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カテゴリ:金融( 45 )

キャッシュレス化に向けて、経済産業省が動く

 6月7日付けの日経新聞によると、経済産業省はQRコードを使った決済の規格統一に乗り出すそうである。

 規格が分かれたまま普及が進むと、消費者や小売店の利便性を損ねると判断した。経産省は6月中にも大手銀行や楽天、NTTドコモ、KDDIが加わる「キャッシュレス推進協議会」(仮称)を立ち上げる。「Japan連合」(仮称)といった統一のロゴマークをつくり、店舗がQR決済を受け入れやすいよう返金や返品の手順もそろえる(日経新聞)。

 すでにいくつかの企業がQRコード決済に向けて動いており、経済産業省の規格統一の動きはタイミングとしてはやや遅いぐらいであったかと思われる。

 経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、大阪・関西万博(2025年)に向けて、「支払い方改革宣言」として「未来投資戦略2017」で設定したキャッシュレス決済比率40%の目標を前倒しし、より高い決済比率の実現を宣言するとしている。さらに将来的には、世界最高水準の80%を目指していくとしている(経済産業省のサイトより引用)。

 このように政府は現金を使わない決済の比率を40%に高めるという目標を掲げているが、日本でのキャッシュレス化の鍵を握るのが、このQRコード決済とみられる。

 ヤフーは5日にQRコードを使った決済サービスを月内にも始めると発表した。すでに楽天やOrigamiなどはQRコード決済サービスを展開している。セブンイレブンも独自のスマホ決済を導入すると報じられた。

 NTTドコモ、KDDI、JCB、さらにメガバンクなどもQRコード決済サービスを進める計画となっており、様々な形式のサービスが混在する可能性が出てきたことから、経済産業省が規格統一に乗り出したと思われる。

 中国のアリババ集団の電子決済「アリペイ」の急速な普及や、スウェーデンの大手行などが共同で開発して単一のモバイル決済などが、中国やスウェーデンのキャッシュレス化を進める要因となっていた。

 日本でも当然ながらスマートフォンの普及は進んでおり、SuicaなどJRのカードやnanacoなどのコンビニのカードを使うことで、普及は進んでいる。しかし、決済方式がバラバラで、単一のシステムがない分、現金に置き換わるほどのものではなかった。

 これが単一の方式となれば、日本でも普及が一気に進む可能性はある。どこでも使えるQRコード決済サービスができれば、経済産業省の立てた目標に向かって前進する可能性はある。

 日経新聞によると、経産省は統一規格に沿ったQRコードの開発などに補助金を出すことも検討するそうである。QRコードを使える店舗を増やすため、加盟店が支払う手数料を1%未満に抑え、普及に弾みをつけたい考えだとか。クレジットカードの場合は加盟店が支払う手数料が平均3%前後とされるそうだが、これを引き下げることにより、加盟店側としても多額の現金を取り扱わない事によるリスク軽減なども考慮すれば、採算に合うものとなるのではなかろうか。


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by nihonkokusai | 2018-06-09 10:46 | 金融 | Comments(0)

AIを使って株や為替の動きを予測するのは可能なのか

 私のような昭和生まれにとって、昔と比べて天気予報が良く当たるようになったと思うことがある。そもそも天気予報は天気占いではないので、当たるとか外れるとの表現はどうかと思うが、昔は占いでもあったかのように天気予報は外れることも多かった。

 しかし、最近の天気予報はかなり正確になっている。これまでのデータの積み重ねと、雲の動きなどが的確に予想できるだけのスーパーコンピューターによる演算能力の向上などによって、かなり正確な予報が可能になってきたものと思われる。

 それではいわゆるAIと呼ばれる技術を使って、株や為替、債券といった金融市場の動きを的確に予測することはできないのか。

 天気といった自然現象は観測地点を広げ、物理学の法則などに基づけば、より正確な予測はそれほど困難とはならないのではなかろうか。はやぶさ2が小惑星リュウグウにピンポイントでたどり着けるのも物理学などの法則にもとづくものと思われる。

 それでは、はやぶさ2をリュウグウに着陸させるのと同様に物価の番人とされる中央銀行は果たして金融政策により、ピンポイントで物価目標を達成させられるかといえば、ここにきての5年間の日銀の苦労をみれば、困難であることも明らかである。

