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「当面の債券相場」


 米国のサブプライム問題に続いて、モノラインと呼ばれる金融保証専門の保険会社に対する問題により、金融市場の混乱は続いており、米国経済の先行き不透明感も強まっています。

 このため、1月22日にFRBは0.75%の緊急利下げを実施するとともに、30日の定例のFOMCにおいて0.5%の利下げを実施するなど、FRBは積極的な対応策を講じています。

 ただし、2月9日に東京の三田共用会議所において7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催されたが、中央銀行による「協調された流動性供給」については「一時的緊張の緩和に貢献」ともしているが、あくまで「一時的」なものであり、今回の声明文においては具体的な協調しての行動は明記されていません

 声明文では、「我々はそれぞれ、国内の状況に応じて、流動性供給、金融政策及び財政政策の分野で、適切な行動をとってきた。我々は、必要な改革を通じて成長力を高めるための努力を強化することに引き続きコミット。今後とも、我々は引き続き経済動向を注視し、経済の安定と成長を確保するため、個別にあるいは共同して、適切な行動をとっていく」とありました。

 米のサブプライム問題、モノライン問題などによる金融市場の混乱、さらに米国経済の減速懸念などに対しての各国の行動については、「国内の状況に応じて」、「個別にあるいは共同して」適切な行動をとっていくとしており、G7一体となって対処していくのではなく、個別の対応が重視されているように思われます。 市場では今回のG7において、利下げなどによる協調政策が実施されるのではないかとの見方も一部にありましたが、現在の欧米と日本の中央銀行は、プラザ合意当時などに較べて独立性が強化され、政府主導の政策協調に金融政策が絡んでくることは考えづらいのです。

 サブプライム問題のように世界的な問題に対しても、先進国が「協調」して政策を行なうのではなく、それぞれの国内事情を意識しながら、情報連絡を中銀同士が密に取り合い、それぞれの判断で政策を行なうというのが、現在の姿とみられ、特に協調利下げといったものの可能性はかなり低いものと言わざるを得ないのです。これにはG7だけでは対応しきれないという側面もあり、また金融緩和といった手段だけでは限界があることは市場も認識しているといったことも背景にあると思われます。

 当面の日本経済について、日銀の福井総裁はG7における会見で、「当面経済は減速し、消費者物価は上昇率を高めるとみられますが、来年度に向けては、生産・所得・支出の好循環のメカニズムが基本的に維持されるという状況のもとで、物価安定のもとでの緩やかな拡大を続ける可能性が高いという判断」を継続しています。 物価については昨年12月の全国消費者物価指数(生鮮食料品除く)は前年同月比0.8%の上昇となり、市場予想の+0.6%も上回りました。上昇率は 1998 年3月の前年比+1.8%以来、9年9か月ぶりの水準となり、いずれ1%程度の上昇も見込まれています。ただし、このまま上昇し続けるとの見方は少なく、いずれ0.5%あたりに落ち着くともみられています。

 そして国内経済については、内閣府が14日朝8時50分に発表した2007年10~12月期GDP1次速報値、物価変動の影響を除いた実質で前期比+0.9%、年率換算で3.7%と予想を大きく上回りました。

 昨年6月の改正建築基準法の施行の影響により民間住宅投資は前期比-9.1%と大きく落ち込んだものの、設備投資が前期比+2.9%となりその落ち込みをカバーし、個人消費も+0.2%としっかり。成長率のうち内需の寄与度は+0.5%となりました。引き続き外需も好調となり、輸出は前期比 +2.9%。控除項目の輸入は+0.5%となり、これにより外需全体の寄与度は+0.4%となりました。内閣府によると輸出では中東向けの自動車が最も貢献するなど米国への輸出減を新興国の輸出増で補ったかたちとなりました。

