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「ロンドン証券取引所における白川日銀総裁の講演より」

 5月13日のロンドン証券取引所における白川日銀総裁の講演の邦訳が日銀のホームページにアップされたので、その内容を確認したい。

 これによると日本銀行の総裁がシティーで講演を行うのは初めてのようだ。最初に日本とロンドンとの歴史上の関係から話がスタートする。まずは、明治政府成立後わずか2年後の1870年に鉄道敷設を目的として日本が初めて国債を発行した場所はロンドンであると白川総裁は指摘した。

 これについては拙著「金融のことがスラスラわかる本」でも記述したが、ヘンリー・シュローダー商会を通じた公募債として調達されることになり、公債収入金の取り扱いについての日本政府の代理店としてオリエンタル銀行が指定され、ロンドン証券取引所で公募され、1870年4月23日に九分利付きで外債100万ポンドの日本国債が発行されている。

 1882年に設立された日本銀行が1904年に初めて海外事務所を設けた場所もシティーであり、若手スタッフが当地シティーの商業銀行に研修生として派遣され、そのうち2人は、のちに日本銀行総裁となっていると白川総裁は指摘している。日銀の歴代総裁一覧によるとこの二人のうち一人は第5代総裁の山本達雄氏のようだがもう一人は誰であろうか。

 そして、白川総裁は「アーカイブに残されている過去の報告書を読み返すと、金融危機が必ずしも珍しい出来事ではないという事実に改めて驚かされます。危機は頻繁に発生し、不幸なことに、その教訓はしばしば忘れられてきました。」とも述べている。1800年代にはイギリスで何度も金融危機が発生していたが、確かに教訓は生かされず、それはその後の歴史でも同様であった。
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by nihonkokusai | 2009-05-14 16:55 | 日銀 | Comments(0)

「4月の景気ウオッチャー調査」

 内閣府は13日に4月の景気ウオッチャー調査結果を発表した。3か月前と比べた街角の景況感を示す現状判断DIは、前月比5.8 ポイント上昇の34.2となり、4か月連続で上昇した。

 「家計動向関連DIは、消費者の購買態度が依然慎重であるものの、高速道路料金の引下げ、定額給付金の給付やプレミアム付き商品券の発行、環境対応車に係る減税による需要増が一部でみられたこと等により、上昇した。企業動向関連DIは、受注の減少やそれに伴う減産等が続き、取引先からの値下げ圧力も高まるものの、一部企業での受注の回復や在庫調整の進展等により、上昇した。雇用関連DIは、新規求人数の減少、離職者の増加等が続いているものの、一部企業での求人の動き等により、上昇した。」

 また、4月の先行き判断DIは、前月比3.9ポイント上昇の39.7 となった。

 これを受けて、内閣府は総合判断を3か月連続で上方修正し、「景気の現状は厳しいものの、このところ悪化に歯止めが掛かりつつある」としたが、景気の良い悪いの境目となる50を大幅に下回っていることから、内閣府は「依然として極めて低水準で、底打ちしたとは判断できない」との見方を示した。

 景気に対してのマインドは徐々にではあるが回復基調を示しているとみられるが、あくまで大きく下げすぎた反動といった側面もあり、底打ちして今後回復基調となるかどうかは、まだ判断は難しい。13日に発表された4月の米小売売上高は前月比0.4%のマイナスとなるなど、米消費に対しても期待されたほどの改善は示されていない。過度の悲観論は後退しつつも、まだ楽観論を言うにもやや時期尚早のように思われる。
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by nihonkokusai | 2009-05-14 11:00 | 景気物価動向 | Comments(0)

「土に触れる」

 週末は原稿書きに追われる日が続いていたが、ここにきて一服し、晴れた日には家の庭の草取りと叔父に借りている畑での家庭菜園の草取りをしている。ちなみに家庭菜園で野菜を植えて育てる方は、嫁さんと三女が担当している。先日までダイコンを収穫していたが、現在はじゃがいもとえんどう豆がすくすくと育ち、ナスやキュウリの苗も徐々に大きくなってきている。

 家の庭はそれほど大きいわけではないものの、家庭菜園用の畑とあわせるとそれなりに面積があるため時間もかかり、週末こつこつやったとしても一回りするのに一月ほどかかる。そのうち最初に草をとったところに新たな草が生えてきており、まさに堂々巡り状態。植物の成長は本当に早い。昨年は、夏場にかけて草取りをサボったことで庭や畑がまさにジャングル化してしまい、電動草取り機を購入せざるを得ない状態となった。その反省も踏まえ、今年は堂々巡りしながらなんとかジャングル化は防ぎたい所存。

