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「具体的目標が示されない財政再建策によるリスク」

 7日付けの日経新聞朝刊などによると、中期的な財政運営に関する検討会は6日に、中長期の財政運営戦略と今後3年間の予算編成指針の策定に向けた論点を提示した。

 中長期の財政運営戦略ではプライマリー・バランスについて「赤字削減」「均衡」「黒字化」の方向性を示し段階的に改善するとした。ただし、具体的な日程には触れていない。

 2010年度末に862兆円に達する見通しの公的債務残高のGDP比については、安定的な縮減を最終目標に上げたが、具体的なGDP比目標値や日程にはやはり触れていない。

 中期財政フレームでは11年度から13年度までの歳出の大枠を示す必要性を明記。減税や歳出増に見合う財源を確保する「ペイアズユーゴー原則」の導入も求めた。

 このように、中長期の財政健全化目標と当面の予算編成指針論点の両方ともに具体的な数値目標などは織り込まれなかった。ただし、「経済成長による税収増をあてにせず健全化の道を探るようにクギを刺した」とも日経にあり、これは亀井金融担当相などを意識しての発言のようにも思われる。

 日経でも成長率との連動性が高い所得税や法人税など直接税依存の税収構造を変えることも課題になるとしているが、ここには消費税の引き上げは避けて通れないものとなるはずである。しかし、鳩山首相自ら消費税上げを封印している以上は、ここに踏み込めずそれにより具体的な目標が示しにくい面もありそうである。

 議論の司令塔不在についても日経は報じている。検討会には仙石国家戦略相や野田財務副大臣など民主党内では財政規律を意識している人物が中心メンバーとして参加しているが、どうやらこれについては誰も主導権は握りたくない様子でもある。橋本政権時の苦い経験もあるであろうが、あの時代以上に日本の財政は危機的状況を迎えていることも確かである。

 このままの財政悪化が続くとなれば、数年先まで国家財政が持つという保証すらない。国債が財政悪化が売り込まれてからでは遅すぎるが、市場のシグナルを確認するまではどうやら動く気もないように思われる。
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by nihonkokusai | 2010-04-07 10:36 | Comments(0)

「良い金利上昇と悪い金利上昇のハイブリッド化」

 米国では4月5日に長期金利が4%台に乗せてきた。この背景には米経済指標を受けての米景気の改善観測がある。つまり良い金利上昇と言える。

 2日に発表された3月の米雇用統計では、非農業雇用者数は前月比16.2万人増となり市場予想は下回ったものの、民間部門の雇用改善が意識された。5日に発表された3月ISM非製造業指数は2006年5月以来の高水準となり、製造業だけでなくサービス業も回復基調が顕著となってきた。

 米国の経済回復の背景には、中国など新興国の経済成長がある。これは当然ながら日本経済にもプラス要因となっている。4月1日に発表された日銀短観では、大企業製造業DIはマイナス14と大きく改善した。ただし、新興国の経済成長は資源価格の上昇も招き、ニューヨーク原油先物は5日に一時86.90ドルと1年半ぶりの高値をつけた。

 日本の長期金利は3月に昨年11月以来となる1.4%をつけてきた。この背景にはギリシャの財政懸念などを受け、日本の財政悪化を意識しての海外ファンドなどからの仕掛け的な売りがあった。しかし、ギリシャの財政懸念などを背景としての悪い金利上昇は、次第に影を潜めてきた。

 3月末の国内投資家による10年債主体の押し目買いにより、10年債利回りは30日の1.400%から4月2日には1.350%まで低下した。しかし、その後は米長期金利の上昇などから日本の長期金利も再び上昇基調となっている。

 そしてここにきての円安株高も日本の長期金利上昇の要因となりつつある。リスク回避の動きの反動によりこれまで買われていた円がドルやユーロに対して反落し、この円安や景気回復を受けて、日経平均株価は11000円台で堅調に推移している。

 当面の日本の長期金利は、米金利上昇や円安・株高などを背景として、再び上昇圧力を強めることが予想される。日本の景気回復も顕著となれば、日銀も追加緩和策に動くための名目を失うこととなり、「デフレ」を理由としての金利低下圧力も後退してくる可能性がある。

