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「日銀の金融政策決定会合結果は8対1で現状維持」


 本日の日銀の金融政策決定会合の結果は、8対1の賛成多数での現状維持となった。反対したのは前回と同じく水野委員。ザプライム問題から信用収縮問題に波及し、金融市場の大きな混乱を受け、今回、日銀は利上げを見送ったものとみられる。

 しかし、サププライム問題が収縮し、実態経済への影響も米国の住宅市場といったものに止まり、米個人消費への影響がそれほど大きなものとならない限りは、世界経済への影響も限定的となろう。ECBも利上げに向けての姿勢を維持するとともに、FRBも今回の問題解決にはあまり効果的とはみられない政策金利の引き下げは見送る可能性も高いとみている。このため、9月18-19日にかけての金融政策決定会合での追加利上げの可能性は十分にありうると見ている。

9月次回会合までのスケジュール

8月27日 内閣改造・自民党役員人事
8月28日 8月米消費者信頼感指数
8月30日 水野審議委員講演
8月31日 7月全国CPI・8月東京都区部CPI、7月失業率、家計調査、鉱工業生産速報
FRB議長講演、テーマは住宅問題と金融政策
9月6日 ECB理事会
9月7日 8月米雇用統計
9月10日 4-6月期GDP2次速報
9月11日 7月機械受注
9月18日 FOMC
9月18-19日 日銀金融政策決定会合
9月20日 ECB理事会
10月1日 日銀短観・郵政民営化


過去一年間の日銀金融政策の推移

2006年9月8日 現状維持、全員一致
2006年10月13日 現状維持、全員一致
2006年10月31日 現状維持、全員一致
2006年11月16日 現状維持、全員一致
2006年12月19日 現状維持、全員一致
2007年1月18日 現状維持、賛成6反対3(反対は須田委員、水野委員、野田委員)
2007年2月21日 無担保コールレート翌日物誘導目標値を0.5%に引き上げ、賛成8 反対1(反対は岩田委員)
基準貸付利子を0.75%に引き上げ、賛成8 反対1(反対は岩田委員)
2007年3月20日 現状維持、全員一致
2007年4月10日 現状維持、全員一致
2007年4月27日 現状維持、全員一致
2007年5月17日 現状維持、全員一致
2007年6月15日 現状維持、全員一致
2007年7月12日 現状維持、賛成8 反対1(反対は水野委員)
2007年8月23日 現状維持、賛成8 反対1(反対は水野委員)
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by nihonkokusai | 2007-08-23 13:34 | 日銀 | Comments(0)

「ECB がレポオペの期間を延長」


 昨日、ECBはレポオペの期間(通常、2週間まで)を3か月に延長し、同時に期間91日の臨時買いオペにより、400億ユーロの資金供給を23日に実施することを明らかにした。さらに、金融政策スタンスをめぐるECBの立場は、8月2日のトリシェ総裁によって表明されたとのECBの声明も発表された。

 また、米国では先日の公定歩合引き下げで、シティやJPモルガンなど米銀大手4行が連銀窓口を通じて合計20億ドルを借り入れたと伝えられた。
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by nihonkokusai | 2007-08-23 09:52 | 短期金融市場 | Comments(0)

「市場の動揺が沈静化すれば日銀は9月にも追加利上げを実施か」


 米サブプライム問題は、一部ヘッジファンドの破綻や欧米金融機関の資金繰りの問題に発展し、さらにヘッジファンドなどがリスクリダクションの動きを加速させ、欧米やアジアの株式市場を直撃した。日経平均は7月9日の高値18261.98円から8月17日までに3000円近く下落した。円キャリートレードの巻き戻しになどにより、ドル円は直近のドルの高値6月22日につけた124円17銭から8月17日には111円57銭をつけ、わずか2か月余りで12円以上もの円高となった。

 長期金利も低下し、6月13日につけた1.985%から8月21日な1.540%をつけ、0.4%以上もの利回り低下となった。5年債利回りも6月13日の1.605%から8月17日つけた1.085%をつけ0.5%以上もの利回り低下となった。

