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カテゴリ:キャッシュレス( 10 )

1万円廃止論と金融におけるビッグデータの活用の限界

 1万円廃止論がある。ユーロやインド高額紙幣を廃止するところがあれば、スイスなど日本の1万円以上の額面を有する高額紙幣を発行している国もある。1万円札廃止論には費用削減のため、マネーロンダリングや脱税対策のためとの主張がある。また、キャッシュレス化を進めることでのビックデータの活用なども意識したものとみられる。

 日本では1万円札の発行残高が膨れあがっており、その多くはタンス預金と呼ばれるように、自宅等に保管されているとされる。これは犯罪目的というよりも、あまりの金利の低さ、そして匿名性が意識されてのものと思われる。もし1万円札を廃止すれば、タンス預金となっているものが違う資産に交換されようが、これは戦後の預金封鎖、新円切り換え時と同様の混乱をもたらす懸念があり、あまり現実的ではない。

 むしろ日銀の金融政策で利子を消滅させてしまったことで、その利子を復活させることにより、タンス預金を減少させることができよう。しかし、いまの日銀の金融政策における体制だけでなく、ここにきてのファンダメンタルズを考慮すれば、これも現状は現実的ではない。

 それでは日本のキャッシュレス化が、1万円札の流通量の多さによって阻害されているのかといえば、経産省がキャッシュレス決済の比率引き上げにはクレジットカードやQRゴートを使った決済など小額決済が念頭に置かれているとみられ、分けて考える必要がある。

 キャッシュレス化を通じた金融の流れのデータは、ある意味宝の山となろう。アマゾンや楽天、交通系カードを含めた電子カードの取引内容によって消費者の行動など分析は可能となろう。しかし、そのような小口の消費における決済データは民間を利用するのはある程度、容認されたとしても、本来の金融取引のデータを何かしら別の用途に使うということは果たして現実的なのであろうか。

 我々の金融取引におけるデータ、それはつまり銀行の口座の取引内容などを何かしら別の用途に利用するといったことは可能なのかということになる。むろんこれは金融機関にとって守秘義務が課せられることで利用することは本来できないというか、やってほしくはないものとなる。小額決済の取引データはさておき、金融という大きなインフラの中身のデータについては現金取引であろうが電子取引であろうが、それをほかの目的に利用するということには限界があろう。


by nihonkokusai | 2019-03-27 15:44 | キャッシュレス

QRコード決済における統一規格の動き

 19日付けの日経新聞によると、経済産業省と産学官が立ち上げたキャッシュレス推進協議会が29日にもQRコード決済の統一規格を発表するそうである。

 ここにきてQRコードの決済方式が乱立している。LINE Pay、PayPay、楽天ペイ、Origamiなどに加えて、みずほ銀行は2019年3月にJコインペイを開始する予定で、7月ごろにファミマペイ、セブンペイとコンビニ系、またヨドバシカメラもヨドペイを開始するとの観測も出ている。

 現在、日本の事業者が行っている上記のQRコード決済では、どのように数字を発行するかの決まりはない。QRコード決済とは、店舗か顧客が提示するQRコードに12桁前後の数字などの情報が埋め込まれており、それを読みとることで支払いが完了する。異なる事業者が顧客に対して同じ番号のQRコードを発行していれば、誤請求が起きる危険性が発生する。

 クレジットカードなどでは、決済事業者ごとに他社と重複しない番号を割り当てた上で、事業者は利用者ごとに下何桁かの数字を加えた番号を決める形式となっている。

 クレジットカードの番号は、ISO/IEC 7812という国際規格に定められた規則に基づいて決められている。先頭の6桁の番号はプレフィックスと呼ばれ、カードの属性を表している。つまり最初の6桁でカードの種類を区別や分類ができる。これはIIN (Issuer Identifier Number、発行者識別番号)、またはBIN (Bank Identification Number、銀行識別番号) であり、クレジットカードを発行した企業や団体が識別可能となる番号となっている。そして、7桁目から最終2桁目までは、個別の口座番号が割り振られている。

 JCBなどの国際ブランドのカードを発行している事業者はすでに割り振られた番号を持っているが、新規参入の事業者は手数料を支払って新たに番号を発行してもらう必要がある。システムにかかる費用を安価に抑えてこれを実現してきた日本の事業者は、クレジットカードと同等の仕組みを求められることに反発していた。(日経新聞)。

