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今年度第3次補正予算と復興債の発行

 政府は21日に、東日本大震災の復興や歴史的な円高対策を柱にした総額で12兆1025億円の今年度第3次補正予算案を閣議決定した。震災の復興対策については、被災地の自治体への支援に重点が置かれ、円高対策としての補助金や、第1次補正予算の財権となった基礎年金の国庫負担分の穴埋め(2.5兆円)や、台風12号などの被害の復旧経費なども盛り込まれた。第3次補正予算後の今年度一般会計の総額は、106兆3987億円と過去最高となる。

 今年度第3次補正予算案の財源については、通常の国債とは別枠で管理される11兆5500億円の復興債が発行される。残りは子供手当ての見直しや税外収入で捻出する。

 閣議決定された今年度3次補正予算に基づき、財務省は平成23年度国債発行計画の変更を行った。これによると新規財源債が当初の44兆2980億円から、復興債11兆5000億円が加わり、55兆8480億円に増額される。これまで新規財源債(新規国債)は、建設国債と特例国債(赤字国債)であったが、ここに復興債が加わることになる。

 そして、今年度の借換債の発行額については、当初の111兆2963億円から1兆9720億円減額され、109兆3242億円となる。これは、平成23年度の国債発行計画を公表した後の平成22年度末に、日銀再乗換による1年債の発行を2兆円減額し、市中発行による満期2年以上の国債で借り換えたため、今年度の満期到来額がその分減少するためである(PD懇議事要旨より)。

 財投債については、1次補正後の16兆円から16兆5000億円に増額される。財政投融資計画についても追加されることで、その財源のうち財投債による調達が5000億円となる。

 この結果、今年度の国債発行額は当初予算の169兆5943億円からは12兆780億円、1次補正後の171兆5943億円からは10兆780億円増額され、181兆6722億円となる。

 国債の消化方式別発行額については、1次補正後の増額分10兆780億円について、第2非価格競争入札において1兆8838億円を増額し、前倒債発行減額による調整分について6兆3942億円増額され、個人向け国債の発行計画額も1兆円増額される。

 今年度のカレンダーベースの消化額は、1次補正では増額がなかったことで当初予算比で8000億円増となり、12月発行分から3月まで2年、5年で各1000億円ずつ増額されることになった。13日のPD懇などは少なくとも1兆円以上、2兆円規模程度を見込む向きが多かったことで、これはポジティブサプライズとはなったが、市場への影響は一時的となった。

 そして、11兆5000億円の復興債の発行には、このうち1兆5000億円を個人向けとすることが明らかになった。3次補正後の今年度の個人向け国債の発行予定額は3兆5000億円となっているが、10月発行分までに約1兆5000億円販売されている。復興財源確保法の成立後は、それ以後に募集を行う個人向け国債は復興債となり、その際に安住財務大名の感謝状を出すことも発表されている。

 11兆5000億円もの復興債の発行とはなるが、市中消化額は市場予想以上に抑えられることになった。前倒債発行減額による調整分の活用などが大きいが、このバッファー部分もいったん使ってしまうと、来年度以降のバッファー分がそれだけ縮小されることになる。もし個人向け復興債が予想以上に販売好調となるなどすれば、そのバッファー分はあらためて確保できることになるが、果たして財務相感謝状付きの個人向け復興債はどれだけ売れるのであろうか。


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by nihonkokusai | 2011-10-25 09:43 | 財政 | Comments(0)

牛熊ゼミナール金融の歴史第19回 徳川家康の経済政策

 関が原の戦いを制した徳川家康は、江戸や東海道筋などに親藩、譜代の大名を配置し、外様大名を地方に配置しました。さらに豊臣時代からの徳川家の蔵入地に加え、大阪や長崎、鉱山など重要な要地は「天領」という直轄地とし、そこからの年貢収入などが幕府の財政基盤となりました。1615年に出された一国一城令により、大名の居城を残しその他の城はほとんど廃城としました。これは大名の軍事力を弱めることが目的でしたが、これにより城下町がさらに発展することになり、城下町を中心に経済圏が形成されました。

 鎖国政策により、オランダや中国、朝鮮、琉球との貿易は幕府が独占することで、西国大名による貿易利益の獲得機会を消滅させ幕府の経済力を高めました。さらに海外からの情報も幕府に集中させたことによって、国際相場と乖離した金との価値の設定も可能となったのです。

