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「HTVのISSへのドッキングに成功」

 日本の無人輸送機HTVが、予定通りにISSに到着し、本日午前4時50分ごろにロボットアームで捕獲することに成功。そして、7時26分にISSへのドッキングに成功した。

 朝日新聞によると姿勢制御用の噴射機が熱くなりすぎるなど想定外の問題もあったものの、予定通りの位置ど真ん中に送り込むことに成功し、これによって日本の日本の宇宙技術の高さを示すことができた。

 お盆の頃に、親類の家でのバーベキューパーティーに参加したのだが、地元にはHTVの誘導も行なった筑波宇宙センターがあり、参加メンバーの中にJAXAの関係者の方がいた。話を聞いたところH-IIBロケットの打ち上げの際に種子島の地下にいる予定と聞いており、この方も今回の歴史的にミッション成功の一端を担われたと思われる。

 それにしても、すごいことを日本の技術陣がやってくれた。今回の成功でスペースシャトル退役後の日本の役割に対しての世界的な期待も高まった。巨額の費用はかかるもの、ISSに直接参加している日本の意味は大きい。日本の産業育成にもいろいろなかたちでの効果もあるのではなかろうか。とにかくも、ミッション成功おめでとうございます。
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by nihonkokusai | 2009-09-18 13:19 | 趣味関心 | Comments(0)

「日銀は景気判断を上方修正」

 日銀は17日の金融政策決定会合において政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標値を0.1%に据え置くことを全員一致で決定した。また、景気の現況判断については2か月ぶりに上方修正させた。

 発表された「当面の金融政策運営について」では、景気については下記となった。

 「わが国の景気は持ち直しに転じつつある。すなわち、公共投資が増加を続けているほか、内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出や生産も増加している。一方、厳しい収益状況などを背景に、設備投資は減少を続けている。また、個人消費は、各種対策の効果などから一部に持ち直しの動きが窺われるものの、雇用・所得環境が厳しさを増す中で、全体としては弱めの動きとなっている。この間、金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが拡がっている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、下落幅が拡大している。」

 これに対し前回の8月11日の会合では、以下の内容となっていた。

 「わが国の景気は下げ止まっている。すなわち、公共投資が増加しているほか、輸出や生産は持ち直している。一方、厳しい収益状況などを背景に、設備投資は大幅に減少している。また、個人消費は、各種対策の効果などから一部に持ち直しの動きが窺われるものの、雇用・所得環境が厳しさを増す中で、全体としては弱めの動きとなっている。この間、金融環境をみると、なお厳しい状態にあるものの、改善の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、マイナス幅が拡大している。」

 総括が8月の「わが国の景気は下げ止まっている」から今回は「わが国の景気は持ち直しに転じつつある」に上方修正された。輪出や生産の持ち直しの理由を今回は、「内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に」と具体的に示した。設備投資についても8月の「大幅に減少している」から「減少を続けている」と悪化の表現を弱めた。個人消費に関する表現はそのまま。金融環境については8月の「なお厳しい状態にあるものの、改善の動きが続いている」が「厳しさを残しつつも、改善の動きが拡がっている」に上方修正している。物価に関しての表現はほぼ変わらず。

 新興国の回復などを背景にした輸出や生産の持ち直しに、設備投資の悪化がいくぶん弱まったこと、金融環境の改善などにより、今回は景気判断が上方修正されたことが伺える。下げ止まりから持ち直しの動きとなり、持ち直しの動きが今後強まってくるのかどうか。景気は日銀が予想した緩やかな持ち直しというシナリオに沿った動きをしているともいえる。
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by nihonkokusai | 2009-09-17 13:45 | 日銀 | Comments(0)

「鳩山新政権への期待と懸念」

 9月16日に鳩山新政権が発足した。閣僚人事はベテランを配し、民主党内の勢力関係や参院に配慮するなど、結局は自民党型の人事であったように思われる。しかし、あまり斬新な人事を行なってしまうと政権基盤そのものが不安定化してしまうリスクもあるため、ある意味妥当な人事であったかと思う。