 ある研究によると、人間は外で土いじりをしていると心理的にリラックスするそうである。気分転換にはなると思っていたが、心理的な効果も大きいことが実証されているとか。そもそも人間は生物であるのに変わりなく、本来は土とともに生活していたはずである。しかし、特に都会に住んで都会で働いていると土つのものに触れる機会が少なくなってしまうことで余計にストレス社会となってしまっているのではなかろうか。

 幸いにも我が家には土に触れられる場所がある。健康維持のためにも、なるべく土に触れる時間を多く持ちたいとも思う。そういえば「土」という小説を書いた長塚節は茨城県の出身であったような。
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by nihonkokusai | 2009-05-13 16:03 | 趣味関心 | Comments(0)

「債券先物は直近安値を下回る」

 13日の債券市場で中心限月である長期国債先物6月限は4月9日の夕方のイブニングセッション(約定は10日)でつけた136円39銭という直近の安値を下回った。ここにきての債券先物は136円50銭近辺から137円50銭近辺でのレンジ相場が続いていたが、その下限を試してきたこととなる。いったんは安値は下回ったものの、売られたのは先物主体であり、何かしらの材料等で動いたというよりは、CTAなど海外ファンドの売り仕掛けの可能性が高い。実際に現物の売りが限定的であったことや、ここにきて債券先物6月限の建て玉が6兆円近辺まで増加していたことから、海外ファンドがあらかじめショート・ポジションを作り、レンジの下限をブレークさせ、ストップ・ロスに伴う売りなどを誘い込もうとしたのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2009-05-13 13:10 | 債券市場 | Comments(0)

「10年国債は300回に」

本日10年国債の入札が実施されたが、今回で10年国債の回号は300回となった。1972年1月からそれまで発行されていた7年国債に変わり10年国債が登場し、それから約37年と4か月で300回を数えることとなった。

 1985年から銀行のフルディーリングや債券先物のスタートにより、債券はディーリング相場を向かえ、その売買の中心となったのが10年国債であった。1985年5月に指標銘柄という売買の中心銘柄が登場した。これは直近で発行量が多くディーリング銘柄として耐えうるものが自然とマーケットで選ばれたのである。最初に登場したのが68回債である。

 1986年1月に78回債に移り、11月からは伝説ともなった89回債が指標銘柄として登場した。私が債券ディーラーとなったのが1986年10月であり、ほぼ89回債の登場とともにディーラー活動を本格化していった。その後の指標銘柄は105回、111回、119回、129回、145回、157回、164回、174回、182回、そして最後が203回となり、204回以降は直近入札された10年国債が常に指標銘柄として取り扱われ、現在に至っている。

 考えてみれば、私は途中1年間、企画室に異動していた時期と、3か月のニューヨーク滞在、そして1か月の入院以外は1986年10月以降、つまり78回から300回まで10年国債を見てきたことになる。

 このまま500回、1000回といずれ数えてゆくのであろうか。その際には果たして国債の残存額はどうなっているのか。やや気になるところでもある。なにはともあれ、10年国債も300回というひとつの節目を迎えたことも確かである。
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by nihonkokusai | 2009-05-12 13:36 | 国債 | Comments(0)

「日銀による国債買入増額の行方」

 5月8日の朝方に、4月6~7日分の日銀金融政策決定会合議事要旨が公表された。この中で、国債買入の基本的な考え方について改めて議論されたとあり、この部分について見てみたい。

 ある委員の発言として、「日銀の長期国債買入増額は、長期の資金供給手段を一層活用し円滑な資金供給を行っていくために行ったもので、FRBやBOEの長期国債買入の目的とは異なる点をよく説明する必要がある」と述べた。

 政策金利はFRBが0~0.25%、BOEが0.5%とゼロ近くにまで低下しており、短期金利に低下余地が限られることで、長期金利の低下を促すことが長期国債買入の目的とみられる。ただし、実際にニューヨーク連銀による国債買入がスタートしてから、米長期金利は低下するよりもむしろ上昇基調を強め3%台に乗せてきている。