 参勤交代制度は、移動の際に大名行列という大掛かりな行進を行う必要があり、費用がかさみ結果として大名の財政を圧迫することになりました。旅費とともに江戸での生活費用も負担となり、また街道の整備や宿場の整備などにも費用がかかる反面、江戸や宿場が賑わうなどの経済効果も生み出したのです。大名の経済出費には基本的に貨幣を使用することになり、そのためには幕府の公認貨幣の入手が必要となり、幕府の経済体制が全国に浸透することにもなりました。

 菱垣廻船や樽廻船や、河村瑞賢による湾岸航路の開拓などにより、日常生活物資や年貢の輸送のための海上輸送手段も整備され、江戸や大阪を中心とした大都市商業圏が形成されていったのです。


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by nihonkokusai | 2011-10-24 17:27 | 金融の歴史 | Comments(0)

過去の日本の債券相場の暴落事例 その2

・運用部ショック

 1998年7月に成立した小渕恵三政権では、次々に経済刺激策が打ち出され、国債が大量に増発された。同年11月16日に発表された20兆円規模の緊急経済対策(6兆円の恒久的減税を含む)では、財源に12兆円を上回る国債が手当てされることとなった。

 翌17日に米国の格付会社ムーディーズは、日本国債の格付を最高位のAaaからAa1に引き下げると発表した。格下げの大きな理由が公的部門の債務膨張であった。

 国債増発と海外格付会社による格下げで、債券市場の参加者は国債への信頼性に懸念を抱き始めた。こうしたなか、11月20日付け日経新聞に「大蔵省は1998年度の第3次補正予算で、新規発行する国債12兆5千億円のうち、10兆円以上を市中消化する方針」といった小さな記事が出た。これは国債を大量に引き受けていた大蔵省資金運用部の引き受け比率が、今後大きく低下することを示唆していた。

 翌年度の当初予算は減税によって税収が47兆円に減少するうえに、国債発行額が前年約2倍の31兆円あまりに達していた。翌年1月から長期国債が、月々1兆8000億円と、一気に4000億円も増額されるという見通しも出された。1999年度の国債発行額は70兆円以上、うち市中消化は60兆円以上との新聞報道もあり、大蔵省資金運用部の国債引き受けが減るのは第三次補正予算だけでなく、来年度も急減することが明らかになった。

 さらに速水優日銀総裁(当時)が、日銀による大量の国債保有に対して「自然な姿ではない」とのコメントを出した。日銀も自ら大量に保有する国債について危惧を表明したのである。

 このように需給を主体とする悪材料が重なったところで、大蔵省資金運用部が国債買い切りオペを中止すると発表したのである。これを契機に12月22日に債券先物がストップ安をつけるなど、債券相場は急落した。いわゆる運用部ショックである。9月に0.7%を割り込んでいた長期金利は12月30日には2%台に乗せてきたのである。

・VARショック

 2003年5月のりそな銀行に対する資本注入によって、大手銀行は潰さないといった意識が強まり、その結果、株式市場では銀行株などが買われ、海外投資家の買いなどにより、日経平均株価は2003年4月の7607.88円がバブル崩壊後の安値となり底打ちした。米国や中国などの経済成長などを背景に、日本の景気も徐々に回復し始め、その後上昇基調を強めたのである。

 6月までは債券相場は1日あたりの値幅も限られながらも、じりじりと高値を更新し続け11日に30年債が0.960%、20年債0.745%、そして10年債0.430%とそれぞれ過去最低利回りを記録した。

 この相場上昇過程において、目立ったのが都市銀行の一角や地銀を含めた銀行主体の債券買いであった。銀行などがポジションのリスク管理に使っているバリュー・アット・リスク(VAR)の仕組み上、変動値幅が少ないことでそのリスク許容度がかなり広がりをみせていた。株価の低迷にともなって債券での収益拡大の狙いもあり、必要以上にポジションを積み上げ、異常なほどの超低金利を演出した。

 しかし、これもいわゆる債券バブルに近いものとなり、6月17日日経平均株価が9000円台を回復し、この日実施された20年国債の利率が1%割れのクーポンとなり、大手投資家などが超長期国債の購入を手控えたことをきっかけにして、債券相場が急落したのである。

