牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

<   2009年 05月 ( 36 )   > この月の画像一覧

「ECBも非伝統的措置」

 欧州中央銀行(ECB)は、7日の定例理事会で主要政策金利を0.25%引き下げて1.00%とした。また、トリシェECB総裁は会見で、信用向けの支援拡大を進めるための非伝統的措置を発表した。

 まず、金融機関への資金の貸付期間を半年から1年に延長する。そして、ユーロ圏の金融機関が発行するカバードボンドと呼ばれるユーロ建て債券を買い入れる。これは堅実な資産を裏づけに発行されるファンドブリーフ債を念頭においているとみられる(日経)。詳細は6月4日の次回理事会で公表するとトリシェ総裁は発言したが、日銀流で言えば執行部に指示した、ということになるか。

 日経新聞ではこれを量的緩和策と報じていたが、トリシェ総裁は量的緩和に乗り出したわけではないと述べ信用緩和であるとした。ECBは日銀やFRB。イングランド銀行と異なり国を跨いだ中央銀行であり、国債を買い入れるにしてもどの国の国債を買い入れるのか、また社債についても同様の問題があり、日銀のような国債や社債の買いいれには踏み込みづらい。このため、米国と比べて間接金融の比率が高いことも考慮して、日銀と同様に金融機関を通じての資金供給を意識したものとみられる。

 昨日はイングランド銀行の金融政策委員会(MPC)も開催され、すでに量的緩和策を導入している量的緩和の実施時期を3か月から6か月に延長し、国債や社債の買取額を1250億ポンドと当初計画から500億ポンド増額させた。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-05-08 08:37 | 短期金融市場 | Comments(0)

「ナショナル・バンク」

 今朝のテレビ東京のモーニング・サテライトに出演した五味前金融庁長官が最後の方で、日本は政府の管轄による「国立銀行」でスタートし、米国のような民間でスタートしたわけではない旨の発言があったが、この発言は事実と異なる。以下、拙著の「金融のことがスラスラわかる本」より、関連箇所を抜粋してみたい。

 米国の北部政府はグリーンバックの増発によるインフレ抑制のため、1863年に国法銀行が設立され、国法銀行による銀行券発行について規定する全国通貨法が制定されました。国法銀行は資本金の3分の1に相当する国債を購入し、これを担保に財務省から担保国債の価格の90%に相当する銀行券を発行したのです。1864年には同法を改正した国法銀行法により、銀行券の兌換は19の準備都市の銀行において集中的に行うこととされました。(日銀「中央銀行と通貨発行を巡る法制度についての研究会」報告書より)

 これによって南北戦争以前の複数通貨がグリーンバックと銀行券が流通する単一通貨の制度となったのです。この国法銀行制度を取り入れたのが日本から渡米し、現地視察を行った伊藤博文です。伊藤の建議により1872年12月に国立銀行条例が定められました。

(以上、「金融のことがスラスラわかる本」第5章より)

 銀行の設立も明治政府にとり大きな課題となりました。民間からも銀行設立の願いなどが相次いでいたのです。日本における本格的な商業銀行は、明治維新後に誕生した第一国立銀行とされています。明治政府は大蔵少輔伊藤博文の建議に基づいて、アメリカのナショナル・バンク制度にならった発券銀行制度を導入することとしました。

 この銀行制度の導入にあたっては、この伊藤案に対して、イングランド銀行をモデルにした中央銀行制度を導入すべし、とした吉田清成との間で銀行論争が闘わされていました。結局、井上馨の裁断によって、伊藤案が採用されることとなったのです。伊藤案を起案した人の中には、銀行界の中心的な人物となる渋沢栄一もいました

 1872年(明治5年)11月、国立銀行条例を制定しました。そして、国立銀行4行が設立され、銀行券発行が始まりました。銀行券の発行条件が厳しかったことなどから当初設立されたのは4行だけでしたが、条例の改正などにより全国的に銀行設立ブームが起こり、153行もの国立銀行が誕生しました。

 国立銀行という名称は、第一国立銀行の初代頭取となった渋沢栄一によりナショナル・バンク(連邦法に準拠して設立された銀行)の訳語として作られたのですが、文字通りの国立の銀行ではなく、政府とは資本関係のない民間の銀行でした。

