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カテゴリ:金融( 77 )

2019年の注目イベント、改元やG20サミット、消費増税等々

 2019年の金融市場に関わる注目イベントを確認しておきたい。

 日銀の決定会合は1月22~23日、3月14~15日、4月24~25日、6月19~20日、7月29~30日、9月18~19日、10月30~31日、12月18~19日。任期満了となる政策委員はいないためメンバーは替わらず。金融政策の変更はいまのところ考えづらい。

 FOMCは1月29~30日、3月19~20日、4月30日~5月1日、6月18~19日、7月30~31日、9月17日~18日、10月29~30日、12月10~11日。年が変わって地区連銀の投票可能メンバーが変わっている。いまのところ理事は2つ空席。利上げはできても1回程度か。

 1月22~25日に世界経済フォーラム年次総会、通商ダボス会議がスイスで開催される。米国のトランプ大統領は出席しない見込み。注目度は低い。

 2月末が米中通商会議での協議の期限となっており、合意なければ米国が対中国への関税引き上げが実施される。

 英国のEU離脱期日は3月29日となっている。いまのところ不透明感強く、動向次第では金融市場のリスク要因となることも。

 4月には日本で統一地方選挙が行われるが、政治の勢力図が大きく塗り変わるようなことは考えづらい。自民党は安泰か。

 新元号の公表日は4月1日。そして4月30日に明仁天皇が退位し上皇になり、平成が終わる。5月1日に徳仁皇太子が天皇に即位し新元号が始まる。

  G20サミットが、6月28~29日に大阪で開催される。G20サミットの日本での開催は今回が初。米国と中国の貿易摩擦だけでなく、米国とロシア、ロシアと日本の関係、さらにはEUを離脱する予定の英国などなど諸々の問題を抱えた首脳達が大阪に集まる。

 9月にはラグビーワールドカップ2019が日本で開催される。

 そして10月1日に日本の消費税率が8パーセントから10パーセントへ引き上げられる予定。さすがに今回の延期は考えづらい。

 上記の日程をみても特に日本では来年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、新元号のスタートなどお祝い・お祭りムードが強まることも予想される。しかし、世界的に景気そのものは減速観測も強まっており、国内の景気についても低迷する可能性がある。

すでに消費増税の影響も見据えた経済対策も組み込んでいるようだが、世界経済が落ち込めば、それによる効果は限定的となろう。日銀の金融政策についてもこれ以上踏み込んだ緩和策は副作用を強めさせるだけとなりかねない。今後の景気動向が今年、最も注意すべきものとなる。

by nihonkokusai | 2019-01-19 13:32 | 金融 | Comments(0)

2019年はQRコード決済、スマホ決済元年となりうるのか

 昨年12月のQRコード決済「PayPay」の「100億円あげちゃうキャンペーン」が大きな話題となったが、ここにきてQRコード決済に関する新たな取り組みもいくつか始まっている。

 NHKのサイトでの特集「スマホ決済は地方を救う?」によるとスマホ決済は、地方では「活性化の切り札」として独自の広がりを見せているとして、その例として岐阜市のショッピングセンターにおける動きを報じていた。

 サイトで調べたところ、このショッピングセンターとは「マーサ21」というところのようである。去年10月から館内まるごとでスマホ決済を導入。100余りのテナントのほとんどでスマホ決済が可能となっているそうである。

 仕掛けたのは地方銀行の「大垣共立銀行」で、QRコードによるスマホ決済アプリを展開するベンチャー企業「Origami」と業務提携し、このアプリの導入を一気に進めたそうである。

 銀行職員がお店に出向いて、スマホ決済アプリの登録方法や使い方などを伝授したとか。ショッピングセンターの運営会社も、タブレット端末を各テナントに無料で貸し出すなどキャッシュレス化を後押し。キャッシュレス化を導入したことで、客数が伸び、前の年と比べて館内全体の売り上げが10%ほど増加したとNHKは報じている。

 また、楽天は自社が運営する2つのスタジアム内での買い物について、現金での支払いの受け付けをやめスマートフォンなどで支払いをするキャッシュレス決済を原則とすることになったと、こちらもNHKが報じた。

 利用できるのはクレジットカードのほか、楽天が事業化している電子マネーとQRコード決済。スタジアム内のおよそ150の店舗すべてに専用端末を置くほか、100人を超える観客席の売り子にも端末を用意するとか。

