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「香港で人民建て国債を発行」

 中国の財務省は、香港で初めて人民建て国債60億元を28日に発行すると発表したそうだ(9月9日付日経新聞)。中国本土外での始めての元建て国債となり、外国人投資家の購入も認める見通し。

 中国国内で発行されている国債は、現在一部の国外機関投資家による投資が認められているものの、購入額に上限があるため、海外投資家による投資は進んでいないが 「香港は中国の一部ながら投資の自由が確保されており、今回の国債発行をきっかけに海外投資家による元建て国債の購入が積極化する可能性がある。

 日本の国債については、特に海外投資家の購入は制限されていないものの、海外投資家のシェアは6.4%しかない(2009年3月末現在)。これは海外投資家に多くを頼らずとも、国内資金でしっかり消化されているため。しかし、貯蓄率は低下傾向、さらに少子高齢化なども今後は影響し、国債へ向かう原資そのものが今後減少していく可能性があり、世界的な国債市場に中国も加わってくるとなると、さらに競争も激化することも考えられ、日本も海外投資家へのアピールをさらに強化する必要もありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-09-09 09:20 | 国債 | Comments(0)

「今週から月末にかけての債券相場の予想」

 今年は今月21日から23日までが連休となり、その前の土日を合わせると5連休となることで、ゴールデンウイークならぬシルバーウイークと呼ばれている。9月は国債の償還月であり大量の国債の償還と利払いは24日に行なわれ、同時に約7.8兆円もの国債が発行される。

 この大量の国債償還に伴う投資家の買いなどを背景に、債券先物は9月2日にかけて上昇基調となり139円60銭まで上昇した。現物債も5年債が9月3日と4日に0.580%まで利回りが低下し、10年債は1日につけた1.285%が利回りとしてはボトムとなり、その後の利回りは上昇基調となった。

 現物債は5年の0.6%割れ、10年の1.3%割れでは、それぞれ高値警戒感もあったが、売り方も慎重となっていた。しかし、先週末にかけての米債の反落などもあり、現物債には利益確定売りが特に長い期間の債券主体に入るとともに、債券先物は、これまで買いポジションを積み上げていたとみられるCTAといった海外投資家の調整売りが入ったとみられる。

 9月は銀行などの中間決算期末でもあり、ここにきて期末を意識しての長期債などを中心に利益確定売り動きが入っていたが、間決算期末を意識しての動きは、今週あたりがピークとなりそうである。

 さらに今週は10日に債券先物9月限の最終売買日もあり。ここにきての債券相場はかなり波乱含みの様相ともなっている。債券先物は9月2日につけた139円60銭を高値に調整局面となり、7日には138円68銭まで売られ、直近高値からはすでに1円近い下げとなっている。

 7日の債券先物9月限の建て玉は4日に比べて1兆円近く減少したが、12月限は5千億円程度の増加に止まるなど、ロールオーバーに加えて、ポジションの調整もかなり進んでいる。このため、債券先物のポジション調整の動きは9日あたりまでとなりそうである。このため、中間決算期末や債券先物の9月限の売買最終日に伴う債券相場の調整は、今週あたりがピークとなる可能性がある。

 14日以降は銀行が今度は決算を控えて動きにくくなる中、あらためて海外投資家が先物に新規ポジションを建ててくる可能性もある。債券相場は参加者が限られた中にあって、波乱含みの展開も予想される。ただし、シルバーウイーク後は徐々に落ち着きも取り戻し、月末にかけては投資家の押し目買いなども入り、底堅い動きとなりそうである。
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by nihonkokusai | 2009-09-08 09:50 | 債券市場 | Comments(0)

「子ども手当」


 民主党の公約から今度はあらためて「子ども手当」を見てみたい。公約では年額31万2000円の「子ども手当」を創設するとしている。

 この政策目的は、次代の社会を担う子ども1人ひとりの育ちを社会全体で応援するため。子育ての経済的負担を軽減し、安心して出産し、子どもが育てられる社会をつくる。

 具体策として、中学卒業までの子ども1人当たり年31万2000円(月額2万6000円)の「子ども手当」を創設する(平成22年度は半額)。相対的に高所得者に有利な所得控除から、中・低所得者に有利な手当などへ切り替える。所要額としては5.3兆円程度を予定している。

