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「日銀総裁空席という事態」


 日銀総裁人事は完全に政争の具と化してしまい、結果として世界的な金融非常時に、日本の中央銀行総裁が空席という異常事態を迎える可能性が強まった。本日、国会は衆参両院本会議が開催され、今日任期満了となる福井日銀総裁、武藤副総裁、岩田副総裁の後任人事案が採決される。

 政府は17日に民主党に打診した福井総裁と武藤副総裁の留任案が反対されたことで、18日にあらためて総裁に元大蔵事務次官の田波耕治氏、副総裁に西村清彦審議委員を充てる案を提示した。しかし、民主党は田波氏の不同意を決定したことで、本日の参院本会議では田波氏の総裁案は否決される見通しとなった。西村氏の副総裁就任は可決される見通しとなっていることで、白川氏とともに副総裁2人の人事は決定し、総裁のみ空席となる。また、西村審議委員の後任はこれから選出されるとみられ、明日以降、一時的にせよ日銀の政策委員は7人構成ともなる。そして当面は白川副総裁が総裁代行を務める予定となっているようである。総裁代行を置くのは戦後初となる。本日に総裁不在が確定した際に、日銀法に基づき同日に任期満了となる福井総裁が職務を代行する副総裁を決める。

 日銀の最高意思決定機関である政策委員会の議長は互選となっているが通常は総裁が務めているが、日銀は21日らも政策委員会を開き総裁代行の白川氏を議長に選ぶ可能性が高いと日経新聞は伝えている。4月中旬にはG7が控えているが、G7は基本的には代理出席が認められておらず日銀はこういった国際会議への出席といった問題も懸念しているようである。
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by nihonkokusai | 2008-03-19 10:01 | 日銀 | Comments(3)

「米国の今回の金融不安と日本の金融システム不安」


 3月11日に各国の短期金融市場で資金供給を拡大するとの緊急声明を発表した。FRBは最大2000億ドルの資金を市場に供給するとしたが、この方式が通常の公開市場操作とは異なる新たな手法を取り入れた。

 また17日には公定歩合の引き下げそれとともに、プライマリー・ディーラーに対し、NY連銀で公定歩合で資金を借りられる新制度を創設した。これは、JP モルガン・チェースがベア・スターンズ買収へとの報道にあわせる格好の発表でもあり、なんとしても金融不安を払拭しようとのFRB の動きでもあるが、それだけ問題が深刻化とも受け取るものともなった。次ぎはどこかといった不安が広まるなど、これは1997年11月の日本の金融システム不安が広まった当時の様相にも似ているように思われる。当時を振り返ってみたい。

 1997年11月に入り、金融システム不安が一気に表面化した。3日に三洋証券が会社更正法適用を申請、17日には拓銀が経営破綻し北洋銀行への営業譲渡を発表した。24日には証券大手の山一證券が自主廃業を届け出、26日には徳陽シティ銀行が分割譲渡と4つの金融機関が相次いで破綻したのである。これは企業や金融機関のバランスシート調整が想像以上に遅れていたことが要因とみられた。

 三洋証券の破綻の際に、コール市場での小規模なデフォルト(債務不履行:元本の償還や利子の支払いが契約通りに行われないこと)が発生した。金融機関同士で取引しているコール市場という信用の上で成立している金融市場の中で、戦後初のデフォルトが起き、これが他の金融機関破綻の引き金となった。信用リスクと流動性リスクの増大により、金融システム不安が一気に高まったのである。

 これに対して、政府は12月に入り、金融システム安定化策として30兆円もの財政資金を用意した。17兆円は預金者保護、残りの13兆円は銀行の自己資本強化に用いられることになった。財源としては、新型国債といわれた交付国債10兆円と政府保証枠20兆円の計30兆円で賄われることも決まった。また、景気対策として特例国債(赤字国債)を発行し、2兆円の所得税減税を実施することも決めた。

 交付国債とはもともと第2次大戦の戦没者の遺族などを支援するため、現金の代わりに支給した国債のことである。金融システム安定化のために準備したこの交付国債は、極めて異例であった。

 結局、良し悪しはさておきこの公的資金の導入によって金融システム不安が沈静化したのも確かであった。米国でも同様の施策が講じられる可能性も指摘されているようだが今後の動向にも注目したい。
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by nihonkokusai | 2008-03-18 09:06 | 債券市場 | Comments(0)