 日銀の金融政策は金融市場を通じて行われる。今回の日銀の異次元緩和によって、条件が整えば短期金利だけでなく、長期金利もピンポイントでコントロールが可能ということは示された。しかし、金利をコントロールし、市中に出回る資金量を調節したところで、それがピンポイントで物価を動かすことにはならなかった。

 日銀は否定しているが、異次元緩和は通貨安もある程度想定していたものと思われた。こちらは金利ほどコントロールはできていなかった。これにはむろん通貨は相手国もあり、また金融政策だけで通貨はコントロールできるものではなかったためである。

 日本の長期金利は国債への信認が強いこともあって、いまのところ日銀のコントロール下に置かれているようにみえるが、条件が異なってくれば、長期金利も市場で決定されるだけにアンコントローラブルに陥る可能性は十分ある。

 この国債への信認度合いとかが国債市場には大きな影響を与える。ここにきてのイタリア国債の荒れた動きの原因もそうである。ただし、その信認度合いがどのように変化し、さらに市場のポジションの方向き度合いがどのようなものであり、結果として目先はどう反応し、それもひとつの要因となって、どのようなトレンド形成が成されるのかを予測することは難しい。

 物理特性に応じた動きであれば予測は可能かもしれないが、人の心理状態とポジションの傾き度合いが相まって相場は形成される。株や為替、債券などはいろいろな材料をどのように捉え、それが結果としてどう値動きに反映されるのか。長年ディーラーとして相場に四六時中向値動きと合っていると、何となく相場の動きが見えてくるものの、それがどのような理由で動いているのかを的確に説明はできない。

 相場が動いている理由も的確に説明できないとなれば、予測はさらに困難となる。相場の先行きを正確に予測するのは、過去の膨大データをもとにし、人間心理をそこに加えたとしても、困難に近いのではなかろうか。ポジションを抱えた、もしくは抱えようとしている人達の立場、状況は十人十色となっている。

 しかも、テールリスクと呼ばれるものの多くは自然現象だけでなく、人が絡んでいる。リーマン・ショックやギリシャ・ショックもまさにそうであり、ブラックマンデーなどはポジションも絡んでいた。これらのリスクを分析して的確に相場を予測することは、AIという技術がどんなに発達しても難しいのではなかろうか。


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by nihonkokusai | 2018-06-07 09:38 | 金融 | Comments(0)

メガバンクが規格統一で合意したQRコード決済(BankPay)はキャッシュレス化への本命か

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGはQRコードの規格を統一することで合意したと日経新聞が伝えた。

 QRコードと呼ばれるものは、1994年にデンソーの開発部門(現在はデンソーウェーブ)が開発したマトリックス型の二次元コードである。QRコードはデンソーウェーブの登録商標となっているが、特許権者のデンソーウェーブは、規格化された技術に対し特許権を行使しないと宣言していることから、様々な分野に利用されている。

 今回の「BankPay(バンクペイ)」と呼ばれるメガバンクが規格統一で合意したQRコード決済とは、小売店や飲食店でQRコードにスマートフォンをかざすだけで、現金を使わずに支払える決済方式となる。基本的に全てのアンドロイド端末やiPhoneで利用できる。

 中国系のAlipay、WeChat Payが、QRコードを使った決済を一気に普及させ、日本でもLINE Pay、楽天ペイ、Origamiといったサービスが登場したが、それほど普及は進んでいない。

 しかし、バンクペイについては普及が一気に進む可能性がある。3メガバンクを合わせた個人預金口座数は合計で9千万を超えるとされる。メガバンクのQRコード決済が普及すれば、ATMでお金を下ろす、クレジットカードを使う、といった手間が省けて、自分の口座から直接代金支払いが可能となる。

 あくまで個人的な感想ではあるが、これまでの国内でのLINE Pay、楽天ペイ、Origamiなどは、自分の口座を持つ銀行以外の第三者を通じて決済を行うことにやや抵抗があった。しかし、取引銀行と直接やりとりできるのであれば安心感も違う。