(以上、「金融のことがスラスラわかる本」第6章より)
[PR]
by nihonkokusai | 2009-05-07 10:39 | 短期金融市場 | Comments(3)

「日経ヴェリタス」

 日経ヴェリタスに「牛熊ブログ」と「債券ディーリングルーム」を私の写真入りで紹介していただいた。うれしいような恥ずかしいような。これをきっかけに再び「債券ディーリングルーム」にアクセスいただいた方もいらっしゃるのではないかと思いますが、いまだに毎営業日、こつこつと更新は続けております。また、この記事をきっかけに初めてご覧いただいた方々も含め、今後も是非、アクセスいただけるとうれしいです。

 4月18日と25日には幸田真音さんのラジオ番組にも出演させていただくなど、久しぶりにマスコミ関係に顔(声)を出させていただいた。すでに「債券ディーリングルーム」は開設してから14年目に入る。ややマンネリ化している面もあると反省している反面、アクセスいただいて何も変わらずにいることでむしろほっとされる方もいらっしゃるかもしれない。今後も更新を続けて行きますので、引き続き「牛熊ブログ」と「債券ディーリングルーム」をよろしくお願いいたします。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-05-07 09:49 | 自己紹介 | Comments(2)

「当面の債券相場の見通し」

 経済産業省が4月30日の朝方発表した3月の鉱工業生産速報は前月比プラス1.6%と6か月ぶりのプラスとなり、市場予想も上回った。同時に発表された製造工業生産予測調査予測では、4月がプラス4.3%、5月はプラス6.1%となった。これを受けて経済産業省は基調判断を、「急速に低下」から「停滞している」とやや上方修正した。製造工業生産予測調査予測では、4月がプラス4.3%、5月はプラス6.1%となっていたように、1~3月期が目先の底となり、4~6月期にかけて景気はやや回復してきているとの見方が強まっている。

 また5月1日に発表された3月の全国消費者物価指数(除く生鮮食料品)は、前年同月比で0.1%の低下となり、2007年9月以来、1年半ぶりに前年比マイナスとなった。また、完全失業率は4.8%と前月比0.4ポイントの上昇となり、3月の有効求人倍率は0.52倍と前月を0.07ポイント下回るなど雇用情勢は引き続き悪化を示した。 日銀が4月30日に発表した展望レポートでは、「最近に至り、在庫調整の進捗などを背景に、世界的に景気の下げ止まりに向けた動きがみられ始めている」との表現があった。

 景気に対してはまだまだ予断を許さない状況ながら、日経平均株価は9000円台に乗せるなど、景気回復への期待も徐々に強まってきている。

 この景気回復への期待や国債需給への懸念などを受け、債券先物は4月に入り138円を割り込み、昨年11月以来続いてきた138円から140円近辺でのレンジ相場から下に抜けてきた。ただし、今度は新たに136円50銭から137円50銭というレンジを形成してきた。長期金利では1.4%から1.5%のレンジ相場となっている。

 補正予算に伴う国債発行計画については、ほぼ市場のコンセンサス通りとはなったが、今年度の税収見積もり修正などによる年末に向けてのさらなる増発も確実視されている。実際に7月以降とみられる国債入札動向を見極めたいとの投資家も多く、国債への需給懸念も債券相場の上値を抑えた。また、今後の米国債需給への懸念と米景気回復への期待などから、米10年債利回りは3%台に乗せ、米債安も円債の売り要因となった。しかし、投資家の押し目買いも下値では控えており、下値も限られ、その結果としてレンジ相場を再び形成してきた。

 今後は引き続き国債需給や景気動向、株価や為替の動向を睨みながらの展開となろうが、国債需給への懸念が払拭できない反面、投資家の動向次第では戻りを試すことも考えられ、当面は長期金利での1.35%から1.55%の動きを予想している。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-05-07 09:22 | 債券市場 | Comments(0)

