限りないとは言えないのだが。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。

毎営業日の朝と夕方にその日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。
10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。
昼には、コラムも1本配信しています。
毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
ご登録はこちらからお願いいたします。

http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-10-05 08:38 | 国債 | Comments(0)

今週は国債入札、ECB理事会、米雇用統計など注目イベント目白押し

 今週は日本では短観発表や10年国債入札、日銀の決定会合、米国ではツイスト・オペの開始、雇用統計の発表、そして欧州では財務相会合、ECB理事会などの注目すべきイベントが目白押しとなっている。

 昨日3日の朝に発表された日銀短観では、大企業製造業DIはプラス2となり、前回のマイナス9から大きく改善した。これは東日本大震災により寸断されたサプライチェーンが急速に復旧し、自動車産業などの生産が回復、消費の自粛ムードが和らいだことなどが要因とみられる。ただし、先行き見通しについてはプラス4となり、欧州の債務危機や欧米経済の減速懸念などから、回復ピッチはやや鈍る予想となっている。これはほぼ事前予想と同様の結果となった。

 3日から4日にかけてユーロ圏財務相会合が開催される。EFSF拡充案に対する各国議会の批准は進んでいるが、ギリシャは次回融資を得ることが出来なければ、10月中にも政府資金が枯渇するとみられている。ギリシャでは欧州連合、国際通貨基金、欧州中央銀行の3者合同調査団との協議も再開されているが、17~18日のEU首脳会合までの間にある程度の支援策がまとまらないと危機的状況となる可能性がある。ギリシャ政府は2日に、2011年の財政赤字がGDP比8.5%に達すると発表し、財政赤字が欧州連合などと合意した削減目標の7.5%に届かないことが明らかになっているが、ギリシャに対する支援策がまとまるのかどうか、ユーロ圏財務相会合の行方にも注意しておく必要がある。

 債券市場では本日4日に実施される10年国債の入札動向にも注目が集まっている。利率は前回の317回債の1.1%から0.1%引き下げられ1.0%となる見込みである。利率1.0%となれば昨年の11月債以来となるが、1.0%近辺では高値警戒もあることで投資家も慎重になるとみられ、やや警戒も必要か。大手銀行の下期入りしてのスタンスを確かめる意味でも、この10年国債入札結果には注目が集まろう。

 6日から7日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催される。日銀については、よほど円高が進行するようなことがなければ、現状維持が見込まれる。こちらへの注目度は比較的薄いが、念のため、会合結果や白川総裁の会見内容もチェックしておきたい。

 そして、6日にはECBの定例理事会、そしてイングランド銀行金融政策委員会も予定されている。ECBについては、金融システム不安の解消に向けて1年物資金供給オペの再開を決める見通しとなっている。一時出ていた利下げ期待については、9月のユーロ圏17カ国の消費者物価指数が前年同月比プラス3.0%となったこともあり、後退している。今回はトリシェ総裁の会見が予定されているが、トリシェ総裁は10月末で任期満了となることで、その発言内容にも注目したい。また、イングランド銀行のMPCでは、世界的な景気の減速が意識され、量的緩和策を拡大するのではとの観測もあり、こちらも注意しておく必要がある。

 ニューヨーク連銀は、3日から27日にかけて13回のオペを通じ約440億ドルの国債を買い入れ、今月6日から28日にかけて、6回のオペを通じて同額の国債を売却すると発表した。「Maturity Extension Program」との名称ではあるが、いわゆるツイスト・オペが開始される。これを見越して米30年債の利回りは30日に3%割れ、10年債も2%割れとなっているが、実際にオペが実施されてからは、期待感で買い進まれていた反動で上値が重くなる可能性もある。

 米国では7日には雇用統計の発表を控えており、米債も需給動向よりも経済動向にあらためて焦点が移る可能性がある。30日に発表された米国の8月の個人所得は、前月比0.1%減と市場予想に反して減少するなど個人消費にブレーキが掛かりつつある。米国のリセッションへの懸念も燻っているだけに、米国の経済指標の動向も引き続き注目を集めよう。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。

毎営業日の朝と夕方にその日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。
10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。
昼には、コラムも1本配信しています。
毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
ご登録はこちらからお願いいたします。

http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-10-04 08:31 | 債券市場 | Comments(0)