 その中にあって金融市場関係者が注目していたのは、財務相と金融担当相の人事であった。その財務相は多くの市場関係者が予想していたように藤井裕久氏が就任した。ところが、金融担当相は予想外の亀井静香氏が郵政問題担当も兼務して就任したのである。

 藤井財務相は初閣議後の記者会見で、政府と日銀の関係について「政府が金融政策に介入すべきではない」と述べ日銀の独立性を尊重する考えを示した。また、為替政策について、輸出のために円が安ければいいという考えは違うと指摘し、為替介入について常識的な範囲ではあり得ないと述べた。

 政府と日銀に軋轢が生まれると日銀が適切なタイミングで金融政策を行なえなくなるリスクがある。米財務省とFRBの関係などを見ても、政府は中央銀行に対して独立性を認める姿勢を強めており、新政権でも日銀の独立性については認める姿勢を示したことは金融市場にとり安心材料ともなる。

 また、経済の財政再建のあり方について藤井財務相は、「財政のために経済をつぶしてはいけない」としながらも「(財政に)野放図でもいけない」とし、財政健全化目標の重要性を指摘した(以上、ロイターより)。財政健全化の長期目標はストラテジーであり、国家戦略局の大きな仕事とも述べるなど、大蔵省出身だけに財政健全化路線も継続され、これは債券市場にとり好材料となろう。

 これに対して、亀井静香氏の金融・郵政担当相の就任は懸念要因と見ざるを得ない。亀井郵政問題・金融担当相記者会見で、中小企業による借入金や個人の住宅ローンなど銀行への返済に一定の猶予期間(モラトリアム)を設ける制度の導入について法案化した上で10月の臨時国会に提出する方針を示した(ロイター)。

 もし、これが本当に実施されれば金融機関の収益を圧迫する可能性があり、また本来退出すべき企業を延命させてしまうというモラルハザードの問題も出てこよう。

 また、亀井氏が郵政担当相を兼ねることで郵政民営化路線が大幅に見直されることは必然であり、時計の針が戻される懸念がある。金持ち優遇批判への観点からの証券優遇税制の廃止などが懸念されるなど、株式市場には大きな逆風となることも想定される。

 鳩山政権は財政については重視するが、金融についてはリーマンショックもあり、また行過ぎた市場主義を是正するため、さほど重きを置いてこない可能性もあり、これは今後、金融市場にとり大きな懸念材料となるかもしれない。
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by nihonkokusai | 2009-09-17 10:20 | 債券市場 | Comments(1)

「亀井郵政・金融担当相と金融市場」


 本日、鳩山新政権が発足する。金融市場では財務相人事を注目していたが、以前に蔵相も務めた藤井氏の起用で安心感も広がった。ところが、意外な人事で市場関係者はやや戸惑いを見せた。防衛相と伝わっていた亀井国民新党代表が亀井郵政・金融担当相に就任したのである。

 小泉改革に異を唱える急先鋒ともいえる亀井氏の郵政担当相の起用で、郵政民営化路線が大幅に見直されることは必然であり、日経新聞の社説でも時計の針が戻される懸念が論じられていた。しかし、市場関係者の間では金融相への就任の方がショックであった。

 持ち優遇批判への観点からの証券優遇税制の廃止などが懸念されるとともに、国民新党が平成20年10月17日に発表した緊急金融安定化対策について、が注目された。この中には、時価会計の無期限停止、自己資本比率の撤廃、ペイオフ制度の適用停止をうたい、大阪証券取引所における日経225先物取引の廃止、なども組み入れられていた。亀井氏は以前に無利子の永久国債を発行せよと発言したこともあったようである。

 リーマン・ショックから1年が経過し、とりあえず金融危機は収束に向かい、景気も底打ちしてきたことでこのような極端な施策を今後、講じてくるとは思えない。しかし、このような方針を打ち出した党の党首が金融担当相となることで、今後の動向を危惧する参加者も多いはずである。
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by nihonkokusai | 2009-09-16 09:41 | 債券市場 | Comments(0)

「リーマン・ショックから1年」

 本日でリーマン・ショックからちょうど1年が経過した。1年経過すると当時の記憶もやや薄れかけてきてしまうため、ここで当時の状況を振り返ってみたいと思う。(拙著「金融のことがスラスラわかる本」の原稿より一部抜粋)

 2008年1月18日に証券化商品を保証していたモノラインと呼ばれた金融保証会社が資本調達難から格下げされた。サブプライム・ローン問題の発生後、モノラインそのものの格下げによって、他の証券化商品や米地方債市場などにも混乱が広がった。

 3月14日に証券化商品を大量保有していた投資銀行のベア・スターンズが資本調達の失敗から資金繰りに行き詰まり、FRBの資金支援のもとJPモルガン・チェースに買収された。

 6月に入り米国で金融株に対して空売り規制が強化され、これをきっかけにヘッジファンドが組んでいた米金融株売り、原油先物買いのポジションの撒き戻す動き強まり、NY原油先物価格は7月11日につけた147.27ドルをピークに急落した。

 7月13日には政府系住宅金融公庫が経営危機に陥り、政府の資本注入などで経営再建を図ることになった。

 そして9月15日、証券化商品により大きな損失を抱えていた投資銀行のリーマン・ブラザーズが、資本調達や身売りに失敗し経営不安に陥り破綻した。大規模金融機関が破綻したことで世界の金融市場は極度の不安に陥り、カウンター・パーティーリスクが強まり、各国の中央銀行は大量の資金供給を行ったのである。

 リーマン・ショックにより、巨大金融機関の破綻がもたらす影響を懸念した米政府は金融機関を破綻させない方針に転じ、FRBは9月16日に米国の大手保険会社AIGに対して緊急融資を行うことを表明した。

 金融機関の不良債権と資本不足の問題に対し米国財務省は最大7千億ドルを投入し金融機関の不良債権を買い取る「緊急経済安定化法案」を議会に提出したが、9月29日に下院で否決された。これは金融市場に再び大きなショックを与え、29日のダウ平均株価は終値で777ドル安と史上最大の下げ幅を記録した。

 米議会は10月3日にこの法案を多少修正した上で認めた。財務省は法案が採り得る施策の自由度が高いことを利用し、この資金を不良債権の購入ではなく金融機関への資本注入に充てることにしたのである。

 アメリカのサブ・プライム問題を発端とする金融危機は世界経済を直撃し、異例のスピードで景気が悪化した。アメリカの雇用は2008年全体の非農業雇用者数は258万人減となり、これは第二次世界大戦が終わった1945年に次ぐ水準となった。2008年は年間ベースで先進国が同時に不況に陥ったが、これは第二次世界大戦後初めての事態となったのである。
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by nihonkokusai | 2009-09-15 09:46 | 投資 | Comments(0)

「リーマンショック一周年記念にお勧めの本(広告?)」


 明日15日でリーマンショックから1年が経過します。リーマンショックは歴史的な出来事として、世界史の教科書にも記述されることと思います。この機会に金融の歴史を振り返ってみてはいかがでしょうか。

拙著「金融のことがスラスラわかる本」では、金融の歴史を日本史と世界史から追っています。できるだけやさしい記述を心がけておりますので、空いた時間にさっと読むことができると思います。「簡単に読めて、だいたいの流れも分かる経済史のベスト」とのコメントもいただきました。

 全国書店もしくはアマゾンにて販売しております。ちょうどアマゾンでは、11月4日まで1500円未満の本を含めてすべての本が送料が無料となっています。このため税込み1365円の
「金融のことがスラスラわかる本」も今ならばアマゾンで送料なしで購入が可能です。ぜひこの機会に御購入いただけるとうれしいです。
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by nihonkokusai | 2009-09-14 12:57 | 国内情勢 | Comments(0)

「90円台前半への円高進行」


 先週末のニューヨーク外為市場では、円高ドル安が進行し、ドル円は90円21銭と2月12日以来の水準をつけた。その後、90円70銭近辺までドルは戻したものの、今朝のオセアニア時間では90円19銭をつけた。

 先週末のニューヨーク市場では、ドルは他の通貨に対してほぼ全面安の展開となったが、ドルに対しての信認低下といったものではなく、投資家のリスク選考姿勢の高まりなどがその背景にある。