 この債券相場の急落の背景としては、株価の上昇とそれを裏付けるような好調な経済指標が出てきたことで、景況感の変化によるものも当然大きかった。しかし、下げを加速させたのもVARであった。債券急落に伴い変動幅が今度は異常に大きくなり、銀行のリスク許容度が急速に低下。必要以上に売りを出さざるを得なくなったことで、下げが加速されたのである。

・小沢ショック

 そして最後に取り上げるのは、価格変動そのものは「運用部ショック」や「VARショック」よりは小さかったものの、国債増発への懸念や国債への信任に対する不安がきっかけとなった国債価格の下落である。これは市場では「小沢ショック」と呼ばれたものである。

 2010年9月の民主党代表選挙で小沢前幹事長が立候補した。もし小沢氏が勝利すれば、ばら撒き政策による国債増発等があるのではないかと危惧され、その結果、債券先物が売られたのである。しかし、代表選挙の結果は菅総理(当時)が勝利し、債券先物はその後、反発した。

 今後、日本国債が債務悪化を理由に下落するとなれば、その兆候は債券先物価格の動きに当然現れるであろう。このため、国債急落のシグナルは債券先物の価格変動から確認することが可能であると言える。


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by nihonkokusai | 2011-10-24 09:20 | 債券市場 | Comments(0)

過去の日本の債券相場の暴落事例

 最近の債券相場は膠着感を強めているが、この膠着相場が長続きすればするほど、その後の相場の急変といった事態が訪れる可能性が高まる。現在のところ日本の債券相場が急落するような兆しはないが、いずれ大きな暴落が起きないとは限らない。すでに巨額の国債残高が存在し、今後も日本の財政の健全化への目処すら立っていない以上、いつ長期金利にリスクプレミアムが発生してもおかしくはない。

 債券相場の急落に備えるためにも、過去の事例を検証しておくことも重要ではなかろうか。今回はロクイチ国債の暴落から、債券先物スタート時の急落、そしてタテホ・ショックの3つの債券相場の暴落事例をご紹介したい。

・ロクイチ国債の暴落

 国債の流動化があまり進んでいなかったころに、国債は一度大きな暴落を経験していた。それが、ロクイチ国債と呼ばれた国債の暴落である。1978年は当時とすれば低金利局面であり、4月にそれまで発行された10年国債の最低利率である利率6.1%(通称、ロクイチ国債)の国債が発行された。

 1979年4月以降、本格的な金利上昇局面となり、国債価格は大きく下落した。景気拡大や原油価格の上昇により、6月にロクイチ国債の利回りは9%を超えてきた。この国債の下落を受けて、12月には金融機関の保有国債の評価法が、従来の低下法から原価法または低価法の選択性となった。

 1980年に日銀は2月、3月と立て続けに公定歩合を引き上げ、長期金利も大きく上昇し、ロクイチ国債は暴落した。4月にロクイチ国債の利回りが12%台にまで上昇し、金融機関がパニック状況に陥ったのである。

 その後、米国金利の急激な低下などにより債券市況は急回復したが、ロクイチ国債の暴落は大蔵省(現、財務省)の国債管理政策にも大きな影響を与えたと言われる。

・プラザ・ショック

 1985年10月に東京証券取引所に日本ではじめての金融先物市場が誕生した。長期国債先物取引(以下、債券先物取引)が開始されたのである。実はその上場直後に債券相場は急落したのである。その要因は1985年9月22日にニューヨークのプラザホテルで秘密裏に開かれた会議にあった。G5と呼ばれた国(日本、アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ)の蔵相・中央銀行総裁が集まり、アメリカの貿易赤字と財政赤字の双子の赤字問題を是正するため、ドルを引き下げる方向で合意した。プラザ合意である。

 そこで日銀は、10月25日に短期金融市場を操作して第二の公定歩合といわれた短期金利の高め誘導を実施した。短期金利を高くすることで、ドル売り・円買いの動きを誘ったのである。日銀のオペで2カ月物の手形レートは0.5625%上昇して7.125%となり、コールレートも上昇した。

 債券先物にとってこれは最悪のタイミングであった。短期金利を無理やり上げたことで、長期金利にも上昇圧力が加わり、債券が売られる展開となったのである。債券先物市場に大量の売り注文が殺到した。そうでなくても債券はスタートしたばかりであり、ご祝儀による大量の買いポジションを抱える証券会社が多かった。売りが売りを呼ぶ展開となり2日間値がつかないという大混乱となったのである。