 中国のキャッシュレス化を推し進めたQRコード決済も当初は乱立していたものが、「WeChat Pay」「Alipay」に絞られたように、日本でも多くのQRコード決済が出てきているが、いずれ使い勝手のようものに集約されていくのであろうか。

 今年は日本でのQRコード決済元年というかスマホ決済元年になるかもしれない。しかし、日本はキャッシュレス化が遅れているわけではない。既存のキャッシュレスの仕組みのなかで、どれだけQRコード決済が組み込めるかが試されることになるのではなかろうか。

 中国のキャッシュレス化はパソコン利用の普及が進むのが遅れた分、スマホの普及が急速に進み、スマホでのネット利用が爆発的に普及したことも要因とされている。

 日本ではネットといえばパソコン利用が先行しており、個人的な見方かもしれないが、スマホのアプリで、ゲームなど以外の現金などの利用はやや躊躇されているのではなかろうか。このあたりの認識が変われば、金銭取引などでもスマホ利用が多くなってくるのかもしれない。


by nihonkokusai | 2019-01-12 10:37 | 金融 | Comments(0)

アップルショックをきっかけとした急激な円高と株安は一時的なものなのか

 日本では正月三が日で休みの3日の朝7時半過ぎ、開いていたシドニー市場の時間帯にドル円が一時104台まで急落した。1時間前には109円台をつけていた。このタイミングで何かしらの材料が出ていたわけではない。薄商いのなか値段だけが大きく飛んでいた。105円割れを付けた後は急速に値を戻して107円台まで回復した。

 新年明けで東京市場は休場となっているなか参加者が極端に薄いところに、いわゆるアルゴリズム取引とも呼ばれているコンピューターシステムを使ったプログラム売買により動きが加速されたとみられる。

 さらに円高に振れやすいという地合も影響していた。そのひとつの要因として米長期金利の低下がある。世界的な景気減速の懸念やFRBの利上げ停止観測などもあり、米長期金利は28日が2.72%、31日が2.69%、2日が2.62%と低下していた。ドル円はこの米長期金利の動向に影響を受けやすい。

 そして世界経済の減速を示すような発表があったことも、不安心理を増長させた。アップルが2日に発表した2018年10~12月期の売上高の見通しにおいて、当初見通しから大きくに引き下げたのである。この要因として売上高の2割を占める中国を中心にスマートフォンの販売が不振だったことが挙げられていた。

 中国の景気そのものの減速に加え、その要因ともなっている米中貿易摩擦による影響も大きかったとみられる。アップルのクックCEOは「中国経済は2018年後半から明確に減速し始めている。貿易摩擦がそれに拍車をかけている」と述べていた(3日付日経新聞)。

 新型iPhoneの売り上げ不振が、米中貿易摩擦なども影響としての世界経済の減速の兆候とも捉えられ、懸念を強めさせた。それに米長期金利の低下も加わり、ドル円の下落が起き、プログラム売買やストップロスを巻き込んでのドル円の急落となったとみられる。

 3日の米国株式市場でダウ平均は660ドル安、ナスダックも202ポイントの下落となった。年明け4日の東京株式市場も大きく下落してのスタートとなった。ただし、ドル円はひとまず107円台で落ち着いた動きとなり、その後108円台を回復した。

 4日のニューヨーク株式市場は好調な雇用統計や、利上げの一時停止を示唆した格好のパウエルFRB議長の発言を好感し、ダウ平均は746ドル高と、3日の下げをカバーした格好となっている。しかし、経験則から言えば、エラーのように見えても、ドル円はいったんつけた104円台をいずれ再度試しにくる可能性は高いとみている。


by nihonkokusai | 2019-01-05 10:57 | 金融 | Comments(0)

今度はダウ平均が過去最大の上げ幅に、乱高下の背景にプログラム売買

 26日のニューヨーク株式市場でダウ平均は1086ドル高と過去最大の上げ幅となった。しかし、特にサプライズ的な買い材料が出ていたわけではない。

 米マスターカードが26日まとめた決済状況調査によると2018年の米年末商戦の売上高成長率が6年ぶりの伸び率になった。これを受けて国内消費の強さが再確認されたとの見方もあったが、たしかにきっかけにはなってもダウ平均を1000ドルも押し上げる材料とはいえない。

 原油先物が急反発したことで石油関連株が買われた面もあったが、その原油先物が買われた要因に米国株式市場の急上昇が指摘されていた。米債は売られていたことからも、リスク回避の巻き戻し的な動きが出ていたともいえる。

