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「IASBの有価証券新区分案」

 2009年7月14日付けでロンドンに本部をおく国際会計基準審議会(IASB)から金融商品の分類と測定に関するIAS39の改訂(公開草案)が公表された。企業が保有する株式や債券の区分が簡素化されるが、19日の日経新聞が報じたところによると、日本の金融機関の決算への影響も大きく反発の声が出ているようである。

 この素案によると有価証券の分類を「時価評価して決算で損益計上するもの」と「しないもの」の2種類のみに分類し、これまでの「満期保有投資」や「売却可能金融資産」といった複雑な分類を大幅に簡素化する。

 我が国の現在の区分は、「金融商品に関する会計基準」により、「売買目的有価証券」「満期保有目的債券」「子会社・関連会社株式」「その他有価証券」の4つに分類される。現在、銀行などを中心に国内金融機関の保有する大半の国債は、この中の「その他有価証券」に分類されている。

 この「その他有価証券」が、新基準の「時価評価して決算で損益計上するもの」に分類されれば、決算そのものに大きな影響を与えてしまうこととなり、計上しない償却原価となれば、売却益を当期損益に組み入れるといったことができなくなる。

 このため、もしこの区分案が採用されると、特に国債の大口保有者である銀行などの国債保有に大きな影響を与え、国債需給そのものへの影響を指摘する声もある。実際に市場では6月末からの債券相場の上昇課程で超長期債を購入した銀行などが、このIASBの有価証券新区分案の公表をきっかけに売却を急いだのではないかとの観測もあった。

 今後のIASBの有価証券新区分案にも注意しておく必要がありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-07-24 10:18 | 債券市場 | Comments(0)

「6月の貿易統計」


 財務省が23日に発表した6月の貿易統計によると、輸出は対前年同月比35.7%減(5月は同40.9%減)となり、輸入は対前年同月比41.9%(同42.4%)の減少となり、前月に比べ特に輸出の減少幅が縮まった。差し引きでは、5080億円の黒字となったが、貿易黒字が前年同月を上回るのは20か月ぶりとなった。

 地域別にみると
対米国では5月は輸出が37.6%減(5月45.4%減)、輸入が37.9%減(同30.3%減)
対EUでは5月は輸出が41.4%減(5月45.4%減)、輸入が26.2%減(同28.8%減)
対アジアは5月は輸出が30.1%減(5月35.5%減)、輸入が31.7%減(同36.3%減)
対中国では5月は輸出が23.7%減(5月29.7%減)、輸入が26.2%減(同32.0%減)

 輸出・輸入ともに対中国向けの減少幅が縮小し、対アジアでも同様の動きとなった。また対米では輸出が改善したものの輸入はさらに減少幅が拡大した。対米の輸入の減少品目では航空機類が大きく影響した。5月に比べて輸出は総じて改善傾向を示した、輸入についても対米以外は改善を示している。
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by nihonkokusai | 2009-07-23 09:53 | Comments(0)

「日銀ネット」

 日本で最も重要なコンピューター・ネットワークのひとつが日本銀行と金融機関とを結んでいる「日銀ネット」であろう。日銀によると、現在、約400の金融機関等が日銀ネットを利用し、日銀当座預金決済は、1営業日あたり約3.5万件で金額は約121兆円にのぼり、国債決済については1営業日あたり約1.8万件で、金額は約90兆円(2008年中の平均)にのぼっている。

 日銀ネットが稼動を開始したのが1988年であり、すでに20年以上も、日銀の当座預金を用いた金融機関同士の資金決済や国債決済を、大きな障害もなく運用されてきた。また稼動後も、証券と資金の同時決済(DVP、Delivery versus Payment)や、日本銀行当座預金決済および国債決済の即時グロス決済(RTGS、 Real-Time GrossSettlement)化にも対応している。