 そこに日本の財政悪化を意識した悪い金利上昇も加わってくる可能性がある。国内資金で95%を賄っている日本国債には、財政悪化は意識されていても本当の意味での危機意識に欠けている面がある。しかし、来年度の新規国債の発行額がすでに50兆円を超すとの予想も出ているなど、先行きを考えればいくら現状が経常黒字国とは言え、今後もこれだけの国債が消化可能という保証はない。それは国債を主に購入している投資家が最も敏感に感じている部分でもなかろうか。

 このため、今後は良い金利上昇と悪い金利上昇のハイブリッド化が進む可能性も否定できない。つまりはファンダメンタルズの改善と国債需給悪化懸念が債券相場の上値を抑えてくる可能性がある。長期金利の急上昇は考えづらいが、じりじりと上昇基調を強めて、目先は1.5%をうかがう場面もありそうである。
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by nihonkokusai | 2010-04-06 09:50 | 国債 | Comments(0)

「3月の米雇用統計」

先週末に発表された3月の米雇用統計では、非農業雇用者数は前月比16.2万人増となり、2か月ぶりの増加で、増加幅は2007年3月以来3年以来の大きさとなった。市場予想は下回ったものの、国勢調査のための臨時雇用で大幅増加が予想された政府部門の増加は3.9万人増に止まり、2月が大雪の影響で減少した反動もあったものの、それでも思った以上に民間部門の雇用がしっかりと意識された。また、加えて前月分も3.6万人減から1.4万人減に上方修正された。3月の米失業率については、9.7%と3か月連続での横ばい。

先週末はグッドフライデーで、米株式市場は休場となっていたが、債券市場は正午までの短縮取引となった。米債券市場では、この雇用統計を受けて10年債利回りは一時3.94%と2009年6月11日以来の水準に上昇した。また、FRBは5日に公定歩合などを議題に会合を開くと発表し、公定歩合の再引き上げ観測も出たこともあり、2年債も売られ、米2年債利回りは前日比0.05%高い1.10%に上昇した。

米長期金利は心理的な節目とみられる4%に再び接近している。公定歩合引き上げ観測もあり、近いうちに4%をワンタッチしてくる可能性はある。ただし、米長期金利が4%を大きく上回って推移することも考えづらい。
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by nihonkokusai | 2010-04-06 09:49 | Comments(0)

「債券相場の動向」

現物10年債は29日に1.395%、そして30から1日にかけて1.400%まで売られる場面があったが、4月1日に発表された日銀短観では、大企業製造業DIはマイナス14とほぼ予想通りの数値となった。短観の数値を確認したあと、期末で買い控えていた銀行・生保・年金など国内投資家からの買いが入ったとみられる。

この日の朝方に1.4%をつけていた10年306回債の利回りは、1.355%まで低下。また30日に2.175%まで売られていた20年116回債も2.130%が買われ、また5年88回債も0.520%に利回りが低下した。

債券先物は朝方つけた138円11銭から、海外ファンドの買戻しも誘って138円72銭まで買い戻された。2日には先物オプション絡みの買戻しも入ってか、先物は138円83銭をつけた。しかし、急ピッチの戻りの反動もあり、その後は戻り売りが入り上値が重くなった。

日本の財政悪化などを意識した海外ファンドの短期的な売り仕掛けは、今回も国内投資家による買い需要の強さに買い戻しを余儀なくされた格好に。ギリシャの財政問題も後退するなど、世界的な財政悪化を懸念した動きはいったんは収まりつつある。日本でも郵貯の預け入れ限度額の2000万円への引き上げなどから財政規律の緩みなどが意識された。しかし、財政悪化を意識して売るにも材料不足か。ただし、政府が6月にまとめる中期財政フレームと財政運営戦略の動向などには注意したい。

需給面では投資家による期初の買い圧力が強いとみられることで、押し目買いなどから当面は下値の堅い展開が予想される。しかし、10年債利回りでの1.3%近辺では上値も重くなるとみられ、当面は10年債利回りは1.3%台での狭いレンジ内での動きを予想している。