「米FRBは公定歩合を3.25%に緊急引き下げ」


 東京時間の朝8時過ぎに、米FRBは公定歩合を0.25%引け下げ3.25%にすることを全会一致で決定した。米国時間日曜日夜間という時間帯での異例の決定ともなったが、JPモルガン・チェースがベア・スターンズ買収へとの報道にあわせる格好の発表でもあり、なんとしても金融不安を払拭しようとのFRB の動きでもあるが、それだけ問題が深刻化とも受け取るものともなった。

 FRBは、公定歩合の引き下げそれとともにプライマリー・ディーラーに対しNY連銀で公定歩合で資金を借りられる制度を創設した。プライマリークレジット制度では、経営状況が健全な金融機関を対象に行なわれていたが、今度の新制度はプライマリー・ディーラーならば投資適格の幅広い証券を担保によって、公定歩合で資金を借りられるようになる。この新制度は17日から利用が可能となり、公定歩合の貸し出し期間も30日から最大90日に延長される。

http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20080316a.htm
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by nihonkokusai | 2008-03-17 10:00 | 国際情勢 | Comments(1)

「今週の債券相場と来週の予想」


 11日にFRBの新たな資金供給策を発表した。12日に発表された10-12月期GDP2次速報では前年比+3.5%と1次速報から小幅下方修正されたが、市場予想は大きく上回った。これによる株高や米債安などを受け12日に債券先物は一時139円を割り込みも一時138円98銭まで下落した。しかし、 13日にはドル安が進行し、ドル円は100円近くまで円高ドル安が進行した。ユーロも対ドルでユーロ導入後の最高値を更新。この円高を受け日経平均はザラ場で昨年来安値を更新した。債券先物は中心限月としては2005年7月29日以来の140円台乗せとなり、現物は10年290回が2005年7月以来の 1.3%割れとなるなどかなり波乱含みの様相となった。NY原油先物も高値を更新するなどやや投機的な資金が金融市場を混乱させている面もある。またドル売りや株の下落、国債への買いといったものはリスク回避の動きによるものともみられ、日本の債券市場でも格付の低い銘柄主体に一般債が売られたり、T-L スプレッドが拡大するなどしていた。債券先物は10日に中心限月が6月限に移行したが、3月限よりも6月限の価格が上回るなどこれまでにない動きともなり、これも先物の買いポジションのロール圧力が強かったためとみられた。11日の5年国債入札も安全資産としての資金も入ったとみられ、利率は0.8%に引き下げられたが入札は順調なものとなった。

 18日に開催される米FOMCの動向に注目が集りそうである。ドル安、株安、債券高、原油高といった背景には、米サブプライムローン問題に端を発する米国の金融市場の混乱と景気後退懸念がある。FRBの新たな資金供給策についてはあくまで流動性供給であり、金融市場の混乱に多少なり歯止となるとみられるが、サブプライム問題そのものの本質的な解決策とはならない。格付会社が大手金融機関の評価損計上はまだ続くものの、折り返し地点を過ぎたとの見方を示したようだが、こういった動きが具体的に見えるようにならないと市場の不安感はなかなか後退しないものとみられる。また、米景気後退懸念に対して米FRBは利下げを継続することで対策としようが、反面、原油高など商品市況の上昇による物価上昇圧力もあり、金融政策の舵取りもかなり難しい状況にある。18日の FOMCでは政策金利を0.5%もしくは0.75%引き下げてくるとの予想となっているが、17日までの市場動向などを見極めながら利下げ幅を決定してくるのではないかともみられる。日本では混迷している日銀総裁人事の行方が大きな注目材料ともなりそうである。福井日銀総裁の任期は19日までとなる。債券相場は高値警戒もあるが、安全資産として中長期主体の国債は買われやすい地合ともなっており、当面は堅調地合となりそうだが、相場は投機筋の動きもありやや波乱含みともなりそうで、期末も控え参加者も限られる中、思わぬ価格変動がある可能性もある。
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by nihonkokusai | 2008-03-14 14:04 | 債券市場 | Comments(0)