 膨大なメガバンクの口座にひも付いたバンクペイが広がれば、このシステムを基盤に国内系のQR決済が1つにまとまる可能性も出てくる(日経新聞)。

 注意すべきは、メガではなくギガバンクとも呼ばれているゆうちょ銀行の動向か。すでにゆうちょ銀行はQRコードを使ったスマートフォン決済サービス(ゆうちょPay)を来年2月から始めると発表している。「バンクペイ」と「ゆうちょPay」が規格統一できれば、普及は一気に進む可能性がある反面、それぞれの規格を進めるとなると利用者にとっては不便なものとなりかねない。日本のキャッシュレス化を進行させるためには、統一性が必要になるのではなかろうか。



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by nihonkokusai | 2018-05-24 08:57 | 金融 | Comments(0)

ドル円は113円、米長期金利は4%、原油先物は80ドルに向けて上昇か

 18日の外為市場でドル円は今年1月以来の111円台回復となった。その後、イタリアの政局が不安視されたこともあり、リスク回避の動きから円が買われたことで、いったん110円60銭あたりまで下落した。しかし、21日には再び111円台を回復させており、ドル円の上昇基調は継続している。

 ドル円の目先の節目となりそうなのが、今年初めの水準でもある113円台か。ドル円の上昇要因のひとつが米長期金利の上昇となっている。17日の米国債券市場で、米10年債利回り(長期金利)は3.11%と2011年3月以来の水準を付けた。2011年2月には3.5%台をつけていることもあり、ひとまず3.5%が目先の目安となる。しかし、トレンドラインを上抜けしていることもあり、チャート上からは米長期金利が4%に接近してくる可能性もないとはいえない。

 米長期金利の上昇の背景にあるのが、FRBの正常化に伴う利上げとなる。しかし、中短期債が利上げを織り込んで上昇してきても、長期金利は物価の上昇が抑制されていたこともあり上昇ピッチが鈍かった。このため米国の長短金利差が縮小した。ところが原油価格の上昇もあって、物価の上昇観測も出てきたことから、長期金利も3%と言う大きな節目を抜いてきた。

 米国の物価の押し上げ要因となりそうなのが原油価格の動向である。原油価格の指標とされるWTI先物は70ドルの大台を回復した。こちらも指標となっている北海ブレント原油価格が、2014年以来初めて80ドルに上昇した。イランを巡る中東情勢への懸念も原油価格の上昇要因となっているが、そもそものOPEC等の減産による需給バランスの改善が進んでいることが背景にあろう。そこには米国を主体とする世界的な景気改善による需要の改善も影響している。

 原油高とそれによる米長期金利の上昇、それによるドル円の上昇という「風が吹けば桶屋が儲かる」的なシナリオが、果てしてどの程度まで続くのか。この動きを阻害する要因はあるのか。

 中東でのイランを巡るリスクに加え、欧州ではイタリアの五つ星運動と同盟による連立政権の樹立によるイタリア財政の悪化も懸念材料となってきている。また、米朝首脳会談は本当に実現可能なのかという懸念もある。そもそも米国を主体とする景気の改善は今後も続くのかとの疑問もある。

 当然ながら景気には波がある。日本の景気についても今年1~3月期GDPがマイナス成長となり、4月の日銀短観では景況感が悪化していた。しかし、これで景気回復のサイクルが終了したとの見方も、いまのところは早計かと思われる。

 原油価格の上昇を受けても物価が過熱することもなく、これはむしろ息の長い景気の回復を可能にするのではなかろうか。米国では中間選挙を睨んでトランプ政権は景気の回復に躍起になることも予想される。トランプ政権そのものがリスク要因に見えなくもないが、いまのところは期待が懸念を上回っているように思われる。


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by nihonkokusai | 2018-05-22 10:07 | 金融 | Comments(0)

ドル円は110円の壁を抜け、米長期金利は3%の節目を抜けてきた。日本国債への影響は?