 何故、これほどまでの反発をみせたのか。今回の米国株式市場を主体とする株価の調整の大きな要因にトランプ大統領の言動を受けての不安心理があった。トランプ大統領はここにきての株価下落の犯人はFRBのパウエル議長だと決めつけて非難しており、パウエル議長の解任観測も不安を煽った。

 これについては26日に米経済諮問委員会(CEA)のケビン・ハセット委員長はFRBのパウエル議長が解任されることはないと述べていたことで、これも不安心理をやや改善させた可能性がある。

 波乱要因のトランプ大統領本人がイラクを電撃訪問していたことで、鬼の居ぬ間の買い戻し的な動きであった可能性すらある。

 注意すべきはこの値動きの大きさは、いわゆるアルゴリズム取引とも呼ばれているコンピューターシステムを使ったプログラム売買による影響も大きい。HFTと呼ばれる高頻度取引も値動きを大きくさせている要因といえる。今回もこのような取引が買い戻しの動きを加速させた可能性がある。

 これによって米国株式市場を中心とした調整局面が終了するのかどうかはわからない。今回の調整の要因ともなったトランプ大統領の姿勢が大きく変わることは考えづらい上に、今後の景気還俗への懸念も解消されることも考えづらい。

 今回のニューヨーク株式市場の乱高下は、当面価格変動リスクそのものが大きくなることを示すものではなかろうか。年末年始の金融市場が大荒れとなる可能性も出てきた。


by nihonkokusai | 2018-12-28 10:03 | 金融 | Comments(0)

仮想通貨の呼び名を「暗号資産」に改める。ビットコインは通貨ではない理由

 金融庁はビットコインなどインターネット上で取引される仮想通貨の呼び名を「暗号資産」に改める。日本円やドルなどの法定通貨と誤解される恐れがあるほか、20カ国・地域(G20)会議などの国際会議で暗号資産との表現が主流であるため日本でも統一する(18日付日本経済新聞)。

 この記事には有識者で構成する「仮想通貨交換業等に関する研究会」で報告書案を示したとあり、金融庁のサイトで確認したところ、「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第11回)の報告書の最後の方に次のような記述があった。

 「最近では、国際的な議論の場において、“crypto-asset”(「暗号資産」)との表現が用いられつつある。また、現行の資金決済法において、仮想通貨交換業者に対して、法定通貨との誤認防止のための顧客への説明義務を課しているが、なお「仮想通貨」の呼称は誤解を生みやすい、との指摘もある。こうした国際的な動向等を踏まえれば、法令上、「仮想通貨」の呼称を「暗号資産」に変更することが考えられる。」

「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第11回)の報告書

https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20181214-1.pdf

 ここで議論されそうなのは、そもそも通貨とは何かとの問題となる。貨幣は、石であったり貝であったり、金銀であったり、紙であったりするが、そもそもそこに存在すべきものは、それを使う人との間での「信用」となる。その信用を維持させるために、長きにわたる金融の歴史が存在する。その結果として、現在は政府から独立した中央銀行が発券機能を有するようになり、管理通貨制度が発達してきたのである。

 ただし、これは歴史の途中でのものとの認識もあろう。日本では明治時代の途中までは中央銀行など存在していなかった。それとは異なるシステムが歴史とともに構築されてきた。そうとなれば、ビットコインなど仮想通貨と呼ばれたものが、あらたな通貨として流通する可能性も当初は意識されたものと思われる。

 しかし、現代の金融システムはかなり高度化、複雑化している。通貨を巡るインフラ整備についても、かなりの労力と費用が投じられている。そうでなければ万全の通貨インフラは構築できない。そのための機能を果たしているのが中央銀行である。中央銀行は金融政策だけを行っているわけではない、というよりもそのほとんどの機能が通貨インフラのためにあるといっても過言ではなく、金融政策も通貨価値を安定させるためのものである。

 そこに管理者不在ともされる仮想通貨が出てきても、インフラの不備が仮想通貨そのものの信認を得られず、残念ながら通貨としては認められないという結論となってきている。

 さらに投機的な動きも出たことによって、安定させるべき価値が乱高下してしまったことも通貨としての役割を担うには無理がある。通貨には価値尺度という機能もあり、その機能も見いだせないこととなる。通貨の交換機能についても、紙幣などに比べてかなり使いづらい。当然ながら日本国中どこでもいつでも使えるわけではない。貨幣のもうひとつの役割、保存についても、仮想通貨の流出問題があり、やはり通貨としての機能に問題がある。