 しかし、金融のグローバル化や情報技術革新はさらに進展しており、世界の主要な決済システムは、すでに多様な取引・決済ニーズに柔軟に対応するためのシステム基盤の構築努力を続けており、日銀ネットも同様の対応が迫られ、新日銀ネットの構築を検討しているようである。日銀によると、新日銀ネットの構築は、2010年度初よりシステム開発作業に順次着手し、2015年度を目途に開発作業を終了させることを目指し、検討を進めている。(http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc09/data/set0907a.pdf)。

 金融は経済の血液に置き換えられることがあるが、その太い血管の役割を果たしているのが日銀ネットである。金融取引において表立っては見えないインフラではあるが、その重要性は計り知れないものがある。安全で、効率的でなおかつ使いやすいシステム構築は難しいものではあろうが、金融を支えるシステム発展のためにもより良いものを構築していただきたい。
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by nihonkokusai | 2009-07-22 09:46 | 日銀 | Comments(0)

「債券相場への警戒感」

 麻生首相は衆院を21日に解散し、衆院選の投開票日を8月30日とすることを決めた。解散から投開票日までは40日間と現行の憲法下では最長となる。さらに投開票後も特別国会での首相指名選挙や組閣などの準備期間も必要となり、新政権の本格始動は9月中旬以降になる公算が高い(日経新聞)。約2か月に渡り政治の空白期間が継続されることは、市場にも少なからず影響を与えそうである。

 内閣支持率は低迷し続け、都議選を含めた地方選の自民党の連敗により、今回の選挙で民主党が圧勝し、政権を取る可能性が高まった。このため民主党のマニフェストを確認する必要があるが、財源について不透明感もあり、結果として国債増発は避けられないと思われる。

 すでに麻生政権下における経済対策などにより、7月から16.9兆円もの国債増発が開始されている。国債入札そのものは、事前に警戒感も強まっていたことで、業者も投資家も準備を進めていたとみられ、焦点となった7月2日の10年国債入札を含め、今のところ無難な入札となっている。

 好調な入札となっている背景には、大手銀行などが抱えた余剰資金による買いがある。日銀の超低金利政策や企業金融支援特別オペなどに加えて、預金の増加なども手伝いこれにより多額の余剰資金が発生し、この買いが国債主体に入り込み、2年国債の利回りは2005年11月以来の水準となる0.225%に低下し、5年国債の利回りも0.650%と2005年9月以来の水準に低下した。

 民主党が政権を奪取した場合の日銀への対応も金融市場にとりひとつの焦点となる。自民党政権下に比べ、民主党は日銀の独立性をより尊重するとみられており、金融政策へのプレッシャーは軽減される可能性がある。ただし、日銀が金融引き締めに動くにはかなりの時間も有するとみられ、いずれにせよ政治との軋轢は当面回避されよう。

 このため債券相場への影響としては国債の需給面がより意識されよう。7月は警戒心も強かっただけに今のところ無難なものとなっている国債入札だが、今後もこのまま順調に消化されるかどうかはわからない。8月は政治の空白に加え、夏休みという要因もある。余剰資金を抱える銀行の買いがいつまで継続するのかも不透明な部分がある。

 そして、景気の動向については、中国やインドなど新興国の景気がしっかりしており、政府の経済対策効果もあり、当面は緩やかながらも回復基調と見ている。ここにきて株価も世界的に堅調地合となりつつあり、これは債券の上値を抑えそうである。ただし、物価に関しては低下基調が継続し、デフレが意識されると債券にとっては下支え要因となる。
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by nihonkokusai | 2009-07-21 12:28 | 債券市場 | Comments(0)

「7月15日の日銀総裁記者会見より」

 7月15日の日銀総裁記者会見の要旨が日銀のサイトにアップされ、今回はその中でも、企業金融支援特別オペに関する部分を見てみたい。15日の金融政策決定会合では、CP買入れ、社債買入れ、そして企業金融支援特別オペを12月まで延長することを全員一致で決定した。