 5月15日の米国市場では、米10年債利回り(以下、米長期金利)は一時3.09%と2011年7月以来の水準に上昇し、3%の壁を上抜けた。15日に発表された4月の米小売売上高は前月比0.3%増えたことが要因とされたが、数字は予想通りであり、それほどインパクトのあるものではない。すでに15日の東京時間で米債は売られており、3%という水準を試すような動きとなっていたことで、節目の3%を抜いてテクニカル的に米債売りを誘うような動きと言えた。16日に米長期金利は一時3.10%まで上昇した。

 米長期金利の上昇要因としては、もうひとつ原油価格の上昇もあった。イランを巡る中東情勢が不透明感を強めなか、15日の原油先物市場でWTI先物6月限は35セント高の71.31ドルとなった。こちらも70ドルが目先の節目となっていたが、ここを抜いてサウジアラビアの目標ともされる80ドルへの上昇の可能性も見えてきた。16日のWTI先物6月限は18セント高の71.49ドルとなった。

 15日の米国株式市場は米長期金利の上昇を嫌気して売られたとされるが、この解釈も難しいところがある。地合が良いときには、これまで米長期金利が上昇すると金融機関の業績改善が意識されて銀行株など買われ、買い材料ともなっていた。3%という水準を上回ると想定外との面もあるのか、米国株式市場はやや警戒して売られた面はある。しかし、米長期金利上昇の背景には米国経済の拡大とそれによるFRBの利上げがある。一概に売り要因とは言えない面もあり、ダウ平均は14日まで8連騰となっていただけに、調整売りも入りやすかった面もあるのではなかろうか。実際に16日の米国株式市場では、米長期金利がさらに上昇したものの、ダウ平均は反発し62ドル高、ナスダックも46ポイントの上昇となっていた。

 米長期金利の上昇によって外為市場では、これも大きく節目とされたドル円の110円を突破してきた。直近でも一時的に110円を超す場面はあったが、すぐに押し戻されていた。しかし、15日には110円半ばまで上昇したことで目先の壁となっていた110円を破ってきた。これにより次のターゲットは113円近辺となり、ドル円は上昇トレンドが再開するものと思われる。ただし、北朝鮮が米朝首脳会談の中止を警告するなどしたことで、リスク回避の円買いも入り、ドル円の上昇基調はいったんブレーキが掛かっている。

 米長期金利、原油先物そしてドル円とそれぞれ節目、ターゲットとみられていた水準を抜いてきた。これらは円債にとっては本来であれば売り要因ともなる。円債は米債に連動しやすく、原油価格の上昇は物価の上昇要因となり、円安も同様である。16日の債券先物は売られたものの、150円60銭台と大きく崩れたわけではない。円債の下値が限られる背景にあるのが、日銀による国債の大量買入とイールドカーブコントロールである。しかし、今後は次第にファンダメンタルズや海外の金利動向との乖離が大きくなってくる可能性がある。その際に生じる歪みが、何らかの影響を円債市場に与える可能性も出てくるかもしれないので注意も必要になりそうである。


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by nihonkokusai | 2018-05-17 09:55 | 金融 | Comments(0)

メガバンクがATMを共通化と報じられたが、その目的とは

 5月11日に共同通信が「三菱UFJ銀行など3メガバンクが、現金自動預払機(ATM)の開発や管理を共通化する検討に入ったことが11日、分かった」と報じた。長引く低金利で経営環境の厳しさが増しており、ATM業務を合理化するそうである。

 これはもちろんATMの設置費用、メンテナンス費用を軽減化させることが目的と思われるが、何故、このタイミングなのか。

 日銀の異次元緩和は長引いて、金利は低位に抑えつけられ、2016年にはマイナス金利まで導入してしまったことから、金融機関はかなり苦しい経営環境に置かれていることは間違いない。金融機関にとってはシステム管理の費用がかなり負担となっており、ATMについても窓口の人件費の節約となっても、設置費用やメンテナンス費用は巨額の負担となっている。

 これを共通化することによって、負担を軽減できることは確かである。日本ではなかなかキャッシュレス化が進まないが、その理由のひとつに現金への信用度や利用度の高さが上げられている。利用度については銀行のATMの普及度も一役を担っているため、ATMへの投資はどうしても必要となる。

 もちろんキャッシュレス化についてメガバンクも手を拱いているわけではない。三菱東京UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行が、スマートフォンなどで手軽に支払いができるQRコード決済で規格を統一し、連携する方針を固めたと報じられている。

 メガバンク3行がキャッシュレス化に向けて連携するだけでなく、ATMについても共通化するとの動きは歓迎したい。できれば利用者目線でも考慮していただき、メガバンクのATMであれば、他行でも手数料負担を軽減するなどしてもらえるとうれしい。

 今後はメガバンクだけでなく、これをきっかけに、この動きが他の銀行にも波及してほしいようにも思う。国内銀行の多くがATMを共通化するとともに、QRコード決済で規格を統一するとなれば、国内でのキャッシュレス化が一気に普及する可能性もある。そうなればATMの設置負担も今後軽減されることも考えられる。我々利用者としてもいったんATMで現金を引き出して物を買うより、銀行口座から代金が直接引き落とされたほうが便利であり、現金保有のリスクも軽減される。


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by nihonkokusai | 2018-05-11 11:09 | 金融 | Comments(0)

経済産業省はキャッシュレス・ビジョンを策定、日本でキャッシュレス化を進めるにはどうしたら良いのか

 経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」を策定した。検討会では、大阪・関西万博(2025年)に向けて、「支払い方改革宣言」として「未来投資戦略2017」で設定したキャッシュレス決済比率40%の目標を前倒しし、より高い決済比率の実現を宣言する。さらに将来的には、世界最高水準の80%を目指していくとしている(経済産業省のサイトより引用)。

 経済産業省によると、キャッシュレスの推進は、消費者にとっては多額の現金を持たずに買い物が可能になることや、紛失等のリスクが現金に比べて軽減されること、事業者にとっては現金管理コストの削減による生産性向上など、様々なメリットが期待されるとしている。また、「キャッシュレス推進協議会(仮称)」において、オールジャパンの取組として産官学が連携して進めていくとしている

 日銀の雨宮副総裁は、4月16日のIMF・金融庁・日本銀行共催 FinTechコンファレンスにおける挨拶で次のような発言をしている。

 「中央銀行がデジタル通貨を自ら発行するとなると、単純化していえば、一般の家計や企業が中央銀行に直接口座を持つことになります。そうなると、只今申し述べた通貨制度の二層構造や、民間銀行を通じた資金仲介などに、大きな影響を及ぼす可能性があります。」

 スウェーデンやエストニアなどでは中央銀行がデジタル通貨の発行を検討しており、ウルグアイではデジタル通貨の試験運用を開始している。日銀もデジタル通貨の基盤技術の研究など進めているようだが、日銀が自らデジタル通貨を発行することに対しては積極的ではない。そもそも日銀に国民全部の口座を設けことは無理がある。

 ここにきてキャッシュレス化に関するニュースがいくつか出てきている。たとえばセブンーイレブンが、スマートフォンで支払いができる独自の決済サービスを来年春をめどに導入する。イオンとビザ・ワールドワイド・ジャパンはキャッシュレス決済で連携した。また、少し前だが、メガバンク3行が、スマートフォンなどで手軽に支払いができるQRコード決済で規格を統一し、連携する方針を固めたとも伝えられている。

 しかし、このままではバラバラにモバイル決済が導入されることになり、これでは現金が使いやすい日本で普及を進めるのは難しい面がある。これに対し、スウェーデンのように大手行などが共同で開発して単一のモバイル決済の仕組みを作れば、日本でもモバイル決済が普及する可能性がある。中国のモバイル決済も「アリペイ」などに集中している。日本でも普及させるとなれば、経済産業省などが主導するなどして単一のモバイル決済の仕組みを作る必要があるのではないかと思われる。


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by nihonkokusai | 2018-04-22 10:09 | 金融 | Comments(0)

トランプ大統領に振り回される米国市場、いつまで続くのか

 米国のトランプ大統領が対中制裁関税の1千億ドル積み増しを検討するとしたのに対し、6日に中国も必ず反撃するとして対抗措置を取る姿勢を示した。ムニューシン米財務長官が貿易戦争になる可能性はあると指摘したことも嫌気して、米国株式市場は中国事業の比率が高い建機のキャタピラーなど主体に下落し、6日のダウ平均は572ドル安となった。やられたらやり返す、倍返しではないが、貿易戦争への懸念が強まった。