 QRコード決済の発達した中国でも結局は、不正利用を防ぐために、クレジットカードなど既存の決済事業者の意見が採用されて、高コストながらセキュリティーを重視する仕組みとなったそうである。

 ただし、統一したQRコードであれば、すべての事業者のQRコード決済が使えるわけではなく、加盟店がそれぞれの事業者と契約を結ぶ必要がある。これはクレジットカードも同様で、たとえば、この店ではVISAは使えるがJCBは使えないといったことと同様となる。

 今回の統一規格を事業者が採用する義務はまだない。費用負担を嫌がり採用しない事業者が出てくれば、規格の統一も骨抜きになる可能性があると、日経新聞は指摘している。

 中国も乱立していたQRコード決済が2つ程度のQRコード決済に絞られてきたことで使い勝手が向上したとみられる。日本ではまだQRコード決済の普及については過渡期にあるともいえる。


by nihonkokusai | 2019-03-20 09:16 | キャッシュレス

日本のキャッシュレス決済比率は本当に20%程度なのか

 政府は「未来投資戦略 2017」にて、KPI(Key Performance Indicator:重要な評価指標)として2027年までにキャッシュレス決済比率を4割程度とすることを目指すとしている。

 4割程度という数字は、2016年の日本におけるキャッシュレス決済の比率が2割程度であったことで、その「2倍」を意識しているとみられる。

 キャッシュレス決済の比率が2割程度という元になっているデータは下記の経済産業省や日銀の資料に出てきている。

経済産業省「キャッシュレスの現状と推進」2017年8月

経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」2018年4月

日本銀行「キャッシュレス決済の現状」2018年9月

 上記の資料によると、2015年現在のキャッシュレス決済比率の各国比較をみると日本が18%、韓国が54%、中国が55%、米国が41%となっていた。

 上記の数字は、日本以外については、EUROMONITOR INTERNATIONAL年次レポート(クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード(電子マネー含む)を含む。)による。

 日本については、内閣府「2015年度国民経済計算年報」民間最終消費支出によるもので、クレジットカードの決済については、2012年までは加盟クレジット会社へのアンケート調査結果を基にした推計値、平成25年以降は指定信用情報機関に登録されている実数値を使用。デビットカードについては、日本デビットカード推進協議会(J-debitのみ)。電子マネーについては日本銀行「電子マネー計数」と脚注にある。

 日本銀行「電子マネー計数」については、日銀のサイトの決済動向にデータが記載されている。

日本銀行 決済動向

 この電子マネーについては、下記のようになっている。

 プリペイド方式のうちIC型の電子マネーが対象。本調査は、調査対象先8社(具体的には、専業系:楽天Edy株式会社<楽天Edy>、鉄道会社などが発行する交通系:九州旅客鉄道株式会社<SUGOCA>、西日本旅客鉄道株式会社<ICOCA>、株式会社パスモ<PASMO>、東日本旅客鉄道株式会社<Suica>、北海道旅客鉄道株式会社<Kitaca>、小売流通企業が発行する流通系:イオン株式会社<WAON>、株式会社セブン・カードサービス<nanaco>)から提供されたデータを集計したもの。交通系については、乗車や乗車券購入に利用されたものは含めていない(日本銀行のサイトより)。

 日本のキャッシュレス決済比率が2割という数字は2015年現在のものであり、やや古い。それだけでなく、あくまで消費に関わる決済においてのカードや電子マネーの利用額となっている。交通系電子マネーに関しては、乗車や乗車券購入に利用されたものは含まれていない。

 これには銀行口座による口座振替分について含まれているのかは現状はわからないが、2018年11月9日付け日経新聞によると、金融庁が国内のキャッシュレス決済に関する独自の試算結果を明らかにし、これによると、3メガ銀行に給与振込口座を持つ会社員らのお金の流れをみると、クレジットカード代金などの口座振替や振り込みが54%を占め、現金の引き出しは45%にとどまることが分かったとしている。