 さらに銀行間金利であるドルLIBORが過去最低水準となり、米長期金利の低下なども要因となっている。米国の短期金利がゼロに近く、ドルを借りて他通貨の資産に投資するドルキャリートレードなども入っているのではとの観測もある。

 円はドルだけでなく、やや出遅れ感のあったユーロに対しても大幅続伸となり、今朝のオセアニア時間でのユーロ円は131円47銭をつけるなど、ドル安の動きとともに円高の動きも強まり、この円高の動きは輸出関連企業にとってはやや頭の痛い問題ともなりそうである。

 先週末のニューヨーク市場では、原油先物の下落などもあったが、利益確定売りが入ったこともあり、ダウ平均は前日比22.07ドル安の9605.41ドル、ナスダックは同3.12ポイント安の2080.90となった。

 ニューヨーク原油先物も利益確定売りから5日ぶりの下げとなり、前日比2.65ドル安の69.29と70ドル割れに。そして、ドルから金への動きからか、金の先物は一時1013.7ドルまで上昇し、昨年3月の取引時間中の高値1033.9ドルに接近し、引け値では1006.4ドルとなり、こちらは引け値ベースでの史上最高値を更新した。

 米国債券市場では、先週の3年、10年、30年国債の入札が好調な結果となったこともあり、買いが先行し、米10年債利回りは一時3.27%まで低下したが、やはり利益確定売りに押され、前日比+0.01%の3.35%と3日ぶりに価格は反落となった。

 発表された9月のミシガン大学調べの消費者態度指数速報値は市場予想を上回るも、経済指標に対しての反応は鈍くなっていたが、現在の市場ではファンダメンタルズよりも、投資資金の流れの行方に関心が向かっているように思われる。
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by nihonkokusai | 2009-09-14 09:24 | 投資 | Comments(0)

「危機終焉宣言か」

 ガイトナー米財務長官は10日に議会の不良資産救済プログラム(TARP)監督委員会で証言し、米経済は1年前の「崩壊寸前」の状況と比べて大幅に改善したと指摘した上で、依然問題を抱えていると述べた。

 この中でガイトナー長官は、「米経済が新たな段階に差しかかる中、金融システムへの異例の支援措置の一部を緩和し始める必要がある」とも語ったようである。

 米経済について、オバマ大統領が就任した1月時点の急激な落ち込みの「瀬戸際から引き返した」との認識を示した。この一方で、回復の歩みは良くても緩やかなペースにとどまるの慎重な見方を示したものの、実質的な危機終焉宣言ともいえるような内容となったようだ(以上、ロイターより)。

 高水準の失業率、不安定な住宅ローン市場、商業用不動産業者への融資のひっ迫などの問題を抱えていることも確かであり、回復については緩やかなものとなるとの予想は、日本経済にとっても似たような状況にあると言える。

 ただし、これらの問題が深刻化し、第二のリーマン・ショックを引き起こすほどの破壊力を持つほどのものになることも考えづらい。すでにリーマン・ショックを経験した各国政府や中銀は危機対応能力を図らずも高める結果となっている。

 今後の問題となるのは、回復にかかる時間ではないかと思われる。世界的に株価はリーマンショック前の水準に接近しつつある。インドのハンセン指数やドルベースでの日経平均などはリーマンショック前の水準にまで戻している。しかし、経済全体は回復基調とはなっているものの絶対水準はかなり低い位置にある。株価は世界的な金余りなどによる期待先行の面もありそうだが、ゆっくりながらも実態経済もいずれ追いついてくるものと期待している。
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by nihonkokusai | 2009-09-11 09:01 | 景気物価動向 | Comments(0)

「HTVの打ち上げ迫る」

 宇宙ステーション補給機(HTV)を載せたH-IIBロケットの打ち上げが、本日の深夜、日付が変って9月11日の2時01分46秒に行なわれる。HTV、H-IIBロケットともに日本のロケット技術の集大成のものとなり、今後の有人飛行などに向けて一歩を踏み出すこととなる。