 米国サブプライム問題のよる日本経済の影響はこれを見る限り限定的ながら、まだ景気の下振れリスクもあるため。今後の動向には注意も必要です。

 引き続き東京株式市場は米国株式市場の動向の影響を受けやすくなっており、円債は米国債の動向とともに、この株式市場の影響も受けながらの動きになっています。

 債券相場は上げ下げはあるものの、1月25日あたり以降は137円台前半から138円台前半のレンジ内相場が継続しています。また10年債利回りでは1.4%から1.5%のレンジ内での動きとなっています。日経平均先物も同様に13000円あたりから14000円にかけてのレンジ内相場ともなっており、株、債券ともに方向感の乏しい展開となっています。

こういった神経質ながらもレンジ相場は続くものとみられます。日米の経済指標などによって一喜一憂する相場ともなりそうですが、日米ともに先行き経済見通しに不透明感も強いことで、そういった動きも一時的なものに止まるものと予想されます。

日銀も当面は現状の金融政策を維持してくるものとみられます。日本経済に対しての過度な悲観論も後退しつつあることで、2年債利回りが再び 0.5%を割り込むといったことは考えづらいものの、3月決算期末や国債の大量償還なども控えていることで、投資家の押し目買い意欲も強いとみられ、債券先物などの下げも限定的なものに止まるものと予想しています。債券先物は3月限が3月11日に売買最終日を迎えることから、中心限月が6月限に移行しますが、これも特に波乱要因にはならないと思われます。

以上のことから、当面の長期金利は1.4%から1.5%のレンジ内での動きとなりそうです。
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by nihonkokusai | 2008-02-15 10:54 | 債券市場 | Comments(0)

「10~12月期GDP1次速報値」


 内閣府が14日朝8時50分に発表した2007年10~12月期GDP1次速報値は、物価変動の 影響を除いた実質で前期比+0.9%、年率換算で3.7%と予想を大きく上回った。プラス成長は2四半期連続となった。

 昨年6月の改正建築基準法の施行の影響により民間住宅投資は前期比-9.1%と大きく落ち込んだものの、設備投資が前期比+2.9%となりその落ち込みをカバーし、個人消費も+0.2%としっかり。成長率のうち内需の寄与度は+0.5%となった。

 引き続き外需も好調となり、輸出は前期比+2.9%。控除項目の輸入は+0.5%となり、これにより外需全体の寄与度は+0.4%となった。内閣府によると輸出では中東向けの自動車が最も貢献したそうである。

 GDPデフレーターは前年同期比-1.3%と2006年1-3月期以来の大幅低下となった。また、国内需要デフレーターは前年同期比+0.1%と2006年7-9月期以来の前年比プラスとなった。

 昨日の米国市場で予想上回る小売売上高を受けてダウは178ドル高となり米債は株高受けて続落となり10年債利回りは前日比+0.07%の3.73%に上昇したことに加え、朝方発表されたこの10~12月期GDP1次速報値が予想を上回ったことから、債券先物は売り気配のスタートとなり、前日比39銭安の 137円55銭で寄り付いた。日経平均先物はドル円が108円台に乗せているなど円安効果も加わり、買い気配スタートとなり、こちらは前日比370円高の 13470円で寄り付いた。
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by nihonkokusai | 2008-02-14 09:45 | 景気物価動向 | Comments(0)

「日銀総裁人事」


 読売新聞は9日に、日銀「武藤総裁」で最終調整へ、副総裁に白川京大教授と報じた。これに対して町村官房長官は、日銀総裁昇格報道に対してて事実無根とコメントした。今回の日銀総裁人事はねじれ国会も絡んでピリピリしており、民主党も事前報道あったら認めないと言っていただけに、官房長官は、今後日銀総裁人事については一切答えないと発言したものとみられる。

 報道の自由もあるかもしれないが、今回の報道については日銀総裁人事そのものに影響を与える可能性もあることで、正式な発表があるまで報道は控えるべきものではなかったろうか。マスコミとしてはトップ人事を抜くということは、その影響はさておいても、ひとつの名誉なのかもしれない。しかし、仮にこの報道の結果、総裁空席の期間とか出来てしまった際には金融市場そのものに大きな影響も与えかねない。