 1985年10月24日の債券先物は101円63銭で引けていた。25日、26日は値が付かず、ストップ安で張り付いたままとなった。28日にようやく96円63銭で寄り付いたものの、その後も下げて、11月14日に安値89円82銭を付けて、ようやく底入れしたのである。実に12円近い下落である。

・タテホ・ショック

 19875月14日に当時の指標銘柄であった89回債は10年債でありながら、当時の代表的な短期金利であった公定歩合の2.5%に接近する。日本相互証券の端末には、89回債の売りが、2.555%に約3000億円、2.550%には約2000億円もまとまって並んでいた。ところが、それが一気に買い上げられたのである。これを全部買ったのが「公定歩合が高すぎる」というコメントをした大手証券会社のチーフディーラーともいわれている。  結局、ここで債券バブルが終焉する。この2.550%が当時の10年債の最低利回りとして記録されることになった。ちなみに債券先物は前日13日につけた119円24銭が当時の高値となる。

 債券バブルの崩壊で、金融機関のみならず、事業法人でも大きな損失が発生した。1987年9月2日、タテホ化学工業が債券先物で286億円もの損失を出したことが明らかになった。いわゆるタテホショックにより、債券相場は暴落した。9月3日から5日までの3日間で、89回債の利回りは1%あまりも上昇した。債券先物市場では、9月2日終値が104円10銭だったが、5日の引け値は100円30銭となった。

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by nihonkokusai | 2011-10-23 08:04 | 債券市場 | Comments(0)

牛熊ゼミナール金融の歴史第18回 秀吉の経済政策

 16世紀後半以降、西日本を中心に銭貨に加えて、米が再び交換手段として利用されるようになりました。戦国時代に保存の効く米が兵糧として重視されたこともあり、転売も容易な米が銭貨に代わる交換手段として改めて受け入れられるようになったのです。豊臣秀吉は太閤検地を行うことにより、米を経済の基礎とする石高制を取り入れ、年貢についても米納制の導入を図りました。撰銭などにより銭貨価値が不安定化していた時代に、価値が安定し換金性に富む商品である米を貨幣の代わりに手中に納めることによって、秀吉は全国統一の基盤を形成していったのです。

 太閤検地によって納税者と耕作者が同一として固定され、武士などによる中間搾取が禁止され、耕作者は領主からの直接的支配を受けるようになりました。土地の公用化が計られたのです。これにより大名は中央政権から知行が与えられ、中央政府の意向によって全国各地への移封が可能となり、江戸時代の幕藩体制の基礎が構築されたのです。さらに年貢となる米が武士のいる城下町に集められ、商人も城下町に定住するようになるなど、江戸時代の流通体制の基盤もこれによって形成されて行きました。

 秀吉は堺の今井宗久などの豪商と結んで鉱山開発を積極的に行い、生野や生野など全国の主要鉱山を直轄領としました。ちなみに佐渡金銀山の開発には、2009年のNHK大河ドラマ「天地人」の主人公である直江兼続が力を注ぎ、産出量を大きく高めました。秀吉は開発した鉱山から産出した金銀を用いて「秤量貨幣」を鋳造しました。金貨については後藤徳乗に命じて天正大判などを鋳造し、銀貨については湯浅作兵衛常是に大黒天の極印を打刻した良質の灰吹銀を鋳造させたのです。

 秀吉が鋳造を命じた金銀貨は大判と極印銀に限られていましたが、一定の品位を保った金銀貨を大量に鋳造したことにより、貨幣制度をあらためて構築され、それが徳川幕府による統一的な貨幣制度へと継承されることになるのです。貿易では、貿易港の堺を直轄地とした他、新たに博多を重視し、鉄砲の弾薬となる鉛と硝石の輸入、生糸貿易を独占したことで、これらにより秀吉は莫大な収入を得たのです。


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by nihonkokusai | 2011-10-22 16:26 | 金融の歴史 | Comments(0)

8月に米国債を中国が大量売却した半面、スイスなどが大量購入

 米財務省が毎月発表している米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、米国債の最大の保有国である中国が大量に手放していたことが分かり、これは19日のNHKのニュースでも取り上げられていた。

 8月の中国の保有高は1兆1370億ドルで、引き続き最大の保有国となったが、7月の1兆11735億ドルと比べて365億ドルの大幅な減少となった。中国政府が、ひとつきに100億ドル以上の米国債を手放したのは、過去1年では例がないとNHKは報じており、その要因として格付け会社S&Pによる格下げなどを指摘していた。また、これは3兆ドルを超える中国の外貨準備高に対して、米国の債務問題や欧州の信用不安を受けての運用先の多角化を急いだ結果であるとしている。

