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「日銀は長期国債の買い入れを月1.4兆円から1.8兆に」

日銀の金融政策決定会合が後場スタート前に終了し、政策金利に関しては全員一致での現状維持を決定したが、長期国債の買い入れを月1.4兆円から1.8兆円に大きく引き上げた。期間別では残存1年以下が年5.52兆円から7.44兆円に、残存1年超10年以下が年9.6兆円から12兆円にも残存10年超から30年以下は年9000億円から1.2兆円に増額される。15年変動利付債は年6000億円から7200億円に、物価連動国債は年1800億円から2400億円に増額される。

決定会合終了後の声明文では、この買い入れ増額の理由について下記のように表明している。 「厳しい金融経済情勢を背景に、市場の緊張が続く可能性が高い。このような状況下、日本銀行は、金融市場の安定を確保するため、引き続き、積極的な資金供給を行っていくことが重要であると判断した。こうした観点から、長期の資金供給手段を一層活用し、円滑な金融調節を行っていくため、長期国債の買入れを以下の通り増額することとした。」

今年度の税収不足や来年度補正予算の編成などによる国債増発も予想されることで、長期金利は国債需給悪化により上昇してくる可能性もある。国債増発額がある程度はっきりしてから、日銀は国債買い取りの増額に動くのではないかと個人的には予想していた。しかし、これにタイミングを合わせると白川総裁の言うところの財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れるかたちになってしまうことも確かである。このため、やや苦しい部分はあるが、長期金利に働きかけることを目的とせずに、金融調節の必要性という名目により、今回の決定会合で決定されたものとみられる。
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by nihonkokusai | 2009-03-18 12:51 | 日銀 | Comments(0)

「金融のことがスラスラわかる本、内容のご紹介」

 拙著10冊目の本となる「金融のことがスラスラわかる本」の出版社である秀和システムさんのサイトに本の案内がアップされました。

紹介ページ 

http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/2219.html

<本の概要>
 長い年月をかけて構築されてきた金融システムの基礎と歴史を解説した入門書です。サブプライムローン問題をきっかけとした世界的な金融危機が起きていますが、これまでも金融システムは歴史の中で進化し、その過程で恐慌が何度も繰り返されてきました。本書では、経済への影響が大きく、生活に多大な影響を与える金融がどのように確立し発展してきたのか、世界史と日本史両方の観点からわかりすく解説しています。貨幣の誕生から、日本おける金利、金融機関の誕生、世界初のバブル事件、金本位制への復帰、円の誕生、アジア通貨危機、現代金融の世界的フレーム、グローバル金融危機の到来まで金融史がスラスラ読めます!

<目次>
第1章 古代における金融(世界編)
  1.貨幣の誕生 2.金利の起源

第2章 古代における金融(日本編)
  1.日本における貨幣と金利

第3章 中世・近世における金融(世界編)
  1.金融機関はこうして誕生した 2.世界を結びつけた金と銀 3.三大バブル事件の発生 4.イギリスにおける市場の発達

第4章 中世・近世における金融(日本編)
  1.中世日本は金融先進国だった 2.幕府、金融と格闘する 3.デリバティブのルーツは日本にあった

第5章 近代における金融(世界編)
  1.金融大国イギリスの誕生 2.アメリカの発展と苦悩 3.二十世紀の金融世界

第6章 近代における金融(日本編)
  1.「円」の誕生 2.進む金融の近代化 3.金融の「一等国」へ 4.恐慌と戦争に翻弄される金融

第7章 現代における金融(世界編)
  1.現代金融の世界的フレーム 2.ドル基軸通貨体制の亀裂 3.発達する金融技術
 4.金融政策と金融危機の連鎖反応 5.世界で続発する金融危機 6.一体化する市場と世界同時危機

第8章 現代における金融(日本編)
  1.経済大国へのゼロからの出発 2.危機下の経済と金融 3.こうしてバブルは起こった 4.「失われた一五年」の時代へ
 5.金融市場の希望と絶望 6.非常事態の金融環境へ 7.グローバル金融危機の到来

ご予約は、こちらからお願いします。


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by nihonkokusai | 2009-03-17 10:45 | 本の紹介 | Comments(0)

「日銀の国債買入の変遷」

日銀は2001年3月に無担保コールレートから日銀当座預金残高に操作目標を変更することで、量的緩和政策を導入した。この際に日銀は長めに使える資金の供給を実施することにし、国債買い切りの額を4千億円から増額することにした。しかし、これは歯止めがなければ擬似的な日銀による国債引き受けともなりうるために「日銀券の発行残高」というキャップをつけた。