 ところが、トランプ政権の幹部らから貿易戦争を回避する時間は十分にあるとの発言があり、9日の米国株式市場では、米中の貿易摩擦を巡る過度な警戒が後退し、ダウ平均は一時400ドルを超す上昇となった。しかし、今度はFBIが9日にトランプ大統領の顧問弁護士の事務所を捜査したと報じられ、上げ幅を縮小させてダウ平均は46ドル高となった。

 中国の習近平国家主席は10日、中国海南省で開催中の博鰲(ボアオ)アジアフォーラムで演説し、「開放の新たな段階」を約束した。 演説は新政策をほとんど提示しなかったが、輸入促進や製造業の外資保有制限緩和、知的財産権の保護拡大に向けた提案を確認ないし膨らませた。これを受けてトランプ大統領はツイッターで、「関税や自動車障壁に関する中国の習主席の丁重な言葉に深く感謝する」と述べ、「知的財産と技術移転に関する見識」にも謝意を示し、「われわれは共に大きく前進する」とツイートした。これを受けて米中貿易戦争に対する懸念が後退し、11日の米国株式市場ではダウ平均は428ドル高となった。

 そして今度は、12日にトランプ大統領はシリアに対しミサイルが飛んでいくぞとツイッターに書き込み、シリアに対するミサイル攻撃を強く示唆した。これに加え、トランプ大統領はシリアのアサド政権を支援しているロシアを批判。米国とロシアの関係悪化も危惧され、米国市場はあらためてリスク回避の動きを強め、12日のダウ平均は218ドル安となった。

 ところが今度は、トランプ大統領はシリアをいつ攻撃するかを言ったことは一度もないとツイッターに書き込み、これを受けて米国によるシリアへの差し迫った軍事攻撃はないとの見方が強まった。13日の米国市場はリスク回避の巻き戻しといった動きとなり、ダウ平均は293ドル高となった。

 このように、ここにきての米国株式市場は連日のようにトランプ大統領によって振り回されている。そして今度は、トランプ大統領はTPP復帰検討を指示と複数の米メディアが伝えていた。こちらは中国絡みの面もあるが、中間選挙を控えて米国内の農業関係者に配慮するためとの見方もある。トランプ大統領はあらたな材料をまた投下した。

 いずれにしても、トランプ大統領の周辺が騒がしい上に、外交上の問題に対して、自ら真っ先にツイッターに投稿することで、市場は過度に警戒心を強め、それをあとでフォローする格好となることで、米国の株式市場や債券市場は日替わりメニューのごとく上げ下げとなり、振り回されてしまっている。

 むろん、トランプ大統領に絡んだ要因だけでなく、別の要因も市場に影響を与えてはいようが、なにぶんトランプ大統領絡みの動きは、貿易だけでなく軍事的な衝突まで意識させる内容なので、無視できない状況にある。このような相場はトランプ政権が続く限り、今後も継続するというのであろうか。



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by nihonkokusai | 2018-04-14 10:03 | 金融 | Comments(0)

セブンイレブンが独自のスマホ決済を導入するそうだが

 コンビニ最大手のセブンーイレブンが、スマートフォンで支払いができる独自の決済サービスを来年春をめどに導入することになったそうである(NHK)。

 スマホを使った独自の決済サービスには、たとえば「Google Pay」、「Apple Pay」、「楽天ペイ」、「LINE Pay」、「モバイルSuica」などがある。しかし、現状ではスマホを使っての決済は特に日本ではそれほど普及してはいない。

 NHKニュースでは「コンビニ最大手のセブンーイレブンで、スマホを使った決済が本格的に導入されることで、キャッシュレスの動きが加速しそう」と指摘していたが、またひとつ新たなスマホ決済が増えるだけのような気がする。これがnanacoカードのように使えるところが限られものであれば、幅広く普及することは考えづらい。すでにnanacoカードを保有している人が、スマホの決済に買えるインセンティブもあまりない。

 スマホの決済を日本で普及させるには、現金のようにいつでもどこでも手軽に使えるものでなければならない。日本での現金主義の背景はいろいろと指摘されているが、安全性や流動性、治安の良さなどに加えて、ATMで現金が引き出せる利便性なども影響している。

 日本人にはスマホで決済する事に対しての壁みたいなものも存在している面もあるのではなかろうか。クレジットカードの普及によってカードに対する信頼性は多くの人が持っているとみられ、小銭入れにはクレジットカードだけでなく、多種多様なカードが入っている。しかし、それをスマホのアプリに置き換える人はそれほど多くはないのではなかろうか。