「ドル円100円台前半、債券先物140円台乗せ、10年1.3%割れ」


 米欧の流動性供給にも関わらず、複数の大手ヘッジファンドが倒産の危機に瀕しているか。解約停止状態にあると英国のタイムスが報じたと伝えられたことなどがきっかけとなったのが、本日の前場の引けあと外為市場ではドル安が進行し、ドル円は1995年12月以来約12年ぶりに101円を大きく割り込み、一気に100円近くまで円高が進行。ユーロも1.5576ドルをつけユーロ導入後の最高値を更新した。

 この円高を受け日経平均は前日比500円を超す下げとなり、ザラ場で昨年来安値を更新した。

 債券先物は中心限月としては2005年7月29日以来の140円台乗せとなった。現物債は10年290回が2005年7月以来の1.3%割れ。

 動きが加速しているだけにクライマックスといった動きにも見えなくもないが。
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by nihonkokusai | 2008-03-13 13:41 | 債券市場 | Comments(0)

「ネットで調べる経済指標」

 私の7冊目の本となる

「ネットで調べる経済指標」
が3月22日に
毎日コミュニケーションズさん
から発売されます。

 この本はネットを使って直接に経済指標を発表している機関から調べるにはどうしたら良いのか、さらにその経済指標に関してのコメントとともに、市場に対しての影響、さらに指標のどこを見たら良いのかといった解説を行なっている本です。

 ネット上の経済指標は様々なウェブページに分散してアップされていることで、どの経済指標がどのページにアップされているのか、わかりにくいのも確かです。この本はこういったネットにおける様々な経済指標の探し方を説明しているのが大きな特徴となっています。本の構成も、各指標を発表している官公庁や団体などの組織ごとに章立てしており、それぞれの官公庁などのウェブサイトのどのページにどの指標がアップされているかが分かるようになっています。

 日本の経済指標に加え、サブプライム問題に端を発する金融市場の混乱などで揺れ動く米国の主要経済指標も取り上げています。こちらを調べるのもなかなか大変でしたが、その分、活用していただけるのではないかとも思っております。


アマゾン

ではすでに予約も始まっています。よろしければぜひお買い求めいただければ幸いです。
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by nihonkokusai | 2008-03-12 10:38 | 本の紹介 | Comments(0)

「FRBによる異なる新たな資金供給策」


 米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、そしてイングランド銀行(BOE)に、スイス中銀、カナダ中銀は、11日に各国の短期金融市場で資金供給を拡大するとの緊急声明を発表した。FRBは最大2000億ドルの資金を市場に供給するとしたが、この方式が通常の公開市場操作とは異なる新たな手法を取り入れた。

http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20080311a.htm

これは新たな債券貸し出しプログラム(Term Securities Lending Facility、TSLF)となり、FRBは最大2000億ドル規模の国債をプライマリーディーラーに貸出す際に、その担保として連邦機関債や住宅ローン担保証券(RMBS)、民間の高格付けRMBSも受け入れる方針を示した。つまり国債を借り入れた金融機関は、信用力の高い国債を担保に資金を調達が可能となる。機関も従来の債券貸し出しの期間が1日だけだったのに対し、今回のプログラムは28日となる。

 またFRBは、ECBとスイス中銀にドル資金を融通する際に設けたスワップラインを拡大した。具体的にはECBとの通貨スワップラインを 200億ドルから300億ドルへ拡大し期間も延長、スイス中銀とのスワップラインも40億ドルすら60億ドルへ拡大し、こちらの期間も延長する。

 日銀も昨夜記者会見を開き、欧米5中銀の協調措置を歓迎する下記のようなコメントを発表している。
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/un0803a.htm

 「G10諸国の中央銀行は、昨年12月の協調行動の後も、金融市場における資金調達圧力に対し、密接に協調し常時連携を取りながら、対処してきた。足もと、いくつかの市場では、再び資金調達圧力が高まっている。われわれは、引き続き協調して、これらの調達圧力に対処するため、適切な措置を講じていく。本日、こうした目的のもと、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、連邦準備制度およびスイス国民銀行は、諸措置を公表した。日本銀行は、これらの措置を歓迎し、国際金融市場の安定確保に貢献することを期待する。日本の短期金融市場は、国際金融市場の動揺の中にあっても、なお比較的落ち着いている。日本銀行としては、今後とも、年度末越え資金の供給を含め適切な金融市場調節を通じて、市場の安定に努めていく所存である。」