 たしかに中国は8月に大量売却しており、それは格下げが契機になった可能性はあり、外貨準備の運用先の多角化が大きな要因であると思われる。ただし、実は米国債の格下げにも係わらず中国の売却額以上を8月に購入していた国があったのである。

 同じ米国財務省のデータによると、8月に英国が438億ドル、そしてスイスが391億ドル購入していたのである。また、カリブ海の金融センター(Caribbean Banking Centers)も325億ドル、日本も218億ドル購入していた。

 英国やカリブ海の金融センターの購入の背景には欧州の信用不安を背景とした、ヘッジファンドなどを経由した中東やアジアからの逃避資金が流入していた可能性がある。それに対して、スイスによるこの大量の米国債の購入の背景は何であろうか。

 過去一年間の動きを見ても、スイスによる米国債の保有額は1100億ドル前後で推移していたのだが、8月に入り急に1500億ドル近くまで膨れ上がっているのである。

 スイスの中央銀行であるスイス国立銀行(Swiss National Ban)は9月6日に、スイスフラン高の抑制策として、スイスフラン相場の下限目標をユーロに対して1.20フランに設定し、無制限に外貨を購入する用意があることを表明した。それまでも介入は行なわれていたようだが、ユーロだけでなくドルも大量に購入していたのであろうか。

 米国債の最大の保有国である中国による米国債の保有額の減少は気になるところではある。しかし、このようにそれ以上の金額を購入している国が存在していたことで、海外による保有額全体も7月の4兆4843億ドルに比べて、8月は4兆5725億ドルと増加しているのである。

 米国債の格下げによる影響もこの動きを見る限り、それほど懸念する必要もないとみられる。8月増加分の多くは逃避資金による買いとは言えども、それは米国債に対する信用の現われとも言えるためである。


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by nihonkokusai | 2011-10-22 09:48 | 国債 | Comments(0)

牛熊ゼミナール金融の歴史第17回 信長の旗印となった永楽銭

 室町幕府の時代になると、足利義満が明との朝貢貿易(勘合貿易)を開始し、中国銭の輸入は室町幕府が一元的に行いました。輸出品は金から主に銅や刀剣へと転じたものの、銅銭は引き続き輸入されていました。

 銅銭の中でも明の永楽帝の時代の1411年から作られた永楽通宝(永楽銭)が、室町時代中期に大量に輸入されました。明では洪武帝のときにすでに銭貨使用が禁じられ、紙幣からのちに銀に切り替えられていました。このため、永楽通宝は明では流通せず、輸出品として主に国外で流通していたと考えられています。

 その一方、日本では貨幣経済が急速に発展していたにもかかわらず、政府による鋳造は行なわれず、中国銭貨への需要が非常に高まっていたのです。そのために日本との貿易のために永楽通宝が鋳造されることになったのです。

 永楽通宝を中心とする明銭は当初、貨幣として受け入れられませんでした。このため室町幕府は明銭の使用を奨励した撰銭禁止令を公布しました。銅銭の質的な劣化や、渡来銭を真似て鋳造され私鋳銭の流通も増大し、15世紀後半以降、銭貨をその質的優劣にしたがって良銭(精銭)と悪銭(鐚銭)に区分し、悪銭については受け取りを拒否したり、もしくは割り増しをつけて受け取るという「撰銭(えりぜに)」という行為が行われるようになっていたのです。

 ただし、永楽通宝そのものは質が良く、関東地方を中心とする東日本では、素材価値が安定的で形状や品質がほぼ一定していたことで、永楽通宝が基準銭貨として使われるようになっていました。しかし、唐や宋の時代の古銭を貨幣として重視していた西日本では、明では貨幣としても通用していなかったことから永楽通宝はあまり使われていませんでしたが、16世紀半ばから次第に永楽通宝の地位が高まり、全国的に永楽通宝が基準貨幣として普及していったのです。

 そして、貨幣による経済の発展を強く意識した武将が織田信長であり、その旗印に貨幣(永楽通宝)の図柄を取り入れたのです。


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by nihonkokusai | 2011-10-21 17:29 | 金融の歴史 | Comments(0)

