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「国の借金」

 財務省が発表した「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」によると2010年3月末現在の国の借金である国債と借入金の合計が882兆9235億円となり、過去最高額を更新した。

 主な内訳は普通国債が593兆9717億円、財投債が122兆2253億円、借入金が56兆4063億円、政府短期証券が106兆281億円となっている。

 前年度末に対する増減は、普通国債が48兆360億円の増、財投債が8兆8248億円の減、借入金が1兆1598億円の減、政府短期証券が2兆4545億円の減となった。

 前年度末に対する増減を見てわかるように、国の借金の増加は普通国債の増加によるものである。リーマンショック後の景気の低迷などにより、税収が大幅に減少したことに加え、積極的な財政政策により国債発行額が膨らんだ。

 2010年度も当初予算で44兆円規模の新規国債が発行される。菅財務相は2011年度も44兆円規模に抑えると発言したが、現実にはかなり難しいといわざるを得ない。このまま毎年度50兆円規模もの国債が新規で発行され続けるとなれば、いずれ身動きが取れなくなる可能性がある。
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by nihonkokusai | 2010-05-13 10:42 | Comments(3)

「財政再建」

 英国での総選挙での結果を受けてブラウン首相は辞任を表明し、保守党のキャメロン党首がエリザベス女王から首相に任命された。ただし、保守党は過半数を制していないことで、自由民主党と連立する可能性があり、連立が政権すれば第2次世界大戦後初めてのこととなる。

 財務相にはキャメロン首相と盟友といわれるジョージ・オズボーン議員が就任するとみられているが、オズボーン議員は以前より財政赤字削減を優先する姿勢を示しており、今後は英国でも財政再建に向けての動きが出てくるとみられる。ギリシャやポルトガル、スペインの財政再建の行方も気掛かりながら、この英国の財政再建の行方も要注目である。

 その財政再建は容易なことではないことも確かであり、それは我が国も同様か。昨日、菅財務相は2011年度新規国債発行額を今年度当初の44.3兆円を上限とする考えを表明した。

 税収の大幅に伸びが期待できない中、子供手当ての満額支給などに加え社会保障費の自然増により6兆円規模の歳出増が予想されている。さらに税外収入では今年度のように5兆円規模とみられる埋蔵金は期待できない。子供手当ての満額支給などは再検討される可能性はあるものの、新規国債の発行額を今年度当初予算の44.3兆円に抑えることはかなり困難を伴う。

 鳩山首相はこの菅財務相の発言に対し、それは財務省の思いを述べたもので決してそれが私の考えではないと語り、民主党の高嶋筆頭副幹事長もロイターのインタビューで、党として(認識は)全く共有していないと、菅財務相発言をけん制した。また、高嶋氏は財政健全化法の国会提出についても、国会への提出を急ぐ理由はないとはねつけた。

 また、昨日、仙石国家戦略相は閣議後の記者会見で、「日本の国内総生産はギリシャと比べものにならないぐらい大きい。もしものことがあったときに他国とか国際通貨基金(IMF)の手助けは期待できない大きさということも認識しておかなくてはならない」とも指摘した。

 民主党内での財政再建の必要性を意識しての菅財務相や仙石国家戦略相の発言が、民主党全体の声となってこないところに将来に対する不安が生じる。目先の選挙目当ての政策は有権者から見透かされる可能性もあるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2010-05-12 09:48 | 国債 | Comments(2)

「ECBの国債買入」

 9日に欧州中央銀行(ECB)は国債の流通市場に介入することを発表し、ドイツやフランス、イタリアの中銀などが、国債買入を実施した。1999年のユーロ発足以来、欧州の中央銀行が国債の買入を実施するのは初めてとなる。

 この国債買入は、金融政策の一環としての資金供給手段としている日銀の国債買入とは目的が異なり、国債市場の安定化そのものが目的となっており、極めて異例。ECBとしてもなかなか苦渋の決断であったかと思われる。