 上記の金融庁の資産のほうが実態に近く、日本のキャッシュレス決済比率については、銀行振り込みや口座振替、交通系電子マネーによる乗車や乗車券購入などを含めた、もう少し広範囲の捉え方をすれば、2割という数字は小さすぎるようにも思われるのだが。


by nihonkokusai | 2019-03-19 09:43 | キャッシュレス

仮想通貨の呼び名を「暗号資産」に変更する理由

 政府は15日の閣議で、仮想通貨の交換業者や取引に関する規制強化策を盛り込んだ金融商品取引法と資金決済法の改正案を決定した。20か国・地域(G20)会議などで使われる国際標準に表現を統一し、仮想通貨の呼び名を「暗号資産」に変えるほか、サイバー攻撃による流出に備えて顧客に弁済するための原資を持つことを義務づける(15日付日経新聞電子版)。

 すでに、これまで仮想通貨と呼ばれていたものは、G20をはじめ国際会議で「暗号資産(crypto-assets)」という表現が主流になりつつあり、日本もそれに合わせて呼び方を変えることになる。

 円やドルなど法定通貨との混同を防ぐため明確に区別する必要性に加え、交換の容易性、価値の安定、保管の安全性などにおいて欠点も露出しており、通貨と呼ぶにはふさわしくないとの判断とみられる。

 仮想通貨はキャッシュレス化の旗頭的な存在ともいわれていたときがあったが、キャッシュレス化がすなわち仮想通貨ではない。既存の法定通貨に取って代わり、国に縛られずに資金の移動も可能となる未来の通貨といった認識もあったが、通貨にとって必要な信認そのものが得られることがなかった。

 キャッシュレス化の推進の理由として、現金はマネーロンダリングなど通じて犯罪にも使われるために必要との意見もあった。ところが、結果として仮想通貨の持つ不備をつかれ、北朝鮮が仮想通貨の630億円あまりを盗んでいたとの報告書も出ていた。むしろマネーロンダリングなどに使われやすいものであった。

 石でも貝でも紙でも金でも通貨として使うことはできることを歴史が証明している。しかし、それはあくまで使う人達の相互の信認があっての利用となる。ハイパーインフレが起きているベネズエラなどでは自国通貨への信認が失墜し、それよりは仮想通貨の方が相対的に安心とされるかもしれない。しかし、管理通貨制度がしっかりし、国や中央銀行への信認が得られている国の通貨は、やはり使いやすい。その通貨への信認が続く限りは、法定通貨による決済のキャッシュレス化は進められても、通貨そのものが仮想のものに取って代わるという事態は考えづらい。


by nihonkokusai | 2019-03-16 10:09 | キャッシュレス

乱立するQRコード決済がキャッシュレス化の決め手となるのか

 ここにきてQRコードを使ったスマートフォンを利用した決済方式が次々と誕生してきている。LINE Pay、PayPay、楽天ペイ、Origamiなどに加えて、みずほ銀行は2019年3月にJコインペイを開始する予定で、7月ごろにファミマペイ、セブンペイとコンビニ系、またヨドバシカメラもヨドペイを開始するとの観測も出ている。

 まさに乱立状態となっており、中国のように乱立したQRコード決済のなかから、2つ程度のQRコード決済に絞られてくるのであろうか。注意すべきは日本が遅れているとされるキャッシュレス化がイコールQRコード決済ではないという点にある。QRコード決済が広がらないと日本のキャッシュレス化が進まないというわけではない。

 キャッシュレスとは何か。キャッシュレス化とはその言葉通りに現金を使わずに決済を行う方式である。ただし、具体的にキャッシュレス化とは何かといえば、範囲を定めることは難しい。

 たとえば給与の銀行振り込みや公共料金の銀行、もしくはクレジットカードでの引き落としなどもキャッシュレスの一環といえよう。現在、通勤通学などでの公共交通機関での利用はその多くでSuicaなどでの電子カードが利用されている。スーパーやコンビニなどでも独自の電子カードが多く利用されている。

 さらにアマゾンや楽天などを利用した電子商取引についても主にクレジットカードが使われていることで、こちらもキャッシュレス決済となっている。

 百貨店や大型家電店などでの買い物では、クレジットカードの利用も多いであろう。これらをすべてキャッシュレスとの括りにすれば、日本のキャッシュレス化は決して遅れてはいない。

 ただし、日本では韓国のようにデビットカードの利用が進まず、中国やスウェーデンのようにQRコード決済が一般的となっておらず、香港や台湾のようにひとつの交通系カードで買い物もタクシーも使えるといった状況にはなってはいないことも確かである。