 いずれにしても、ビットコインなどは通貨と呼べるものでは決してない。その意味では「暗号資産」との呼び方の方が理に適っていよう。


by nihonkokusai | 2018-12-19 09:47 | 金融 | Comments(0)

一難去ってまた一難、ファーウェイ・ショックなどから金融市場はさらに不安定に

 12月1日の米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談を受けて、米中貿易戦争は一時的な休戦条約を締結した格好だが、貿易戦争を仕掛けたトランプ政権内で、主戦派と和平派が存在していることで、終戦に至る見込みはたっていない。米国は、中国が米国の先端技術を不当に奪って次世代産業を育成し米国の覇権を脅かそうとしている、との危機感を抱いているとされている。交渉にあたって主戦派が前面に出てきているようである。

 そこにあらたな火種が発生した。中国の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)が米中首脳が休戦条約を締結した1日にバンクーバーで逮捕されていたのである。イランとの金融取引を禁じた米国の制裁を回避するための仕組みづくりに関った疑いがあるという(ロイター)。

 ファーウェイは中国最大の民営企業で、習近平指導部が進めるハイテク産業育成策「中国製造2025」で重要な役割を占める。ただし、日本でも各府省庁や自衛隊などが使用する情報通信機器から、安全保障上の懸念が指摘されるファーウェイとZTEの製品を事実上、排除する方針を固めたと伝えられたが(読売新聞)、米国はファーウェイなどの製品などについて注意喚起を行っている。ファーウェイを巡って、さらに米中の対立が深まる懸念がある。

 ここにきての株式市場の動向などをみても、米中貿易摩擦の激化などを受けての景気減速の懸念がかなり意識されはじめているといえる。日経平均やダウ平均は不安定な動きとなっているが、チャートからはレンジ相場を下抜ける可能性もありうる。

 債券市場をみると、日本の債券市場は先物の中心限月を見越しての踏み上げ的な動きとも取れるものの、米債の動きにも連動している。米10年債利回りは節目とみられた3%をあっさり下回り低下傾向となり、米国の長短金利スプレッドは縮小した。

 これには米中の問題などからのリスク回避による動きもあるが、原油価格の下落も影響していた。原油先物のチャートをみるとWTI先物の50ドル近辺でひとまず大きな下落相場は小休止となった。しかし、こちらもまだ予断を許さない。ロシアが減産に難色を示し、協調減産の行方に不透明感が強まるなどしている。

 OPEC総会などの動向も気になるものの、英国のEU離脱問題についても懸念材料となる。11日の採決を控えてメイ首相は苦境に立たされている。予想通り、否決されたとして、議会での動き次第では、再度、国民投票の実施の可能性も出ている。いずれにしても英国も不安定要素ではある。

 米中貿易摩擦も加わって、世界的な景気減速の懸念が強まり、それが日米欧の株価下落の要因となりつつある。米国経済を牽引してきたハイテク株にもアップルなどを主体に陰りも見えてきている。今回の株価の調整は一時的なものではない可能性も意識しておく必要があるように思われる。


by nihonkokusai | 2018-12-07 10:36 | 金融 | Comments(0)

キャッシュレス化に潜む災害時リスク、韓国の事例

 11月24日に韓国のソウル中心部で通信最大手KTの通信ケーブルが焼ける火事があり、3日間にわたって一部地域で同社の携帯電話やインターネットが使えなくなり、カード決済もできなくなった。キャッシュレス決済の比率が9割に達する韓国では現金を持ち歩かない人も多く、混乱が広がった(26日付朝日新聞)。

 韓国では買い物の際、現金ではなく、クレジットカードや日本のデビットカードに似た「チェックカード」を使って決済するのが一般的とされている。「チェックカード」とはいわゆる銀行ATM用のカードで、日本ではこの銀行カードで現金の出し入れ、振込みなどを行なうが、韓国ではこのカードそのもので支払いができる。

 キャッシュレス化については、国によって何が主体となっているのか異なっている。中国などではQRコードを利用したスマホ決済、韓国ではチェックカード、そして香港ではオクトパスカードなどとなっている。

 方式は異なっても、いずれのキャッシュレス決済においても電子取引となっていることで災害時には弱い。今回の韓国の事例でも、それを浮き彫りにしたといえる。韓国のように9割近くまでキャッシュレス化が進んでしまうと、通信ができなくなったり、停電などによってキャッシュレス決済ができなくなってしまう。これは消費者だけでなく、店舗側にも大きな影響を与えかねない。

