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「2008年の債券相場予想」


時期的にやや早いものの、依頼もあったので「2008年の債券相場予想」を占ってみたい。ただ、短気ではなく短期の日計りディーラー出身ということもあって、あまり長期の予想というのは意味がないと見ているが、それなりにシナリオを考えておくのも大事かもしれない。しかし、その結果が仮に当たろうが外れようが、それは見通しが良かったわけでも甘かったわけでもなく、たまたまそうなったというのが現実の相場である。1年後の相場は途中経過を含めて見通すことは、たぶん神様でも無理があろう。

 かなり言い訳じみた冒頭となってしまったが、なにはともあれ、来年に注意すべきイベントを列挙してみたい。日本国内では、まず衆院解散総選挙の可能性が指摘されている。ねじれ国会が何らかの形で解消されるのかどうか。ただし、この解散総選挙の時期については、2008年7月7日から開催される洞爺湖サミット後との見方も出ているがかなり流動的である。その洞爺湖サミットも大きなイベントとなる。

 直接相場への影響は限られるものの、2008年3月19日に任期満了となる日銀の福井総裁の後任人事の行方もやや気がかり材料となっている。これについては、13日に民主党の小沢代表が武藤副総裁の日銀総裁昇格について「100%ノーではない」と微妙な発言もしており、やや流動的ながらも武藤副総裁の総裁昇格の可能性が現状では最も高いとみている。

 日本経済の行方を占う上で、目先最も注目されるのが、米サブプライムローン問題による米国経済への影響であろう。欧米の金融機関の損失額もまだはっきりしない部分もあるが、2007年末までにはある程度、そういった損失もはっきりしよう。これによる米個人消費などの影響については見方は分かれるものの、米バーナンキFRB議長は8日、上下両院合同経済委員会で証言し米国の経済成長は10―12月期にかなり減速し、来年春まで停滞するとの見通しを示しており、それをメーンシナリオとしておく。

 その米国の大きなイベントとしては、2008年11月にスタートする大統領選挙がある。サブプライム問題の影響が後退してくれば、外為市場などを含めてこの米国大統領選挙の行方が焦点となろう。この結果についても、ヒラリー・クリントン氏優位といったことも伝えられているが現状予測は難しい。

 すでに世界経済における米国経済の影響はかなり後退しており、その反面、中国やインドといった新興国市場の経済成長が支えているといった構図にも当分変化はないとみられるが、ここで注意したいのが、2008年8月8日に開催される北京オリンピックである。これに向けて国内でも液晶テレビの普及ピッチが早まるといった個人消費に対しての期待もある。しかし、なんといっても個人的な見通しとして、北京オリンピックまでは中国の高い経済成長は続くとずっと見ていただけに、その後がやや気になる。日本の東京オリンピック後の不況と同様のことは起こらず、まだ高度成長は続くとの見方もあるが、いったん中国経済成長が息切れする可能性もある。

 以上、2008年に注目すべきイベントとして、日本では衆院解散総選挙、日銀総裁人事、洞爺湖サミットがあり、海外では米国大統領選挙、北京オリンピックなどが挙げられる。経済動向としては春先あたりまで、米サブプライム問題の影響が燻る可能性がある。

 2007年の長期金利の動向を簡単に振り返ってみると、1.695%とほぼ1.7%近くで今年の長期金利はスタートし、その後、2月の日銀による政策金利の0.25%から0.5%への追加利上げを経て、6月には一時1.985%まで利回りが上昇した。これは米長期金利の上昇といったものが背景にあったが、その後は米サブプライムローン問題が深刻化し、11月に入って長期金利は1.5%を割り込み、今年の最低利回りをつけてきた。

 今年の長期金利が日銀の追加利上げがあったにも関わらず、2%にも届かなかった背景のひとつは物価の低迷であろう。今年に入っての消費者物価指数(生鮮食料品を除く)の前年同月比は、1月が0.0%となったが、2月-0.1%、3月-0.3%、そして4月以降は9月まで-0.1%が続いている。ただし、10月以降は原油価格の上昇などもあり徐々に前年同月比プラスとなると見込まれている。日銀の展望レポートによると、2008年度のCPI 予想は、前年同月比+0.4%となっているが、物価上昇圧力も次第に強まっているだけにその程度のプラスとなる可能性は高いとみているが、大きく物価が跳ね上がるような環境でもないことも確かか。

 2008年の日本経済見通しも予想は難しいものの、日銀の展望レポートによる2008年度のGDP見通し2.1%近くの成長は見込まれるかと思われる。ただし、北京オリンピックの終了後から米大統領選挙などに向けての時期には、中国と米国経済環境に変化が出ている可能性があることで注意したい。

 以上のことから、現状での2008年長期金利は、とりあえず1.5%から2.5%あたりの予想としてみたい。日銀による利上げは、今後3月までに1回、その後年末までにもう一回程度実施される可能性があるとみている。
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by nihonkokusai | 2007-11-14 10:45 | 債券市場 | Comments(0)

「7-9月期GDP速報値」


内閣府が本日朝8時50分に発表した7-9月期GDP速報値は、実質で前期比+0.6%、年率換算で+2.6%となり、事前の市場予想をやや上回った。牽引役は外需となり、輸出が前期比+2.9%となり、外需の寄与度は+0.4%となった。

 内需の寄与度は+0.2%。事前に予想されていたように、6月の改正建築基準法の施行に伴い建築着工が急減したことで、住宅投資は-7.8%と1997年 4-6月期以来の下落幅となったが、設備投資が前期比+1.7%、個人消費も同+0.3%となり、これらが補った形となった。さらに民間在庫の寄与度は+ 0.1%となっていた。

 これを見る限り、日本経済については底堅い動きとなっているが、先行きについてはサブプライム問題の再燃による米経済の行方に不透明感も強まっていることで、警戒心も強まっている。米経済の減速については現在の日本経済への影響は以前に較べて限定的となっているが、米経済の影響が他のアジア市場や欧州市場など含めてグローバルな影響を与えるようならば日本経済に対しても少なからず影響は出る可能性も。
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by nihonkokusai | 2007-11-13 09:45 | 景気物価動向 | Comments(0)

「最近の相場を振り返る」


 11月に入ってからの市場の様子を見てみましょう。日本の長期金利は前回の金融政策決定会合が開催された10月31日の翌日11月1日に、1.670%まで利回りが上昇しました。これは31日の米FOMCでFRBは予想通り政策金利を0.25%引き下げたのですが、声明文から次回の追加利上げ観測がいったん後退し、また7-9月期米GDPが予想を上回るなどしたことなどから米債が下落したのが要因となりました。

 しかしそれ以降、日本の長期金利はほぼ一本調子での低下となりました。これは特に米国市場で、サブプライム問題が再燃したことが要因となりました。残念ながらサブプライム問題の影響は後退するどころか、さらに深刻化していったのです。

 それは1日にカナダの金融大手CIBCが、シティグループの投資判断を「中立」から「売り」に引き下げたことがひとつのきっかけとなりました。これによりサブプライム問題が再燃し、1日のダウ平均は362ドルもの下落となったのです。

 2日に発表された米雇用統計の非農業雇用者数は予想を大きく上回り、これを受けて同日の米株式市場は反発しました。ただし、メリルリンチが複数のヘッジファンドとの間でモーゲージ担保証券関連の損失先送りを意図した取引を行っていたと報道されるなど、サブプライム問題が燻り、米債は続伸していました。

 米メリルリンチのオニール会長兼CEOは30日に辞任を発表しましたが、米シティは追加で80-100億ドルの評価損を計上するとともに、プリンス会長兼CEOが辞任し、ルービン元財務長官を会長に使命しました。

 7日の米ダウ平均は、前日比360ドルもの下落となり、米10年債利回りは4.31%に低下し、ドル円は112円台をつけてきました。米バーナンキFRB議長は8日、上下両院合同経済委員会で証言し米国の経済成長は10―12月期にかなり減速し、来年春まで停滞するとの見通しを示しました。

 そして9日の東京市場では、みずほフィナンシャルグループが、みずほ証券と新光証券の合併を当初予定の1月から延期する方向で最終調整に入ったとの報道や、みずほ証券が米サブプライムローン問題に絡んだ損失が1000億円超に拡大する可能性があるとの報道があったみことで金融株主体に売りが入り、債券は買われ、20年債利回りは9月18日以来の2.1%割れとなりました。

 さらに9日の米国市場では、米銀ワコビアは10月にクレジット関連で約11億ドルの追加損失が出たとの発表などを受けて金融株が売られ、ハイテク株も下落しダウは223ドルもの下落となりました。さらにNY外為市場では円買いドル売りが進行し、ドル円は110円50銭と1年半ぶりの高値をつけました。米債は株安などから続伸となり10年債利回りは4.22%と2005年9月以来の水準に利回りが低下し、12日の債券市場では10年債利回りは、1.505%と1.5%近くまで利回りが低下しました。
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by nihonkokusai | 2007-11-12 10:47 | 債券市場 | Comments(0)

「今週の債券相場動向と来週の見通し」


今週の債券市場では、10年債利回りは1.5%台での推移となり、債券相場は週を通じてしっかりした展開となった。引き続きサブプライム問題に対して不透明感が強まっていることなどによる米国市場の動向が背景にある。特に7日の米ダウ平均は、前日比360ドルもの下落となり、米10年債利回りは4.31% に低下し、ドル円は112円台をつけてきた。外為市場ではドルはほぼ全面安の展開ともなった。米バーナンキFRB議長は8日、上下両院合同経済委員会で証言し米国の経済成長は10―12月期にかなり減速し、来年春まで停滞するとの見通しを示した。週末の債券市場は株安などから、10年債利回りは1.5%台前半まで低下し、20年債利回りは9月18日以来の2.1%割れとなった。6日に実施された初の40年国債入札の結果は無難となったものの、8日に実施された5年国債入札は66回リオープンとなったこともあり、入札はやや低調な結果となった。現物のイールドカーブもややフラット化圧力を強めた。ただ、相場は株式市場を見ながらといった展開となり、その株式市場も海外市場動向を見ながらと、主体性のない展開が続いていた。

8日のECB定例理事会においては政策金利の変更はなく、BOEも政策金利を据え置いている。バーナンキ議長は先行き経済について来年春ごろまでの停滞との見通しを示す反面、物価上昇への懸念も怠らず両睨みといった状態にある。日銀の金融政策決定会合が12日から13日にかけて開催される。米サブプライム問題の不透明感がさらに強まり、米国経済の先行きについての懸念もあり、その日本経済への影響も見定めたいところとなろう。このため、引き続き賛成多数での現状維持が見込まれる。現状維持に対しての反対者が増えるかどうかも注目か。さらに13日の福井総裁会見内容もチェックしたい。債券相場が主体性のない展開が続いていることから、投資家動向や国内材料といったものより、海外市場動向とそれに影響受けた株式市場動向を睨みながらの展開が当面は続くものとみられる。
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by nihonkokusai | 2007-11-09 12:14 | 債券市場 | Comments(0)

「2006年度の日本の外貨準備の運用利回りが6.7%(財務省試算)」


 財務省は外国為替資金特別会計の外貨建運用収入の内訳等についてを発表し、2006年度の運用資産の平均残高92兆2034億円、これによる運用収入が3 兆6917億円となったことを発表した。2006年度の運用資産利回りは4.0%と、前年度の3.25%から0.75%の上昇となった。

 日経新聞によると、ここからさらに債券の値上がり益を勘案した2006年度の運用利回りは、6.7%に達するそうである。米国債の価格上昇が寄与しているようである。利回りは2005年度の4倍に膨らんでいることで、海外の債券市場といった金融市場の状況によって運用利回りも当然ながら大きく変化している。

 今回の運用利回りの初公開は、ソブリン・ウェルス・ファンドなどを設立してリスクとらなくても、堅実に運用して4%の利回りが確保できるということにもなることを示そうとしたのであろうか。ただし、運用といっても、まさに運用担当者の技能といったものが求められる。設備やお金があれば良いというものでもない。外貨準備などもしっかり運用しろとの声もあるが、その前にしっかり運用できる人材育成の方が先決である。相場に勝つ、いや少なくとも負けないということがいかに難しいことであるのかは市場関係者に聞くまでもない。
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by nihonkokusai | 2007-11-08 12:41 | 投資 | Comments(0)

「国債の多様化」


 7日付け日経新聞によると、財務省は20年物の物価連動国債の投入を検討しているようである。6日の初の40年国債入札は無難な結果となり、来年度からは発行額も増加されることが予想される。こういった国債の多様化の一環として、20年物の物価連動国債の投入も検討課題に入っているものとみられる。欧米にくらべて、日本では物価連動国債の全体に占める割合がまだまだ低い。そもそも物価そのものの上昇圧力が鈍いため、なかなかニーズも広がらないといった側面もあるが、今後は日銀のシナリオどおり進めば、CPIもプラスとなりそのプラス幅も次第に拡大していくものとみられることで、投資家ニーズが広がりを見せる可能性もある。そういった際には20年という現在の10年物に比べより長期の物価連動国債も品揃えの一環として必要となるかもしれない。

 また、日経が報じたところによると、個人向け国債の販売てこ入れのため、金融機関側からの要望の多い販売手数料の引き上げが検討課題となっているそうだが、それよりも商品設定の見直しや販売ルートの拡大、販売手段の多様性などに力を注ぐべきではなかろうか。馬にニンジンといった感もあり、販売手数料の引き上げは抜本的な対策にはなりえない。個人向け国債の販売拡大にはその売り手に配慮ではなく、購入者たる買い手に配慮すべきである。

 いつでも個人向け国債が気軽に買える環境を作るだけでも、残高を増加させられる。たとえば財務省からインターネットを通じて直接、個人向け国債を購入できる手段を日銀とともに議論すべきではなかろうか。また換金できない一定期間のペナルティーといったものも見直してはどうであろう。個人向け国債は「貯蓄から投資へ」のひとつの切り札とも言うべきものでもあり、投資家がより購入しやすい商品として、投資家に配慮した商品設計を勧めるべきと考える。
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by nihonkokusai | 2007-11-07 10:16 | 国債 | Comments(4)

「初の40年国債入札」


 11月6日に、日本の国債としては初めて期間40年ものの入札が実施される。入札日が2007年11月6日、発行日は2007年11月20日、利払い日は 3月と9月のそれぞれ20日、今回の発行額は1000億円の上限が設定されている。償還期限は2048年3月20日。入札は0.5%刻みのイールドダッチ方式で行なわれる。応募者利回りは入札により決定され、表面利率及び発行価格については募入最高利回りを基礎として決定される。

 40年の国債の流通市場は存在していない(国債以外では40年物は財投機関債の発行などがある)。そのため、財務省は、投資家と納税者の双方にとって不利とならない適切な発行条件の推定を目的に、金利推計モデルを導入している。この金利推定モデルによる入札日午前中の40年金利の算出値等も踏まえて足切りレートを設定し、発行上限となる1000億円以下でも一部または全部の応募を除外される可能性がある。

 欧州でも50年債などが発行されており、日本国債もこれまで最長となっていた30年国債からさらに10年償還期間が長い国債が発行されることとなる。ただこれだけ長期の債券に対しては購入層も限られているともみられ、主に内外の年金運用機関や生命保険会社などが購入層になるとみられている。

 現在発行が行われている国債は、6か月物と1年物の短期国債、2年利付国債、5年利付国債、10年利付国債、20年利付国債、30年利付国債、40年利付国債、10年物価連動国債、15年変動利付国債となる。そして、個人向けとして5年固定利付きタイプと10年変動利付きタイプもある。

 以前には、3か月物の短期国債、3年利付国債、4年利付国債、6年利付国債、3年割引国債、5年割引国債なども発行されていたが、現在は発行が休止となっている。その時代の背景等によりあらたな国債の発行が検討され発行されることで、国債の発行年限や利払い方式なども変化してきている。これもひとつの時代の移り変わりとも言えるのではなかろうか。
 
 第1回40年国債の入札結果は、募入最高利回り2.4350%、表面利率は2.40%、発行価格は99.10円と発表された。応札倍率は5.02倍。募入最高利回りは事前予想をやや上回ったものの、まずまず無難な結果となった。
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by nihonkokusai | 2007-11-06 13:14 | 国債 | Comments(0)

「米シティのプリンス会長兼CEOも辞任」


 ここにきてサブプライム問題に対して不透明感がさらに強まっている。米メリルリンチのオニール会長兼CEOが30日に辞任を発表したが、このメリルリンチが複数のヘッジファンドとの間で、モーゲージ担保証券関連の損失先送りを意図した取引を行っていたとの報道もあった。そして、その後、米シティのプリンス会長兼CEOの辞任も発表され、ルービン元財務長官が後任の会長に使命された。さらにシティはサブプライムローンなどに関連した評価損が約80億~110 億ドルになるとの見通しも示した。米大手金融機関のトップの辞任が相次ぐ異常事態に対し、市場がどのような反応を示すのか、さらにスーパーSIVの行方といったことも含めて、先行きの不透明感がさらに強まりつつある。

 また、民主党の小沢代表の辞意表明というニュースも飛び込んできた。その背景に自民党との大連立構想があったことで、日本国内の政局の行方も混沌としてきている。これらは株式市場にとり売り材料となりそうである。ただし、2日の米10月の雇用統計の非農業雇用者数が予想を上回るなどするなど、米経済そのものはしっかりともなっており、これが株式市場の下支えともなりそうである。

 株の動向などを見ながら、債券市場では質への逃避からの国債買いといった連想も働きやすい反面、政局の動向は国債への信認に影響を与える懸念もあることで注意も必要か。 当面は、サブプライム問題の再燃などにより長期金利は低位安定してくるものとみられるが、米国市場動向次第では不安定な動きとなることもあり、注意も必要か。

 6日には40年国債の入札が初めて実施される。
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by nihonkokusai | 2007-11-05 12:22 | 債券市場 | Comments(0)

「サブプライム問題の影響は今後後退か」


 10月31日の日銀金融政策決定会合では、引き続き8対1の賛成多数での現状維持が決定されました。今回も反対は水野委員一人でした。

 最初に前回の決定会合の開催された10月11日以降の市場の様子から見てみましょう。日本の長期金利は前回の金融政策決定会合が開催された10月11日に1.735%となっていましたが、10月22日には1.555%まで利回が低下しました。

 16日にバーナンキFRB議長は講演で、サブプライム関連での金融市場の混乱の長引く恐れを示しましたが、9月の住宅着工件数が前月比-10.2%と市場予想を大きく下回るなど経済指標にもその影響が示されました。

 19日の米国市場では、企業決算や原油高などを受けてダウは366ドル安となり、米債は続伸し10年債利回りは4.39%に低下しました。また、113円台への円高進行もあり、22日に債券先物は136円16銭寄付と9月18日以来の136円台に乗せてきました。

 現物も買われ10年288回は1.6%を大きく割り込んできたのです。メリルリンチはサブプライム問題の影響から、7-9月決算で9000億円の評価損を計上としたことや、9月の米中古住宅販売が前月比-8.0%と大きく下回ったことを受けて、FRBによる追加利下げ観測も高まりました。

 米国では17日にベージュブックが発表されました。ここで、9月と10月上旬にかけてすべての地域で、経済活動は引き続き拡大基調となっていることが示されたものの、拡大のペースは8月以降は減速していました。個人消費が拡大したものの、レポートではややまちまちとなっており、成長は9 月、10月上旬の伸びは8月より鈍化したと指摘。製造業とサービス業は拡大傾向となったが、サービスは住宅建設と不動産関連取引に影響を受けた。いくつかの製造関連企業やサービス会社は、内需が弱いものの世界市場への好調な輸出によって、これが相殺されたと報告されました。