 今回の米サブプライム問題に端を発する信用収縮への懸念は、日本の金融機関などへの影響は限定的とみられているが、欧米の株式市場の下落や、円キャリートレードの巻き戻しなどによる円高などから、とりあえず国内でも安全資産への資金シフトが生じたものとみられる。米国でのCPからTBへの資金シフトなどは欧州の銀行などが、担保にサブプライムモーゲージが含まれているCPを発行することで資金を得てCDOなどを購入していたことが影響していた。しかし、日本国内でのCPの金利上昇や、レポレートが上昇するなどしたことは、やや過剰とも言える反応であった。

 日本の金利低下の背景には、8月22日から23日にかけての金融政策決定会合での追加利上げ見送り観測といったものも影響した。市場の混乱が落ち着けば利上げは可能とみられていたが、8月17日にはFRBは公定歩合を0.5%引き下げるなどしており、タイミングとしても日銀の追加利上げは難しくなった。

 しかし、長期金利が量的緩和解除前の水準にまで低下したことは、やはり過剰反応と見ざるを得ない。今回の米サブプライムの問題は今後の米住宅市場のよりいっそうの悪化や、それに影響されての消費低迷に繋がる恐れがある。しかし、世界的な景気トレンドが大きく変わるとまでは考えにくい。世界経済に占める米国経済の寄与度もひところに較べれば大きく低下している。日本の輸出を見ても米国向けが減少しても、それを他の地域向けが補っている。

 とはいうものの、米国経済が大きく落ち込むようなことになれば、欧州やアジア経済全体への影響も少なからずあるため、その動向にも注意は必要だが、やや懸念が先走りしすぎている感もある。21日に米リッチモンド地区連銀総裁は講演で「最近の市場の混乱が消費支出を減速させる確率は比較的小さい」とも述べている。

 信用収縮への懸念は引き続き予断は許さないものの、市場は次第に落ち着きを取り戻してくるとみられる。米公定歩合の引き下げに加え、21 日にはポールソン米財務長官とバーナンキFRB議長、ドッド上院銀行住宅都市委員長が会談し、FRB議長が市場混乱の沈静に向けて確実に全ての手段を講じる姿勢を表明したとも伝えられた。

 金融当局が本腰を入れて対策に乗り出すことが明らかとなったことで、漠然とした市場参加者の不安感や不信感は次第に後退すると思われる。この相場波乱に乗じて仕掛け的な動きをしていた市場参加者もいたことで、そういったポジションのまき戻しといった動きも入りやすくなる。

 とはいうもののサブプライムローンに代表される米国住宅ローンの問題が改善されるわけではなく、またCDOといった複雑な金融商品に対してのリスク評価や格付といった問題も残る。9月18日のFOMCもしくはそれ以前でのFRBによる利下げ、つまり今度は政策金利であるFFレートの誘導目標値そのものの引き下げを期待する声も強い。しかし、CDOなどのリスクの所在がはっきりしないといった不透明感そのものを利下げで払拭はできない。物価については引き続き慎重に見ておく必要もあり、景気減速がしっかり確認できない状況では利下げは難しいと思われる。米リッチモンド地区連銀総裁は講演で「市場の混乱だけでFF金利の変更が迫られることはない」とも発言している。

 ただし、日銀は「市場の混乱だけで」今回は利上げは見送らざるを得なかった。しかし、オーストラリア中銀のスティーブンス総裁の言にもあったように「日銀は金利を引き上げていくべき」という声も強い。そもそも今回のリスクリダクションに伴う株価の急落等の市場の混乱は、日銀の超低金利政策による影響も指摘されている。円キャリートレードのアンワインドといった動きも今回の混乱を加速させていたものとみられる。

 日銀は9月18日から19日にかけての金融政策決定会合であらためて追加利上げを模索してくるものとみられる。ただし、9月6日には ECB理事会や9月18日のFOMCの動向次第では、日銀の金融政策への影響も出てくる可能性がある。仮に6日のECBでり追加利上げが見送られ、18日のFOMCで利下げが実施された際には、日銀だけが利上げを行なうことは難しくなろう。もちろん国内のファンダメンタルの状況といったものの確認した上でのこととなるが、ECBの利上げ、FOMCでの現状維持といった状況でなければ、日銀の追加利上げは難しいと見ている。しかし、市場が落ち着きを取り戻すことによって9月の日銀の利上げは可能であろうと思われる。