 通産省は日本のキャッシュレス化について80%あたりまで引き上げたいとしているようだが、そこまで引き上げる必要があるのかも再考する必要もあるのではなかろうか。給与振り込みやカードの引き落としなども電子決済とすれば、日本のキャッシュレス化は進んでいるとの見方もある。それでも現金利用が多いことも確かである。それには現金の利便性だけでなく、「もしも」の時の現金利用も意識されているのではなかろうか。

 日本では地震などの自然災害が多く、停電などが続くと電子決済はできなくなる。それに対して現金の決済は災害時でも可能となる。しかし、レジが使えなくなるなど現金も利用できないケースもあり、災害時の停電なども想定した対応が求められる。

 現金利用を抑えることで、ATMの設置やメンテナンス費用、現金の保管や移動時のセキュリティ費用などを削減することも必要ながらも、ある程度の現金決済は残しておくことも必要なのではなかろうか。「もしも」の際にどうするか。そちらへの対応を考慮した上での、キャッシュレス化を考えることも必要と思われる。


by nihonkokusai | 2018-12-02 09:54 | 金融 | Comments(0)

チューリップ・バブルの最終章とビットコイン・バブルの行方

 映画「チューリップ・フィーバー」のサイトには、各界のエキスパートによる「絶賛の声」というページがある。エキスパートであるかどうかはさておき、ここに私のコメントを掲載していただいてている。それが下記となる。

 「バブルという言葉が生まれる以前にオランダで起きた歴史的なチューリップ・バブル。現在にも続くバブルの狂気が美しい映像で表現されている。」(金融アナリスト 久保田博幸)

 ヨーロッパで最も経済が発達した国となったオランダは、所得水準がヨーロッパで最高となり、消費や投資が活発化して行く。オランダのその地形や気候により花の栽培に適しており、特に好まれたのがチューリップ栽培であった。オスマン・トルコからチューリップが持ち込まれた当初は、貴族や商人など一部の収集家だけで取引されていたが、1634年あたりから一般個人も値上がり益を狙って、チューリップ市場に参入するようになったのである。

 珍しい品種が高値で取引されるようになり、1636年から1637年にかけて投機熱は最高潮に達した。居酒屋などで行われた先物取引などが主体となり、次第に実態のない取引が行われるようになる。珍しい球根は家一件分といったように、すでに価格は現実からかけ離れたものとなり、貴重品種以外の品種も高値で取引されるようになった。このあたりの状況も映画「チューリップ・フィーバー」でも描かれていた。

 1637年2月にチューリップ市場は突然暴落した。暴落の理由らしい理由はなかったものの、春になると受け渡しの期日が来ることで、その前に売ろうとしたところ買いが入らず、売りが売りを呼ぶ展開となったのではないかといわれる。先物の決済が行われず、債務不履行が次々に起こる。混乱が収まったのはやっと政府が乗り出した1638年5月である。

 数千人規模で支払いきれない債務者がいたといわれたオランダのチューリップ・バブルであるが(バブルという言葉そのものはのちの南海バブルから)、そのバブル崩壊による実態経済への影響はほとんどなかったといわれている。このためチューリップの熱狂が本当にあったのかどうか疑問視する見方もあるが、これをきっかけにオランダのチューリップが世界に広く認識され、花卉産業が発達していったことも事実である。

 このチューリップ・バブルを彷彿させたのが、ビットコイン・バブルとなる。その値上がりペースはチューリップ・バブルをも超えたともされた。しかし、チューリップ・バブルと同様に急激な下落を迎えた。

 映画にも描かれていたようなチューリップバブルほどの混乱はいまのところビットコインを中心とする「暗号資産」(すでに仮想通貨との表現は適切ではないとの見方も)では起きていない。しかし、結果としてはビットコインの価格変動はバブルであったとみられ、その結果はどうなるのかは、やはり過去の歴史が示しているのではないかとも思われるのである。


by nihonkokusai | 2018-11-23 11:36 | 金融 | Comments(0)

見方を変えると日本のキャッシュレス化は進んでいた?