 読売の報道の内容自体は、日銀理事であった白川氏の副総裁就任観測というのも違和感はあまりない。むしろもう一人の民間人からとみられる副総裁人事の方が個人的には興味があるが、それを早めに知ったとしてもあまり意味のないものでもあろう。

 今回の日銀総裁人事は日銀法改正時には想定していなかったような衆参のねじれ状態となり、その人事を巡ってのステップは微妙な変化もあるはずである。どういったかたちで日銀総裁が決定されるのか。その過程はクリアーではないが、結果が出てからはそのステップも明らかにしてほしいものでもある。
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by nihonkokusai | 2008-02-13 09:15 | 日銀 | Comments(0)

「7か国財務大臣および中央銀行総裁会議」


 2月9日に東京の三田共用会議所において7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催された。G7とは、Group of Sevenのことで日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの主要7か国の財務大臣および中央銀行総裁が集まる会議であり年に数回開催され、国際的な金融問題などを中心とした世界経済の主要課題について討議する。

 財務省は今回のG7にあたり、専用のホームページ(http://www.g7-2008.mof.go.jp/)を開設しており、「7か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明のポイント」をアップしている。

 「昨年10月の会合に比べ、世界はよりチャレンジングで不確実な環境に直面しているが、世界経済全体のファンダメンタルズは引き続き堅固である。米国では、生産と雇用の伸びが大幅に減速し、リスクは一層下方に傾いているが、長期的なファンダメンタルズは健全であり、2008年も成長が続くと見込んでいる。」

 この中で「チャレンジングで不確実な環境」「米国では、生産と雇用の伸びが大幅に減速し、リスクは一層下方に傾いている」としながらも、先行きの景気見通しについては比較的楽観的な内容ともなっている。

 「我々はそれぞれ、国内の状況に応じて、流動性供給、金融政策及び財政政策の分野で、適切な行動をとってきた。我々は、必要な改革を通じて成長力を高めるための努力を強化することに引き続きコミット。今後とも、我々は引き続き経済動向を注視し、経済の安定と成長を確保するため、個別にあるいは共同して、適切な行動をとっていく。」

 さらに米国のサブプライム問題、モノライン問題などによる金融市場の混乱、さらに米国経済の減速懸念などに対しての各国の行動については、「国内の状況に応じて」、「個別にあるいは共同して」適切な行動をとっていくとしており、G7一体となって対処していくのではなく、個別の対応が重視されているように思われる。

 「我々は、金融の安定性を強化し、金融混乱の影響を限定するとともに、金融混乱に寄与した要因に対処するため、共に努力することに深くコミット。中央銀行による協調された流動性供給は、短期金融市場における一時的緊張の緩和に貢献。」

 ただし、中央銀行による「協調された流動性供給」については「一時的緊張の緩和に貢献」ともしているが、あくまで「一時的」なものであり、今回の声明文においては具体的な協調しての行動は明記されていない。

 ポールソン米財務長官は会見において「他の国に財政出動計画の策定は要請していない」と発言(ロイター)するなど、今回のサブプライム問題に端を発しての各国の行動については、額賀財務相が「金融不安・経済対策は、それぞれの事情にあった対策を打ち出すことが重要」と述べ、また福井俊彦日銀総裁も「マクロ経済運営は、各国が問題を共有しながらそれぞれ適切に対応する」と述べているように各国の対応に任せられている格好ともなっている。

 今回のような世界的な金融市場の混乱については「協調」さを「強調」して、市場への影響を与えようといった行動はG7では取らなくなったのも、G7だけでは対応しきれないという側面もあるが、それだけ金融市場も洗練されてきたことの現れなのかもしれない。金融緩和といった手段だけでは限界があることは市場も認識している。さらに日米欧とも中央銀行が政府からやや距離を置くようになっており、協調利下げといった「政策協調」は今後実施される可能性はかなり低いと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-02-12 09:59 | 国際情勢 | Comments(0)