 日銀金融政策決定会合議事要旨では、複数の委員は長期金利の変動を抑え込むために中央銀行が長期国債買入を行うと、かえって長期金利のボラティリティが高まる可能性があると指摘した。たしかに市場に介入すると、かえって相場を乱してしまうことは、かつての日本の為替介入でもあったことである。市場も押さえつけられようとするとむしろ反抗することも経験上ありうる。

 4月6~7日の決定会合では、銀行券ルールについても議論が行われた。

 「何人かの委員は、一般に銀行券ルールの内容や役割については、十分理解されているとは言えないとし、その重要性を丁寧に説明していく必要があるとの認識を示した」

 この何人かの委員には総裁なども含まれていると思われる。その日銀券ルールの根拠として次のような発言があった。

 「日本は、制度的・季節的な要因から短期資金需要が大きく変動し、それが金利の振れをもたらさないよう円滑な金融調節を行うためには、準備預金など短期的に変動する負債に対しては短期の資金供給手段を割り当てて、長期の資産である長期国債保有高が長期の負債である銀行券発行残高を超えないようにすることが必要である。つまりは、銀行券ルールは、円滑な金融調節を行うために必要というのが、日銀券ルールの根拠となっている。」

 そうは言うものの、後の国債増発に果たして市場が耐えられるのかどうか。17兆円規模というかつてない国債増発という、まさに日本国債でのストレステストが7月に始まる。年末に向けての再増発も確実視され、このストレステストの結果は年末までわからない。市場からは今後の国債需給悪化懸念に対して、今後はより一層、日銀の国債買入増額への期待が強まってくる可能性がありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-05-12 10:26 | 日銀 | Comments(0)

「ECBによるカバードボンドの買い入れ」

 欧州中央銀行(ECB)は、5月7日の定例理事会で主要政策金利を0.25%引き下げ、過去最低となる1.00%とすることを決定した。トリシェECB総裁はその後の会見で、信用向けの支援拡大を進めるための非伝統的措置を行なうことを発表した。

 まず、金融機関への資金の貸付期間を半年から1年に延長する。そして、ユーロ圏の金融機関が発行するカバードボンドと呼ばれるユーロ建て債券を買い入れることも発表した。詳細は6月4日の次回理事会後に公表される。

 参考までに、カバードボンド(covered bond)とは「担保付き債券」のことであり、欧州で発達した資産担保証券である。銀行が発行して投資家に売却しても、銀行のバランスシートからオフバランス化されず、発行銀行が担保証券の原資産であるローン回収義務を負う。オンバランスとなるが資産の裏づけがあるため高格付けが得られる。政府や地方公共団体向けの債権をバックにしたものと、住宅ローンなどを担保にしたものがあり、欧州諸国を中心に急速に拡大した。

 日経新聞では、ECBによるカバードボンドの買い入れについて、「量的緩和策」と報じていたが、トリシェ総裁はこの政策の「意図は、市場の回復、特に非常に打撃を受けている市場だ。スプレッドや流動性、債券を含む市場の存続を狙いとしている。われわれは量的緩和を開始しているわけではまったくない」(ロイター)と述べ、「量的緩和」ではなく「信用緩和」であることを主張していた。

 ECBは日銀や米FRB、英イングランド銀行と異なり、国を跨いだ特殊な中央銀行である。仮に国債を買い入れるにしても、どの国の国債をどの程度の比率で買い入れるのか、その調整だけでもかなりの労力が求められ、ある意味現実的ではない、これは社債についても同様の問題があり、日銀のように国債や社債の買い入れには簡単には踏み込みづらいこともある。

 トリシェ総裁は会見で「証券全般の中で、カバードボンドは金融危機の打撃を特に受け、他の証券よりも打撃が大きいセクターのひとつと理事会は考えている」とし、「他の(資産)買い入れについては原則としていかなる決定もしていない」とも発言し(以上ロイターより)、BOEやFRBの量的緩和策とは異なる面を強調している。

 7日にはイングランド銀行の金融政策委員会(MPC)も開催され、すでに量的緩和策を導入している量的緩和の実施時期を3か月から6か月に延長し、国債や社債の買取額を1250億ポンドと当初計画から500億ポンド増額させた。
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by nihonkokusai | 2009-05-12 10:24 | 日銀 | Comments(0)