 もうひとつ、公立高校を実質無償化し、私立高校生の学費負担を軽減するともしている。

 この政策目的は、家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生・大学生が安心して勉学に打ち込める社会をつくる。

 具体策としては。公立高校生のいる世帯に対し、授業料相当額を助成し、実質的に授業料を無料とする。私立高校生のいる世帯に対し、年額12万円(低所得世帯は24万円)の助成を行う。大学などの学生に、希望者全員が受けられる奨学金制度を創設する。所要額9000億円程度を予定。

 9月3日の産経新聞によるとこの「子ども手当」の制度創設のための関連法案を今秋の臨時国会で成立させる方針を固めたそうである。それとともに子ども手当とセットで実施する可能性もあった配偶者・扶養控除の廃止については切り離して実施するとし、これらの動きは来年7月の参院選対策の意味合いがあると指摘している。

 少子高齢化を見据えた「子ども手当」については、英国やドイツなどでも所得制限なしに実施されており、子供のいる家庭の育児負担の軽減は消費喚起等を含めて一定の効果はあろう。しかし、この5.3兆円もの手当てにより日本経済全体を下支えるような効果が本当にあるのかは疑問である。選挙を見据えたバラマキとの見方もあろう、さらにこれにも財源という大きな問題がある。セットであったはずの配偶者・扶養控除の廃止は切り離すなど、結局残るのは国の借金だけという事態にもなりかねない。この政策についても、実施する際には財源をしっかり明確化するべきであろう。
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by nihonkokusai | 2009-09-07 10:14 | 国債 | Comments(2)

「ねこやんさんの一年忌」


 今日でねこやんこと根谷さんが亡くなられて1年が経ちました。ねこやんさんが亡くなったすぐあとにリーマンショックが起こり、世界の金融・経済は未曾有の混乱となりました。天国のねこやんさんは、これをどのように見ていたのでしょう。もし生きていらしたら、クレジットの動向などに精通していたねこやんさんのことですから、適切なアドバイスを貰えたはずです。

 私のハンドルネームをウシクマでなくギュウクマと呼ばれていたねこやんさん。話を聞きに行くと「ギュウクマさん、それは甘いで」と、いつも厳しいながらも適切なアドバイスをくれていました。一緒に10周年記念パーティーをやろうと言っていたのに、それはかなうことができませんでした。いつも明るく元気を与えてくれたねこやんさん、あらためてご冥福をお祈りします。これからも私たちや金融市場を暖かく見守ってください。
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by nihonkokusai | 2009-09-07 09:39 | 債券市場 | Comments(1)

「高速道路の無料化」

 民主党の公約では、子ども手当てやガソリン暫定税率の廃止、高速道路の無料化などの家計支援策は初年度に約7兆円、農家への個別所得補償なども加えると2013年度には16.8兆円に広がる(9月3日日経新聞)。

 暫定税率の廃止により2.5兆円の減税となり、高速道路の無料化(首都高速。阪神高速を除く)では国民負担は2兆円程度軽くなると民主党は試算している。

 民主党のマニフェストでは下記のように記載されている。

 高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る。

 政策目的は、流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。

 具体策としては、割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく。所要額は1.3兆円程度

 9月4日付けの日経新聞によると、日本の高速道路料金は普通車で150円の基本料金に走行距離1KMあたり24.6円かかる計算となっている。米国やドイツの高速道路のほとんどが無料であり、フランスがおよそ半分、イタリアは三分の一だそうである。日本の高速料金が高いのは通行料で建設費を賄わざるを得なく、不採算の高速道路建設に充てるため、いまだにほとんどの路線で料金が徴収されているのが現状である。

 高速道路の無料化による環境問題や鉄道・フェリーなど公共交通機関への影響を懸念する声もあるが、そもそも不採算の高速道路をあちこち作ってしまったツケを高速料金として国民が支っている状況を考えれば、財源問題などがクリアーできれば、料金の引き下げや無料化はある意味当然行なわれてしかるべきと思う。

 しかし、その財源は大きな問題となる。日経新聞では高速道路の建設に絡む有利子負債は3月末で30.7兆円となり、これを高速6社が年間で約2.3兆円の料金収入の大半を充てている。無料となれば当然ながら料金収入はなくなる。民主党は、この負債をほかの国の借金と同様に60年間で返済する計画で、そうなれば国の長期債務残高の約600兆円にこの30兆円が上乗せされる。それでも年間の元本と利息の支払いで年間1.3兆円の財政負担で済むとして、所要額は1.3兆円程度となっている。ただし、6社で6千億円の高速道路の維持管理費はこれには含まれていない。