 以前に前日銀審議委員の水野温氏氏は2009年5月の「最近の経済情勢と中央銀行の政策対応」という講演の中で、リーマンショック後の対応策として主要中央銀行が行なった国債買入の狙いについて述べている。

 イングランド銀行の国債買入の目的は、中期的なインフレ率目標を達成するためにマネーと信用の供給量の拡大を通じて名目支出を拡大させることとしている。また、FRBについては、国債買入は信用緩和政策の一環と位置付け、モーゲージ金利の低位安定を期待したエージェンシーMBSの購入等を補完することが目的としている。

 これに対して、ECBに関してはユーロ圏諸国の国債買入に慎重であるとし、これはユーロ圏には、財政規律の重要性等が明記された「成長安定協定」が存在し、財政政策との役割分担を明確にしているためと水野氏は指摘していた。

 昨日のブルームバーグのインタビューでECBのトリシェ総裁は、4日のリスボンでの政策委員会では債券購入を協議しなかったことを明らかにした。しかし、週末に政策委が電話で協議し、金融市場が機能不全に陥り、正常な市場機能を回復させる目的で、介入することを決めたと発言している。

 これはつまり、6日のダウ平均株価が一時1000ドル近い下げとなるなど、欧州の財政問題による金融市場の混乱は米国市場などにも大きく影響し、リーマンショック時のように金融システムそのものを揺るがす懸念も強まってきた。

 このため、G7の財務相が週末に電話会談をするとも伝えられたが、特に米国などから欧州に対しての対応策が求められ、それがEUによる最大7500億ユーロ規模の緊急安定化基金の設立とともに、ECBが国債の流通市場に介入することを決定した背景にあると思われる。

 また、トリシェ総裁は、ECBの独立性について、われわれは完璧な独立性を強硬に堅持していると発言したが(ブルームバーグ)、国債の買入については、レーン欧州委員の口から発表されたことをみても、かなり政治的な配慮が意識されての決断であったと思われる。 

 さらにトリシェ総裁は債券購入については圧倒的多数が支持したとして、反対者がいたことを認めた。ECB理事会の票決の内容を公表すること自体も極めて異例のことであり、今回のECBなどによる対応策はまさに異例尽くしとも言える。
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by nihonkokusai | 2010-05-11 09:56 | 国債 | Comments(0)

「欧州発の危機対応」

 ギリシャなど欧米諸国の財政不安にともなう市場の動揺に対し、いろいろな対応策が講じられる。

 欧州連合(EU)は10日に過去最大規模となる最大7500億ユーロ規模のユーロ圏支援基金と、証券買い取りプログラムを公表した。ユーロ圏向け融資の枠組みでは、ユーロ圏諸国政府が計4400億ユーロの資金を提供可能とし、EU予算からさらに600億ユーロを拠出、これに加えて、国際通貨基金(IMF)が最大2500億ユーロを拠出するとか(ブルームバーグ)」

 また、レーン欧州委員は、欧州中央銀行(ECB)が国債の流通市場に介入することを決定したと伝えた(ロイター)。これは政府や民間企業発行の債券をECBが購入する市場介入措置とみられ、ギリシャやポルトガルなどの国債も対象になると予想される。

 そして、欧州の米ドル短期金融市場における緊張が再び高まっている状況を受け、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、米国連邦準備制度、スイス銀行は、時限的な米ドル・スワップ取極の再締結を公表するとし、日銀も同様の措置の導入に向けて速やかに検討を行うこととし、11時から臨時の金融政策決定会合が開催された。臨時の決定会合では、政策金利は全員一致で現状維持としたが、米FRBと米ドルスワップ協定の再締結、そしてドル資金供給オペの再開を決定した。白川総裁はBIS会議でスイスに出張中のため、山口副総裁が14時から記者会見する。

 また、本日日銀は2営業日連続で2兆円の即日資金供給オペを通知した。結局、落札金額は5945億円と今回も札割れとなったが、日銀も欧州発の信用不安の連鎖を断ち切るべく、早め早めに対応している姿勢を示した。