牛熊ゼミナール金融の歴史第5回 日本における金利の起源

 日本の歴史の中での金利の起源についてみてみましょう。日本における金利の起源は世界史の中の金利の起源と同様には稲の貸し借りとなる「出挙(すいこ)」だといわれています。 貯蔵した初穂の稲を春に種籾として貸し出して、秋の収穫時に神へのお礼として五把の稲を利息の名目でお返しするというのが「出挙」で、これが日本における金利の起源であり、金融の起源ともいえます。

 中国では古くからこういった利子付き貸借の慣習が存在し、日本でも同様の慣習が行なわれていました。文献などでは、日本書紀に「貸稲」の語が登場し、これが出挙の前身ではないかとの見方もありますが、実際には757年に施行された養老令において「出挙」の語が現れ、これが制度化された日本の金利の起源だとみなされています。

 出挙という制度のそもそもの目的は、農民の生活を維持していくためのひとつの手段でした。出挙には国司が官稲を用いて行う「公出挙」と、個人が行う「私出挙」とがありました。律令制のもと、出挙は公出挙であれば、繁雑な事務を行わなくとも、強制的な公出挙を行うことで、多額の収入を確保することができたことなどから、国家の重要な財源となっていったのです。金利に当たる雑税のことは「利稲」と呼ばれていましたが、その利息は一般に公出挙で50%という高い利息だったのです。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。

毎営業日の朝と夕方にその日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。
10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。
昼には、コラムも1本配信しています。
毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
ご登録はこちらからお願いいたします。

http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-10-03 15:48 | 金融の歴史 | Comments(0)

11月より債券先物の取引時間が変更

 東京証券取引所は11月21日(月)より、国債先物の取引時間を拡大すると発表した。11月21日から東証では、先物取引及びオプション取引を取り扱う「次期Tdex+システム」並びに株式及びCB等のToSTNeT取引を取り扱う「第3次ToSTNeTシステム」を本番稼働させる。これに併せて、現物市場及び派生商品市場における昼休みの短縮並びに派生商品市場におけるイブニングセッションの延長等の取引時間の一部見直しが行なわれるのである。

 現在の国債先物(以下、債券先物)の取引時間は、前場が9時から11時、後場が12時30分から15時までとなっているが、11月21日からは前場が8時45分から11時2分、そして後場は12時30分から15時2分までとなる。

 業者間での国債を主体とした売買を行なっている日本相互証券(BB)は、午前中が8時40分から11時5分、午後は12時25分から17時となっており、現物債の売買が集中するBBの取引時間を意識した時間延長といえる。

 また、午後15時30分から開始している夜間取引(イブニングセッション)についても、これまでの18時の終了時間を11月21日からは23時30分まで延長される。こちらは、欧州時間での売買を意識したものといえる。

 この時間延長については、幅広い投資者層の取引機会を拡大する観点から行なうそうであるが、果たしてこれが市場にとってプラス要因となるのかは定かではない。

 朝の取引開始時間を早めることには意味はありそうではある。しかし、債券先物の寄り付きは前日の欧米市場の動向とともに、当日の株式市場の動向も意識することもあり、株式市場の開始前の取引は慎重になる可能性もある。

 また、過去に短観や鉱工業生産などの経済指標の発表が8時50分となっているのは、東証の寄り付き前に発表を行なうためであったかと思うが、11月21日以降は先物寄り付き後にこれら経済指標が発表されることになる(ただし、CPIなどのように8時30分発表の経済指標も多い)。

 そして、前場と後場の引けの時間が2分間だけ延長される意味がよくわからない。日本相互証券の午前中の終わりが11時5分であることで、それが意識された時間設定なのかもしれないが、何かしら別の要因があるのであろうか。サッカーでいえばロスタイムのような時間は果たして必要なのであろうか。

 さらに、イブニングセッションが23時30分まで延長する必要が果たしてあるのであろうか。もちろん時間が延長されれば、それだけ取引機会が広がることは確かである。しかし、相場が開いている以上、もし人を張り付かせることが必要となれば、業者にとり負担がその分、増加することになりかねない。