「来週の債券相場の予想」


 9日のG7による市場への影響は限定的とはみられるが、日本は建国記念日で休場となる11日の米国市場動向に注意したい。引き続き米サブプライム問題、モノライン問題、そして米国経済への先焼き不透明感といったものが材料視されるとみられる。さらにインフレ警戒も出ていることで、12日に予定されているプール米セントルイス連銀総裁やイエレン米サンフランシスコ連銀総裁の講演の内容なども注目されそうである。13日には5年国債の入札が予定されている。3月末決算も睨んでの中期債に対しての大手銀行の動向なども注目されそうである。14日から15日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催される。金融政策は全員一致の現状維持が予想されるが、市場ではその決定内容よりも日銀総裁、副総裁の人事の方が関心が高そうである。14日には10~12 月期GDP1次速報値が発表され、この内容は要注目。過去の数字ではあるが、日本での景気減速が確認されるようだと東京株式市場などに対して売り圧力がかかる可能性がある。また物価についてもCPIがいずれ1%近辺まで上昇と予想されているが、GDPデフレータの動向などにも注意したい。日米とも注意すべき経済指標の発表も多く、その発表に一喜一憂しながら、株も債券も先物主体にやや投機的な動きも加わり波乱含みの展開が続きそうである。
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by nihonkokusai | 2008-02-08 10:03 | 債券市場 | Comments(0)

「個人向け債券の種類」


 個人向け債券といえば、代表的なものが個人向け国債です。個人向け国債は既存の国債とは異なり、個人間の譲渡以外の譲渡はできず個人専用の国債となっています。これまで発行された国債の最低額面金額は5万円であるのに対し、個人向け国債は1万円から1万円単位となっています。現在個人向け国債には2種類あります。利率は半年毎に実勢金利に応じて支払われる変動金利タイプの10年満期のものと、利率が固定されている5年満期です。変動タイプの個人向け国債は発行から1年経過すれば途中換金が可能です。また固定タイプは発行から2年経過すれば中途換金が可能となり、一定期間の利子相当額が差し引かれますが、元本で政府が買い取ってくれます。それぞれ年率0.05%の最低金利保証が設定されています。発行は現在、1月、4月、7月、10月の年4回となっています。

 また、国債には個人向けとして2007年10月から新型窓口販売方式による国債の販売が行なわれています。これは期間が2年、5年、10 年の固定金利型の国債で毎月募集・発行されます。すべて固定金利型となっていることで、発行時に決定された利率は、償還時まで変わらず、半年ごとに決まった利子が支払われ、額面金額で償還されます。購入最低額面単位は5万円から可能で、5万円の整数倍単位での購入となります。

 個人向け国債は、現在のところ募集が年4回に限られていますが、新窓販国債は毎月購入が可能です。新窓販国債は、一定の期間は中途換金が制限される個人向け国債と異なり発行後いつでも市場価格での売却が可能です。ただし、個人向け国債のように元本で政府が買い取る仕組みにはなっていません。また最低金利保証といったものもありません。

 国債については、個人向け国債、新窓販国債ではなく、通常発行されている国債も個人が購入できるものがありますが、今後は個人向けの販売はこの個人向け国債、新窓販国債に絞られてくるものと思われます。

 個人向け債券には国債以外にもいくつかの種類があります。地方債や社債にも個人専用の債券を発行しているところがあれます。特に個人向けの地方債としては「ミニ公募債」と呼ばれる債券が発行されています。「ミニ公募債」は、これまで法人主体に発行していた地方債に対して、消化の裾野を個人に広げようと企画されたもので、地方公共団体にとの資金調達手法の多様化が図られるとともに、住民の行政への参加意識の向上といったものも意識されたようです。もちろん個人の資金が貯蓄から投資へとの流れの変化といったものも意識されていたと思われます。