 オペの頻度を月2回実施に戻すなど減らすことや、資金供給額を無制限ではなく上限を限定すること、金利そのものを引き上げるといった修正は今回加えられず、「状況が改善すれば打ち切る」といった出口を意識したような明確なメッセージは打ち出されなかった。

 また、前回の企業金融支援特別オペの期間延長が2009年3月末から9月末と6か月間であったことで、今回も6か月の延長との見方もあったが、今回は12月末までと3か月の延長に止めた。

 総裁は企業金融支援特別オペなどの延長の理由については下記のように述べている。

 「企業からみますと、厳しい収益環境が続く中で、在庫調整が一巡した後の景気回復の足取りなどについてなお不確実な面が大きく、今後の資金調達環境に対する不安感を払拭できない状況にあるのだろうと推測しています。こうした情勢判断を踏まえて、企業金融の円滑化を引続き図っていく観点から、今回措置を延長することとしました」

 「CP・社債市場の機能は着実に回復しつつあります。銀行貸出は、大企業向けを中心に高めの伸びが続いているほか、資金繰りや金融機関の貸出態度は、大企業・中小企業とも、方向としては幾分改善しています。以上のように、現状の評価としてなお厳しいということと、しかし、明らかに改善の方向に向かっていることの両方の動きが現在あるとみています。」

 CP・社債市場の機能が回復しつつあり、資金繰りや金融機関の貸出態度の改善も認めるものの、景気回復に関しても不確実であり。企業にとり厳しい収益環境が続くことを考えれば、延長せざるを得なかったということであろう、

 しかし、モンスターオペとも称される企業金融支援特別オペの副作用が出ていることも確かであり、その点について総裁は以下のように述べている。

 「もっとも、最近では格付けの高いCPの発行金利が同期間の短期国債の発行金利を下回るなど、一部にやや行き過ぎた動きがみられることも認識しています。こうした状態が続けば、投資家の投資意欲が後退するなど、市場機能を阻害してしまうことになり、却ってCP市場の発展にとって望ましくない可能性があることは確かです。こうした行き過ぎの要因として、市場では、企業金融支援特別オペの効果が大きいのではないかという議論があることも承知しています。」

 CPの金利が国庫短期証券の金利を下回るという「官民逆転現象」だけでなく、預金増という要因もあるが余剰資金を抱えた銀行が2年国債や5年国債へも買いの手を広げ、2年債利回りが0.2%台半ばまで低下していることも、モンスターオペによる影響のひとつとみられる。

 「私どもとしては、今申し上げたことは十分に意識していますが、他方で、現状の企業金融の状況を考えますと、先程の二極化現象はまだ解消されていませんし、足許改善はしていますが先々の資金調達環境について、やはり不確実性が払拭できないという状況です。そういう意味で、先程申し上げた部分的な影響あるいはその副作用だけでなく、金融市場・企業金融全体の状況やこれに与える影響を踏まえて判断していく必要があると考えています。」

 副作用も認識しているものの、現状の企業金融の状況を考えるとそれを停止してしまうには時期尚早でもあり、なかなか難しい判断ともなっている。そして、一部に出ていた6か月の延長観測に関しては、総裁は次のように述べている。

 「一方、今回は6か月ではなく3か月の延長としたことについてですが、足許改善傾向が続いており、この後もこの傾向が続くと判断していることを踏まえ、3か月後にもう1回経済金融情勢をしっかり点検することにしました。今後、情勢が一段と改善していけば、新たな期限である年末には各種時限措置の終了または見直しを行うことが適当だと考えております。」

 ここで総裁ははっきりと、情勢が一段と改善していけば、新たな期限である年末には各種時限措置の終了または見直しを行うことを指摘している。これは出口を意識した発言というよりも、状況変化に対応するというある意味常識的な発言であろう。このため情勢によっては延長の可能性についても下記のように言及している。

 「しかし一方で、今回の中間評価でも指摘したように、先行きの金融経済情勢については不確実性が高いとみています。従って、情勢が十分改善せず、それが必要と判断される場合には時限措置を再延長することになります。」