 ギリシャの財政懸念がポルトガルやスペインにも波及に、外為市場ではユーロが大きく売られ、株式市場も下落した。ギリシャやポルトガル、スペインの国債の利回りも上昇し、ロンドンでの銀行間での取引金利、つまりLIBORの3か月物ドル金利や3か月物のユーロ金利が上昇するなどそれぞれの国の国債を抱える銀行への影響なども、懸念されていた。

 これら一連の対応策が発表され、10日の外為市場ではユーロ円が一時120円台を回復し、東京株式市場も米株は下げていたものの、寄り付きから下げ渋りの展開となった。

 とりあえずセーフティーネットが構築され、これにより多少なり不安心理が後退する可能性がある。実際にはギリシャの財政再建の行方が焦点となるが、国民が納得した財政再建が可能となるのかどうか。市場の動揺を完全に押さえ込むには時間もかかりそうである。
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by nihonkokusai | 2010-05-10 13:12 | 国際情勢 | Comments(0)

「米国市場でのパニック的な動き」

 6日の米国市場は、まさにパニック的な動きとなった。米ダウ平均は一時前日比998.50ドル安と取引時間中では過去最大の下落幅を記録し、リーマン・ショック時の下げ幅をも超えた。この米株の大幅な下げの要因は、ギリシャやポルトガルなど南欧諸国の財政問題などがあるが、株の下げを加速させたとは、どうやら誤発注が要因ではなかったかとの指摘がある。

 確かに、特に大きな材料が出たわけではない中でのこの急落は、そういった技術的なものである可能性が高い。WSJによると、シカゴ・マーカンタイル取引所のe-minisで1600万単位とすべきを160億単位としたのではないかとの指摘がある。また、プロクター・アンド・ギャンブル社やスリーエムなどダウ平均構成銘柄の一部が急落するなど、不自然な動きも指摘されていた。

 一時1万ドルを割り込んだダウ平均はさすがに引けにかけて値は戻したが、結局、前日比347.80ドル安の10520.32ドルで引けた。この米株のパニック的な売りにより、質への逃避の動きから米債は買われ、10年債利回りは一時3.26%にまで急低下した。結局、株の下げ幅縮小で米債は戻り売りも入ったが、それでも米10年債利回りは前日比0.15%低下の3.39%に。米2年債利回りも一時0.65%まで低下して、同0.08%低下の0.78%に。

 このパニック的な動きは当然ながらも、外為市場にも波及し、質への逃避の動きが強まると何故か、安全資産と見なされているらしい円が買われる構図となり、米長期金利の低下による日米金利差縮小なども意識され、円買いドル売りが進行し、ドル円は一時87円95銭をつけた。円は対ユーロでも大きく買われ、ユーロ円は一時110円49銭をつけた。さすがにこの急激な円高は多少修正されたものの、今朝のオセアニア時間でのドル円は90円70銭近辺、ユーロ円は114円50銭近辺と昨日のドル円し93円台、ユーロ円は120円台に比べると、かなりの円高となった。また、ニューヨーク原油先物も急落しており、時間外取引で一時74.58ドルまで下げ、金先物はリスク回避の動きからやはり時間外で1200ドル突破した。

 米株式市場の誤発注が要因であったとしても、これだけ他市場に影響が出たということは、それだけ市場は神経質になっているとも言える。ギリシャの財政問題が長期化し、それが他の国々にも影響を与えており、対策は講じられても、不安心理は沈静化せず、むしろさらに高まってきているとも言える。

 この円高と米株安を受けて、本日の東京株式市場は大幅下落となり、前日比400円を超す下げとなったが、日銀は前場寄り付き後に全店方式の共通担保資金供給オペで2兆円を即日供給した。即日供給オペは追加緩和が実施された翌日の2009年12月2日以来約5カ月ぶりとなる。