 日本ではキャッシュレス化が遅れているというより、いくつかの方式の電子決済を使い分けているという状況となっている。もし今後QRコード決済が広がったとしても、電子決済にあらたな方式がひとつ加わった程度となるのではなかろうか。それにキャッシュレス決済が集約されるとも考えづらい。技術的な問題もあるとは思うが、可能性からすると海外からの観光客にも利用可能なようにSuicaなどの電子カードの統一化が望ましいと個人的には思っている。


by nihonkokusai | 2019-03-04 09:47 | キャッシュレス

1万円札流通高が初めて100兆円を突破、キャッシュレス化が後退?

 18日付け日本経済新聞によると、1万円札の流通高は2018年末時点で前年比3.5%増の102兆1872億円と初めて100兆円を突破した。その多くはタンス預金として、家庭の金庫などに眠っているとされる。

 ケネス・ロゴフやローレンス・サマーズなどの経済学者が現金廃止のメリットを訴えているが、それは高額紙幣が脱税やマネー・ロンダリングなど犯罪に使われているためとしている。高額紙幣をなくしてキャッシュレス(ロゴフ氏はレスキャッシュと主張)とすれば、そのような犯罪がなくせるとしている。

 高額紙幣の流通量の多さとキャッシュレス化については切り離して考える必要がある。日本ではここにきてキャッシュレス化の遅れなどが指摘され、数々のQRコード決済などが出てきているが、現在ブームとなりつつ日本のキャッシュレス化はあくまで小額取引におけるものである。さらに高額の取引についてはクレジットカードの利用が進んでいる。

 日経新聞によると、電子マネーの普及で小額硬貨は流通高が減っているとしている。2018年末時点で1円玉は前年比0.3%減り、5円玉は0.6%減った。電子マネーによる決済額は2018年1~11月が4兆9496億円と前年同期を5.3%上回って、過去最高となっている。

 つまり小額決済のキャッシュレス化は進んでいる。この流れは今後広がることが予想される。

 高額紙幣の流通量と犯罪の関係をあらためて考えてみたい。高額紙幣の流通量が増加しているのは日本だけでなく、ユーロ圏などでも同様である。これは日本とユーロ圏で国際犯罪が多発しているため、ではないであろう。少なくともドルやユーロではなく、日本円の1万円の札束を海外での闇取引に持ち込んでも、それほど歓迎されないのではなかろうか。

 日本とユーロ圏の高額紙幣の流通量の増加の要因はひとえに金利の低さにある。金利のあまりの低さにより、預金に置くより現金で持つというインセンティブが働く。念のため日本と欧州で預貯金金利がマイナスとなっているのは、欧州の一部の銀行にすぎない。マイナス金利だからというより、低金利であるため、さらに現金の持つ匿名性も意識されて、高額紙幣の保有量が増加していると思われる。

 そういった意味では贈与税なども意識して大量の現金を隠しているのではとの見方もあろうし、そういう意味での脱税を意識した保有も否定はできない。金額が桁違いに多くなればなるほど、自らの金庫に保管したいというインセンティブも働いているのかもしれない。特に金利が付かず、運用するにも将来への不安を意識してそのまま寝かせている現金が多いともいえるのではなかろうか。


by nihonkokusai | 2019-02-19 09:42 | キャッシュレス

キャッシュレス化の拡大を睨んだSuicaの改革への期待と問題点

 「JR東日本の深沢祐二社長は6日までに産経新聞のインタビューに応じ、同社が展開する交通系ICカード「SUICA(スイカ)」で、現状よりも導入費用を大幅に軽減する簡易版の新システムを早ければ来年度中にも導入する方針を明らかにした。」(2月6日付産経新聞)。

 簡易版の新システムとは何か。SuicaはnanacoやWAONなどスーパー系の電子カードやEdy、iDなどと同様にソニーが開発した通信技術FeliCa(フェリカ)を採用している。さらにSUICAは首都圏の混雑する改札でも瞬時に機能できるよう、高度な技術が使われている。