9月の公社債投資家別売買高に見る投資家動向

 日本証券業協会は20日に2011年9月の公社債投資家別売買高を発表した。これによると、信託銀行が1兆9923億円、生損保が1兆2634億円、外国人が1兆282億円のそれぞれ買い越しとなっていた。

 ちなみに都市銀行も3491億円、地方銀行は9428億円、そして農林系金融機関も4989億円とそれぞれ買い越しになるなど、信用金庫の1099億円と個人の売り越しを除いてほとんどのセクターで買い越しとなっていた。

 この多くの部分は国債であるとみられることで、今度は同時に発表された国債投資家別売買高から期間別の内訳を見てみると、都市銀行は超長期を6908億円買い越し、長期債を3196億円売り越しとなっており、長期債から超長期債に乗り換えたようである。また、地方銀行は中期債を6803億円買い越していた。

 信託銀行は長期債主体に買い越しており、長期が1兆1980億円、超長期3694億円、中期3660億円とそれぞれ買い越しとなっている。農林系金融機関は超長期4016億円の買い越し、生損保も超長期が9163億円の買い越しと多いが長期債も2145億円、中期債も1259億円の買い越しとなっている。

 そして外国人であるが、長期債を7134億円、中期債を2647億円それぞれ買い越しとなっており、国庫短期証券を8兆7018億円買い越している。ただし、8月に外国人は国庫短期証券を16兆6609億円買い越しており、それから比べると買い越し額は半分近くになった。欧州の信用不安によるリスク回避にともなう逃避資金の流入は続いているが、金額そのものは減少したようである。

 8月に比べて目立つところは都市銀行の超長期債への買い越しと、信託銀行による長期債への買い越しか。9月の債券相場は8月に続いて債券先物で142円から143円の間でのレンジ相場となっていたが、9月は比較的142円台後半で推移することが多く堅調地合となっていた。この中にあって現物債は長期債が1%近辺で推移していたのに対し、超長期債は20年債主体に買い進まれていたが、これは都市銀行の長期債から超長期債への入れ替えなどが影響していたものとみられる。長期債は信託銀行、中期債は地方銀行を主体に、そして超長期債は生損保とともに都銀の買いが下支えとなっていたようである。


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by nihonkokusai | 2011-10-21 09:47 | 債券市場 | Comments(0)

牛熊ゼミナール金融の歴史第16回 日本での金融業者の出現

 平安時代の末から大量の渡来銭が輸入され、貨幣経済の発達とともに、富裕な僧侶などが延暦寺など有力寺社の保護のもと、銭を貸して高利の利息をとる専門の金融業者が現れ、借上(かしあげ)と呼ばれました。鎌倉時代になると、これらの金融業者が担保として物品を預かるようになり、担保の品を保管するために土蔵を建てたことから「土倉」と呼ばれるようになりました。現在の質屋です。

 お金の貸し手が出てきたということは、当然ながら借り手が存在していました。貨幣経済が発達し、たとえば京都や鎌倉で過ごした御家人達は都市部での生活に慣れ、地方に帰っても同様の生活を送るようになり、消費が拡大しそのための借金をするようになっていたのです。そこに二度の元寇が起きたのですが、これにより領地が拡大されたわけできなく、国土を守った御家人たちへの恩賞は限られさらに窮乏し、借金を重ねることになったのです。

 こうした事態からの御家人の救済を目的として出されたのが徳政令です。1297年に出された最初の徳政令が、永仁の徳政令です。御家人が20年以内に質入れ、売却した所領をもとの持ち主に無償で返させるとともに、御家人の関係する所領についての訴訟を受け付けないこととしました。また今後の御家人所領の売買、質入れも禁止したのです。

 室町時代に入ると社会も不安定となり、土倉を持つ商人に貴重なお金や、財産や文書などを預けるものも現れました。商人は不特定多数の人々から利子付でお金を預かるようになり、預かったお金を元手に、貸し付を行う「合銭(ごうせん)」や、現在の為替に相当する替銭(かいせん・かえぜに)にも従事するようになったのです。

 このように土倉は預金や融資、さらに為替業務など現在の銀行に近い業務を営んでいたのです。これは日本の金融がヨーロッパ諸国に勝るとも劣らぬ古い歴史をもっていることを示しています。また、新興の禅寺などは「祠堂銭(しどうせん)」という貸し出しを行っていました。室町幕府は禅寺などにさまざまな特権を与えられて経済保護を受け、その基盤をもとに、利殖のため金融業も営んでおり、その収益の一部が幕府に入っていたのです。