 日銀は「潤沢に資金供給することで市場の安心感を高めるのが狙い。国内市場で問題が起きているというようなことを認識しているわけではない」(金融市場局)とコメント(ロイター)。米国市場でのパニック的な動きの影響による急激な円高と株式市場の大幅下落を意識した動きと思われる。

 債券市場では6日の寄り付きとまったく同じように買い気配を切り上げて、140円08銭で寄り付いた。ちなみに6日の寄り付きは140円07銭。また長期金利も昨日同様に1.250%に低下した。米市場のパニック的な動きにより、質への逃避として「安全資産」としての円や日本国債に資金が向かった。しかし、本当に日本国債は安全資産と呼べるものなのか。いまのところ信認されていることは確かであろう。しかし、その信認にクエスチョンマークが少しでも付くようだと、リスク資産に転じてしまう可能性がないとは言えない。いったん信頼に傷がついてしまうと今回のギリシャ国債と同様なことが起き得る。この点は十分注意すべきことである。
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by nihonkokusai | 2010-05-07 09:47 | 債券市場 | Comments(0)

5月の債券相場予想(修正分)

 格付会社S&Pによるギリシャやポルトガル、そしてスペインと相次いだソブリンの格下げで、欧州の信用不安が再び燻ってきた。ギリシャは5月19日に期限を迎える大規模な国債償還の資金を得ることが可能になるのかどうかが目先の焦点となる。当面はこの欧州の信用不安が相場の不安定要因となりそうである。

 また、英国では5月6日に実施される総選挙次第では政権交代の可能性もあり、財政悪化の続く英国の動向も注目材料となる。

 国内では小沢幹事長は起訴相当との検察審の議決や、米軍普天間飛行場の移設問題を抱え、ここにきてさらに支持率を下げている鳩山政権の行方が不安定要因となる。5月政局ともなれば円安・株安を招きかねないが、債券の先行きについては財政問題の行方次第となりそうである。

 10年債利回りは1.3%を大きく割り込んできたが、ここにきての長期金利の低下は内部要因によるものではなく、ギリシャ問題など外部要因によりもたらされた。このため、欧州での財政懸念が後退すれば、1.2%台では高値警戒により戻り売りも入りやすい。

 債券先物中心限月の建て玉は徐々に積みあがり、28日には8兆円台に乗せてきている。また、債券先物中心限月の日足チャートを見ると、窓を空けての上昇ともなっている。4月27日から28日にかけての139円40銭から139円62銭の窓、4月16日から19日かけて空けた138円99銭から139円15銭の窓がある。また、中心限月移行の際に空けた139円44銭から140円22銭の窓も空いている。さらに、ゴールデンウイーク明け5月6日の債券先物は南欧の財政問題の再燃により、中心限月としては3月10日以来の140円台乗せとなり、30日の高値139円75銭から窓を空けた。いずれかのタイミングでこれらの窓を埋めてくる可能性がある。

 国内経済を見てみると、中国など新興国経済の強まりを背景に、輸出・生産は増加を続け、3月の鉱工業生産は前月比0.3%の上昇となった。個人消費も政府による経済対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直しており、3月の家計調査でも実質消費支出は前年同月比で4.4%増となった。ただし、雇用については3月の失業率が5.0%と高い水準となっているなど、改善の足取りは鈍い。物価については3月の消費者物価指数(除く生鮮食料品)は、前年同月比1.2%の減少と13か月連続の減少となった。

 今後の見通しについては、上海万博を開催中の中国を主体とした新興国の成長や、米経済の回復などを背景に輸出は増加を続けると予想される。それにより企業業績も回復基調を続けるものと思われる。それにより設備投資や雇用・所得環境の改善も見込めるものの、改善は緩やかなものとなりそうである。物価に関しては、日銀は4月の展望レポートで2011年度の消費者物価指数(除く生鮮食料品)の見通しを、1月時点のマイナス0.2%からプラス0.1%に上方修正しており、今後はマイナス幅は徐々に縮小すると予想される。
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by nihonkokusai | 2010-05-06 10:39 | Comments(1)
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