 SUICAのカードそのものにも一定の情報が蓄積されているが、そのデータを改札で読み書きする端末の機能が高度なものとなっている。そこである程度蓄積されたデータが中央のコンピュータで処理される。つまり直接、SUICAのカードと中央のコンピュータが繋がっているわけではなく、いわゆる分散型のシステムとなっている。これによって高速な処理を可能とするとともに、大規模な障害発生を防いでいる。実際にSUICAで大規模障害が発生し、使えなくなったといったことはあまり聞いたことがない。

 しかし、端末が高性能なあまり、金額も高くなってしまうため、大量の乗り降りがない駅では採算を考えると導入が難しくなる。このため、都市圏以外ではJR東日本の駅でSUICAの端末が導入されていない駅もある。

 このため「クラウド技術を使い、端末側で情報を持たないシステムにすることで、導入する際のコストを引き下げる」(深沢祐二社長)という「簡易版」を導入することで、管内全域での導入を図るとか。

 また、地方のバスなど地域交通事業者向けに、運賃支払い用のICカードにスイカ決済の機能を搭載する「地域連携ICカード」の開発を表明している(産経新聞)。

 この簡易版が一般店舗やタクシーなどでも利用できるのかは、記事では触れていないものの、鉄道以外での利用が広がる可能性もあるか。

 ただし、鉄道での利用についても、首都圏ではSUICAとPASMOの相互利用はできても、他の「Kitaca」、「TOICA」、「ICOCA、」、「SUGOCA」、「PASMO」、「manaca」、「PiTaPa」、「はやかけん」、「nimoca」などの相互利用は現在できない。これは路線の組み合わせが複雑すぎることで、システムの構築がなかなか難しいことが要因となっているようである。ただし、こちらも「地域連携ICカード」として発行の動きもある。


by nihonkokusai | 2019-02-14 10:12 | キャッシュレス

PayPayは本日より第二弾100億円キャンペーンを開始、日本でのキャッシュレス決済の行方

 PayPayはモバイル決済サービス「PayPay」の支払額の最大20%をPayPayの残高として還元する「第2弾100億円キャンペーン」を2月12日から5月31日まで行うと発表した。銀行口座を登録するなどしてPayPayの残高で支払う場合、還元率が20%になる。Yahoo! JAPANカードの場合は19%、その他のクレジットカードの場合は10%。いずれも還元額の上限は1回当たり1000円にする。キャンペーン期間中に還元を受けられる総額は5万円まで。

 第一弾と比較して、還元額の上限や還元を受けられる総額に制限を加えることにより、一度に高額商品を購入して還元を受けるのではなく、小額利用の頻度を上げることで還元を得られるような仕組みとなっている。

 QRコード決済やICカードによる決済は、比較的少額での取引に使われることが多いとみられる。1万円を超すものはクレジットカードの利用が今後も多いのではなかろうか。

 PayPayによるキャンペーンなどはQRコード決済の認知度を広めることに寄与しよう。比較的若い世代でのQRコード決済の拡大も望めるものと考えられる。しかし、QRコード決済が日本国内で定着するのかといえば、まだハードルは高いと思われる。

 まったくキャッシュレス決済が行われていないのであれば、QRコード決済が一気に拡大する可能性はある。しかし、日本国内でのキャッシュレス決済は普通に行われている。通勤電車を利用している人は最低でも1枚は交通系の電子カードを保有していよう。スーパーやコンビニが発行する電子カードを持っている人も多いはずである。

 そこにQRコード決済が果たしてどこまで食い込めるのか。もし何かしらのQRコード決済のシェアが大きくなれば、使い勝手の良いものが一気に普及するかもしれない。ただし、高齢者などの電子カードによる決済の使用頻度が高くなっているように、スマートフォンでの決済について現状では高齢者の利用を見込みづらいことが難点となる。

 現在のところ、電子マネーなどのカードをたくさん持ち歩く必要はあるものの、これを統一しないとどうにも不便という状況にもない。それでもキャッシュレスが進んでいるとされる中国やスウェーデンなどと同様にある程度、統一された決済が望まれることも確かである。

 日本は地震などの自然災害も大きいことから、非常用も意識しての一定額の現金の保有は必要なものとなり、ある程度の現金決済は残るものと考えられる。



by nihonkokusai | 2019-02-12 10:06 | キャッシュレス

昔も今も重要なのは鍵、キャッシュレス社会のキーにも

 カナダのデジタル通貨交換業者クアドリガCXは創業者のジェラルド・コットン最高経営責任者が昨年12月9日亡くなったことで、仮想通貨約1億9000万カナダ・ドル(約159億円)相当を引き出せない状態となっているそうである。

