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「個人向け国債の条件決定方法等の変更について」


 20日に財務省は「個人向け国債の条件決定方法等の変更について」を発表した。個人向け国債(変動10年・固定5年)の募集期間の開始日を早める措置かとみられるが、これに伴い個人向け国債(固定5年)の条件決定方法が変更される。

 これまで個人向け国債(固定5年)の条件を決めるための「基準金利」は、募集期間開始時の直前に行われた5年固定利付国債の入札における平均落札利回りを基に算出された。個人向け国債(固定5年)の利率はこの基準金利から0.05%差し引かれたものとなっていた。

 これに対し、「平成19年10月発行分」より、次のようなかたちに変更される。

 個人向け国債(固定5年)の条件を決めるための「基準金利」は、募集期間開始日の2営業日前(10年固定利付国債入札日)において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年の固定利付国債の「想定利回り」となる。

 ここで「想定利回り」としているのは、「市場実勢利回り」が直近入札された5年国債の利回りを基に算出されるため、条件決定日における直近入札された5年国債の残存期間は5年よりも短くなっていることで、これに「期間修正」を加え残存5年のものとして想定利回りを算出する必要があるためである(キャリー修正)。

 キャリーの計算式として下記の式が資料に掲載されている。http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinmuke/houdouhappyou/p190720-henkou1.pdf

((利息収入-短期金利)×100×日数÷365÷ベーシスポイントバリュー(BPV))×0.01(単位%・小数点以下第4位四捨五入)

利息収入:算出された期間5年の固定利付国債の利回り
短期金利:10年債入札日における、日本銀行が公表する無担保コールO/N物レート平均値(速報値)
日数:10年固定利付国債入札日の3営業日後(受渡日)から、10年固定利付国債の発行予定日までの日数
BPV:金利が0.01%変化した場合に、債券価格が現在価値ベースでいくら変化するかを表す数値

 そして、個人向け国債(変動10年・固定5年)の募集期間開始日が次ぎの様に変更される。

 現行は「5年固定利付国債入札日の翌営業日」であるが、平成19年10月発行分より「10年固定利付国債入札日の翌々営業日」となる。

 個人向け国債は、募集月に行なわれる10年国債入札の結果によって10年変動利付タイプの初期利子が決定されていた。それから約一週間後の5年国債の入札結果から算出される5年固定タイプの利子が決定されるのを待って、その翌日から10年変動タイプと5年固定タイプの個人向け国債の募集が開始されていた。

 今回の変更によって10年入札日の翌々日から、両タイプの個人向け国債の募集が開始されることで、これまでよりも募集開始が早まる事となる。
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by nihonkokusai | 2007-07-23 10:02 | 国債 | Comments(0)

「携帯電話料金の引き下げ」


 KDDIは7月19日に、2年契約を条件に月額基本料が半額になる携帯電話の新料金を9月1日から導入すると発表した。新料金は1年目から基本料が半額となる。家族や個人、法人にかかわらず、加入者には一律で適用される。ただし2年以内に解約した場合は9975円の解除料が発生する。

 NTTドコモは6月26日に、家族の中で最も基本使用料の割引率が高いプランを家族内で共有できる「ファミ割マックス」と、単身利用者向けに1年目から基本料を37%割引くサービス「ひとりでも割引」を新設すると発表した。ファミ割マックスは9月利用分から、ひとりでも割引は8月22日分から適用される。それぞれの割引制度とも2年の継続契約が必須で、途中解約の場合には9975円の解約金が発生する。

 さらにKDDIの発表を受けて、ソフトバンクモバイルはKDDIの新料金に対抗する措置として、、1年目から基本料金が半額になる新割引きプランを9月1日から導入すると7月19日に発表した。KDDIの料金プランをベースにした「オレンジプラン」の加入者が対象となる。

 個人的な話で恐縮だが、我が家は子供3人分含めて計5台の携帯電話を持っており、すべてドコモに統一しファミリー割の適用を受けている。しかも家人が持っているドコモの携帯は私が最初に携帯電話を購入したものを引き継いでいるため、かなりの割引となっており、そこに料金が統一されると今回の料金引き下げの恩恵を大きく受けるためありがたい。