 そして、なぜ9月からの延長を8月の会合ではなく早めに決定したのかについては、下記のように総裁は述べていた。ただし、これについては8月の決定会合では衆院選も近づき、政治を意識しての延長と取られることを避けたためといった見方も市場ではあったようである。

 「企業金融を巡る環境は改善の方向にありますが、しかし現在でも、なお厳しいという評価をしているわけです。なお厳しいという判断をしている以上、私どもとしても、市場からみて不確実な要因である各種の措置をどのように運営するか検討し、その対応方針を早めに出したほうが良いということで今回合意に至ったものです。」
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by nihonkokusai | 2009-07-17 10:50 | 日銀 | Comments(0)

「環混中単(かんこんちゅうたん)」

 日本企業が現在、意識すべきことは何であろうかと考えてみた。ここは4文字言葉を使ってみたいと思い、ひらめいたのが「環混量安」という4文字。

 「環」とは環境である。オバマ米大統領の提唱する「グリーン・ディール」政策など、世界的に環境を意識した政策が取られ、環境問題が大きくクローズアップされて入ることは周知りの通り。日米欧では二酸化炭素の排出量の少ない発電所の輸出を促すことで合意したと16日の日経新聞も伝えている。企業にとり環境問題をいかに業績に取り込めるかが重視されよう。

 「混」とはハイブリッドなどを示す。トヨタがマツダにハイブリッド基幹装置を供給との大きな記事があったが、トヨタのプリウスやホンダのインサイトの売れ行きを見ても今後の自動車産業にとっては、環境を意識したハイブリッドカーが牽引役になることは間違いない。また混合をコラボと見れば、うまく組み合わせた企業コラボ商品がヒットすることも多く、異種間での混合も思わぬケミストリーを生み出す可能性がある。

 「中」とは、まず中国である。高成長を続ける中国やインドなど新興市場にいかに入り込めるのかが、重要である。その中国などでは「中」流階級の層が広がりを見せており、それに適応した製品の投入が求められる。その点、品質において信頼感の高い日本製品へのニーズがさらに高まることも考えられる。

 「単」とはより複雑なものから単純なものが求められるということである。たとえば、ネットワークパソコンの売れ行きが好調だが、これは機能を絞り込み、すでに生活必需品のひとつとなりつつあるパソコンにも価格革命を起こしたものである。パソコンはある意味マルチ機能を持っていたことで、常に高機能が求められていた。しかし、すでに安価なチップでも動画再生にも適応するようになっており、必要機能を有した安価にパソコンへのニーズは強くそれをうまく取り込んだ。機能を絞り込んで、より低価格ながら質のしっかりしたものを量でカバーすることも必要になる。これは新興国向け製品にも対応できる。
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by nihonkokusai | 2009-07-16 10:33 | 景気物価動向 | Comments(0)

「企業金融支援特別オペを12月まで延長」

 日銀の金融政策決定会合が終了。全員一致で政策金利の据え置きを決定した。さらにCP買入れ、社債買入れ、そして企業金融支援特別オペを12月まで延長することも全員一致で決定した。また、ドル資金供給オペの2月1日までの延長を正式に決定。補完当座預金制度を1月15日まで延長することも決定した。

 オペの頻度を月2回実施に戻すなど減らすことや、資金供給額を無制限ではなく上限を限定すること、また金利そのものを引き上げるといった修正は今回加えられず、「状況が改善すれば打ち切る」といった出口を意識したような明確なメッセージは打ち出されなかった。

 また、前回の企業金融支援特別オペの期間延長が2009年3月末から9月末と6か月間であったことで、今回も6か月の延長との見方もあったが、今回は12月末までと3か月の延長に止めた。

 展望レポートの中間レビューでは、2009年度GDPを4月時点のマイナス3.1%からマイナス3.4%に下方修正し、2010年度GDPもプラス1.2%からプラス1.0%に下方修正した。また、CPIについては2009年度を4月時点のマイナス1.5%からマイナス1.3%に上方修正し、2010年度についてはマイナス1.0%と横ばいに。