 ただし、借銭・利銭、祠堂銭などによる当事の金利は年利で5~8割にものぼるとみられたいへん高利であり、返済は容易ではなかったのです。そのため、御家人階級や農民の生活を圧迫し、土一揆や国一揆などの要因となりました。


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by nihonkokusai | 2011-10-20 14:53 | 金融の歴史 | Comments(0)

23日のEU首脳会議で欧州の信用不安は払拭できるのか

 欧州連合(EU)は現在27か国で構成されているが、ユーロ圏と呼ばれるものはユーロを通貨として採用しているEU加盟国によって構成されており、それは現在17か国となる。23日に開かれるのは、正確にはEU首脳会議とユーロ圏首脳会議である。

 現在、ユーロ圏を構成しているのは、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、ギリシャ、オーストリア、ポルトガル、フィンランド、アイルランド、スロバキア、スロベニア、ルクセンブルク、キプロス、マルタ、エストニアである。

 ちなみに欧州金融安定基金(EFSF)とは、ユーロ圏諸国の資金支援を目的とした基金であり、ユーロ加盟国が株主になっているため拡充案の批准にはこの17か国の議会の承認が必要となったのである。

 EFSFの債券発行には、ECBへの払込資本金の割合に応じて決められたユーロ圏諸国の保証を受けているが、EFSF債がAAAの格付を得るためには、EFSF全体の保証枠のうち、AAA国の拠出分が融資可能額となる。このため、当初の保証枠の4400億ユーロでは2500億ユーロしか利用できなかったため、保証枠を7800億ユーロ程度に拡大させることで、4400億ユーロまで融資可能額を引き上げられることになる。

 このため、もしフランスの格付けがAAAを下回ることになれば、4400億ユーロの融資可能額が引き下げられ、その分、ドイツなどAAA国の負担が増加する懸念が出るなどすることで、フランスの格付けの行方が注目視されているのである。

 18日に英ガーディアン紙はフランスとドイツがEFSFの規模を、現在の4400億ユーロから2兆ユーロに拡大することで合意し、23日に開かれるEU首脳会議で、この案が承認される見通したと伝えた。ユーロ圏関係者からは否定的な発言もあったようだが、フランスの格付け見通しが変更される可能性も出てきたことから、さらなるEFSF拡大策が決定される可能性もないとは言えない。

 ただし、EFSF拡大策については懸念も出てきている。19日にフランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相らがユーロ圏債務危機について協議。その会合にはトリシェECB総裁、IMFのラガルド専務理事、ドラギ次期ECB総裁、欧州連合のファンロンパイ大統領、欧州委員会のバローゾ委員長、独仏の財務相も参加したと伝えられた。この会合はどうやら、トリシェECB総裁への慰労会が目的であったようだが、そこで独仏の意見対立が表面化したようである。フランスのバロワン財務相によれば、ECBとドイツがECBのバランスシート利用に反対したようである。

 また、23日のEU首脳会議では、ギリシャ債務のヘアカット率についての協議も行なわれる可能性がある。ドイツのショイブレ財務相は大幅削減をせざるを得ないとの見方を示しており、フランスのバロワン財務相も以前には慎重姿勢ともいえる発言があったが、最近ではさらなる削減が必要との発言もみられた。

 ユーロ圏内の金融機関に対しては、デクシアの破綻もあり、厳格なストレステストの再実施と、資本増強が不可欠とされる。しかし、公的資金投入となれば日本の不良債権処理の際のように、金融機関側の反発が強まることも考えられるとともに、各国財政への影響も出てくることも予想される。このあたりの協議の行方にも注目したい。

 23日のEU首脳会議に向けては、ギリシャのベニゼロス財務相からは、首脳会議の結果に期待するのは、ほどほどにすべきだとの発言があり、また、ドイツのメルケル首相も、一度の会議で終わらせられるものではないとしたものの、23日の会議では重要な決定がなされるとの発言もあった。

 23日に開かれるEU首脳会議とユーロ圏首脳会議においては、意見の修正が図られれば、ある程度踏み込んだ政策が決定される可能性もある。それが根本的な解決策とはならずとも、決定内容によっては市場の欧州への債務不安を多少なり緩和させることも可能なのかもしれない。しかし、あまり過度の期待も禁物のようである。


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by nihonkokusai | 2011-10-20 08:47 | Comments(0)
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