 それはさておき、この引き下げ競争は当然ながら、CPIにも影響を与えよう。元々日本の携帯電話の料金は、販売奨励金によって電話機そのものの価格を低く抑える反面、通話料金自体は高めに設定されており、ある意味引き下げ余地はあろう。携帯電話の普及もすでに飽和状態に近く、各社が身を削っての価格引下げ競争を行なっている。しかし、こういった価格引下げによりCPIにも影響与えている。もちろん携帯電話料金の影響ばかりがCPI低迷の影響ではないが、それでも前年比マイナスとなっているひとつの要因ではあろう。実感としての物価と実際のCPIの数字に乖離があるのではないかというのは、身近な物価上昇を意識しつつある庶民も感じているものと思われる。
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by nihonkokusai | 2007-07-20 10:38 | 景気物価動向 | Comments(0)

「身近な物価上昇」


 日本銀行の情報サービス局は、6月調査の「生活意識に関するアンケート調査」(第30回)の結果を発表した。対象期間は平成19年5月25日~6月18日、調査対象は全国の満20歳以上の個人、4000人を対象に実施、有効回答は2179人(有効回答率54.5%)。

 このアンケート調査の「1年後の物価」の項目では、1年後の物価については、「上がる」との回答が前回に比べ増加し、7割強となった。具体的な数値による回答においては、平均値+4.5%(前回+3.0%)、中央値+3.0%(前回+1.0%)とも前回比上昇した。

 この結果に対しては、ガソリン価格の上昇に加え、キューピーに続いて味の素もマヨネーズを値上げ、コーヒーなどの値上げも発表されるなど身近な商品に対しての値上げの動きが影響しているものとみられる。ちなみにガソリン価格は8月に2円程度上昇へとの記事もあった。

 さらに新聞報道によると、カツオ節加工販売で業界2位のマルトモと4位のマルアイが8月1日から、カツオ節のパックや袋詰め商品などの店頭での希望小売価格を10~15%程度値上げするそうである。原料のカツオの値段がこの1年で1.5倍に高騰したのが要因で、実に値上げは約20年ぶりだそうである。

 バイオ燃料に絡んだ食品絡みの影響とともに、中国やインドなど新興国での食材の需要の高まりといったものも間接的に影響しているものとみられる。食品メーカーも価格転嫁を次々に行いはじめているが、いずれこういった動きが全体的な物価上昇圧力の高まりに影響してくる可能性もある。
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by nihonkokusai | 2007-07-19 10:52 | 景気物価動向 | Comments(0)

「夏の光、読後感」


 連休中にアマゾンから頼んでおいた「夏の光」が届いていたのだが、最近の休みの日は新しい本の原稿書きに追われており、結局読み始めたのが16日の夜から。しかし、読み始めたら止まらなくなり翌日中に読み終えてしまった。内緒だが、仕事の合間につい読んでしまったというのが実情か。言い訳ではないが、この「夏の光」登場人物の一人は債券アナリストであり、特に国債に関する記述が多い。財務省の関係者とのシーン、さらに国債市場懇談会のシーンなど結構、生々しく描かれている。また、国債発行を巡ってのやり取りなど、小説であるためフィクションも挟みながらも、なかなか真に迫ったものがあった。

 さらに著者が新聞記者だけに、国債関連のことを記事にするシーンなども結構リアルである。こちらも小説だけに、中の記事の内容はあくまで架空ものであろうが、それでも文章スタイルはまさに某経済紙の文章そのままとなっている。

 とにかく小説を読んで国債のことを知ろうとするならば、この「夏の光」は幸田真音さんの「日本国債」とともにお勧めである。

 そして何より、小説そのものも感動的である。ここでストーリーを明かしてしまっては、最後のシーンでの感動が薄れてしまうため書かないが、ここまで劇的な過去でなくても、皆それぞれ持っているであろう学生時代の思い出が、この文章を読むだけでよみがえってくることは間違いない。

 それにしても、この小説の債券アナリストにモデルがいたのであろうか、やはり気になった。そういえば、著者は最後のページで「刊行にあたり、古くからの親友Sに感謝したい」と謝辞があったのだが。なにはともあれ、関心のある方はぜひご一読いただきたい。
 
「夏の光」、田村優之著、ポプラ社
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by nihonkokusai | 2007-07-18 12:50 | 国債 | Comments(5)

「7月12日福井日銀総裁会見より」


 7月12日福井日銀総裁会見要旨が日銀のホームページにアップされた。内容を確認してみたい。

 「経済・物価情勢については、短観も含め前月以降いくつかの指標が明らかになりましたが、日本経済は引き続き緩やかに拡大しているということを確認しました。この点は先週の支店長会議でも、地域により程度の差はありますが全ての地域で拡大または回復方向にあるということを確認しました。」

 「先行きについても、生産・所得・支出の好循環メカニズムが維持され、景気は息の長い成長を続けていく可能性が高いと判断しています。」

 「中間評価については、国内企業物価が国際商品市況の影響などから上振れているという点を除けば、経済・物価とも概ね見通し通りという評価となりました。」

 短観、さくらレポートなどでも日本経済の緩やかな回復基調を確認、先行きについても息の長い成長続ける可能性が高いと指摘、そして、展望レポートの中間評価も概ね見通し通りとなっている。しかし、7月12日の金融政策決定会合では結果として賛成多数で現状維持となっている。

 「一人の審議委員は、この際金利水準の調整を行うべきという見解でした。」

 「(一人の審議委員は)最終的に現状において将来の経済のパス、その蓋然性について他の委員よりもより強い確信を、本日持たれたということに尽きると思います。」

 「委員の大勢は政策変更を行うためには、今後公表される指標や情報を引き続き丹念に点検し、見通しの蓋然性とそれに対するリスクをさらに見極めることが適切であるという意見でした。」

 「不安という言葉が適切かどうかは私は各委員の心の底までは量りかねますのでわかりません」

 「不安というよりはこの蓋然性についてより確信を持ちたいというポジティブな方向についての確信度合いの差だと思って頂ければ良いと思います。」

 今回、現状維持に反対したのは、利上げを主張した水野審議委員、他の委員との意見の違いを福井総裁はこのように説明している。「私は各委員の心の底までは量りかねます」と総裁は発言したが、決定会合では各委員の動向はその発言内容とともに、全体的な空気の流れといったものも各委員が意識しているともみられるが、今回については各委員の心の底はさておき、追加利上げを行なうタイミングではないという共通認識が強まったのか。

 「(米サブプライム問題に関連して)米国の住宅市場では在庫が依然として高水準にあり、住宅価格の伸び率が低下するなど調整局面が続き、あえて言えば事前の予想よりも住宅市場の調整はやや長引いている、あるいはやや遅れているというものです。しかし、こうした調整の実体経済全体に対する影響は目下のところ限定的なものに留まっており、米国経済そのものは減速しつつも足腰はしっかりしているという認識です。」

 懸念事項のひとつ米経済の動向、それに大きな影響を与えかねない米サブプライム問題については、その影響は限定的との認識とみられる。今回の利上げ見送りに対してはひとつの懸念要因となったともみられるものの、決定的な要因でもなかったと思われる。

 「将来にわたってフォワード・ルッキングな政策判断をしようと思う場合には、個々の政策委員の持っているものの考え方、それを将来の経済・物価の変動予測のパスに当てはめて考えた場合に、政策措置に結びつけることが適当かどうかという判断にまでその確信が深まっているかどうかということについては、常に差があるということだと思います。その差はありますが、政策委員会の場では一つの結論を出すために議論を戦わせるので、会議に臨むにあたって持っていた差は議論を通じて相当修正されるものです。従って、多数のメンバーの意見が事前に持っていた差が修正されるかたちで収斂すれば、それは政策的結論になるということであり、今回の場合は多数の意見はまだ政策措置の変更に結びつくようなところにまで確信が深まっていなかったということだと思います。」

 「会議に臨むにあたって持っていた差は議論を通じて相当修正されるものです。」との表現は、7月3日の講演で武藤日銀副総裁が発言した「会合後の私は、会合前の私とは異なる」という言葉と合い通じるものがありそうである。

 「将来、選挙結果に関係なく目をつむって何かする、ということではもちろんありませんが、選挙結果がどう出ても、経済全体の動きに影響があるのかないのかということが自ずと経済指標に出てきますので、そういう判断をしていきたいと思っています。」

 「(4~6月のGDPで)多少低めの数字が出たことが決定的要因となるというよりは、それ以外の経済指標も合わせてみて、経済の将来への認識を再構築したいと思っています。」

 今回の現状維持に対して参院選という存在が全く意識されなかったとは言えない。その結果によっては8月も利上げが見送られる可能性がないとは言えない。しかし、4~6月のGDPで多少低めの数字が出たとしても、参院選で政局がよほど大きく変わらない限り、現状では今回の福井総裁会見の内容からも、8月における追加利上げの可能性を見ておく必要があろう。もし、8月22日から23日の会合で政策金利が0.50%から0.75%と0.25%の追加利上げが行なわれれば、ロンバート金利については現在の0.75%から1.25%へ0.5%程度の引き上げが行なわれる可能性がある。
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by nihonkokusai | 2007-07-17 10:51 | 日銀 | Comments(0)

「セカンドライフ」


 経済ニュースなとで、どこかの企業がセカンドライフに出店へ、という記事が頻繁に出ている。どうも企業は盛り上がっているものの、肝心の参加者自体に盛り上がりが欠けているような気がする。

 日本でネットが普及を始めたころ、私も乗り遅れるなとばかりホームページを開設した。それなりにヒット数もあって満足してしまったのか、その後のブログ、 SNSなどについてはやや参加をためらっていた。ブログは遅ればせながら開設したが、SNSは触っていない。そんなやや歳を取って、自分自身が流行遅れとなってしまったのか、セカンドライフについても、日本での広がりについては否定的な見方をしてしまっている。

 海外では、ある種の現実逃避が好まれるのか、かなりの盛り上がりとなっている。しかし日本人の気質から、こういったバーチャルな世界で生活を楽しむということが果たしてどれだけ受け容れられるのであろうか。日本でのネットへの接続が携帯電話を介するものが多いこともあり、PCを長時間利用してのネット接続を、別な生活を楽しむためと、多くの日本人がアクセスするということは難しいのではなかろうか。

 日本でセカンドライフがどれだけ普及するのかわからないものの、バーチャルな出店となれば費用も限定的であり、時流に乗っていることを示すとともに、出店を記事にしてもらうことで、その記事そのものが宣伝広告ともなりうる。そういった目的も出店企業にはあったのであろうか。特に出店企業を非難するわけではないが、結局そういった店舗は、バーチャル版「地方の駅前のシャッター街」にもなりかねない気もするのだが。
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by nihonkokusai | 2007-07-13 10:56 | 趣味関心 | Comments(0)

「金融政策は賛成多数で現状維持」


 7月11日から12日にかけて開催された日銀の金融政策決定会合においては、8対1の賛成多数で現状の金融政策を維持することを決定した。反対したのは水野委員。債券市場などでは今回の会合での追加利上げを見る向きはほとんどなかったこともあり、現状維持との結果に対して市場への影響はほとんどなかった。今回は反対票が一票出たが、この結果を見て8月の追加利上げの可能性を読み取ることもまだ難しい。

 ただし、福井総裁の議長提案が行なわれるといった環境となれば、次回会合での追加利上げの可能性は強まろう。この福井日銀総裁は6月18 日の会見では、より慎重な姿勢を見せていたように伺えた。たとえば、「米国経済の今後の方向は、もう少し見極めなければ誰もが完全にそうですとは言えない状況にあると思います。設備投資にしても個人消費にしても、内需の基調的な拡大の持続性について私どもはより確証が欲しいと考えています。」とコメントしていたためである。

 ただし、本日の総裁会見では、「4-6月期のGDPが低めでも決定的要因でない、ほかの指標を含めて判断」「私自身はシナリオ通りの動き続けば将来利上げ間違いないと確信」「各委員の経済の見方、後退よりは進展したと思う」「選挙結果がどう出ても経済全体への影響見て判断」との発言があった。この発言からは、これまでの追加利上げに向けての姿勢に変化はなく、あくまでそのタイミング計っているともとらえることができる。

 ちなみに、追加利上げを行なう際には、少なくとも政策委員の過半数が賛成し、加えて執行部でも過半数が賛成することが必要条件ではないかとも推測される。もちろん副総裁も一票は一票であり、2月の会合のように岩田副総裁が唯一の反対票を投じるといったことも現実に起きている。一枚岩と呼ばれた総裁、副総裁で構成される執行部票が初めて割れたわけであるが、それでも総裁と副総裁2人の意見が完全に分かれるケースでの議長提案も行いづらいのではないかと思われる。

 こういったことから、日銀が追加利上げに動くためには、福井総裁自らが利上げに前向きの姿勢を示すとともに、副総裁のうち一票、この場合は岩田副総裁が2月の追加利上げに反対していたことを踏まえ、もう一人武藤副総裁の動向といったものも注目点となろう。さらに審議委員6人の過半数の賛成も必要になる。たとえば1月18日に水野委員とともに現状維持に反対した須田委員、野田委員とさらにもう一票加われば、過半数となる。

 もちろん、こういった票読みよりも先に、今後の追加利上げの可能性を見るためには、足元の経済物価動向の確認が必要となる。今回、追加利上げが見送られた背景のひとつにとして足元経済指標なども影響していた可能性もある。たとえば、5月の鉱工業生産動向(速報)の生産が前月比-0.4%の低下と3か月連続の低下となり、予想の+0.8%を大きく下回ったことや、5月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除く)が前年同月比-0.1%となったものの、同時に発表された6月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、予想の+0.1%から前年同月比-0.1%となっていた。

 さらに、日銀が最も重視している経済指標のひとつ短観についても、7月2日に発表された6月集計分は、大企業・製造業業況判断DIは前回と変わらずの+23と市場予想の通りとなり、高水準を維持した。ただし、2007年度大企業・全産業の設備投資計画は前年度比+7.7%、中小企業・全産業の設備投資計画は前年度比-16.3%と3月からは上方修正されていたものの、予想されたほどの修正幅ではなかったことも確か。しかし、ここにきての経済・物価の指標は、消費者物価動向がやや下振れているものの、4月の展望リポートの内容に即した形ともなっていることも確かである。

 そして、もうひとつ気になるものとして米サブプライムの問題がある。7月4日の武藤副総裁の講演において、「米国経済については、住宅市場の調整の進捗度合いや設備投資の先行きを不安視する見方もあります。ここ数か月話題になっている低所得者層を対象にした住宅融資の延滞問題、いわゆるサブプライム住宅ローンの問題については、景気全体や金融システムに広範な影響を及ぼさないとの見方が強まりつつあるようですが、住宅市場の調整が想定以上に深刻なものとなったり、設備投資が下振れた場合には、景気は一段と減速する可能性があります。」と発言していたようにサププライム住宅ローンの問題については引き続き注意を払っている姿勢が伺えた。

 これに対して、福井総裁は本日の会見で、「(米サブプライム問題で)米クレジット市場全体に影響及ぼしていない」とし、「米経済は、減速しつつもソフトランディングに向かう可能性高い」と発言している。サププライムの問題に関しては先行きの不透明感も強いものの、ウォーシューFRB理事も、「今のところ、信用リスクは金融システムに大きな影響を与えていない」との発言もあり、米当局者もそれほど深刻視はしていないともみられた。

 また、12日に公示された参議院選挙の結果次第では、政局のみならず財政運営、さらに日本の景気などにも影響を与える可能性もあることで、その結果を確かめたいところでもある。これに関して福井総裁は「選挙結果がどう出ても経済全体への影響みて判断」との発言もあった。

 8月に発表される4-6月期のGDPを含めて、8月22日から23日の金融政策決定会合前までに発表される経済や物価の指標を確認するとともに、米国経済の動向などを見ながらあらためて、8月における追加利上げの可能性を模索してくるものとみている。

 以上のことを踏まえて、8月22日の会合までの金利の動向予想をしてみたい。市場では8月の追加利上げの実施を見る向きが多く、今回の決定会合結果や総裁会見の内容からもその見方は後退することはないと思われる。8月の追加利上げの可能性は高いものとみられることで、特に中短期の金利は下がりにくい状況が続くとみている。5年債利回りは当面、1.5%を挟んでの動きが予想される。長期金利に関しては、米国金利動向などの影響も受けやすく、さらに選挙動向などを見ながら海外投資家などの思惑的な動きも出るとみられ、1.8%から2.0%のレンジ内ながらやや動きの荒い展開も予想される。さらに超長期の金利についても、ここにきて上昇圧力を強めているが、8月利上げの可能性が強い以上、投資家も慎重姿勢を取らざるを得ず、押し目買いに徹することを予想すれば、この傾向は当面続くものとみられる。総じて金利は上昇圧力も強めそうだが、すでに8月利上げもある程度織り込んでいることを考えれば、ここからさらに大きく金利が上昇していくことも考えづらい。このため、長期金利の2%は心理的な壁し意識されるものと見ている。ここ一年間の日銀の金融政策の推移

2006年8月11日、現状維持、全員一致
2006年9月8日、現状維持、全員一致
2006年10月13日、現状維持、全員一致
2006年10月31日、現状維持、全員一致
2006年11月16日、現状維持、全員一致
2006年12月19日、現状維持、全員一致
2007年1月18日、現状維持、賛成6反対3(反対は須田委員、水野委員、野田委員)
2007年2月21日、無担保コールレート翌日物誘導目標値を0.5%に引き上げ、賛成8反対1(反対は岩田委員)
基準貸付利子を0.75%に引き上げ、賛成8反対1(反対は岩田委員)
2007年3月20日、現状維持、全員一致
2007年4月10日、現状維持、全員一致
2007年4月27日、現状維持、全員一致
2007年5月17日、現状維持、全員一致
2007年6月15日、現状維持、全員一致
2007年7月12日、現状維持、賛成8反対1(反対は水野委員)
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by nihonkokusai | 2007-07-12 13:06 | 日銀 | Comments(0)

「公開、牛さん熊さんの本日の債券、朝の部」


・・・・・・・・・・まずは、朝方
熊「昨日の夕方に、久しぶりに虹を見たと作者が言っていた」
牛「昨日の夕焼け見て、今日は良い天気かと思ったら、午後からまた雨の可能性」
熊「さらに週末は台風の影響で大雨の恐れ、作者はバーベキューに行く計画のようだったが」
牛「それはさておき、前日はサブプライム問題の再燃で大きく揺れていた米国市場だったが」
熊「昨日は落ち着きを取り戻して、株は上昇し、債券は反落となっていた」
牛「ウォーシューFRB理事は、今のところ、信用リスクは金融システムに大きな影響を与えていない、とコメント」
熊「さらに、プロッサー・フィラデルフィア連銀理事は講演で、米経済に対して楽観的な見方を示した」
牛「米10年債は、現地時間での夜間取引、昨日の東京市場での取引時間中に一時5%を割り込んでいた」 
熊「その影響や、オプション絡みの動きなども入ったとみられ、先物は132円をつけてきたが」
牛「その米債は、昨日のNY市場では、当初買いが先行し、10年債利回りは一時5.00%をつけたものの」
熊「FRB理事発言などや、株の反発なども手伝って、結局5.09%まで利回りが上昇して引けていた」
牛「米株式市場では、前日の大きな下落の反動もあって押し目買いも入り」
熊「企業業績も好調、サブプライム問題も気になるものの、影響も限定的との見方もあってか」
牛「ダウは一時90ドル近く戻して、引けは76.17ドル高の13577.87ドル」
熊「ナスダック総合指数は、12.63ポイント上昇の2651.79で引けている」
牛「CMEの日経平均先物は、一時18000円を割り込んだようやが、18125円と高値で引けた」.
熊「そして、円債先物はイブニングセッション131円92銭、LIFFEではさらに下げて131円82銭の引け」
牛「今日はまず、昨日の反動もあって戻り売りが先行するとみられるが」
熊「なんといっても注目は、本日の金融政策決定会合」
牛「現状維持はほぼ間違いなさそうやけど、市場の注目は反対者というか利上げ提案が出るかどうかに集っているようや」
熊「武藤副総裁は以前、会合後の私は会合前の私とは異なることもある、とも言っていたように」
牛「今回、全員一致で現状維持であったとしても、8月に利上げすることは十分ありうるとともに」
熊「今回、利上げ提案が出されたからといって、8月に利上げが確実ということもできない」
牛「今月の結果は今月の結果として、さらに今後発表される経済指標などを丹念に追って」
熊「8月の会合に向けて、どのように判断されるかを見る必要があるんじゃねえかな」
牛「ただ、今日の結果次第では、海外投資家など主体に思惑的な動きも出るかもしれないが」
熊「そういった動きがあったとしても一時的だろう、いずれにせよそんなに遠くない時期に追加利上げが実施される可能性はあるし」
牛「その意味でも、引け後の福井総裁の会見の内容なども注目か」
熊「決定会合も控えて、債券相場は戻り売り先行後は、神経質な展開か」
猫「第21回参院選は今日公示ね」
熊「安倍首相にとっては、政権発足後の初めての全国規模の国政選挙となるが」
猫「国民の審判は、どのように下されるのかしらね」
牛「それにしても、騒がしくなりそうな」
・・・・・・・・・・昼に続く、
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by nihonkokusai | 2007-07-12 09:28 | 債券市場 | Comments(0)

「夏の個人向け国債販売額は、合計で1兆9676億円に」


 今月17日に発行される夏の個人向け国債の販売額は、10年変動タイプと5年固定タイプの合計で1兆9676億円となった。発行総額では過去3番目の額となる。10年変動タイプの販売額は民間金融機関分2976億円、郵便局取り扱い分が736億円で計3713億円。5年固定タイプは民間金融機関分1兆 4418億円、郵便局取り扱い分が1545億円で計1兆5964億円。

 今回の個人向け国債10年変動タイプ(第19回)の初期利子は1.01%と、10年変動タイプの初期利子としては2006年7月に発行された第15回に次ぐ利子の高さとなっていた。さらに5年固定タイプ(第7回)の利率は、この基準利回りから0.05%差し引かれた1.50%ちょうどとなり、これまで発行された5年固定タイプの中では最も高い利率となったことが好感されたものとみられる。

 これまで発行された個人向け国債の回号別販売額と税引き前の初期利子(固定は利率)は下記の通り

第1回変動10年(2003年3月)3,835億円(うち郵便局499億円)、0.09%
第2回変動10年(2003年4月)3,486億円(うち郵便局746億円)、0.05%
第3回変動10年(2003年7月)2,802億円(うち郵便局588億円)、0.05%
第4回変動10年(2003年10月)9,432億円(うち郵便局1,659億円)、0.77%
第5回変動10年(2004年1月)1兆3,951億円(うち郵便局995億円)、0.62%
第6回変動10年(2004年4月)1兆4,185億円(うち郵便局1,244億円)、0.55%
第7回変動10年(2004年7月)1兆7,726億円(うち郵便局1,990億円)、0.74%
第8回変動10年(2004年10月)1兆8,652億円(うち郵便局2,484億円)、0.74%
第9回変動10年(2005年1月)1兆7,647億円(うち郵便局2,436億円)、0.67%
第10回変動10年(2005年4月)2兆3,374億円(うち郵便局1,990億円)、0.73%
第11回変動10年(2005年7月)1兆6,423億円(うち郵便局2,484億円)、0.45%
第12回変動10年(2005年10月)1兆3,629億円(うち郵便局2,483億円)、0.55%
第13回変動10年(2006年1月)8,001億円(うち郵便局1,488億円)、0.68%
第14回変動10年(2006年4月)8,285億円(うち郵便局1,491億円)、0.85%
第15回変動10年(2006年7月)9,813億円(うち郵便局995億円)、1.10%
第16回変動10年(2006年10月)7,323億円(うち郵便局997億円)、0.92%
第17回変動10年(2007年1月)4,334億円(うち郵便局938億円)、0.84%
第18回変動10年(2007年4月)3,479億円(うち郵便局642億円)、0.87%
第19回変動10年(2007年7月)3,713億円(うち郵便局736億円)、1.01%

第1回固定5年(2006年1月)1兆1,285億円(うち郵便局497億円)、0.80%
第2回固定5年(2006年4月)9,883億円(うち郵便局1,490億円)、1.01%
第3回固定5年(2006年7月)1兆2,430億円(うち郵便局996億円)、1.30%
第4回固定5年(2006年10月)8,584億円(うち郵便局998億円)、1.13%
第5回固定5年(2007年1月)10,730億円(うち郵便局998億円)、1.20%
第6回固定5年(2007年4月)8,326億円(うち郵便局1,311億円)、1.13%
第7回固定5年(2007年7月)1兆5,964億円(うち郵便局1,545億円)、1.50%
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by nihonkokusai | 2007-07-11 16:10 | 国債 | Comments(0)

「夏の光」


 毎朝、つくばエクスプレスに乗りながら、FM放送を聞くのが日課になっている。今朝、J-WAVEの朝の番組「WAKE UP TOKYO」を聞いていて、2度びっくりした。ひとつが、今週の「Power Your Mornig」のゲストが、知り合いのマネックス・ユニバーシティ代表取締役の内藤忍氏であったこと。昨日、一昨日とこの番組をたまたま聞いていなかったため気が付くのが遅れた。金曜日までしっかり聞きますので。ラジオだと少し声のイメージが違ったような。

 そして、この番組でもう一人、聞いたことのある名前が出てきたのである。「POP UP」と言うコーナーで、本の雑誌「ダヴィンチ」編集長の横里隆さんが、今月オススメの1冊をご紹介するもので、聞いたことがあったのはその本の作者名であった。

 本の題名は「夏の光」。二十数年ぶりに会った証券アナリストと新聞記者、そして一人の女性の物語だそうである。横里隆さん絶賛で、いずれ映画にもなるのではないかというほどの感動作だとか。しかし、気になったのは「田村まさゆき」という作者名。しかも、この本を読むと国債などを通じて経済の理解も進むとのコメントもあった。作者は経済担当の新聞記者なのだそうである。ということはもしや、あの日経新聞の田村正之さんなのか。

 早速、ネットで調べてみたところポプラ社から今月出版された「夏の光」の作者は、田村優之氏。しかし、さらにネットで検索してみたところ田村優之というのはペンネームで、本名は田村正之とあった。間違いなく日経新聞の田村正之さんであった。何度か取材を受けたこともありながら、田村さんが小説を書いていたことは知らなかった。しかも「ゆらゆらと浮かんで消えていく王国に」という作品では開高健賞を受賞されていた。

 昨年、確か田村さんに直接取材を受けたと記憶しているが、その際は記事に関連した国債のことであったと思う。しかし、もしかすると小説の取材も兼ねていらしたのか。多少でも、私も関わりを持っていたとしたら、うれしい限り。書店に駆け込んで探すよりも確実と、本日アマゾンで「夏の光」をクリックした。読んでみての感想はのちほどアップさせていただきたい。
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by nihonkokusai | 2007-07-11 13:38 | 国債 | Comments(2)
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