 クアドリガ運営で使用するラップトップや電子メールアドレス、メッセージシステムを暗号化し、資金と仮想通貨の扱いと会社の金融・会計面を全て創業者が1人で管理し、ハッキングを避けるため、仮想通貨の大半を「コールドウォレット」と呼ばれるオフライン管理に移していた。そのパスワードはおろか、会社の記録を一切見つけることができていないようである(以上、ブルームバーグの記事より)。

 以前は仮想通貨の流出が問題視されていたが、今度は鍵の保管の問題により、引き出せない事態となっているようである。

 もし日本の通貨を管理している日本銀行の金庫の鍵が、総裁一人で管理していたとすれば、同様の問題が起きかねないものの、当然ながらその管理運営はかなり厳重ながらも、不測の事態にも対処できようなものとなっていよう。

 仮想通貨の大きな弱点は、このような管理が費用面等も絡んで公的な機関に比べて厳重に出来ないことも挙げられよう。仮想通貨を売買するところは取引所とも称しているが、東京証券取引所などもかなり厳重な管理を行っており、やはり規模がそれほど大きくはない企業とはセキュリティー上に大きな違いがある。

 現在の鍵とは、ハードの鍵だけでなくソフト上の鍵のシェアが大きくなっている。我々も電子上の鍵となっているIDとパスワードをどう管理したら良いのかが、個人でも頭を悩ませるところとなる。

 クルマの鍵においても、取り扱いが楽なスマートキーであるが、このスマートキーが常に発している電波を盗んで、クルマを盗むといった事件も発生しているそうである。

 キャッシュレス決済においても当然ながら鍵が重要になる。電子マネーのSuicaの普及においても、障害に強い分散型であることから、システムカードの内容を書き換えられる暗号キーの取り扱いがひとつの問題となるとの指摘もあった。

 いずれにしても特にキャッシュを扱うにあたっては、今も昔の鍵が重要なキーになっているようである。


by nihonkokusai | 2019-02-08 10:09 | キャッシュレス

高齢者のキャッシュレス決済が拡大しているのは何故なのか

 29日の日経新聞に興味深い記事が掲載されていた。「電子マネー、高齢者に拡大」というタイトルの記事で、高齢者の間でキャッシュレス決済が予想外に広がっていると伝えている。

 「家計消費状況調査による電子マネー利用額の変化だ。世帯主が70歳代以上では2012年時点で年8688円と全世帯平均の8割だったが、17年には1万6216円に増え全世帯の平均に並んだ。80歳代以上に限ると1万7492円と全世代で最多だ」(29日付日経新聞)

 日本ではキャッシュレス決済が進んでいないという見方があるが、もう少し調べてみる必要があるのではなかろうか。

 中国で拡大したQRコード決済だけがキャッシュレス決済ではない。日本ではむしろ、交通系のSuicaをはじめとして、スーパーやコンビニで利用できる電子マネーの利用が浸透しており、それが高齢者にも広がっていることがうかがえる。

 高齢者による電子マネーの利用の拡大に寄与しているのは、セブン&アイ・ホールディングスで利用できる電子マネーのnanacoなどのようである。

 「nanacoは一度に入金できる上限が5万円に設定されており、紛失時に利用を停止できる機能もある。キャッシュカードを持ち歩き、ATMで現金を下ろして使うよりも安全性が高いと受け止められているという」(29日付日経新聞)

 現金であれば盗難や紛失の可能性があり、特に高齢者にはそのリスクがどうしても高くなってしまう。それが電子マネーであれば、カードを落としても利用を止められるなど、安心面がある。また、小銭を扱う必要がないため煩わしさからも解放される。

 日本では高齢化が進み、資産を保有しているのも高齢者が多い。この状況からも、高齢者向けの電子マネーの促進は理に適う。高齢者にとっては扱いづらいと思われるスマホ決済よりも、こういった電子マネーの利用拡大の促進も考慮しても良いのではなかろうか。

by nihonkokusai | 2019-01-30 09:42 | キャッシュレス
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