 すでに抱えてしまった有利子負債はいずれ何らかのかたちで処理せざるを得ない。料金収入に頼らないとないのは良いとしても、それが国の債務に上乗せされ将来の国民負担を増加させることとなれば、むしろ結果として債務削減を遅らせてしまうことにもなりかねない。また、高速道路の安全面を考慮すれば維持管理費は今後も必要となり、首都高速や東名高速などの老朽化等を考慮すればさらに大きくなる可能性もある。やはり財源はかなり問題も含んでいると思われる。
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by nihonkokusai | 2009-09-04 11:00 | 国債 | Comments(4)

「暫定税率の廃止」


 総選挙の結果、政権を担うことになる民主党の政権公約に「暫定税率の廃止」が含まれている。民主党のマニフェストをあらためて確認してみたい。

 目的を失った自動車関連諸税の暫定税率は廃止するとし、その政策目的は、「課税の根拠を失った暫定税率を廃止して、税制に対する国民の信頼を回復すためとある。 そして、2.5兆円の減税を実施し、国民生活を守る。特に、移動を車に依存することの多い地方の国民負担を軽減する。

 ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率は廃止して、2.5兆円の減税を実施する。このため所要額は2.5兆円程度となる。将来的には、ガソリン税、軽油引取税は「地球温暖化対策税(仮称)」として一本化、自動車重量税は自動車税と一本化、自動車取得税は消費税との二重課税回避の観点から廃止するとしている。

 暫定税率についてはこれまでの与野党の大きな争点のひとつとなっていたが、公約に掲げた民主党が政権を取ったことで、暫定税率は廃止される可能性が高まった。

 これにより消費者負担が軽減されることは確かである。特に地方では自動車が重要な足となっており、我が家でも自動車は2台保有している。暫定税率の廃止により特に地方の住民に対しての恩恵は大きそうである。ある意味、交通の便に恵まれている都心に対しての格差是正といえるのかもしれない。

 暫定税率の廃止については、税収という側面から見ると、それでなくても税収が大きく落ち込んでいる中にあって、さらに2.5兆円もの削減はかなり厳しいものとなろう。暫定税率が廃止されると、2010年度の税収は40兆円を割り込む可能性も指摘されている。

 そして、物価の面からみると昨年のように原油先物価格の急騰などでインフレ圧力が強まっている状況から、現在はやや原油先物は値を戻しているもののインフレ圧力はかなり後退している状況にある。7月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月比2.2%の低下と、過去最大の下落率を記録している。暫定税率の廃止はインフレ圧力を緩和するためでもあったかと思われるが、むしろデフレ圧力を強めてしまう結果となる可能性もある。
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by nihonkokusai | 2009-09-03 09:58 | 国債 | Comments(0)

「2009年秋の個人向け国債」


 今月3日から2009年秋の個人向け国債の募集が開始される。募集期間は9月3日から9月30日まで。ちなみに個人向け国債の募集期間は10年債入札日(今回は9月1日)の翌々営業日(金融機関の営業日)から月末最終営業日までとなる。10年国債入札の結果により10年変動タイプの初期利子が決定され、5年固定の条件も10年国債入札日の5年債利回りに応じて決定される。その結果は10年入札日の翌朝8時50分に発表される。

 ちなみに、個人向け国債(固定5年)の条件を決めるための「基準金利」は、募集期間開始日の2営業日前(10年固定利付国債入札日)において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年の固定利付国債の「想定利回り」となる。

 10年変動タイプの初期利子を決める基準金利は10年国債の入札の結果、1.33%となり、変動タイプの初期利子はここから0.8%差し引かれた税引き前での0.0.53%となった。

 5年固定タイプの利率は、年率税引き前で0.60%となり、2006年1月の発行開始以来最低水準となった。日銀の超低金利政策が当面継続されるとの見通しとともに、貸し出しの減少、預金の増加による余剰資金を抱えた銀行が中短期債主体に国債を買い進んでいたことで、5年債の利回りが低下したことが、最低利率となった背景にある。