 こういった環境化、今後の長期金利の動向については、急激な低下の反動といったものが起こってくると見ている。また、次第に9月の追加利上げ観測が浮上してくるとやはり大きく利回りが低下した中期ゾーンの利回りも上昇してくるものとみている。このため、長期金利は水準調整が行なわれるとみており、10年債利回りはいったん1.7%台あたりまで上昇すると見ている。しかし、市場の動揺が鎮まらないようであれば、引き続き債券には買いも入りやすくなり、米実態経済への影響が顕著になるなどすれば、長期金利がむしろ低位安定してくる可能性もないとは言えない。
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by nihonkokusai | 2007-08-22 14:00 | 債券市場 | Comments(0)

「買ってはいけない国債が買われる理由」


 国債は、「やっぱり危ない」、「買ってはいけない」という本が売れているようである。「日本国債は危なくない」という本を出させていただいたことで対抗意識を出すわけでも、むこうの方が売れているようなので僻んでいるわけでもない(たぶん)が、現実の金融市場を見る限り、買ってはいけなく危ない国債はしっかり買われている。特にサブプライムショックに起因した「危機」に直面したマーケットの中で、「危ない」はずの国債が「質への逃避」で買われているのはなぜなのか。

 これは金融市場にある程度関係している人にとっては、何を今更ではあろうけど、それでも世の中では、「やっぱり危ない」と考えている方も多い。

 ということで、これはどちらかといえば金融市場関係者以外の方に読んでいただきたいのだが、国債には買われる理由がしっかり存在しており、金融のプロと呼ばれる金融関係者にとっては、決して危ないものとか買ってはいけないものでも、暴落を想定しているものではない。

 金融機関にとり、ほかに買うものがないのではないかとの意見はある意味当たっている。兆円といった単位で買える金融商品は国債以外には見当たらない。とは言うものの、金融機関はしかたなく買っているわけではなく、しっかりとした運用手段として購入している。

 さらに国債に対して信認が得られているという事実もある。この信認が維持されなくなれば暴落はありうる。しかし、国債暴落説が流れてから何年経過しているであろうか。その兆候は全くと言ってよいほど市場動向を見る限り、ない。

 むしろ、今回の状況を見ていても、危機対応としてCPといった企業の発行する社債などから、TBつまり短期国債への資金シフトが起きるなど、金融機関がより安全性を求める際には国債を買っている事実をどのように考えれば良いのか。

 それでは、金融機関は国債の危険性をまったく認識していないのか。サブプライム問題に絡んでのCDOなど複雑化した金融商品のリスクの測定が難しいように、国債という金融商品に対してのリスクも金融機関は認識していないのではないかと思っている方もいるのかもしれない。

 しかし、国債の信認は発行体である国への信認そのものとなり、リスクといったものははっきりしている。特に日本では巨額の債務を抱え、それが大量の国債発行残高へと繋がっている。その国債への買い手がいなくなれば、確かに国債は危なくなり暴落もしよう。しかし、この発行残高が維持されているという事実は、とりあえず信認が維持され、買い手が存在していることにもなる。ちなみにその買い手は国内金融機関、つまりは預貯金、生損保、年金などを経由した国民である。

 国民のお金を利用して国債を買い支えているシステムを国が作っているので、なんとか信認が保っているとの見方もある。しかし、現在は国債引受シンジケート団も廃止されており、金融機関の引き受けで買い支えられているわけでもない。日銀も毎月1兆2千億円の国債を市場から買っているが、これはあくまで金融調節の一環であり、日銀が国債を買い支えているわけでもない。

 国債は、買ってはいけないものとか、危ないものにするのではなく、国の財政構造改革などにしっかり国民が目を配って、買っても安心なもの、危なくないものと我々がしなければならないものなのである。
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by nihonkokusai | 2007-08-22 10:57 | 国債 | Comments(0)

「イングランド銀行のスタンディング・ファシリティの利用」


 英国のイングランド銀行は21日に、前日20日スタンディング・ファシリティを通じ、金融機関に対して3億1400万ポンドの資金を貸し出したと発表した。ロイターによるとイングランド銀行は貸し出し先を明らかにしなかったものの、関係筋によるとこれを利用したのは英国内で第三位の銀行バークレイズだった模様。ただし、この借り入れは流動性危機に対応したものではなく、当日の銀行勘定をスクェアにするための措置であったとみられる。前回同制度が利用されたのは7月17日で、年初来では13 回目。

 スタンディング・ファシリティ(預金・貸出制度)は、イングランド銀行が銀行に対して政策金利であるレポレート(現在5.75%)より、100bp高い金利で限度なしに貸し出す制度である。日本での補完貸付、米国でのプライマリークレジットに該当するものとみられる。
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by nihonkokusai | 2007-08-22 10:56 | 短期金融市場 | Comments(0)

「東京金融先物取引所、翌日物金利先物を12月に上場」


 21日付け日経新聞によると、東京金融先物取引所は20日、短期金利の代表的な指標である「無担保コールオーバーナイト物金利を対象とする翌日物金利先物」及び「GCレポ・スポットネクスト物金利を対象とする翌日物金利先物」の先物取引を今年の12月3日に上場する予定であると発表した

 東京金融先物取引所は、両商品を上場する理由のひとつとして、「両商品それぞれが現行のOIS取引に加え、新しい取引ツールとして、マーケットの多様性に貢献できること」としている。また、米国でも同様の先物が上場されている。

 商品は取引対象が「翌日物金利の月中平均値」、最小変動幅0.005%、限月は各月の限月を12限月、取引単位が元本3億円、決済は差金決済となる。

 無担保コール翌日物金利は、日銀が金融政策で誘導している金利、つまり政策金利である。無担保コール翌日物金利先物取引では、現行のOIS取引と同様に市場参加者による金融政策の予想が反映される仕組みとなり、店頭取引のOIS取引に較べ取引所取引となることで価格変化も確認しやすくなるといった利点もある。また、OIS取引は市場規模は急速に拡大しているものの、中心となる参加者が限定的となっている点など指摘されており、先物となれば参加者の裾野も広がるとみられる。
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by nihonkokusai | 2007-08-21 09:53 | 短期金融市場 | Comments(0)

「FRBは公定歩合を0.5%引き下げ」


 17日の米国時間早朝に、米連邦準備理事会(FRB)は臨時の連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、公定歩合を緊急に0.5%引き下げ年5.75%とすることを全会一致で決定した。

 この日の早朝にはシティグループのプリンス会長、やJPモルガンのダイモン会長、メリルリンチのオニール会長など米主要金融機関の経営者らが、FRBによる緊急のコンファレンス・コールに召集された。約20分間にわたるビデオ会議で、FRBは今回の公定歩合の引け下げ等を説明したとも伝えられている。

 公定歩合を引き下げたものの、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は現行の年5.25%に据え置かれた。これにより FF金利の誘導目標と公定歩合の差は1%から0.5%に縮小。また、地区連銀に期間がこれまでの1日から最長30日の貸し出しの供与を認めることも決めた。さらにFRBはこの日、ニューヨーク連銀を通じて米短期金融市場に60億ドルの資金供給も実施。臨時のFOMCでの緊急利下げは米同時テロ直後の 2001年9月以来となる。

 さらに、FRBはFOMC後の声明文において、「信用収縮の動きと不確実性の高まりが今後の経済成長を抑制する可能性がある。」とし「景気下振れのリスクがかなり高まった」とコメントした。さらに「市場の混乱が米経済に打撃を与える場合には、必要に応じて行動する用意がある」として、状況により政策金利の引き下げの可能性も示唆した。

 これを受けて、米国株式市場は大きく上昇し、17日のダウは233.3ドル高の13079.08ドルと7日ぶりに反発し、ナスダックは 53.96ポイントの上昇、S&P500株価指数は34.67ポイント高となった。20日の東京株式市場も寄り付きから大きく値を戻し日経平均株価は500円を超す反発となった。

 8月9日あたりからのサププライム問題から信用収縮懸念の強まりによる世界的な株安連鎖などが引き起こされていた。こういった市場の動揺を抑えるには市場参加者への不安を緩和させる必要がある。このため金融当局が不安解消への期待に働きかける必要もあり、今回のFRBによる公定歩合の引き下げは、実質的な効果というよりも、金融当局の危機対応を市場に示すことにより、市場の動揺を沈静化する働きがあるとみられる。まさに公定歩合のもつアナウンスメント効果を利用したとも思われる。アナウンスメント効果は、直接的な影響ではなくあくまで「期待」に働きかけるといったことを目的にしている。

 ちなみに米国は日銀と同様に公定歩合をロンバート化している。米連邦準備制度理事会(FRB)は2002年5月17日に連銀窓口貸し出し制度を改革することを発表し、この新制度はプライマリークレジット(優先貸し出し)と名称が変更され、日本銀行や欧州中央銀行(ECB)のロンバート金利と同様の働きを持つことになった。

 これによりフェデラルファンド(FF)金利を下回っていた公定歩合による連銀窓口貸し出しは事実上廃止され、公定歩合をFF金利よりも高い水準に変更することで短期金融市場のひっ迫などでFF金利が跳ね上がるのを阻止することになった。FRBによるとプライマリークレジットは、経営状況が健全な金融機関を対象に、FF金利の誘導目標よりも、当初1%高い水準で導入するとした。

 ちなみに日本での公定歩合は、以前は預金金利等の金利が公定歩合に連動していたため、金融政策の基本的なスタンスを示す代表的な政策金利となっていた。しかし、1994年に金利自由化が完了し、公定歩合と預金金利との直接的な連動性がなくなった。さらに銀行は高い公定歩合で借りるよりコールで調達するようになり、日銀も日々の操作を公定歩合による日銀貸し出しから、短期国債の売買などを通じてのものにシフトしてきた。

 その後、公定歩合に関しては補完貸付金利(ロンバート型貸付金利)という役割に変化している。補完貸付とは、あらかじめ定められた条件を満たす限り、金融機関が希望するときに、担保の範囲内で希望する金額を日本銀行から借り入れることができるという制度である。
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by nihonkokusai | 2007-08-20 12:34 | 日銀 | Comments(0)

「負の連鎖を断ち切れ」


 米サブプライム問題は、一部ヘッジファンドの破綻や欧米金融機関の資金繰りの問題に発展し、さらにヘッジファンドなどがリスクリダクションの動きを加速させ、欧米やアジアの株式市場を直撃している。日経平均は7月9日の高値18261.98円から本日までで3000円近く下落した。また、円キャリートレードの巻き戻しになどにより、ドル円は直近のドルの高値6月22日につけた124円17銭からわずか2か月余りで12円もの円高進行となった。長期金利も低下し、6月13日につけた1.985%から本日1.575%をつけ約0.4%もの利回り低下となっている。日銀の追加利上げ観測の後退から、5年債利回りも6月13日の1.605%から本日1.095%をつけ約0.5%の利回り低下となった。

 すでにサブプライムの問題というよりも、世界的なリスク回避の動きが主導となっており、急激な円高もあり、東京株式市場などまさに売りが売りを呼ぶ展開ともなっている。懸念されていた円キャリートレードの巻き返しが、引き起こされている。このままでは実態経済への影響も懸念されるが、現在のところ日本の金融当局などには動きはない。しかし、市場の動揺を抑えるには市場参加者への不安を緩和させるため、金融当局が不安解消への期待に働きかける必要もあろう。金融当局の危機対応があらためて求められる。
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by nihonkokusai | 2007-08-17 14:46 | 債券市場 | Comments(0)

「複雑な金融商品とサブプライム問題」


 今月9日あたりからの、米サブプライム問題に端を発した世界の金融市場のパニック的な動きの発端は、9日にドイツ連邦銀行が、IKB産業銀行がサププライムでの投資に伴う損失発生に対しての救済策を協議するため、緊急会合を開催したことであったかとみられる。さらに仏銀最大手BNPパリバは9日、傘下の 3つのファンド、に関して7日午後から応募と償還をともに凍結したことを発表した。次はどこかとの連想も加わり、欧州銀行向け資金の出し手が限られてしまい、ユーロ翌日物金利はECBの誘導目標値の4.0%から4.7%近辺に上昇し、このためECBは大規模な資金供給を実施した。

 独IKB産業銀行の問題からは、銀行自身がこういった金融商品のリスクを十分に把握していないといった状況も明らかとなった。そもそもなぜ独IKB産業銀行などの欧州の銀行が、こういった複雑な仕組みの商品に投資していたのであろうか。

 IKB産業銀行は中小企業向け融資を実施する堅実な銀行だったとみられるが、収益源の多様化・多角化が求められるようになった。この一環として、関連会社を設立して米国の複雑な債券に投資したのである。これには格付会社からの見えない圧力といったものも指摘されていた。今回の世界的な金融市場混乱にはこの格付会社の問題も指摘されている。

 独IKB産業銀行の関連会社は、債券投資に必要な資金を、主に米国の金融機関などからコマーシャル・ペーパー(CP)と呼ばれる社債を起債することで調達していた。CPとは期間1年未満の短期の社債である。しかもその担保にはモーゲージが含まれていた。

 今年の2月あたりから米国住宅市場が減速し、2005年から2006年に証券化されたサブプライムモーゲージが、金利が跳ね上がる2年を過ぎたものが出てきており、支払い遅延やデフォルトが相次ぐようになった。これによりCDOの価格が下落し、さらにCPを購入することで資金を供給していた米国投資家が、担保にサブプライムモーゲージが含まれていることを嫌気し、その購入を手控えてしまった。これにより独IKB産業銀行の関連会社は資金繰りの問題に直面し、ドイツ連邦銀行が救済策を協議したのである。

 今回の金融市場の動揺の背景には、高度化というよりも複雑化した金融商品に隠れていたリスクが表面化したことも大きい。信用力が低いサブプライムローンの焦げ付きに関しては、グリーンスパン前議長も警告していた住宅市場のバブル崩壊が要因である。サブプライムローンには当初2年間は低い金利で借りることができるものがあり、その間での住宅価格の上昇を見込んだものの当てが外れ、結果として焦げ付きとなったとみられる。

 しかし、ここまで問題が大きくなった背景には、米国で発達した新たな金融商品に対する問題がある。単純に考えれば、サブプライムローンについてはそういった層に融資していた金融機関など直接被害を受けるものの、それが世界的な影響を及ぼすことは考えづらいはずである。しかし、そもそもサブプライムローンという仕組みが可能となる「仕掛け」が金融工学を駆使していると言う米国市場にはあった。

 その仕組みのひとつが日本でも一般的になりつつある「証券化」である。たとえば金融機関一社が、こういったローンのリスクを一人で背負うことには無理がある。そのため考え出されたのが、そのローンを担保にした証券を発行し、数多くの投資家に転売してしまおうという仕組みである。つまり一社では背負い切れないほどのリスクなれど、そのリスクを細分化して広範囲にばら撒いてしまう手法でもある。もちろんトータルのリスクが軽減するわけではない。しかし、この仕組みならば従来では不可能であったようなローンも組むことが可能となる。

 こういった住宅ローンを裏付けにした証券が、住宅ローン担保証券、RMBS(Residential Mortgage-Backed Securities)と呼ばれるものである。さらにこれを組み入れて証券化したものが合成債務保証券、CDOである。CDOはRMBSなどの証券を複数束ねて再び証券化した金融商品である。これでさらに複雑化される結果となる。

 例えれば、野菜が嫌いな子供に、野菜を食べてもらおうと、まず野菜本体を細分化して(RMBS)、野菜という存在を見えにくくした上、肉や他の野菜も組み合わせた上、さらにスパイスを効かせる(格付け等)などしておいしそうなカレーにしてしまったのが、CDOである。これならば投資家も美味しく食べられる、はずであった。

 しかし、米住宅バブルの崩壊により、サブプライムローンの焦げ付きが増加した。そして格付け会社がそれを組み入れたRMBSやCDOを格下げしたことで、RMBSやCDOの時価評価の必要に迫られ、その結果、こういったCDOを保有していた欧米の金融機関での巨額な損失が表面化したのである。こういった商品はもともと評価の難しい個人向けローンが担保になったものであり、あまりに複雑にしすぎた結果、時価評価が難しいのは独IKB産業銀行の問題からも明らかとなっている。
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by nihonkokusai | 2007-08-17 13:40 | 債券市場 | Comments(0)

「東京レポ・レート」


日銀は、公募していた東京レポ・レート(レファレンス先平均値)のレファレンス先の23社をホームページにアップしている。東京レポ・レートの公表は、現時点では10月中を目途に開始することが予定されている。今回公募されたレファレンス先は、毎営業日、GCレポ1の午前11 時時点のマーケット・レート(各レファレンス先が同時点の市場実勢とみなしたレート)を、午前11時45分までに日本銀行から事務委託を受けた者(今回の委託先は株式会社QUICK)に報告する形式となる。QUICKは各レファレンス先から報告を受けたレートの平均値を作成し、平均値および各レファレンス先の報告レートを公表する。
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by nihonkokusai | 2007-08-16 12:42 | 日銀 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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