 公募地方債は総務省が許可した地方公共団体しか発行できませんが、このミニ公募地方債はすべての地方公共団体で発行することが可能です。さらに、ミニ公募地方債はその発行のための対象事業を明確にしていることもポイントになっています。

 さらに、一般企業の資金調達手段となっている社債の販売先を個人に限定した「個人向け社債」も発行されています。個人向けの電力債などは発行の単位が10万円や50万円と小口化され、個人でも購入しやすくなっています。

 また証券会社などでは、個人向けの外債も販売しています。日本の債券に較べて利子が高いものが多く魅力的ですが、為替変動リスクが伴う点に注意が必要です。
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by nihonkokusai | 2008-02-07 09:44 | 債券市場 | Comments(0)

「ISMの非製造業景況感指数が50割れ」


 5日のNY時間の早朝に発表された米供給管理協会(ISM)の非製造業景況感指数は41.9となり、前月から大幅に悪化し同時多発テロ以降の最低水準に。景気動向の良し悪しを測る分岐点となる50を割り込んだ。

 このISM指数は1931年から続いている伝統的な経済指標でもあることや、主要な米国の経済指標の中では最も早く発表されることに加え、企業の景況感を反映し景気転換の先行指標とされることから、市場での注目度もたいへん高い経済指標となっている。

 市場ではISM非製造業景気指数そのもの数とともに、雇用指数や価格指数なども市場では注意を払っているが、受注指数43.5(12月は53.9)、雇用指数43.9(同51.8)、支払い価格70.7(同71.5)と軒並み低下し、これによって、米国の景気後退観測が強まった。

 ちなみに今回のISM指数は、指数データがリークされた影響から予定時刻よりも早く結果を発表したとみられ、通常10時の発表が早朝の発表となったとか。
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by nihonkokusai | 2008-02-06 10:10 | Comments(0)

「中央銀行の独立性」


 2月9日に東京で財務相・中央銀行総裁会議、いわゆるG7が開催される。独立性と透明性といったものが、現在の世界の中央銀行にとっての大きなテーマでもあるが、中央銀行が政府からの独立性を得たのは、イングランド銀行にしろ、FRBにしろそれほどの昔ではない。

 イングランド銀行の政府からの独立においては、前財務相で現在イギリスの首相となったブラウン氏、FRBではルービン元財務長官の働きが大きかったといわれる。ECBは政府からの独立性をすでに強めていたドイツ連銀の流れを汲んでいることに加え、複数国を跨いでの中銀という特殊性からも独立性は当初から必要なものであった。

 日本銀行の独立性を語る上でも、最適の人物の一人が次期総裁の有力候補でもある武藤副総裁ではなかろうか。財務省の事務次官という政府側の要職という立場から、現在は日本銀行の副総裁となり、政府側と日本銀行側の双方の立場といったものをよく理解しているとみられるためである。

 武藤副総裁は以前の講演において、委員会制度と中央銀行の独立性の関係についてコメントしている。ブラインダー教授の指摘を引用するかたちで武藤副総裁は「中央銀行が政府から独立していない場合には、単に政府から命令を受けているに過ぎず、金融政策を決定する委員会を持つ必要がないということです。もっとも、委員会制度の採用が中央銀行の独立性維持の必要十分条件かというと必ずしもそうではありません」と述べている。

 日本銀行の独立性の意義について、武藤副総裁は、「日銀法では、自主性という言葉が使われていますが、日本銀行の金融政策の独立性が強化されました。日本銀行は、公的機関として一定のコントロールは受けていますが、日銀法により、物価の安定を目的とする金融政策という明確な任務を付託され、政策委員会が外からの介入を受けることなく自らの意思で金融政策を決定しています」