 また会合後に発表された公表文では、「わが国の景気は下げ止まっている」として6月の「わが国の景気は、大幅に悪化したあと、下げ止まりつつある」から上方修正された。上方修正は3か月連続となり、引き続き日銀の想定した景気の動きとなっていることを示した。

 景気の先行きについては、「内外の在庫調整が進捗したもとで、最終需要の動向に大きく依存する。2010年度までの中心的な見通しとしては、中長期的な成長期待が大きく変化しない中、本年度後半以降、海外経済や国際金融資本市場の回復に加え、金融システム面での対策や財政・金融政策の効果もあって、わが国経済は持ち直していく姿が想定される」として、ほぼ前回の内容と一致した。
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by nihonkokusai | 2009-07-15 14:12 | 日銀 | Comments(0)

「アポロ11号の月着陸から40年」

 今年7月20日で、1969年7月20日にアポロ11号のニール・アームストロング船長が月に足跡を残して40年が経過する。日本時間で1969年7月21日のお昼前の午前11時56分に、月に降りるアームストロング船長の様子を当時小学生だった私は、白黒テレビで母親と食い入るように見ていたことを思い出す。あれからもう40年も経過した。

 1969年にも12月に衆院解散総選挙が行なわれている。この選挙は「沖縄解散」と呼ばれ、沖縄問返還題が争点となり結果は自民党が圧勝となった。果たして今回の解散は何と呼ばれ、その結果は民主党の圧勝になるのかどうか。

 1969年6月に、当時の経済企画庁は1968年の日本のGNPが西側諸国で第二位と発表した。それ以降、GNPはGDPと代わったが日本は世界第二位の位置を守り続けてきた。しかし、その地位が中国な脅かされ、2010年にも中国に逆転されるのではないかと予測されている。

 その中国はすでに有人宇宙飛行も成功させるなど科学技術の進歩も著しい。インドなどとともに急速な経済成長を遂げており、リーマン・ショック後の世界的な経済金融危機においても、日米欧に比較すれば打撃は比較的軽微なものとなっていた。

 それに対して今回の危機の震源地となり、40年前に人類を初めて月に送った米国は、GMが破綻するなど過去に例を見ないような打撃を受けている。また、今回の金融危機を連鎖的に深刻化させた欧州も深刻な景気悪化を迎えた。

 この欧米の経済危機が、比較的金融面では影響が少なかった日本経済にショックを与え、欧米以上に景気が悪化した。まさにグローバルな危機の連鎖的な玉突きが起こった。

 ただし、日本経済の急激な悪化はリーマン・ショックはあくまできっかけであり、すでに金属疲労を起こしいつ崩れてもおかしくはなかった。しかし、米自動車メーカーの後退による日本のメーカーの台頭や、中国経済の高成長が、そういった日本経済のカンフル剤として機能してなんとか持っていたが、世界的な経済金融危機により、金属疲労が表面化したことが大きかったと思われる。

 すでに外貨準備や米国債保有額で日本は中国に抜かれ、GDPでも抜かれるとなれば40年以上も維持していた経済面でのアジアの雄としての位置を中国に譲ることとなる。さらに日本の政治もかなりの金属疲労を起こしており、今まさに再構築が行なわれようとしている。

 この40年間、日本は何を行い、何を残してきたのか。結局、膨大な政府債務だけが残ったと言われないためにも、ここからの新たなビジョンを持って良い意味で中国と経済大国としての地位を競い会えるような環境整備が今度の新政権に求められよう。
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by nihonkokusai | 2009-07-15 10:18 | 景気物価動向 | Comments(0)