 また、相互決済は行なわれてはいないものの、LIFFEの円債先物取引との棲み分けも微妙なものとなる。それでなくても日本国債の先物は東証に集中されており、海外ではLIFFEがかろうじて売買が多少成立しているような状態にあるが、東証のイブニングセッションの延長により、LIFFEの売買に影響を与える可能性がある。参考までに、LIFFEでの日本国債先物の取引時間は、現地時間の朝7時から夕方4時までとなっている。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。

毎営業日の朝と夕方にその日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。
10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。
昼には、コラムも1本配信しています。
毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
ご登録はこちらからお願いいたします。

http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-10-03 08:24 | 債券市場 | Comments(1)

ドイツ議会が批准したEFSF拡充案とは何か

 ドイツ連邦議会は29日、ユーロ圏の救済基金であるEFSFの機能拡充案を賛成523票、反対85票で可決した。EFSFの拡充案は7月のユーロ圏首脳会議で合意されたが、ユーロ圏加盟17か国による批准作業、つまり各国議会の承認が必要となる。

 27日にスロベニア国民議会がEFSFの拡充案を可決し、28日にはフィンランド議会が拡充法案を可決している。ドイツも可決したことで17か国中10か国が承認したことになる。ユーログループのユンケル議長は、ドイツの承認を受け、ユーロ圏加盟17か国による批准作業は10月半ばまでに完了する見通しとの見解を示した。

 ところで、このEFSF拡充案とはそもそも何であったのかを、あらためて確認したい。EFSFとは、「European Financial Stability Facility」の略で、日本語では「欧州金融安定基金」とも呼ばれているものである。

 欧州金融安定基金は、2010年5月のギリシャ危機を踏まえて、EU(欧州連合)の加盟国によって合意された、ユーロ圏諸国の資金支援を目的とした基金である。ルクセンブルクに本部を置き、株式会社として登録されている。ただし、2013年6月までという期限が設けられ、その後は恒久的な危機対応の機関として、2013年に欧州版のIMFともいえる「ESM(欧州安定メカニズム)」がEFSFの業務を引き継ぐ予定となっている。

 EFSFは、ユーロ圏各国の政府保証を裏づけに債券を発行し、それによって得た資金により支援を行なっている。この際に発行される債券、EFSF債は主要格付け会社からトリプルAの格付けを取得している。ちなみに、このEFSF債を日本政府は今年1月以来、外貨準備から27億ユーロ(全体の20%超に相当)購入した。野田首相はWSJのインタビューで、EFSF債をさらに購入する意向も示している。

 EFSFは最大で4400億ユーロの加盟国保証付きの欧州金融安定化債を発行できる枠を持つが、実際に融資可能な金額は2500億ユーロとなっている。このため、ユーロ圏17か国首脳は、今年7月にEFSFの融資能力を実質2500億ユーロから、4400億ユーロの枠をフルに利用できるようにすることを柱にした機能拡充に合意したのである。

 この機能拡充案では融資能力の拡大のほか、域内の銀行への資本注入、流通市場での国債購入、現行の救済策の対象となっていない国への融資も盛り込まれている。ただし、この拡充案の成立には、各国議会の承認が必要となる。

 ギリシャでは、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の3者合同調査団との協議が1か月ぶりに再開された。ギリシャは次回融資を得ることが出来なければ、10月中にも政府資金が枯渇するとみられている。ギリシャ向け融資の是非については、10月3日のユーロ圏財務相会合を経て、17~18日のEU首脳会合までの間にある程度の支援策がまとまらないと危機的状況となる可能性がある。

 このギリシャへの支援については、EFSFの機能拡充が大きな役割を果たすことが予想される。今回の機能拡充により、EFSF債券発行によって調達した資金を支援に回すだけでなく、ユーロ圏各国の国債購入が可能となる。また、銀行への与信枠を供与することなどの機能が追加されることで、欧州の債務危機に対して一定の鎮静効果も期待される。ただし、これが根本的な解決策になるわけではないことも確かである。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。

毎営業日の朝と夕方にその日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。
10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。
昼には、コラムも1本配信しています。
毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
ご登録はこちらからお願いいたします。

http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-10-02 08:36 | 国際情勢 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー