牛さん熊さんブログ

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「8対1の賛成多数で現状維持」


 10日から11日の決定会合で、金融政策に関しては8対1の賛成多数で現状維持が決定されました。反対者が増えるのではないか、といった観測もありましたが、今回も反対者は水野委員一人となりました。

 会合後の福井日銀総裁の会見においては、「海外経済や国際金融市場に不確実性がある」「欧米金融市場は、いくつか改善の動きみられるが全体としては不安定」、「米調整長引けば、これまでより日本に強い影響出る可能性」として、慎重に情勢を見守る姿勢を示すとともに、物価の上昇を意識した発言もみられ、「物価が上昇し始まっていることと経済の変調は関連している」「人々の物価感はフォワードルッキングな政策にとって非常に重要」との発言もありました。このため米経済など世界経済の動向や金融市場の不確実性が後退し、さらに国内物価の上昇などを確認しながら、利上げのタイミングを模索してくるものとみられる。

 総裁会見では追加利上げを強く示唆したわけではないものの、内容からは年内利上げの可能性もないとは言えません。市場でも次第に追加利上げを織り込んでくるとみられ、長期金利は今後、さらに上昇圧力が加わる可能性があるのではないかと思われます。
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by nihonkokusai | 2007-10-11 16:46 | 日銀 | Comments(0)

「牛さん熊さんの本日の債券、サンプル」


熊「ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本国債の格付けをA2からA1に引き上げた」
牛「ムーディーズだけに、これに対し債券相場は、右から来たものを左にさらっと受け流した」
熊「それは、ムーディー・勝山だろうが」
牛「2002年あたりでの国債格下げの際も、債券相場は、そんなのカンケイねえ、とばかりほとんど影響なかったし」
熊「それは、小島よしお」
牛「しかし、これを好感して、株先買い債先売りが入ったとの一部解説もあったが」
熊「なんで国債格上げで、日本国債先物を売るの」
牛「とにかく、日経平均は先物など主導で節目とみられた17300円を抜けてきたことから」
熊「格付けは関係なくて、この株高受けて債券先物は134円25銭まで売られた」
牛「なかなか日銀の金融政策決定会合が終了しなかったので、もしや反対票がたくさんか、なんて観測も」
熊「あったかどうかわからないが、その金融政策決定会合の結果は13時30過ぎに発表された」
牛「結果は、8対1の賛成多数が現状維持。今回も反対したのは利上げを提案したとみられる水野委員一人やった」
熊「反対票増えるかとの観測もあり、この結果を受けて、今度は債券先物は一気に買い戻しが入り、134円50銭台に」
牛「かなり思惑的なショートも入っていたような」
熊「債券先物は一時、前日比20銭高の134円53銭まで買戻された」
牛「しかし、日経平均の上昇止まらず、一時前日比300円を超す上昇に」.
熊「株式市場では明日のSQなども控えての仕掛け的な買いが、日経平均先物などに入ってきたとみられ」
牛「株は、海外投資家など買いもしくは買戻しのチャンスを狙っていたんやないかと」
熊「株先は、決定会合の日でもあり、13日のラマダン明け前にカバーを入れてきたのではないかとか」
牛「17300円を抜いて、テクニカル上も、買戻しを誘うような動きも入ったものとみられる」
熊「ということで、債券先物はこの株高が意識され、次第に戻り売りに押され」
牛「結局、大引けは前日比3銭安の134円30銭となった」
熊「現物は途中までは2年261回1毛強の0.890%、明日の入札控えている5年債はと中期が買われ」
牛「20年97回は1毛甘の2.230%がヒットされるなど、中期しっかり超長期重いといった状態となったが」
熊「引けにかけては、その中期も戻り売り入り、5年66回5糸甘の1.285%、2年261回も変らずの0.900%」
牛「そして、10年288回は1毛甘の1.735%に後退」
熊「さらに、20年97回は2毛甘の2.240%打たれ、30年26回2.5毛甘の2.495%で引け後に出合った」
牛「とりあえず、福井総裁の会見内容も確かめたいと」
熊「日経平均先物は、前日比300円高の17530円の高値引けとなった」
猫「2002年5月にムーディーズ、日本国債をAa3からA2に引き下げて以来、5年ぶりの格上げなのね」
熊「2002年4月に財務省は欧米の格付け会社三社に対して、日本国債の格付けに関する意見書を送付していたなあ」
猫「当時の財務相は塩爺ね、しかし、格下げも格上げもなんか理由が明快ではないわよね」
牛「格下げされていたときも、日本国債は全くと言って良いほど危なくはなかったと、作者が呟いていた」
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by nihonkokusai | 2007-10-11 15:57 | Comments(0)

「ムーディーズ、日本国債を格上げ」


 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、福田新政権下で財政方針が継続されるとの期待を反映し、日本政府の円建て国内債券(日本国債)の格付けをA2からA1に引き上げた。7月にムーディーズは日本の格付けA2を引き上げ方向で見直していた。

 2002年5月にムーディーズ、日本国債をAa3からA2に引き下げていた。こういった格付け会社の格下げに対して2002年4月に財務省は欧米の格付け会社三社に対して、日本国債の格付けに関する「意見書」を送付していた経緯もあった。

 今回の格上げに対して相場への影響はほとんど皆無か。格下げの際にも肝心の日本国債はほとんど無視といった状態ともなっていた。しかし、格下げの理由も良くわからないが、このタイミングでの格上げの理由もまた良くわからない。
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by nihonkokusai | 2007-10-11 15:57 | 国債 | Comments(0)

「価格転嫁」


 日銀の須田美矢子審議委員は、9月27日の講演において、「最近、マヨネーズ、タクシー料金、ワイン、即席めん、コピー用紙など、値上げに関するニュースを頻繁に目にするようになりました。私自身、主婦として非常に気になるところです」とおっしゃっていたが、今度は食パンも24年ぶりに値上げするそうである。主原料の小麦が高騰しているほか、材料の乳製品や包装資材などの価格上昇も影響しているとみられる。

 新聞報道によると、製パン最大手の山崎製パンは9日、パン製品や和洋菓子など計約500品目について、12月1日出荷分から希望小売価格を平均約8%値上げすると発表した。値上げは食パンが1983年以来の実に24年ぶり、菓子パンなどは17年ぶりだそうである。最大手のヤマザキがいち早く値上げを表明したことで、第一パンなどの他社も追随して値上げに踏み切る可能性が高い。私は毎朝、パンをコンビニで買っているが、値上げの影響をもろに受ける一人となりそうである。

 須田委員はこの値上げについて次のような発言もしている。

 「息の長い景気拡大が続くもとで、生活必需品の値上げや、値上げに関する報道を頻繁に目にすることにより、消費者サイドにおいても、徐々に価格転嫁を受容するムードが醸成されつつあるという面もあると思われます。最近では、業界を代表するプライスリーダー的な企業が値上げに踏み切るケースも窺われており、競合他社を意識して様子見をしていた企業の間にも、値上げに追随する動きが広範化してくる可能性もあります。」

 昨日は山崎製パンだけでなく、丸大食品、エスビー食品も値上げを発表している。エスビー食品はカレーやシチューなどの家庭用ルウ商品と業務用のフレーク商品、レトルト、缶詰商品の計156品目の値上げを発表した。11月12日出荷分から、10%程度値上げする。カレーのルウ製品では、すでに最大手のハウス食品が、9月に11月1日出荷分からの値上げを発表している。丸大食品も、ハム、ソーセージなど加工食品の卸売価格を22日から平均で約1割値上げすると発表した。

 このような相次ぐ生活関連商品の値上げは家計を圧迫する反面、企業にとっては収益環境の改善ともなる。また、物価に関しては須田委員の発言にもあったが、「このまま雇用のタイト化と原材料価格の高止まりが続けば、そう遠くない将来、インフレ率が思いのほか上振れるリスクも、念頭においておく必要がある」ため注意も必要となる。原材料価格の上昇は中長期的に続くことが予想されていることで、すでに企業努力の範囲内では吸収できる状況ではなくなりつつある。
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by nihonkokusai | 2007-10-10 09:28 | 景気物価動向 | Comments(0)

「現状維持の反対者が増える可能性」


 10月10日から11日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催される。今回については現状維持となると予想されるが、現状維持への反対票が増える可能性がありそうである。日銀は8月に追加利上げを模索していたとみられるが、世界的な流動性への懸念による金融市場の混乱などによって、見送らざるを得なかった。しかし、少なくとも金融市場の混乱はかなり解消されつつあり、米国株もダウが最高値を更新するなどしている。日経平均株価も17000円台を値固めしつつある。

 日銀の追加利上げ時期はかなり後連れするとの見方が市場では強いものの、9月の短観に見られていたように足元の日本経済はしっかりしており、サブプライム問題による金融市場での不安心理が後退し、さらに懸念も強い米経済への影響もさほど大きくはないとの見方が強まれば、年内での追加利上げの可能性はある。「あまりにゆっくりとした金利調整を行うと、経済が過熱するリスク」(須田委員)もある。

 この須田委員はかなり前からサブプライム問題への懸念を持っていたのではないかとも見られ、ここのところ追加利上げに対しては慎重姿勢を続けていたとみられるが、その影響が限定的と認識すれば、現状維持に反対してこよう。ただ他にも、追加利上げに積極的とみられる委員がいるのではないかとの観測もある。

 10日から11日の決定会合では須田委員の反対がないとしても、水野委員とともに反対票がもう一票入る可能性があり、そうなると市場の金融政策への見方も微妙に変化してこよう。11日の結果と福井総裁の会見内容次第では、市場でも次第に再び追加利上げを織り込んでくるとみられ、長期金利にも上昇圧力が加わる可能性がありそうである。
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by nihonkokusai | 2007-10-09 11:03 | 日銀 | Comments(0)

「9月の米雇用統計」


米労働省が5日に発表した9月の
雇用統計(季節調整済み)
は、注目された非農業雇用者数が前月に比べて11万人の増加となった。市場予想は10万人近辺となっていたがそれを上回ったことに加え、8月の雇用者数は4千人の減から、8万9千人増に改定された。7月の同数字も6.8万人から9.3万人に修正された。

 9月の業種別の就業者数は、米雇用を引っ張っているサービス業が14万3千人増の一方、建設業は1万4千人減、製造業も1万8千人減少。サブプライムローン問題が雇用情勢に与えた影響はあるものの、サービス業などの増加でカバーし、これまでのところその影響は限定的との見方も強まった。

 8月の雇用者数は4千人の減少から、8万9千人増に改定された要因としては、夏休み中の教員などの把握に問題あったと日経は伝えていた。公務員の雇用増を政府が正確に把握していなかったとか、単純な集計ミスとの見方もあった。

 失業率(軍人を除く)は4.7%となり、前月より0.1ポイントの上昇となった。平均時給は17.57ドルで前月比プラス0.4%、前年同月比プラス4.1%。賃金の上昇率はなお高いことで、労働需給の引き締まりによるインフレ懸念も引き続き残っているとみられる。

 この指標発表後、FRBのコーン副議長は「利下げ幅が大きすぎる場合は相殺することもある」「政策金利の決定は機敏に行なう必要がある」と述べたことから、5日の米国債券市場は短いところ主体に利回りが大きく上昇した。
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by nihonkokusai | 2007-10-09 10:10 | 景気物価動向 | Comments(0)

「事前予告方式の修正か」


 ECBが金融政策の先行きを特定の言葉で示唆する「事前予告方式」の修正を図りはじめたと5日の日経新聞が伝えている。8月の記者懇談でトリシェ総裁は「物価上昇を強く警戒」との表現で翌月の利上げを示唆したが、その後のサブプライム問題による金融市場の混乱で9月の利上げは見送られた。このように突発的な市場の動向には事前予告方式は対応できない。平時であれば、淡々と利上げなり利下げなりも可能となるが、こういった市場の混乱は何年かに一度は見受けられるものでもある。

 4日のECB理事会後のトリシェ会総裁見では、追加利上げの可能性を示す「金融政策は依然緩和的」という表現はなかった。市場ではこれにより利上げ局面は終了かとの見方も出ていたが、経済見通しに対して不透明感の強まりで、政策の方向性をはっきり打ち出せないといった事情もあったものとみられる。今回「緩和的」とのキーワードを使わなかったことに対してトリシェ総裁は、「金利が緩和的かどうかかかわらず(ECBの)責務は物価安定」と述べたようである。
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by nihonkokusai | 2007-10-05 11:00 | 日銀 | Comments(0)

「10月31日の決定会合での利上げの可能性残る」


 9月18日のFOMCで米FRBはFF金利の誘導目標値を0.5%引き下げ4.75%としたが、これを受けて米債はインフレ懸念の強まりなどが意識され、長期債主体に下落基調となった。9月18日から19日にかけて開催された日銀の金融政策決定会合では、予想されたように追加利上げは見送られたが、円債も米債につれ安するかちで下落した。長期金利は18日に1.530%をつけていたが、27日には1.725%と0.2%程度の利回り上昇となった。また、米サブプライム問題による金融不安は次第に解消に向かいつつあるとの認識も強まった。欧米の大手銀行などがサブプライム関連による大幅な損失を計上したとの報道も相次いだが、これはむしろ信用収縮は最悪期を脱したとの見方が強まりダウは過去最高値を更新した。これを受けて日経平均株価も17000円台をつけた。このため債券はいったん下げ止まったものの、戻りも鈍く、その後長期金利は1.7%近辺での動きが続いた。

 総務省が9月28日発表した8月の全国のコア消費者物価指数は前年同月比0.1%の下落。9月のコア東京都区部消費者物価指数は前年同月比0.1%下落となり、引き続き消費者物価についてはゼロ近傍が続いた。8月の全世帯実質消費は前年比+1.6%、季調済前月比+0.4%となり、8月は猛暑の効果が消費支出を大きく押し上げた。同日に経済産業省が発表した8月の鉱工業生産指数は前月比3.4%上昇と、2か月ぶりの上昇となった。経済産業省は生産の動向について全体の基調判断を3カ月ぶりに「横ばい傾向で推移」から「緩やかながら上昇傾向」に上方修正した。また、1日に発表された9月調査の日銀短観によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス23となり、前回6月調査と変わらずとなったが、市場予想のプラス 22を上回った。2007年度大企業・全産業の設備投資計画は前年度比+8.7%と0.9%の上方修正となった。ただし、中小企業の業況判断や設備投資計画が弱く、大企業との格差が広がっていることが示された。短観の調査時期には、サブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱などがあったものの、足元国内経済に関しては、格差は広がってはいるが、全般で見る限りさほど影響ないとの認識か。これにより10月末に発表される日銀の「展望リポート」については、現在のシナリオが維持されるとみられる。

 日銀の須田審議委員は9月27日の講演の中で、米国経済については、サブプライム問題の影響により「米国経済の成長率が潜在成長率並に回復する時期は、やや後ズレする可能性が高い」とみているものの、「(日本の)輸出の見通しにはさほど大きな影響を及ぼすことはない」と考えていることを示した。また、今後については「どのようなスピードで金利調整するのが望ましいのか定かではありません。ただ、あまりにゆっくりとした金利調整を行うと、経済が過熱するリスクが高まります。もし遅すぎる対応であったことが判明し、将来の過熱リスクが高まれば積極的に対応しなければなりません。」とも指摘した。また10月4日に岩田副総裁は講演で「仮に先行きアメリカの減速度合いが強まり、欧州諸国でも景気が減速するとすれば、日本の成長率に下方リスクが生じ得ることに留意する必要があります」とも述べていた。日銀の追加利上げ時期はかなり後連れするとの見方が市場では強いものの、短観に見られていたように足元の日本経済はしっかりしており、サブプライム問題による金融市場での不安心理が後退し、さらに懸念も強い米経済への影響もさほど大きくはないとの見方が強まれば、年内での追加利上げの可能性はある。それが展望レポートの発表される10月31日の会合となる可能性も排除はできない。長期金利は9月18日の1.530%から大きく切り返して一時1.7%台に上昇したが、今後も長期金利には上昇圧力が掛かりやすいとみている。
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by nihonkokusai | 2007-10-05 10:24 | 日銀 | Comments(0)

「ISM非製造業景気指数」


 ISMが3日発表した9月の非製造業景気指数は54.8に低下、市場予想を下回り3月以来の低水準となった。しかし、価格指数は66.1と5月の66.4以来の高水準となりインフレ懸念も意識された上、雇用指数は52.7と8月の47.9から改善した。

 米供給管理協会が発表しているISM製造業景気指数とISM非製造業景気指数は、景気転換の先行指標として重視されている。

 ISM製造業景気指数は、米供給管理協会が製造業約350社の購買担当役員にアンケート調査を実施し、1か月前と比較して、「良い」「同じ」「悪い」の三者択一の回答を元に、季節調整を加えた景気動向指数を作成。

 1931年から続いている伝統的な経済指標でもあることや、主要な米国の経済指標の中では最も早く発表されることに加え、企業の景況感を反映し景気転換の先行指標とされることから、市場での注目度も高い。 日本の景気動向指数と同様に、50%が景気動向の良し悪しを測る分岐点となる。50%を上回ると景気拡大、下回ると景気後退を示唆しているとみられる。FRBの金融政策のスタンスを見極める意味でも注目されている指標のひとつ。
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by nihonkokusai | 2007-10-04 10:58 | 景気物価動向 | Comments(0)

「日本における銀行のはじまり」


 日本では江戸時代に、「両替商」と言う銀行に近い商売がありました。江戸時代には金・銀・銭という3種類の貨幣が支払手段として利用されていました。両替商は、この金銀銭貨の交換ニーズを背景として登場しました。商人は可能な限り現金銀の取り交わしを避け、現金銀を両替商に預け入れ手形によって決済するといった慣習が出来上がりました。このようにして両替商は、商人や大名などを取引相手に預金の受け入れ、さらに手形の発行や決済、加えて貸し付け、為替取引など各種の金融業務を広く営むようになりました。このため、17世紀イギリスのゴールドスミスに匹敵した初期的な銀行の域に到達していたとされています。

 日本における本格的な商業銀行は、明治維新後に誕生した第一国立銀行とされています。明治政府は大蔵少輔伊藤博文の建議に基づいて、アメリカのナショナル・バンク制度にならった発券銀行制度を導入することとしました。

 この銀行制度の導入にあたっては、この伊藤案に対して、イングランド銀行をモデルにした中央銀行制度を導入すべしとした吉田清成との間で銀行論争が闘わされていました。結局、井上馨の裁断によって、伊藤案が採用されることとなったのです。明治5年11月、国立銀行条例を制定しました。そして、国立銀行4行が設立され、銀行券発行が始まりました。

 国立銀行という名称は、第一国立銀行の初代頭取となった渋沢栄一によりナショナル・バンク(連邦法に準拠して設立された銀行)の訳語として作られたのですが、文字通りの国立の銀行ではなく、政府とは資本関係のない民間の銀行でした。

 ちなみに日本語の「銀行」という言葉は、1872年制定のこの「国立銀行条例」の典拠となった米国の国立銀行法(「National Bank Act」)の「Bank」を「銀行」と翻訳したことに始まります。

 この翻訳に当たっては「両替商」に変わる新たな用語を模索したようです。しかし、すでに中国では「bank」の訳語として「銀行」が用いられていました。このため中国で「同業商人組合」を意味する「行」を用い、「金行」あるいは「銀行」という案が有力になりました。

 結局、「銀行」の採用が決まったのですが、これは、当時の貨幣制度が銀本位であったことや、「きんこう」よりも「ぎんこう」の方が発音しやすかったためとも言われています。

 日本で最初の私立銀行は明治9年に開業した三井銀行です。一時は政府の銀行政策が国立銀行中心であったことから、私立銀行に対して準期すべき法規はありませんでした。しかし、日本銀行が設立され、国立銀行の処理方針が決定するなどしたこと、私立銀行の重要性が増加しました。そして明治26年に銀行を定義するなどした「銀行条例」が施行されました。

 国立銀行の大きくは普通銀行に転換し、日清戦争前後には企業設立ブームとともに普数多くの通銀行が設立されました。しかし、明治34年の恐慌を経て預金は三井・住友・第一などの大銀行に集中するようになりました。

 明治20年には横浜正金銀行条例が公布され、横浜正金銀行が政府御用の海外為替銀行としての特殊銀行となっています。明治政府の殖産興業推進のため明治28年に日本勧業銀行法が公布され、明治33年には動産抵当銀行の設立のために日本興行銀行法が公布されました。
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by nihonkokusai | 2007-10-03 14:37 | 投資 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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