「債券先物の黒電話」

 私が債券先物を中心とした債券ディーラーになったのは1986年10月であったが、当時、債券先物の売買の注文は黒電話で行なわれていたのである。ちなみに黒電話とは黒いダイヤル式の卓上電話である。東証と、会員である証券会社や特別会員である銀行の債券売買の部署は直通の電話回線が結ばれており、この電話を介してJGB先物の注文を出すのである。

 当時はまだ若手であった私が電話番を任された。受話器を上げるとそのまま東証につながり、実栄証券の担当者が出る仕組みになっている。現在はなくなってしまったが、東証に場立ちがあったときに、株式市場の注文についても実栄証券が会員の相手となって取引を行なっていたのである。

 朝方、寄り付き前に実栄証券の担当者から電話がかかってくる。これで朝の挨拶をしてからいよいよ取引が開始されるのである。電話注文で行なっていた当時は、大手証券などはそれぞれ個別の担当者がいたようだが、一人の実栄証券の担当者が何社かの会員を受け持つこともあり、それによってブロックが作られていた。

 当時の債券先物の売買は、東証の中の一室で、扇形のように実栄証券の担当者が電話を前に座り、扇の要の位置に注文をまとめる担当者がおり、その後ろに売買を書き込む黒板、まさに板があったのである。

 実栄証券の担当者は売買の注文を受けると、手を上げて売りか買いかのサインを出す。それを確認した真ん中の担当者から指名されると、注文の相手先とともに価格と数量を伝える。それを板に書き出しながら値をつけて行くのである。今はコンピュータで値が瞬時についてしまうが、当時は人と人が結ばれて値段が形成されていった。

 注文を伝えてから約定されるまで、さすがにコンピュータ売買に比べて遅かったものの、個人的にはそれほど支障をきたさなかったように思う。上司は遅い、遅いと言う事も多かったが。それ以上に人間が介在することで、大きな間違い注文などはチェックも働く。それになんといっても場の状況が声を通じて伝わってくるところが良かった。何かしらの材料で相場が動くと電話の先が大騒ぎしており、場の状況が電話口から伝わってくる。

 私がディーラー駆け出しのころは、とにかく間違いなく委託注文を含めた売買を伝え、約定を受けてそれを会社の担当者やディーラーの先輩に伝えることが重要で、さらに自分の売買注文も出さなければならず、なかなか余裕はなかった。しかし、さすがに時間とともに慣れてくると、実栄証券の担当者とも仲良く話しをするようになった。実栄証券の担当者は数か月ごとに変わっていったが、担当者によってはたいへん気が合うようになり、売買の公正さから言えば、本当はいけないことであったかもしれないが、それでも人と人であり、仲良くなれば飲みにも行くようになる。そこで実栄証券から見たJGB先物などの相場の世界とはどのようなものなのか、駆け出しディーラーの私にとって彼らから聞く話はのちのちの自らのディールにたいへん役立った。さらに他社のJGB先物の担当者を紹介してもらうなどしたことで、情報交換のためのネットワークも広がった。

 その後、債券先物はコンピュータ化され、電話を介した注文はなくなった。受話器を通じて場の様子も聞けなくなり、まさに値動きからでしか相場の動向が見られなくなったのは、ディーラーとしては寂しい。コンピュータ取引全盛の今でも、シカゴの先物市場やニューヨーク株式市場ではいまだに人が間にたって売買を行なっている。これは相場を形成しているのはあくまで人であり、人と人が売買をぶつけ合うことで、相場の場が形成され地合を読むことができる。これが本来の相場の世界であるのだと思う。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-05-01 09:52 | 債券市場 | Comments(10)

「コアCPIは1年半ぶりに前年比マイナスに」

 本日朝方に発表された3月の全国消費者物価指数(除く生鮮食料品)は、前年同月比で0.1%の低下となり、2007年9月以来、1年半ぶりに前年比マイナスとなった。食料品価格の上昇率が縮小したことなどが要因とみられる。

 また、完全失業率は4.8%と前月比0.4ポイントの上昇となり、3月の有効求人倍率は0.52倍と前月を0.07ポイント下回るなど雇用情勢は引き続き悪化を示した。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-05-01 09:51 | 景気物価動向 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー