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「キユーピーマヨネーズの値上げ」


 マヨネーズ最大手のキユーピーは、マヨネーズの価格を6月1日出荷分から約10%値上げするそうである。マヨネーズ配合量の7割を占める食用油が、その原料であるトウモロコシ、大豆などがバイオ燃料の原料として需要が増している影響もあり、価格が高騰しているのが要因だとか。これによる物価への影響うんぬんはさておき、エタノール燃料などのバイオ燃料については、かなり問題もある。今回のように需要増加によるトウモロコシ、大豆を材料とした製品や、飼料などへの価格への影響などに加え、穀物などへの需要が高まると、焼畑農業がさらに加速して、地球にやさしいエコどころではなく、地球を汚す政府のエゴにもなりかねない。ここはもう少し調査研究などを行い、バイオ燃料の普及については、原料需給が地球汚染や他の製品需要に影響を及ぼさないようなかたちにするよう再考願いたい。

 というような提言などはさておき、このマヨネーズの大手は「キユーピー」であって「キューピー」ではない。さらに「富士フイルム」も「富士フィルム」ではなく、「キヤノン」も「キャノン」ではない。呼び方と正式名称が微妙に異なる会社名がこのようにいくつか存在しているので、ご注意を。
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by nihonkokusai | 2007-05-09 14:48 | 趣味関心 | Comments(0)

「日銀の独立性」


 以前は自民党の幹部から日銀の金融政策に対しての批判めいた発言が出たことがあった。本日の衆議院財政金融委員会における民主党議員からの発言を聞いていると、民主党からも同様の発言があった。質問者は民主党の小沢鋭仁議員。日銀の金融政策について、政府が決めた枠の中で、金融政策を行なうべきとの意見であった。これに対して、答弁を行なった尾身財務大臣は、当然ながら金融政策は日銀の専管事項、金利水準自体は日銀に委ねていると答弁したが、小沢議員はまったく納得がいかないご様子。失われた10年、もしくは15年の責任は政府と共に日銀にあり、政府は選挙というかたちで責任を問われるが、日銀は責任を取るといったことはないとの発言もあった。

 金融政策は経済対策に組み込まれているとでも言うのであろうか。別に小沢氏を非難したいわけではないが、野党からもこのような意見が出されるというのはいただけない気がする。円高対策やら景気対策やらで無理やり日銀の金融政策まで引っ張り込んで、バブルを増長させたのはいったい誰の責任というのか。同じことを、もし民主党が政権を担っても、やろうとしているのか。

 なぜ世界の国々には政府と切り離された中央銀行が存在しているのか。新日銀法ではなぜ日銀の独立性が意識されたのか。米国での政府とFRBのアコードとはいったい何であったのか。

 政府は金融政策も自らの手で行なった方が、国のためになると考えているのなら、これまでの世界史の中で、中央銀行が培ってきた歴史はいったい何であったのかと問いたい。
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by nihonkokusai | 2007-05-09 13:29 | 日銀 | Comments(0)

「面白い携帯音楽プレーヤー」


 最近の音楽はCDを購入しても、それをMP3などに圧縮してPCの中に入れていため、音楽を聴くにはiPodなど携帯音楽プレーヤーが必要となる。iPodなどが出る前からMP3プレーヤーはいくつか購入していたが、最近でもいくつか購入している。とはいっても数千円でそこそこのものが購入できる。

 ゴールデンウイーク中、クルマの中で聞くために良いものはないかと探していたところ、面白いものが見つかった。グリーンハウスというところが出している「KANA-GT」である。これはUSB接続の512MBの音楽プレーヤーであり、かたちはソニーのものに似ている。一番の違いは、これにはワイヤレスFMトランスミッターが内蔵されていること。さらに、車内で充電できる専用カーシガレットUSBアダプタが付属しているため、電池切れを気にせずに車内で使うことができるものなのである。

 なんのことはない外付けのクルマ用MP3プレーヤーになるのである。以前にもワイヤレスFMトランスミッターを別に購入して、そこに携帯音楽プレーヤーを接続していたが、携帯音楽プレーヤーの充電が切れるとおしまい。さらにトランスミッターを使っての音質も良くなかった。ところがこの「KANA-GT」は、そこそこの音質で車内でも聞くことができる。これで実売4500円程度(某秋葉原のショップ)というのは安い買い物か。ただし、操作ボタンなどかなり癖があり、慣れるのに少し苦労する。いったん操作方法がわかれば問題はない。

 みどりの日のひたち海浜公園へのドライブに使用したあと、長女はこれを使って、自分の部屋のCDラジカセに音を飛ばして聞いているのだが、なんか使用法が違う気がしなくもない。
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by nihonkokusai | 2007-05-08 14:12 | 趣味関心 | Comments(0)

「2007年3月19、20日開催分、金融政策決定会合議事要旨より」


 日銀は7日に2007年3月19、20日に開催された金融政策決定会合の議事要旨を発表した。
 
 消費者物価指数に関しては、多くの委員は「2月の消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比は、小幅のマイナスになる可能性があると指摘し」、複数の委員は、「3月以降についても暫くは同様の状況となる可能性があるとの見方を示した」。4月27日に発表された3月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除く)で前年同月比-0.3%となっており、さらに4月もマイナスとなる予想となっている。

 物価を巡る基本的な環境について多くの委員は、「設備や労働といった資源の稼働状況の高まりを踏まえると、今後とも潜在成長率を上回る成長が続くのであれば、消費者物価への上昇圧力が高まっていくと考えられると述べた」というように、先行きは緩やかな上昇基調を辿るというのが政策委員の大方のコンセンサスとみられる。

 しかし、「一人の委員は、マクロ的な需給ギャップの改善と消費者物価の上昇との関係が近年変化している可能性があるほか、サービス価格は非製造業の賃金の影響を受けやすいことにも留意すべきであると指摘した。」とあるように、マクロ的な需給ギャップの改善が進んでいるにもかかわらず、現実には消費者物価指数はむしろ前年比マイナスとなっており、サービス価格についてはある程度非製造業の賃金の伸びがないと難しい点を指摘している。これは岩田副総裁の発言とも予想される。

 そして資産価格の動向に関連して二人の政策委員がそれぞれ違った見方をしている点も興味深い。一人の委員は、「都心におけるオフィス賃料の上昇がみられており、不動産市場の動向については、今後公表される公示地価の状況なども含めて、引き続き注意深く点検していく必要があると述べた。」

 別の委員は「不動産市場では、二極化がさらに進んでおり、一部地域は活況を呈しているが、他の地域への全般的な波及はみられないと指摘した。」

 あまりタカ派、ハト派との色分けも良くはないのかもしれないが、この見方の相違は、まさにタカ派的な見方とハト派的な見方の相違といえるのかもしれない。個人的には地価のトレンド自体が上昇基調に大きく変化してきているだけに、前者の注意の方を重視すべきとも思う。私自身は田舎に住んでいるだけに後者の意見も実感としては感じるものではあるが、大きな風向きは変ったと見ている。

 当面の金融政策運営に関して、ある委員の発言も興味深い。「前回の利上げについては、4月の展望レポートで十分な経済・物価情勢の説明を行うまで待つ余裕はあったと思うが、一旦決めた政策の方向性を細かく変更することは市場に無用な混乱を与える惧れがあること、0.5%程度の金利水準は市場機能の維持・強化の観点からも必要と考えられることから、現在の金融市場調節方針を維持することが適当であると述べた。」

 展望レポート発表まで待つ余裕があったと思うとの発言であり、これは2月の追加緩和に唯一反対した岩田副総裁の発言と思われる。2月に利上げに反対したが、3月の現状維持には賛成しており、その根拠の説明ともみられる。この発言からみても、今後、大きく情勢が変化しない限りは、岩田副総裁が現状維持に反対してくることはなさそうである。

 議事要旨には市場との対話についての発言もあった。「多くの委員は、合議制による意思決定のもとで日本銀行が発信すべき情報は、経済・物価情勢に関する判断や金融政策運営に関する基本的な考え方であり、この点に関する市場の理解をより十分に浸透させる努力が必要であると述べた」、まったくもって同意である。

 その方法といったものもいろいろと模索していく必要もありそうである。講演や会見だけでは、なかなか政策委員がどのような考え方であるのかが伝わりにくい面もある。政策委員の考え方を知るには、それぞれの専門分野から視点を当てた金融政策へのアプローチといったものを、わかりやすく私たちに説明してもらえる機会などがあるとうれしい。

 そして、一人の委員は「中長期的な物価安定の理解について金融政策運営との関係を改めてよく説明する必要があると付け加えた」、これも岩田副総裁であろうか。これも確かに重要なポイントであると思う。
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by nihonkokusai | 2007-05-08 10:24 | 日銀 | Comments(0)

「みどりの日のひたち海浜公園は過去最高の人手だった」


 昨日、5月4日のみどりの日に「国営ひたち海浜公園」に家族で出かけたことをお伝えしたが、日経新聞の地域版によると4月28日から5月6日のゴールデンウイークにおける「国営ひたち海浜公園」の入園者数は過去最高を記録したとか。さらに、4日のみどりの日は1日あたりの入場者数が67837人と1日あたりの入場者数で過去最高を記録していたそうである。その67837人中の5人が我が家で占めた割合となった。たしかに混んでいたはずである。ネモフィラとチューリップの見ごろが重なったことや、好天に恵まれ、さらに入場無料であったことなども要因なのであろうか。来年、もし「国営ひたち海浜公園」に行かれる方は、無料という魅力はあるものの、みどりの日は外したほうが良いかもしれませんね。
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by nihonkokusai | 2007-05-08 09:32 | 趣味関心 | Comments(0)

「幸田真音さんの新刊」


 幸田真音さんの新刊『バイアウト』が、5月15日に文藝春秋社から発売されます。ここにきて、マイクロソフトによるヤフーへの買収観測、ダウ・ジョーンズへのニューズ・コーポレーションからの買収提案、トムソンがロイター・グループ買収交渉など、大型M&Aに対する報道がメディアを賑わせています。企業買収とはいったいいかなるものなのか。小説自体の面白さもさることながら、これを読むことでM&Aなどの知識が広がります。金融関係者のみならず、一般の方々もこういった知識は必要な時代です。いつ自分の会社が企業買収されるかわからない世の中ともなっており、今回もそれを先んじて小説にされた幸田さんの、先を読む力は見事としか言いようがありません。

 5月18日午後6時半からは、日本橋の丸善書店さんで、幸田真音さんの『バイアウト』のサイン会の開催も決定。この機会にぜひ読まれてしいかがでしょうか。18日当日は私もサイン会の列に並びます。皆様もぜひお越しください。
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by nihonkokusai | 2007-05-07 13:57 | 本の紹介 | Comments(2)

「みどりの日のひたち海浜公園」


 ゴールデンウイーク中、子供たちの予定が入ってないのは4日のみということで、この日は家族で出かけることになった。日帰りということで温泉あたりでもと思ったが、いずれにしても渋滞は避けられず、あまり遠くないところでいくつか候補を選んだ。ショッピングモールにも行きたいとの希望もあり、温泉ではなく「国営ひたち海浜公園」に行くことにした。ここは大型ショッピングセンターが隣接しているところでもある。私は一度も行ったことはなかったが、子供たちは幼稚園の遠足とかで来たことはあるらしい。

 この季節はネモフィラという花が丘一面に咲いているそうで、さらにチューリップもまだ見ごろとか。目の保養とショッピングを兼ねてと目的地は決まった。しかし、ゴールデンウイーク真っ只中ということもあり、下調べも必要かとネットで検索。まず、開園は一応正式には9時半だが、すでに8時半ぐらいには開いているとのこと。早めにクルマで来る人たちがこの時期は多いためのようである。

 そして園内はあまりに広いため、移動するのは自転車が必須となる。しかし、この時期はレンタル自転車の3時間待ちは当たり前だとか。なにはともあれ、高速出口で渋滞にあまり巻き込まれず、自転車を借りるためには8時半ぐらいまでには着いている必要がありそうで、逆算して自宅は7時過ぎに出た。

 常磐高速は渋滞こそなかったものの、すでにかなりのクルマが走っていた。そして8時ぐらいにひたち海浜公園ICに着いたのだが、出口は早くも列を成していた。それでも8時半ごろには公園の駐車場に到着した。

 事前に下調べしていたつもりが、大事なことをチェックしていなかった。5月4日のみどりの日は、この国営ひたち海浜公園は入場料が無料なのだそうだ。ラッキーではあるが、案の定、混み方が尋常ではなかった。

 8時半過ぎにはすでに門は開いており、中央ゲートで自転車を借りようとしたところ、すでにもう1時間待ちとの話。どうしようかと家族で相談していたところ、その話を聞いていたらしい係りの人が、南ゲートか西ゲートにもレンタルするところがあり、そちらはまだ残っているはずと教えてくれた。

 折りたたみ式の自転車を一台積んできたことで、それを使って南口に見に行ったところ、たしかにまだレンタル自転車は残っており、結局、無事に家族の人数分借りることができた。ちなみに南口は休日ののみ開いているとか。教えてくれた係りのおにいさんに感謝。

 南ゲートから自転車でネモフィラが一面に咲いている「みはらしの丘」に向かう。ネモフィラはまだ満開ではなかったものの、なかなか見ごたえがあった。さらにこの丘の上からは太平洋を望むことができた。とにかく人が多いため、この丘の近くでかなり早いものの簡単に食事を取ってしまった。その後、一周9キロあるというサイクリングコースをほぼ一周し、その後に西口近辺で少し散策。とにかくどこも人だらけ。道路は駐車場に入りきれないクルマもあふれていたようで、周りは大渋滞ともなっていた。

 昼過ぎに自転車を返して、遊園地を通って中央口に向かう。このあたりは小さい子供たちがプールなどでまさにイモ洗い状態ともなっていた。ゴールデンウイークに加え無料入園が人手を加速させていたようだ。自転車とはいえさすがに疲れ、早めに公園を出ることにした。

 帰りに那珂湊の魚市場に寄りたいとの声もあり、渋滞は覚悟の上、とにかくそちらに向かった。途中まではスイスイだったものの、魚市場が見えた辺りから、ほとんど動かない状態に。このため一人降りて家人に運転を任せ、途中から徒歩で魚市場に向かった。歩いて5分程度で魚市場であった。クルマの混雑の割には買い物客はそれほど多くなく、帰ったらバーベキューをしたいとの三女のリクエストに答えるために、イシモチ、メヒカリ、ハマグリ、エビなどを物色。

 問題はここからの帰り道。那珂湊から大洗方面は渋滞どころの話ではない状態であったためここは避ける。いったん那珂湊を大洗と反対方向に走り、途中知っている迂回路を通って抜けたところ、途中までは良かったが、途中途中は一部混雑もあった。しかし、51号線をなんとか突き抜けると、さすがに県道はほとんど渋滞はなく、途中渋滞している常磐道を横目で見ながら、明るいうちに帰宅することができた。ちなみに、買ってきたイシモチ、メヒカリ、ハマグリ、エビは十分美味しかった。

 この時期でなければ、国営ひたち海浜公園もほとんど空いているとのことで今回はまさにレアケース。とはいえゴールデンウイーク中、しかも好天に恵まれればどこもかしこも混んでしまうのはいたし方ないところ。もし来年、この時期に、この国営ひたち海浜公園に行かれる方があれば、多少でも参考にしていただければと思う。
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by nihonkokusai | 2007-05-07 13:05 | 趣味関心 | Comments(0)

「ASEANプラス3の外貨一括プール」


 新聞各紙によると、5日に京都で開催された東南アジア諸国連合と日中韓のASEANプラス3の財務省会議において、通貨危機の際に外貨を互いに融通する新たな制度を創設することで合意したそうである。報道によると、今回合意した新制度は、各国の外貨準備の一部をそれぞれ拠出して1か所に集め、参加国の通貨が急落した際に買い支えに必要な米ドルなどの外貨を貸し出す仕組みとなる。外貨の拠出先や各国の拠出割当額といった制度の詳細は今後数年かけて検討する。会議後の共同声明によると、拠出した外貨の運用方針は各国が決めるという、緩やかな枠組みとして、スタートする見通し。

 すでに1997年に発生した通貨危機の教訓を踏まえ、2000年にASEANプラス3財務相会議で合意した「チェンマイ・イニシアチブ」に基づいて、2国間協定を基本にアジアの通貨協力が実施されている。今回の新たな多国間協定では、2国間協定を結んでいない国を含め、メンバーの13か国すべてが参加する見通しとなったことで、2国間協定が多国間協定に一本化されることで、一度の要請で多くの関係国が外貨を融通できるようになる。

 アジア諸国との通貨に関しての協定などが、このように徐々にではあるが進みつつある。しかし、今回の会議は財務省主導のものであり、中央銀行などは参加していない。

 たとえば、アジアの債券市場の育成構想についても、財務省の「アジア債券市場育成イニシアチブ」と、日本銀行も参加している東アジア・オセアニア中央銀行役員会議(EMEAP)の構想「アジア・ボンド・ファンド」(ABF)プロジェクト」が同時に進んでいる。

 日本銀行のホームページでは、ABFは「投資家の立場」(需要サイド)からの取組みであり、ASEAN10カ国に日本、中国、韓国を加えた ASEAN+3の財務省および中央銀行が進める「発行体の立場」(供給サイド)からの取組みである「アジア債券市場育成イニシアティブ」(Asian Bond Markets Initiative<ABMI>)とは相互補完的なものと位置付けられます、としているが、相互補完的ならば一本化しての取り組みなどができないものなのであろうか。

 ASEANプラス3の参加国は、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアのASEAN10か国と日中韓の計13カ国。

 EMEAPとはExecutives’ Meeting of East Asia and Pacific Central Banksの略称で、1991年に日本銀行の提唱により、各国の金融政策運営などについて、自由に情報や意見を交換する非公式な会合として発足したもの。メンバーは、オーストラリア準銀、中国人民銀行、香港金融管理局、インドネシア中銀、韓国銀行、マレーシア中銀、ニュージーランド準銀、フィリピン中銀、シンガポール通貨庁、タイ中銀及び日本銀行の11中銀・通貨当局。(日本銀行ホームページより)
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by nihonkokusai | 2007-05-07 10:09 | 債券市場 | Comments(3)

「展望レポート(資産価格への警戒)」


 日銀の展望レポートの中で、上振れ下振れ要因の3つめとして資産価格上昇への警戒などが記されている。「金融環境などに関する楽観的な想定に基づく、金融・経済活動の振幅の拡大である。企業や金融機関などの財務面での改善が進む中、実質金利が極めて低い水準にあることから、金融・経済活動が積極化しやすい環境にある。また、大都市で地価の上昇傾向が明確化してきているなど、資産価格の動きも、そうした行動を活発化させる方向に作用すると考えられる。こうした中で、仮に、期待成長率や資金調達コスト、為替相場や資産価格の見通しなど、先行きの採算に関する楽観的な想定に基づいて金融・経済活動が積極化する場合には、金融資本市場において行き過ぎたポジションが構築されたり、非効率な経済活動に資金やその他の資源が使われ、長い目でみた資源配分に歪みが生じるおそれがある。このような行動は、短期的には景気や資産価格を押し上げることがあっても、その後の調整を余儀なくされ、息の長い成長を阻害する可能性がある。」

 以前のバブル期とその後の崩壊過程における状況を思い起こさせるものとなっている。もちろん、現在バブルが発生しているわけではないものの、その芽は早期に刈り取ってしまう必要性も示しているとみられる。バブル期の反省といったものは金融機関や事業会社、もちろん政府や個人に至るまで痛いほど感じてきたものでもある。しかし、その痛みが消え去ると痛み自体を忘れてしまう可能性がある。また時代も変り、バブル崩壊を実感として捉えていない世代が同じ過ちを繰り返すということも考えれなくはない。あくまでこれはリスクシナリオのうちのひとつではあるものの、「先行きの採算に関する楽観的な想定に基づいて金融・経済活動が積極化する」ような兆候があれば、何がしかの手は打つ必要もあろう。
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by nihonkokusai | 2007-05-02 09:44 | 日銀 | Comments(0)

「展望レポート(物価面)」


 日銀は4月27日に、経済・物価情勢の展望、所謂、展望レポートを発表した。この中で消費者物価指数に関するところを見てみたい。参考として、政策委員の大勢見通しと実績の数字から見てみる。10月の2006年度の見通しは、+0.2~+0.3%<+0.3%>となっていた、<> 内は中央値。しかし、2006年度の実績は+0.1%となり、予想を下回った。特に27日に発表された3月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除く)が前年同月比-0.3%と、原油価格低下の影響などにより、市場予想をも下回るなどしていたことも大きい。

 2007~2008年度の政策委員による消費者物価指数に関する大勢見通しは、2007年度が0.0~+0.2%<+0.1% >と10月時点の+0.4~+0.5%<+0.5%>から下方修正されている。今回初めて予想が出された2008年度分に関しては、+ 0.4~+0.6%<+0.5%>としている。

 この大勢見通しは、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて示したものであり、政策委員全員の見通しの幅は2007年度が-0.1~+0.2%、2008年度が+0.3~+0.6%となっていた。

 さて、この下方修正に関して、展望レポートでは「足もとは、原油価格下落などの影響もあって前回見通し対比幾分下振れている。先行きは、原油価格の動向にもよるが、前年比でみて目先はゼロ%近傍で推移する可能性が高いものの、より長い目でみると、プラス幅が次第に拡大するとみられる。その結果、2007年度はごく小幅のプラス、2008年度は0%台半ばの伸び率となると予想される」としている。

 さらに物価に関して上振れ下振れ要因として2つあげている。ひとつが、「需給ギャップに対する物価の感応度が、経済のグローバル化の進展や規制緩和などを背景に低下しているとみられるが、その程度には不確実性がある。とりわけ、景気拡大が続く中にあっても、賃金の上昇テンポが生産性との対比で高まっていかないような場合には、物価への下押し圧力が根強く残ることが考えられる。一方、今後、設備や労働といった資源の稼働状況が緩やかながらさらに高まっていく過程で、インフレ予想や企業の人件費抑制スタンスが大きく変化し、物価に上振れ圧力が加わる可能性もある。」との点である。

 この中で、需給ギャップに対する物価の感応度が思った以上に低い点を示しているが、反面、インフレ予想や企業の人件費抑制スタンスが大きく変化し物価に上振れ圧力が加わる可能性も指摘している。

 もうひとつが「地政学リスクなどを背景に、原油をはじめとする商品市況の動向には上下両方向に不確実性が大きい」としている。

結論からみれば、物価の見通しに関してはやや控えめに見ているとも取れるが、自然体に構えているとも受け取れる。物価に関して10月の予想から下方修正しているが、日銀のこれまでのスタンスに大きな変化はないとみられる。
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by nihonkokusai | 2007-05-01 10:55 | 日銀 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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