「城ブーム」

 NHKの大河ドラマ「天地人」やゲーム「戦国BARASA」などの影響で戦国武将ブームが起きており、それに関連して各地の城の入場者数が増加しているそうである。さらに彦根城のマスコットの「ひこにゃん」は築城400周年記念のキャラクターのように、その彦根城、熊本城そして篠山城などが築城400周年記念行事を行なっていることも影響しているとか。どうも城といえばこれまで再建されたものしか登城したことがない。子供の頃にプラモデルを作って感激した姫路城には一度行ってみたいと思っていたが、今だ行ったことがない。

 ブームに乗って城めぐりというのも良いかもしれないが、それ以前に今住んでいるところも実は城跡であったりする。南北朝時代の南朝に北畠親房という人物がいた。北畠親房は「神皇正統記」という有名な著作を残しているが、これを執筆したと言われるのが現在のつくば市小田にあった「小田城」である。

 その小田城の出城のひとつが我が家のすぐ近くにあるというか、その城の敷地の一部に我が家が建っている。正確には水は張っていなかったが掘りがあり、その掘りを埋め立てたところに我が家は建っているといえる。昔、近所で水道工事をした際に洞穴の一部見つかり、秘密の出入り口になっていたのではないかとの噂もあった。北朝に攻められた際の逃げ道であったのであろうか。出城といっても正確には城というよりも砦に近かったのではないかと言われているが、それでも城跡となっていることに違いはない。

 遠くの著名な城に出かけてみるのも良いが、実はすぐ近くにもこのような城跡はあちらこちらにあるはずである。まずはご近所の城を探して地元の歴史探訪というのも良いのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2009-05-11 17:03 | 趣味関心 | Comments(0)

「ミニJGB先物」

 3月23日にスタートしたミニJGB先物は、3月23日と24日、そして4月24日に値がついただけとなり、事前に予想された以上に低迷している。ネット証券などが参入を手控えたことで個人投資家の参入もなく、また期待された海外投資家の参入も今のところ見られていない。ここにきてJGB先物(ラージ)がレンジ内での動きが続くなどしていることで、値動きが乏しくなっていることもひとつの要因であろう。また、個人投資家にとり債券は株式などに比べてわかりづらいという面も参入への障壁となっていると思う。しかし、JGB先物(ラージ)は非常に流動性の高い先物取引のひとつでもある。ミニ日経平均先物が活況を呈していることを考えれば、ミニJGB先物についてもいったん参加者が出てくれば、それなりに大きなマーケットとなる可能性を秘めている。東証もさらにアピールを続けて、せっかくできた市場をぜひ盛り上げていってほしい。
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by nihonkokusai | 2009-05-11 10:43 | 債券市場 | Comments(6)

「日銀による国債買入れの基本的な考え方」

 本日朝方に、4月6~7日分の日銀金融政策決定会合議事要旨が公表された。この中で、国債買入れの基本的な考え方について改めて議論されたとあった。

 ある委員は、日銀の長期国債買入れ増額は、長期の資金供給手段を一層活用し円滑な資金供給を行っていくために行ったもので、FRBやBOEの長期国債買入れの目的とは異なる点をよく説明する必要があると述べた。そして、複数の委員は長期金利の変動を抑え込むために中央銀行が長期国債買入れを行うと、かえって長期金利のボラティリティが高まる可能性があると指摘した。

 たしかに、市場に介入すると、かえって相場を乱してしまうことは、かつての日本の為替介入でもあったことではある。

 銀行券ルールについても議論が行われた。

 何人かの委員は、一般に銀行券ルールの内容や役割については、十分理解されているとは言えないとし、その重要性を丁寧に説明していく必要があるとの認識を示したが、この何人かの委員には総裁や副総裁なども含まれていると思われる。

 日本は、制度的・季節的な要因から短期資金需要が大きく変動し、それが金利の振れをもたらさないよう円滑な金融調節を行うためには、準備預金など短期的に変動する負債に対しては短期の資金供給手段を割り当てて、長期の資産である長期国債保有高が長期の負債である銀行券発行残高を超えないようにすることが必要である。つまりは、銀行券ルールは、円滑な金融調節を行うために必要というのが、日銀券ルールの根拠となっている。

 そうは言うものの、今後の国債増発に果たして市場が耐えられるのかどうか、まさに日本国債でのストレステストが7月が始まる、年末に向けての再増発も確実視されており、まさにこのストレステストの結果は年末までわからない。市場では国債需給悪化懸念に対して、今後はより一層、日銀の国債買入増額への期待が強まってくる可能性はありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-05-08 12:36 | 日銀 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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