2001年8月14日に日本銀行当座預金残高を5兆円程度から6兆円程度に増額した際に、月4千億円ペースで行ってきた長期国債の買入を月6千億円に増額した。9月14日には残高目標を6兆円を「上回る」としたがこの際には国債買入は変更なし。12月19日には当座預金残高を10~15兆円程度とし、国債買入も月8千億円に増額した。 

2002年2月28日に、「年度末に向けて金融市場の安定確保に万全を期すため」との理由から、残高目標は変更せずに長期国債の買入を月1兆円に増額した。10月30日には当座預金残高を15~20兆円程度とし、国債の買入を月1兆2千億円に増額した。

総裁が福井氏に代わった2003年3月25日の決定会合からは、当座預金残高目標は引き上げられたが国債買入については変更されなかった。

4月1日以後は日本郵政公社の発足に伴い、日本銀行当座預金残高が17~22兆円程度となるよう金融市場調節を行うとし、4月30日も当座預金残高目標を22~27兆円程度に引き上げた。5月20日には27~30兆円程度し、10月10日には27~32兆円程度に引き上げた。2004年1月20日には当座預金残高目標を30~35兆円程度としたが、国債買入の変更はなく、これ以降、残高目標の引き上げも見送られた。

2006年3月9日の金融政策決定会合で、日本銀行は量的緩和政策を解除し、2006年7月14日の金融政策決定会合においてゼロ金利政策も解除した。2007年2月21日には追加利上げが決定され、無担保コール翌日物の誘導目標値は0.25%から0.5%に引き上げられた。

2008年4月に日銀総裁が白川氏に代わったが、9月のリーマン・ショック後の金融危機に対処するため、米欧はじめ新興国も含めて、各国中央銀行は金融緩和策を進め、日銀も10月31日に政策金利である無担保コール翌日物金利を0.5%から0.3%に引き下げた。

さらに12月19日に日銀は金融政策決定会合において、無担保コール翌日物金利誘導目標値を0.2%引き下げ0.1%に引き下げ、長期国債買入を現行の毎月1.2兆円から1.4兆円に2000億円増額することも決定されたのである。
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by nihonkokusai | 2009-03-17 09:33 | 日銀 | Comments(0)

「日銀の国債買入の増額」

日銀の白川方明総裁は3月12日の参院予算委員会で、長期国債買い入れについての質問に対し、「金融調節の必要性から離れて、財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れると長期金利に悪影響を与える」と指摘していた。そして「買い入れ額は必要性や先行きの日銀の資産、負債の状況を踏まえて決定している」とも説明していた。

3月14日の日経新聞の一面には「国債買い取り増額へ」との記事があった。日銀は長期国債の買い取りを増額する方向で検討に入り、17日から18日にかけて開催される金融政策決定会合で議論されるという。

日銀は12月の会合で、長期国債の買い取り額をそれまでの毎月1兆2千億円から1兆4千億円に拡大した。それをさらに1千億円から2千億円増加する方向で議論するとか。

日銀は銀行券の発行残高を長期国債の保有上限としているが、日銀券の発行残高は2009年2月末(日本銀行勘定より)で76兆9222億円に対し、保有長期国債は43兆6067億円と、差し引きで33兆3155億円の買い入れ余力がある。

すでに政策金利は0.1%まで引き下げられ、これ以上引き下げることは難しい。もちろんゼロ金利やマイナス金利にするという方法もないとは言えないが、白川日銀は金利をこれ以上引き下げることは現時点では考えていないとみられ、今後の政策については金利以外での手段を講じてくると予想される。

16日の日経新聞では日銀が銀行の資本増強を後押しするため、劣後ローンなどを引き受ける新たな金融危機対策を検討していると伝えているが、これは金融政策ではなくプルーデンス政策と呼ばれる金融システムの健全性や安定性を維持するための政策であるため、金融政策決定会合ではなく通常の政策委員会で議論されるものである。

今後の決定会合で議論されるものとしては、国債の買い取り増額が有力とみられていたが、今後は今年度の税収不足や来年度補正予算の編成などによる国債増発も予想されることで、今後の長期金利は国債需給悪化により上昇してくる可能性もあるため、これによる国債増発額がある程度はっきりしてから、日銀は国債買い取りの増額に動くのではないかと予想していた。