「政治の空白期間中の動向予想」

 麻生首相は衆院選を21日にも解散し、衆院選の投開票日を8月30日にする方針を決めた。7月解散は初めてとなり、8月の衆院選は明治期に2度あるだけで戦後は初めてのこととなる。もし21日に解散となれば、解散から投開票日まで40日間と現行の憲法下では最長となる。長期に渡る政治の空白期間の存在中は新たな政策が打ち出せないばかりか、政権そのものが代わる可能性も高い。投開票後も特別国会での首相指名選挙や組閣などの準備期間も必要となり、新政権の本格始動は9月中旬以降になる公算が高い(日経新聞)。約2か月に渡り政治の空白期間が継続されることは、市場にも影響を与えそうである。

 債券市場では国債への需給への懸念が再び強まってくる可能性がある。7月から16.9兆円もの国債増発が開始されたが、事前に警戒感も強まっていたことで、業者も投資家も準備を進めていたとみられ、焦点となった7月2日の10年国債入札を含め、無難な入札となった。

 また、銀行などは日銀の超低金利政策や企業金融支援特別オペなどに加えて、預金の増加なども手伝い余剰資金を抱えていたことで、景気回復期待の後退などをきっかけに、そういった余剰資金による買いが入り込み、2年国債の利回りは2006年1月以来の水準となる0.230%に低下し、5年国債の利回りも0.650%と2005年9月以来の水準に低下した。10年債利回りも一時1.3%を割り込んだ。

 日経平均株価は7月に入り連日の下落となっていたが、この背景には景気の早期回復期待が後退したことが大きな要因となった。1日に発表された日銀短観で大企業製造業DIはマイナス48と予想ほどの改善とならず、やはり景気への先行き不透明感を強めた。さらに2日に発表された6月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数が46万7千人の減少と事前予想を大きく上回る減少となったことで、景気回復期待が後退した。

 また、世界的なリスク資産への投資の巻き返しの動きが出ていた。当局が原油などの投機的取引に対して政府主導で規制を設ける措置を検討していると報じられ、原油先物は6月末の73ドルから7月9日には一時60ドルを割り込み、いずれ50ドルを割り込み可能性も指摘されている。原油先物だけでなく商品先物全般に売り圧力が強まり、また高金利通貨も下落するなど投機筋による投資の巻き戻しの動きの強まりにより、安全資産としての国債に資金が向かった側面もある。

 東証の債券先物の動きや建て玉の動向などを見る限り、海外ファンドなどによる投機的な動きは影を潜めている。現物への投資家による買いや米国債の上昇などを受けて、債券先物も上昇基調となっていたものの力強さはなく、値動きも小幅なものに止まることが多かった。これは2003年6月に10年債利回りが0.430%まで低下していた際の動きに似通っていた。

 政治の空白期間中に関して、債券市場で注意すべきは需給動向になるとみられる。民主党が政権を取ったとしても財政のさらなる悪化は免れないとの見方も強く、今後のさらなる財政悪化はどちらが政権を取ったにせよ免れないものと予想される。

 7月は警戒心も強かっただけに無難なものとなった国債入札だが、8月以降もこのまま順調に消化されるかどうかはわからない。特に8月は政治の空白に加えて夏休みという要因もある。余剰資金を抱える銀行の買いがいつまで継続するのかもわからない。

 2003年6月もやはり余剰資金を抱えた銀行の買いが相場上昇を誘ったが、その後の急落を迎えることともなった。当時とは環境も大きく異なるため同一視はできないものの、こういった急落のリスクが存在することも確かであろう。

 景気の動向については再び悲観的な見方も強まってきているが、中国やインドなど新興国の景気がしっかりしており、日本経済もここからさらに大きく落ち込みことも考えづらい。リーマン・ショックと同様のリスクが発生する可能性は低く、むしろ急激な落ち込みの反動が徐々に現れると見ておいた方が良いと思われる。実際に6月の日銀短観では、大企業製造業DIの3か月後9月の予想値はマイナス30と、さらなる改善見通しとなっていた。ただし、物価に関してはさらに低下してくると予想され、デフレが意識されると債券にとっては下支え要因となる。