 個人向け国債の販売額は、ここにきて利率の低さなどが嫌気され低迷しており、今回も販売は苦戦を強いられそうである。
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by nihonkokusai | 2009-09-02 10:44 | 国債 | Comments(3)

「景気動向」

 31日に発表された7月の鉱工業生産指数前月比でプラス1.9%と、5か月連続の上昇となった。製造工業生産予測調査では8月が前月比2.4%上昇、9月も3.2%の上昇となり7か月連続のプラスを見込んでいる。

 9月1日に発表された8月の新車販売が前年比プラス2.3%と13か月ぶりに増加するなど生産は改善傾向を引き続き示している。しかし、新車の販売はエコカー減税や新車購入補助金など政府の対策の影響が大きかったことも確かである。

 これに対し、7月の完全失業率5.7%と前月と比べ0.3ポイント悪化し過去最悪を更新し、。7月の有効求人倍率は0.01ポイント低下の0.42倍とこちらも過去最低を記録するなど雇用環境については改善が見られない。

 また、7月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月比2.2%の低下と、過去最大の下落率を記録した。これは昨年の原油価格など商品価格の急騰の反動といった側面もあるが、景気低迷による価格引下げ競争の影響も出ていた。

 民主党政権となることで、今後は個人消費を喚起するように対策が打ち出される可能性がある。しかし、実際に民主党政権が軌道に乗るまでは時間もかかるとみられる。さらに今年度の二次補正予算や来年度予算についても大きく組み替えられる可能性があるため、即効性のある対策がすぐに打ち出される可能性は少ない。

 ただし、在庫調整が進捗し、エコカー減税・エコポイントといった自民党政権下での経済対策の効果により、自動車や電気機械を中心とした輸出と生産の回復は継続するとみられる。この動きが日本経済全体の裾野を広げた回復に繋がるかどせうかが焦点となろう。雇用や所得環境はより厳しさを増しており、これらが回復してくるかどうが、引き続き今後の焦点となりそうである。
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by nihonkokusai | 2009-09-02 09:57 | 景気物価動向 | Comments(0)

「民主党と日銀のアコード」

 民主党の大塚耕平氏は、8月7日の市場関係者への衆院選マニフェスト(政権公約)説明会で、日銀の金融政策に関連し「中央銀行の独立性は十分理解している」として、日銀の独立性を尊重する考えを示していた。しかし、厳しい経済状況を克服するために、マクロ経済運営で中央銀行当局と財政当局間で共通価値観、何らかのアコードはあり得ると述べ政策目標の共有を示唆した。(ロイター)

 大塚氏は、日銀の国債買い入れ状況について「過去のピークから相当ピークアウトしている状況である。若干の余力があるかもしれない。財政ファイナンスに協力していだたく余力はあると推測している」と述べ、危機時の政策対応余地があることも指摘した。

 白川方明日銀総裁は8月11日の金融政策決定会合語の会見で、「米国の政策アコード導入以前の金融政策は、国債価格のペッグと申しますか、国債価格を支持するということに割り当てられていました。しかし、アコードの導入により、そうしたことから解放されて金融政策が物価安定という目的に割り当てられるように変わり、中央銀行が独立性を回復しました。」と述べている。

 第二次世界大戦後、国債の利払いコストを抑えさらに利上げによる国債価格の下落を回避しようとしたアメリカの財務省と、インフレ抑制のために金融引き締めを主張するFRBとの対立が激化した。このため1951年にトルーマン大統領の調停により、財務省とFRBとの間で「アコード」が成立し、国債管理政策と金融政策が「分離」され、これによって低金利政策は廃止され、FRBは政府からの「独立性」を強めたのである。

 もちろんこういった経緯は日銀出身の大塚氏は理解しての発言であろうが、大塚氏のアコードはこの歴史の経緯から見れば「逆アコード」とも言えるものである。

 11日の日銀総裁会見では、1998年の日銀法改正によって、金融政策については既に独立性、つまり日本銀行の責任と判断で決定するということが法律で定められている点を指摘している。

 野党が与党になり、日銀に対しての風向きも変化してくるのか。民主党が掲げた施策の財源問題があらためて浮上した際には、アコードと称して日銀に国債買入を要求してくるような可能性も否定できない。今後の民主党による日銀への対応は注意深く見ておく必要もありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-09-01 14:45 | 日銀 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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