しかし、これにタイミングを合わせると白川総裁の言うところの財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れるかたちになってしまうことも確かである。このため、やや苦しい部分はあるが、長期金利に働きかけることを目的とせずに、あくまで金融調節の必要性という名目により、今回の決定会合で議論されるとみられる。
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by nihonkokusai | 2009-03-16 17:02 | Comments(0)

「日銀、劣後ローンの引き受け検討」

16日の日経新聞が伝えたところによると、日銀が銀行の資本増強を後押しするため、劣後ローンなどを引き受ける新たな金融危機対策を検討しているそうである。すでに日銀は行内で銀行の資本支援策の取りまとめを始めており、月内にも新制度の詳細をまとめ通常の政策委員会に諮られるとみられる。

ただし、中央銀行が民間金融機関の資本の一部を引き受けるのは極めて異例となり、劣後ローンなどの引き受けの実現にあたっては損失リスクを回避するため、政府保証を付けることも必要となるとみられる。政府の金融安定化策を補完するかたちともなることで、政府側もこの日銀の動きについては歓迎するのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2009-03-16 10:38 | Comments(0)

「金融のことがスラスラわかる本」の予約受付中

「金融のことがスラスラわかる本」(秀和システム)、1365円(税込み)
私の10冊目の本は、金融のことを歴史から探る本です。
世界の金融の歴史と日本の金融の歴史を時代とともに探って行きます。
発売は3月19日の予定です。下記書店さんで予約受付中 !!

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by nihonkokusai | 2009-03-16 09:53 | 本の紹介 | Comments(0)

「FRBの国債買入は先行き不透明」

 WSJは、イングランド銀行の国債買い入れの成功に触発され、FRBも米国債買い入れに向けて踏み込んだ協議を行う可能性があると伝えた。イングランド銀行は、量的緩和策として英国債を買い入れる方針を発表し、それを受けて10年物の英国債利回りは3.6%前後から3.1%前後に低下し、11日には、一時、約7年ぶりに英国10年物の利回りがドイツ連邦債10年物の利回りを下回った。バーナンキ議長は昨年12月1日の講演で長期国債を買い取る可能性を示唆したものの、実際にはバーナンキFRB議長はあまり国債買入については積極的ではないとも見られているだけに、今後FRBが国債買入に踏み込むかどうかは引き続き不透明とみられる。
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by nihonkokusai | 2009-03-12 14:12 | Comments(0)

「金融のことがスラスラわかる本」

私の10冊目となる本が、3月19日に発売予定です。本のタイトルは「金融のことがスラスラわかる本」(秀和システム)、1365円(税込み)です。内容は、金融のことを歴史から探る本で、世界の金融の歴史と日本の金融の歴史を時代とともに探って行きます。

お金を融通し合う「金融」というシステムは、歴史とともに進化してきており、その進化の過程で「恐慌」が何度も繰り返されてきました。

人は歴史に学ぶ必要はあるものの、似たような恐慌は繰り返されており、それを防ぐことはできないと言うのが過去の歴史からわかります。金融そのものの進化により、金融を取り巻く環境に変化があることや、恐慌を招く要因ともなる投機の動きなどはそれが起きている際にはブレーキをかけることがたいへん難しいということも防げない理由かと思います。

その恐慌による危機をどう乗り切ったら良いのかは、過去の歴史に学ぶことは重要です2007年からの金融危機に際しても、日本のバブル崩壊後の状況などを各国の政策担当者はかなり研究を進めてきました。それでも的確な処方箋を見出し、それを実行に移すことは並々ならぬ努力も必要とされます。

ただし、この本は過去の金融の歴史から金融危機の処方箋を見出そうということが目的の本ではありません。金融は私たちにとり大変身近なものであり、金融危機により経済への影響も大きく、私たちの生活に大きく関わっているにも関わらず、金融そのものの知識はまだそれほど広まっていないことも確かなのです。

世界の金融史だけでなく同時代の日本の金融史も並列して書いており、日本人にとってより身近に金融を感じられるように書き進めました。この本により金融の世界のことを少しでも多くの方に知っていただければ幸いです。(「はじめに」より)
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by nihonkokusai | 2009-03-11 14:06 | 本の紹介 | Comments(0)

「財政規律派の一時公演中止」

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は10日の閣議後の会見において、「政府としては信用収縮に対して断固として立ち向かう」と述べた。東京株式市場の下落を受けての株価対策については、ひとつは株価そのものを支えるもの、もうひとつは、株価下落による信用収縮など副次的な作用への対策と述べた(ロイター)。