 金融庁が9日、国内のキャッシュレス決済に関する独自の試算結果を明らかにした。三菱UFJ、三井住友、みずほの3銀行の個人給与受取口座を対象に、1年間に出金された85兆円の行き先を分析したところ、クレジットカードや家賃、公共料金、ローン返済金などが口座から自動に引き落とされる口座振替が32%。さらにインターネットバンキングやATMなどによる振り込みが22%強。実際に現金を引き出さずに決済・出金する「キャッシュレス」比率は54%に上った(9日付け日経新聞)。

 経済産業省が今年3月に発表したキャッシュレスビジョンによると、世界各国のキャッシュレス決済比率(2015年)の比較を行うと、韓国の89.1%を始め、キャッシュレスが進展している国では軒並み40%~60%台であるのに対して、我が国は18.4%にとどまるとしている。このため、2025年までに日本の「キャッシュレス決済比率」を40%程度とし、将来的には世界最高水準の80%を目指すとしている。

「キャッシュレスビジョン(要約版)」経済産業省

 上記のキャッシュレスの主な支払手段として、電子マネー、デビットカード、モバイルウォレット、クレジットカードが挙げられている。

 これに対して金融庁の試算は、銀行口座を利用した口座振替なども加味したもので、経産省のキャッシュレスビジョンと視点は異なるものの、現金を使わないという意味ではキャッシュレス決済であることに変わりはない。

 日本では国民のほとんどが銀行口座を保有しているとされる。さらにそこからクレジットカードの決済を含め、公共料金等の自動引き落としなどキャッシュレスでの決済が行われている。

 我が家をみてみると、口座をひとつにまとめきれていない面もあって、いったん現金化している部分はあるが、それをまとめれば現金の利用はかなり限られることになる。しかも、食料品などではスーパー系の電子カードを利用することが多く、それもキャッシュレス決済と見なせば、たしかに現金の決済比率はかなり低下する。日用品や書籍などはアマゾンでの利用も多く、こちらはクレジットカード決済となる。電車等の利用時も電子カードを使う。そうなると純粋な現金決済は主に私のお酒の代金などに限られるような気もする。

 たしかに電子マネー、デビットカード、モバイルウォレット、クレジットカードの利用では海外に比べて、日本の普及比率は相対的に低いかもしれない。しかし、電子決済化という面では、むしろ進んでいるとの見方もできるのではなかろうか。


by nihonkokusai | 2018-11-13 09:36 | 金融 | Comments(0)

日本のキャッシュレス化はカードによる電子マネーが主導しても良いのでは

 日本のキャッシュレス化はカードによる電子マネーが主導しても良いのでは、とのタイトルではあるが、何を今更と指摘されるかもしれない。それほど実は日本でもカードでの電子マネーを使ったキャッシュレス化は浸透している。しかし、それでも現金利用の比率が大きいことや、中国などではQRコードとスマートフォンを使った決済が進んでいることなどから、日本でもキャッシュレス化が遅れていると指摘されている。

 しかし、海外でのキャッシュレス化はQRコードを使ったものだけが浸透しているわけではない。韓国ではデビットカードが主流とされており、香港では日本の電子マネーと同じ機能を持つオクトパスカードの利用が進んでいる。香港のオクトパスカードはタクシー以外の乗り物、さらにはスーパーやコンビニ、ファーストフード店、自販機などあらゆるところで使える。

 日本でもQRコード決済利用には躊躇しても、カードを使った電子マネーは交通機関やコンビニ、スーパーなどでも頻繁に利用されている。問題は発行体がバラバラであり、香港のオクトパスカードのような単一化が進んでいない点である。このため財布やカード入れがパンパンになってしまっている人も多いのではなかろうか。

 それでも日本でのカード型の電子マネーの利用がさらに便利になりつつある。たとえばセブン銀行ATMにて10月15日からSuicaやICOCAなどの交通系電子マネーと、楽天Edyなどへのチャージ・残高確認のサービスが開始された。チャージは1000円単位となり、交通系電子マネーでは最大2万円までチャージが可能となり、おつりが発生する金額指定のチャージもできるそうである、

 さらに東京ディズニーリゾートでも交通系電子マネーのSuicaやPASMOなど、さらにはQUICPayやiDを使った決済が一部の店舗で利用できるようになったそうである。

 日本でQRコードを使ったスマホ決済を拡大させることは現状、なかなか難しい面がある。しかし、カードを使った電子マネーならば年配者を含めて利用経験者はかなり多いのでなかろうか。ただし、それぞれのカードによって利用できるものが限られることで、何枚も持ち歩くか、特定のカードだけで利用しているケースも多いのではなかろうか。

 2018年に経済産業省が策定した「キャッシュレス・ビジョン」では、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度とし、将来的には世界最高水準の80%を目指すとしている。このためには、すでに使われているカード型の電子マネーを香港のように統一した上で、端末の普及を政府なりが支援するのが、意外に手っ取り早いかもしれない。


by nihonkokusai | 2018-11-10 10:09 | 金融 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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