 住宅市場は減速し続けており、ほとんどの地区で国内販売、価格、および建設が悪化したと報告されました。金融機関からは、焦げ付きの増加や信用に対する質の低下が報告された。多くの地区の貸し手は与信基準が厳格化された。報告では、企業向け融資が増加しているものの、個人向け融資は減少もしくは伸びが鈍化しています。

 こういった状況を受けて、10月31日の米FOMCでは、米FRB政策金利であるFF金利の誘導目標を0.25%引き下げ、年4.5%とすることを9対1の賛成多数で決定しました。全員一致が一応原則とみられるFOMCで、今回反対者が出たことは注意する必要もありそうです。今回反対したのは据え置きを主張したカンザスシティー連銀総裁でした。また、公定歩合も0.25%引き下げて、年5%としました。

 FOMC後に発表された声明文では、景気の下振れリスクを指摘する反面、原油価格などの上昇によるインフレ圧力も警戒と、スタンスとしては中立的なものとなり、12月のFOMCでの追加利上げ観測は後退しています。国内の経済指標を見てみますと、総務省が26日発表した9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)で100.3となり、前年同月比で-0.1%となりました。同時に発表された10月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く)で100.3となり、前年同月比で横ばいとなりました。

 原油高などの影響によりガソリンなど石油製品が上昇したことで、2か月ぶりにマイナス圏から脱しました。ただし、ここにきて、値上げされている食料品への影響は、指数全体への影響がごく小さいこともあり限定的となっていました。しかし、今後は潜在的な物価上昇圧力となっていくものとみられます。

 26日に総務省が発表した9月の家計調査(速報)によると、全世帯(二人以上の)の1世帯当たりの消費支出額は実質で前月比+0.7% (季節調整済み)、前年同月比では+3.2%と2004年5月以来の3年4か月ぶりの高い伸びとなりました。ただし、前年同月比の高い伸びは昨年9月が前年比大幅に落ち込んでいたことの反動との見方もあります。

 10月31日の金融政策決定会合のあとには、展望レポートの発表がありました。この展望レポートで、2007年度見通しは、GDPで4月の2.1%から1.8%に、コアCPIは、4月の+0.1%から0.0%に下方修正しました。GDPに関しては、2007年4-6月期がマイナスとなり、 6月の建築基準法改正の要因で住宅着工に影響があったためです。これについて10月の展望レポートには、「住宅投資の振れが、2007年度の成長率を幾分下押しする一方」という表記がありました。

 CPIについては、原材料高などの価格転嫁は企業間取引ほどには進んでいない、との文面も10月には入っています。ただし、より長い目でみると、(CPIの)プラス幅が次第に拡大するとみられる、との文面は4月同様に10月も残っていた。2008年度見通しは、GDPで4月の2.1%から変わらず、コアCPIは、4月予測の+0.5%から+0.4%に下方修正しました。

 「金融環境は極めて緩和的であり、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長軌道を辿るのであれば、金利水準は引き上げていく方向にある」との文が10月にありましが、4月では「金利水準の調整」としていたところが「金利水準は引き上げていく方向にある」としているところも微妙に変わっていました。あくまで表現方法を変えただけともみられますが、今後の利上げを意識してのものと言えるかもしれません。

 31日の福井日銀総裁会見では、「グローバルな下振れリスク高まっておりしばらく続く」「国際金融市場は不安定な状態続いており、今後もしばらく続く」としながらも、「金利調整ペースは必ずしも遅くなるとはいえない」「足元の下振れリスク強くても低金利継続にゆる上振れリスク却下できず」「金利調整ペースは必ずしも遅くなるとはいえない」との発言もあり、利上げに向けた姿勢は維持していることを示したものと思われます。

 サブプライム問題の影響が後退してきつつあり、12月のFOMCでの追加利上げ観測も後退しました。またここにきてビールの価格の引き上げが発表されるなど、電力やガスの料金引き上げを含め、年末以降の物価上昇リスクといったものも懸念されつつあります。

 11月1日にはFOMCの結果などを踏まえた米債安や株高などを受けて、長期金利は1.6%台半ばに上昇していますが、今後は1.7%を伺う動きが予想されます。
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by nihonkokusai | 2007-11-01 10:16 | 日銀 | Comments(2)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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