そして「財政規律派の仕事としては、昨年末の中期プログラムの策定でとりあえず一時公演中止というところだ」とも述べた。与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は言うまでもなく財政規律派の一人であり、持論である財政再建路線を棚上げする意向を強調する発言が出たことは注意が必要となる。

与謝野氏は、消費税率の引き上げを含む税制抜本改革の道筋を示す中期プログラムが昨年12月に策定されたことで、財政規律は守られるとの見解も表明したものの、短期的には、経済危機の最中にあって「今は、経済回復のためにあらゆる政策手段を取るという一般的な合意に沿って行動する」とし、国債増発による景気対策を意識した発言となった。

政府与党は25兆円規模の追加経済対策を検討しており、その財源には埋蔵金の活用などはすでに限度があり、経済対策に伴う財源の多くは新規の国債発行によって賄われると思われる。

さらに、政府は昨年末に税収見通しを7兆円余り下方修正したが、法人税を中心に最終的な税収不足が兆円単位に膨らむおそれがあると毎日新聞などが伝えている。リーマンショックにより、さらに景気の急速な落ち込みが続いており、国の2008年度税収が見積もりを下回る可能性が強まっている。政府は今年度当初予算で一般会計税収を約53.6兆円と見積もっていたが、すでに昨年末の2次補正予算で約46.4兆円に減額した。

しかし、その後の景気の急速な落ち込みにより、昨年12月と今年1月分の法人税収は前年水準の約7割に落ち込んでいる。2008年度税収が判明するのは5月から6月頃となるが、2次補正予算の見通しを兆円単位で下回る可能性がある。その分も新たな国債発行などにより賄われる。

欧米の債券市場は政府による危機対応のための国債増発による需給悪化懸念が、債券相場の上値を抑えている。この状況は円債も同様かとみられ、今後は数兆円規模での増発圧力がかかる可能性があるため、国債需給の動向が債券市場にとり今後も大きな注目材料となりそうである。
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by nihonkokusai | 2009-03-10 13:18 | 国債 | Comments(0)

「物価連動国債」

3月10日の日経新聞によると、財務省は需要が低迷し現在新規の発行を停止している物価連動国債に対し、その商品性を見直す検討に入ったと伝えている。物価が下落しても元本を保証する制度を2009年度にも導入する見込みとのこと。

これまでの物価連動国債は、元金額が物価の動向に連動して増減する。つまり、償還額は償還時点での想定元金額となり、表面利率は一定だが、利子の額は利払時の想定元金額に対して表面利率を掛け算したものとなるため、物価上昇により想定元金額が増加すれば利子の額も増加するといった仕組みになっている。

2004年3月から日本でも発行された物価連動国債の購入者は、主にヘッジファンドなどの海外投資家となっていた。国内投資家が物価連動国債の購入に慎重になっていたのは、そもそも国内投資家がインフレに連動する負債を持っていないことに加え、元本が保証されていないことにより、より満期保有ができないという商品性にとところが大きいかった。

ところが、海外投資家がサブプライム問題などによる金融市場の混乱により、保有していた物価連動国債を売却したことにより、価格が急落し、買い手が不在となったことで流動性そのものが欠如する状況となり、財務省は2008年9月以降、物価連動国債の新規発行を凍結するという事態となったのである。

物価連動国債は欧米などでは広く普及している。アメリカやドイツ、フランスでは価格下落時に元本を保証する「フロア」の設定といった元本保証を導入していることで、市場参加者からは元本保証など商品性を変更した上での発行再開を望む声も強い。

ただし、国内投資家に潜在的なニーズがなければ、これまで同様に海外投資家主体の保有となりかねない。さらに今後の日本におけるデフレ観測も強く、インフレヘッジのための商品に対するニーズそのものも強まるかどうかは不透明とみられる。

財務省は、将来、個人向けの物価連動国債発行も視野に入れているようである。しかし、日本の個人投資家はそれほどインフレリスクを意識しての資金シフトはあまり行なってきていないように思われる。さらに債券投資において個人は変動利付に対して、個人向け国債の10年変動タイプの売れ行きなどを見ても嫌う傾向にあるように思われる。個人への物価連動国債の普及も、そりメリットが強く認識されない限りは現実としてはかなり難しいのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2009-03-10 13:17 | 国債 | Comments(2)
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