6日には国内では10年国債の入札を控えているが、米国はこの週に10年価連動債、3年債、10年債、30年債の国債入札を控えている。前回の米5年債、7年債入札が低調な結果となっていたことで、この一連の入札状況にも注意が必要か。

6日から7日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催される。今月は4月ということで27日にも決定会合が予定されている。3月17日に日銀は追加緩和を行なったばかりであり、この影響を見極めたいとして7日の決定会合では特に政策変更等はないと思われる。
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by nihonkokusai | 2010-04-06 09:49 | 債券市場 | Comments(0)

「2008年度末と2009年度末の債券比較」

 2009年度の債券先物中心限月の大引けは138円22銭となった。2008年度末の大引けは138円15銭であり、わずかに7銭差しかなかった。それだけ2009年度の債券相場は、動かなかったということになりそうである。

 2009年度の債券先物中心限月(9時~15時)の高値は12月1日の140円48銭、安値は6月11日につけた135円47銭であった。

 安値をつけた6月は補正予算に絡んだ国債増発がスタートするなど国債需給への懸念とともに、政府が6月の月例経済報告で基調判断から「悪化」の表現を削除するなど景気の回復期待が背景にあった。そして、高値をつけた12月1日は、日銀が臨時会合を開催し、追加緩和を決定した日である。

 現物債を見てみると10年306回債の2009年度の引けは1.395%となった。2008年度末の引けは1.340%となっており、0.055%の利回上昇となった。2009年度の長期金利の推移を見ると、最高利回りはやはり2009年6月につけた1.560%であり、最低利回りは12月につけた1.190%であった。

 2年291回債の利回りの2009年度末は0.170%の引けとなったが、2008年度末の利回りは0.410%であった。さすがに年度内2度の日銀の追加緩和が効いて、0.24%と大きく利回りは低下していた。

 5年88回債の2009年度末の利回りは0.550%だが、2008年度末の5年債利回りは0.780%と、やはり2年債と同様に0.23%の低下となった。

 ただし、超長期債を見てみると20年116回債利回りの2009年度末の引けは2.170%となり、2008年度末の引け2.135%からは、0.035%とわずかながらも利回りは上昇した。 30年債の2009年度末の引けは2.295%だが、2008年度末は2.030%と、こちらはほとんど変わらずとなっていた。

 つまり債券先物や長期債、超長期債はほぼ2008年度末の水準近くで2009年度の引けとなったものの、中短期債は日銀の追加緩和の影響などから大きく低下していたと言える。

 2009年度は政権が変り、ソブリンリスクが高まるなど材料は豊富であったが、長期金利の居所だけから見る限り、大きな変化はなかったと言える。もちろん日銀の追加緩和などが相場のアンカーになったことも確かである。 ちなみに2009年度末の日経平均株価は11089.94円で大引けとなったが、こちらの2008年度末は8109.53円であり、ここからは3000円近くの上昇となっていた。
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by nihonkokusai | 2010-04-06 09:49 | 債券市場 | Comments(0)

「日銀短観」

 日銀が発表した3月の日銀短観によると、大企業製造業の業況判断指数(DI)はマイナス14となり、昨年12月の前回調査のマイナス25から11ポイント改善し、4四半期連続の改善となった。ほぼ事前予想に近い数字となった。大企業製造業の業況判断指数(DI)の6月は予想マイナス8とさらなる改善を見込んでいる。

 大企業非製造業の業況判断指数(DI)はマイナス14とこちらは4期連続の改善となった。中堅企業製造業のDIはマイナス19、非製造業はマイナス21。そして中小企業は製造業のDIがマイナス30、非製造業はマイナス31で、いずれも改善した。

 また、大企業製造業の2010年度の想定為替レートは1ドル91円00銭となり、前回12月調査時の2009年度計画の92円94銭からやや円高に修正された。

 2010年度の設備投資計画は、大企業・全産業は前年度比マイナス0.4%、中堅企業・全産業はマイナス5.6%、中小企業・全産業は同マイナス19.4%となった。
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by nihonkokusai | 2010-04-01 15:49 | 景気物価動向 | Comments(0)
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