 以上のことから、政治の空白期間中の債券市場の動向を予想すると、需給に関しては好環境がある程度持続されるかもしれないが、今後の国債需給への懸念もあるだけに、銀行などによる買い一巡後の動向には注意が必要になる。ファンダメンタルズに対しては楽観視はできないものの、あまり悲観的な見方もリスクがあるとみられる。債券先物の動きがあまりに静か過ぎることも気掛かり材料であり、政治空白期間を材料視して仕掛け的な動き、この場合は売りに大してとなろうが、そういった動きが強まる可能性もある。その際には相場が急反落する可能性もありうるとみている。
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by nihonkokusai | 2009-07-14 10:38 | 債券市場 | Comments(0)

牛さん熊さんの本日の債券

熊「NHKは、麻生総理が公明党の太田代表や自民党の細田幹事長らと会談し」
牛「衆議院選挙の日程について、今月下旬に解散し、来月30日を投票日とすることで合意したと伝えた」
熊「どうやら三連休明けの今月21日に衆院を解散し、8月18日公示、30日投開票の日程とするようだ」
牛「昨日の都議選の結果そのものの相場への影響は限られたものの」
熊「このニュースを受けて、東京株式市場は下げ足を速めた」
牛「特に日経平均先物にまとまった売りが入り、先物主導での下げとなった」
熊「8月上旬にも選挙かとの見方もあったが、8月下旬となり、その間の空白期間とかが嫌気されたといった見方もあったようだが」
牛「政局の行方に不透明感が強まることは確かなものの、この解散総選挙もある程度想定の範囲内ではないかと」
熊「8月の国政選挙はたぶん初めてのことではないかと思うが、都議選を経てやや期間を置くとなると8月30日がリミットに近い」
牛「今日の株の下落は、この政局絡みの売りもあったとみられるが」
熊「アジア株が全般に売られ、米株先者も売られていたことなども要因のひとつかと」
牛「また、ドル円が92円台前半、ユーロ円が128円台前半となるなど円高も株にとってはマイナス材料」
熊「しかし、日本の政局の先行きが不透明となっているのに円が買われるとは」
牛「どうやら投機筋による円買いポジションもだいぶ膨らんでいるとかで、今後の為替の動きには注意も必かと」
熊「本日発表された6月消費者態度指数は前月比1.9ポイント上昇の37.6と、6か月連続の改善となったが」
牛「これによる相場への影響も限定的となった」.
熊「日経平均は結局、先週末比236.95円安の9050.33円と安値引けに」
牛「7月に入り今日で8日連続ではなく、9日連続の前日比マイナスとなった」
熊「しかし、債券相場はこの株安の影響も限定的」
牛「債券先物の後場寄付は138円85銭と前場引けと同値」
熊「その後、解散総選挙の話が出て株が売られだしたことで」
牛「債券先物は一時、先週末比9銭高の138円93銭まで買われ前場の高値を抜いたが」
熊「買いの動きはそこまで」
牛「引き続き参加者も少なく、後場の債券先物出来高は5千億円に届かず」
熊「結局、債券先物を買い上げるような投資家もなく」
牛「そもそも現物債がほとんど動いていない」
熊「10年302回は後場に入っても先週末比変らずの1.295%で出合ったあと、先週末比+0.005%の1.300%が打たれたが」
牛「カレント物は5年83回が同+0.005%の0.665%、20年111回同-0.005%の1.985%の出合いとなっただけ」
熊「結局、債券先物の大引けは前日比5銭高の138円89銭となった」
猫「さあて、いよいよ衆院選挙に向けて動きが始まるのね」
熊「民主党が政権を奪取できるのか、はたまた自民党がそれを阻止できるのか」
猫「まさに先生方は夏休み返上となりそうね」
牛「今年の夏休み期間中は、セミの声と選挙カーの声が競争しそうやな」
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by nihonkokusai | 2009-07-13 17:07 | 債券市場 | Comments(2)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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