 新型のH-IIBロケット打ち上げの成功とともに、HTVの分離の成功、さらにISSに10メートルまで接近するという超難関なミッションを無事に達成できるのか。ISSに無事ドッキングできれば、日本の技術力の高さを全世界に示すことができる。すでに中国では有人ロケットの打ち上げに成功しているが、日本もそれに近い技術を有していることを示せるチャンスでもある。是非、成功してほしい。

 HTVのプロモーションビデオ http://www.jaxa.jp/countdown/h2bf1/special/movie_j.html
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by nihonkokusai | 2009-09-10 14:08 | 趣味関心 | Comments(0)

「足元景気の状況と先行き」

 9月9日の長崎県での須田審議委員の講演より、足元景気の状況に関する発言部分から見てみたい。

 設備投資、住宅投資が引き続きマイナスとなる一方、純輸出、個人消費、公共投資が全体を押し上げたかたちとなっており、外需の持ち直しと経済対策に支えられた 反発との評価をしている。

 項目ごとの背景からはまず、実質輸出について10~12月期(前期比-14.6%)、1~3月期(同-28.9%)と2期連続して大幅に減少した後、4~6月期は前期比+12.4%の大幅増となっている。7月も前月比+2.3%と増加を続けている。

 この輸出の持ち直しの要因としては、各国で打たれた各種経済対策が奏効し中国をはじめとする東アジアや、米国において、自動車や情報関連といった品目の在庫調整にほぼ目途が立ちつつあねとを指摘している。

 公共投資も、公共工事出来高が4~6月期にかけて伸び率を拡大するなど、経済対策の執行に伴って増加を続け、この経済対策効果は個人消費にも現れている。いわゆるエコカー減税等による自動車販売の持ち直しや、エコポイント制度による家電販売の増加が、4~6月期のGDPベースの個人消費をプラスに押し上げた。

 しかし、7月の完全失業率は5.7%と過去最悪を記録するなど、雇用・所得環境が厳しさを増している点も指摘している。夏場の天候不順もあって、全国百貨店売上高や全国スーパー売上高などでは大幅な減少が続き、7月の家計調査でも実質消費支出の前月比が減少幅を拡大するなど、個人消費の基調は引き続き弱い。

 設備投資も、7月の資本財出荷(除く輸送機械)が前月比-1.3%となるなど、厳しい収益環境や設備過剰感を背景に大幅な減少が続いてる。

 住宅投資も引き続き低調で、3月期末の値下げ販売により1~3月期は年率5万戸近い水準まで回復した首都圏新築マンション販売も、その後は再び4万戸程度の低い水準で推移している。

 以上のような内外需要を背景に、鉱工業生産は持ち直しの動きを続けています。出荷・在庫バランスについても、資本財や建設財では引き続き在庫調整圧力の強い状態が続いているが、耐久消費財や生産財などでは、順調に調整が進捗していると須田委員はコメントしている。

 こういった足元の状況を見て、今後の経済動向に向けて見るべき注意点がいくつか浮かび上がりそうである。まず、輸出については各国で打たれた各種経済対策が大きく影響したとなれば、すでに米国では新車購入支援を中止しており、景気の底打ちが明らかとなりつつある中、政府の支援策は打ち止めとなる公算が高く、それによる効果といったものは今後は期待しにくい。また、公共投資については民主党政権となり、今後は公共工事等は再び低迷する可能性がある。さらに雇用の悪化が続いており、それが個人消費の低迷に繋がっている。このため新築マンション販売の伸びも当面は期待しにくいことも確かであろう。

 しかし、世界的に株価が回復基調となるなど、昨年9月15日のリーマン・ショック後にかつてないスピードで一気に落ち込んだ世界経済は、そこから更に落ち込むことは考えづらく、むしろ緩やかながらも回復してくるとみるのが妥当であろう。もちろん回復には時間が掛かり、生産などの水準がリーマン・ショック前にいきなり戻ることは考えづらい。破壊された機体を、壊れた箇所をひとつずつ直しながら元の機体に戻そうとしている当初段階にあると言える。雇用などについての修復はどうしても後回しにならざるを得ない。たとえ今後政府による支援がなくなっても、それによる落ち込みは一時的なものとなるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2009-09-10 09:49 | 景気物価動向 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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