 日経新聞によると福井日銀総裁も出席した10日のBIS中央銀行総裁会議において、これらの施策が最終調整されたのではないかとみられる。このFRBによる新たな資金供給策の発表等をマーケットは好感し、昨日の米国株式市場では、金融株を中心に買い進まれ、ダウは2002年7月以来となる上昇幅となり、米国債券市場では、信用リスク懸念の後退や大幅利下げ観測も後退したともみられ米2年債利回りは0.25%もの上昇となり1.74%に、 10年債利回りは0.14%の上昇の3.59%となった。
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by nihonkokusai | 2008-03-12 09:54 | 日銀 | Comments(0)

「リスクリダクションの動き強まる」


 債券相場は1月25日から続いていた長期金利での1.4%から1.5%のレンジを下に抜けるかたちとなり、10年290回は1.3%近くまで利回りが低下した。

 米国の信用収縮への懸念が強まったことで米株が下落し、ドル円が101円台をつけるなど円高圧力も加わったことで、日経平均が13000円の大台を割り込んだ。

 リスクリダクションの動きが強まり、信用リスクや流動性リスクが意識されてきました格付の低い社債などが売られそれは高格付け銘柄にも徐々に波及し、国債も流動性の劣る物価連動国債や15年変国とともに30年国債などにも売り圧力が加わってきました。

 その反面、国債の中でもより流動性の高い中長期債は買い進まれた。ここにきての動きは米国の信用収縮懸念に端を発しての海外投資家によるリスクリダクションの影響に加え、国内の銀行や証券会社は3月末決算も控えてポジションを大きく取れなくなり、むしろこういった国内金融機関もリスクを落とす動きを強めたことで、日本の債券市場でも「質への逃避」の動きをより強める格好ともなった。

 現物5年債利回りは3月11日に0.705%をつけ0.7%に接近している。2年債利回りも3月7日に0.505%と0.5%に接近している。海外投資家によるフラットニングのアンワインドといった動きも加わってこういった中期ゾーンが買い進まれた格好ともなった。

 相対的に超長期ゾーンは重かったものの、3月3日には20年債利回りも昨年11月以来の2%の大台割れとなっている。

 債券先物も3月7日に中心限月としては約2年ぶりに139円台に乗せてきたが、11日の3月限の売買最終日を控えて、売り方のロールではなく今回は買い方のロールが主体となったことで3月限と6月限のスプレッドがマイナスとなるなど、珍しい現象ともなった。

 今後も米国市場の不安定さなどや、投資家の需要が下支えとなり当面の債券相場は堅調地合が続きそうだが、2年の0.5%や5年の0.75%、10年の1.3%といった水準を大きく割り込むには、あらためて日銀による「利下げ」が意識されないことには難しいともみられる。
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by nihonkokusai | 2008-03-11 13:31 | 債券市場 | Comments(0)

「幸田真音さんの新刊、あなたの余命教えます」


 3月24日に幸田真音さんの新刊「あなたの余命教えます」(講談社)が発売されます。これまでの幸田さんの小説とちょっと違った作品となっているそうです。DNA解析、遺伝子工学、再生医療の分野にいま注目のデータマイニングを合体させると、人間の余命予知が可能になる・・・。まさに近未来型小説になっているそうです。SF好きな私としても興味津々の内容です。

すでにサイン会も予定されているそうです。ぜひ足を運んでいただければと思います。

4月10日(木)紀伊國屋新宿本店 18:30~

4月17日(木)浜松町ブックストア談 18:30~
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by nihonkokusai | 2008-03-11 09:59 | 本の紹介 | Comments(0)

「平山賢一さんの新刊、振り子の金融史観」


 3月10日に平山賢一さんの新刊「振り子の金融史観」(シグマベイキャピタルズ)が発売されました。金融の歴史に詳しい平山さんの新著です。金融を知るには目先の出来事だけでなく、歴史を振り返ることもたいへん重要です。特に現在のように金融波乱の時こそ、過去に学ぶ必要があるのではないでしょうか。金融市場に携わる方、金融に関心のある方に是非読んでいただきたい本です。
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by nihonkokusai | 2008-03-11 09:58 | 本の紹介 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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