 スマホ決済に対する信頼度を現金利用のように高め、普及を促すには、それを使っても安心であり、特定の場所ではなく、日本全国いたるところで使えるものにしなければならない。ポイントなども大事かもしれないが、それは上記のようなセブンーイレブンのサービスの利用などにまかせて、普及させるためのスマホ決済サービスは、ほぼ現金と同じ利用とすべきである。それには利用者とともに店舗などでの手数料もかなり抑える必要がある。日銀券の利用に対して日銀は特に手数料などは徴収はしていない(ATM利用の場合に手数料は発生するケースはあるが)。

 そうであれば、メガバンク主導のモバイル決済の規格統一のほうが期待は持てるように思われる。日本ではデビットカードの利用はあまり普及していない。これは少額取引は現金かプリペイドカード、高額取引はクレジットカードを利用することで、デビットカードの出る幕がなかったためとみられる。

 スマホで自分の口座の現金を直接利用して決済する方式で、利用できる箇所が少なくともクレジットカードが利用できるところ程度は存在し、決済に対する時間がクレジットカード程度かそれ以下で、店側としての費用負担も極めて低いとなれば、スマホでの決済が国内でも普及する可能性はある。ただし、その普及にはスマホでの決済への信用度を高める工夫も求められるかもしれない。



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by nihonkokusai | 2018-04-11 09:59 | 金融 | Comments(0)

米国が中国に追加関税?米国株式市場に対して火に油を注ぐトランプ大統領

 中国は4日に米国からの輸入品約500億ドル相当に25%の追加関税を課す計画を発表した。対象には大豆や自動車、化学品、航空機などが含まれた。米国のトランプ政権が打ち出した関税措置への対抗策といえる。

 これを受けて4日の米国株式市場は急落し、これに驚いたの米政府高官は中国を批判しつつも、交渉を通じて制裁発動を避ける可能性に言及した。国家経済会議(NEC)のクドロー委員長はテレビで「市場は過剰反応しないでほしい」と呼びかけ、今後数か月の交渉を通じて最終的に関税発動を見送る可能性は「ある」とまで指摘。ロス商務長官もテレビのインタビューで「米市場がこんなに驚くこと自体が驚きだ」と語った。

 米政府高官が火消しに走ったことも好感し、4日の米国株式市場は、急速に買い戻されてダウ平均は230ドル高で引けた。5日のダウ平均も240ドル高となっていた。

 これに気をよくしたのか、それとも金融市場の動向などはおかまいなしなのか、トランプ大統領は5日に声明文を公表し、「中国の不当な報復を踏まえて」1000億ドルの対中追加関税の検討を通商代表部(USTR)に指示したことを明らかにした。自分で仕掛けておきながら、やられたらやり返す、まさに貿易戦争を仕掛ける気なのか。

 中国との貿易戦争拡大となれば、こちらも米株の上昇に大きく貢献してきたボーイングやキャタピラーなど中国依存度の高い企業に対しても当然、影響が出てくる。

 さらにトランプ大統領はこれまでアマゾン・ドット・コムが米郵政公社(USPS)に非常に安い料金で商品を配送させているうえに、税金を十分に支払っていないとして、同社への攻撃を繰り返していた。これについては、ホワイトハウス内では規制など具体的な議論はされていないと報じられるなど、やはり米政府高官が火消しに走っていた。しかし、そんなことはおかまいなく、トランプ米大統領は5日、ネット通販大手アマゾン・ドット・コムを巡り真剣に政策を検討する考えを示した。

 フェースブックによる個人情報の流失問題などから、これまで米国市場の上げを先導してきたIT関連株が不安定な動きを見せてきているが、それもやっと収まってきたかと思われるタイミングで今回のアマゾンに対する発言も火に油を注ぐことになる。

 どうやらトランプ大統領は自国の株価を下落させたがっているようにしか見えないのであるが。ちなみに6日の米国株式市場では米中の貿易摩擦を警戒してダウ平均は572ドル安となっていた。


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by nihonkokusai | 2018-04-07 09:35 | 金融 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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