 これは一見、一般論もしくは建前論のようにも受け取られるかもしれないが、これまでの金融政策決定会合の様子などを見る限り、政策委員会が外からの介入を受けたという様子はない。新日銀法施行後、いろいろなかたちで政治からのプレッシャーもあったとはみられるが、現在の日銀もしっかり独立性は維持している。

 そして日本銀行の独立性を担保するために、政策委員の任期は5 年とし、その解任事由を心身の故障等に限定することにより身分保障を徹底していることも武藤副総裁は指摘している。
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by nihonkokusai | 2008-02-06 10:05 | 日銀 | Comments(0)

「政策協調の可能性は少ない」

 
 2月9日に東京で7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が開催されます。サブプライム問題や、モノラインの問題による金融市場の混乱に対して、「政策協調」を行なうのではないかとの期待が一部にある。しかし、現在の欧米や日本の中央銀行は1985年のプラザ合意のころとは大きく様変わりおり、「協調利下げ」の可能性は極めて低いものと言わざるを得ない。

 1985年のプラザ合意当事の各国中央銀行は、現在のように政府からの「独立性」は限定的となっており、政府主導で協調介入をはじめとする「協調政策」が進められていた。

 しかし、その後時代は流れ、欧米諸国でも中央銀行の独立性が重要視されるようになっていった。1997年に財務省に就任したブラウン氏は就任わずか4日目に金融政策の大転換を行い、財務省から中央銀行であるイングランド銀行に金融政策の決定権を移し、独立性を高めるという大胆な改革に踏み切った。イングランド銀行の独立性を強化させた背景には、1999年の通貨統合を控えた欧州各国の中央銀行が、ドイツを見習って次々と独立性を強化させていたことも要因であった。

 そのECBは政府からの独立性をすでに強めていたドイツ連銀の流れを汲んでいることに加え、複数国を跨いでの中銀という特殊性からも独立性は当初から必要なものであったのである。

 また、グリーンスパン前FRB議長の著書「波乱の時代」の内容などから、米国ではFRBの独立性を高める上でルービン元財務長官の働きが大きかったといわれる。

 日本でも1998年の日銀法の改正により、日銀の独立性と透明性の向上がはかられたのである。

 このように現在の欧米と日本の中央銀行は、プラザ合意当時に較べて独立性が強化され、政府主導の政策協調に金融政策が絡んでくることは考えづらい。2007年のサブプライム問題にあたっての流動性強化策についても、FRB、ECBがそれぞれの判断で実施している。

 世界的な問題に対しては、先進国が「協調」して政策を行なうのではなく、それぞれの国内事情を意識しながら、情報連絡を中銀同士が密に取り合い、それぞれの判断で政策を行なうというのが、現在の姿とみられ、特に協調利下げといったものの可能性はかなり低いものと言わざるを得ないのである。
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by nihonkokusai | 2008-02-05 10:09 | 日銀 | Comments(0)

「予算執行調査室」


 3日の読売新聞は、財務省は各省庁や独立行政法人などが予算を適切に使っているかを点検する「予算執行調査室」を1日付で新設したと伝えている。

 「防衛省で起きた防衛装備品の調達を巡る汚職事件の反省などから、主計局の担当分野ごとに分かれていた点検作業を集約し、予算の無駄減らしを徹底させる。調査室のメンバーは専任6人のほか、防衛、厚生労働、農林水産、公共事業の各分野の予算担当者が「予算執行調査官」を務めるなど29人が兼務し、省庁などの会計担当者への聞き取りなどにあたる。」(読売新聞ネット版より)

 財務省のホームページの人事情報によると、この予算執行調査室長には「齋藤通雄」氏が就任された。債券市場関係者にはご存知の方も多いと思うが、齋藤通雄氏は国債課の課長補佐時代には積極的に国債管理政策を進められた方であり、私も長きにわたりお世話になっている。齋藤氏には予算執行調査室長としてあらためてご存分に力を発揮していただければと思う。
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by nihonkokusai | 2008-02-04 14:54 | 国債 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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