牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

カテゴリ:中央銀行( 272 )

今年上半期の日米欧の金融政策の動向

 2012年1月25日のFOMCでは、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導レンジを0-0.25%に据え置くことを決定し、「異例に低いFF誘導水準の維持が2014年後半まで続く事が正当化されるとFOMCは予想している」とした。つまり、事実上のゼロ金利政策を解除する時期を、これまで公表してきた来年の半ばから1年余り先延ばしし、少なくとも2014年の遅い時期まで続ける方針を示した。

 さらにFRBは物価に対して特定の長期的な目標(ゴール)を置くこととし、それをPCEの物価指数(PCEデフレーター)の2%としたのである。これは実質的なインフレ目標値の設定とも言えるものである。

 2月9日のイングランド銀行のMPCでは、資産買い取りプログラムの規模を500億ポンド拡大することを決めた。その際に購入対象となる償還期限を変更し、従来よりも3~7年物の購入を増やすことにした。

 2月9日のECB政策理事会では政策金利は据え置かれたが、今月の3年物資金供給オペで、7か国の中銀が受け入れ担保の基準を引き下げることを明らかにした。これら一連の動き、なかでもFRBによる物価目標の設定と時間軸の長期化は日銀にも大きな影響を与えた。

 2月14日の日銀の金融政策決定会合では、中長期的に持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率として「中長期的な物価安定の目途」を示すことを決定した。「中長期的な物価安定の目処」とは、消費者物価指数の前年比上昇率で2%以下のプラス領域にあるとある程度幅を持って示すこととした。その上で、「当面は1%を目途(Goal)」として、金融政策運営において目指す物価上昇率を明確にした。

 当面、消費氏や物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入措置により、強力に金融緩和を推進していく。ただし、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を確保する観点から、問題が生じないことを条件とするとした。

 また、資産買入等の基金をこれまでの55兆円程度から65兆円程度に10兆円増額することも決定した。この買入の対象は長期国債とするとしたが、日銀はデフレ脱却と物価安定のもとでの持続的な成長の実現に向けて、日銀の政策姿勢をより明確化するとともに、金融緩和を一段と強化することを決定したのである。

 3月13日の日銀金融政策決定会合では、政策金利や資産買い入れ基金の規模の変更はなく現状維持としたが、成長基盤強化を支援するための資金供給(成長支援資金供給)を拡充することを決定した。

 2010年6月に日銀は成長支援資金供給を導入した。これは成長分野への投資促進に向け、民間金融機関に政策金利の0.1%で貸し出すものである。この貸付総額の残高上限は3兆円としていたが、新規貸付の受付期限を2014年3月末まで2年延長するとともに、貸付枠も3.5兆円に5千億円増額することとした。

 昨年6月に出資や動産・債権担保融資など、不動産担保や人的保証に依存しないABLと呼ばれる融資を対象に、5000億円を上限として、年0.1%の金利で原則2年とし1回の借り換えを可能とした最長4年の貸し付けを行う新しい枠組みを導入していたが、これについても、5000億円の貸付枠のもとで、新規貸付の受付期限を 2014年3月末まで2年延長することとした。

 さらに成長支援資金供給では対象としていない小口の投融資を対象に、新たに5000億円の貸付枠(小口特則)を導入することも決定した。対象となるのは、日本経済の成長に資すると認められる1件当たり100万円以上1000万円未満の投融資。対象先金融機関は成長支援資金供給の対象先金融機関。有担保貸し付けで、貸付期間は1年とし3回の借り換えを可能とする(最長4年)。貸付利率は貸付実行日における誘導目標金利、つまり現行では年0.1%となる。

 そして、成長に資する外貨建て投融資を対象に、日銀が保有する米ドル資金を使い、新たに1兆円の貸付枠(米ドル特則)を導入することも決定した。対象先金融機関は、成長支援資金供給の対象先金融機関のうち、ニューヨーク連邦準備銀行に米ドル口座を保有する先および同行に口座を保有する先へ米ドル決済を委託している金融機関。米ドル資金の有担保貸し付けとなり、貸付期間は1年、こちらも3回の借り換えを可能とする(最長4年)。貸付利率は市場金利となる。

 4月27日の金融政策決定会合では、資産買入基金の増額というかたちで追加緩和を決定した。資産買入等の基金を65兆円程度から70兆円程度に5兆円程度増額する。内訳としては、長期国債(残存1年以上3年以下)を10兆円程度増額し、期間6か月の固定金利式・共通担保供給オペは応札額が未達となるケースが発生しているため、これを5兆円程度減額する。そしてETFの買入を2千億円、J-REITの買入を百億円程度増額する。

 買入対象となる長期国債の残存期間は、多額の買入を円滑にすすめ、長め金利に効果的に働きかける観点から、これまでの「1年以上2年以下」から「1年以上3年以下」に延長する。社債についても、国債と同様に、買入対象の残存期間を延長する。

 基金の70兆円程度への増額は2013年6月末を目途に完了する予定。今年末までの基金の規模は65兆円とする。つまり、今年末までの国債買入は5兆円程度増額するが、期間6か月の固定金利式・共通担保供給オペの残高は今年末に15兆円規模であったものを10兆円に減額した。さらに2013年6月までに基金による国債の残高をあらたに5兆円積み増すことになった。

*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。

BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp




[PR]
by nihonkokusai | 2012-07-03 10:51 | 中央銀行 | Comments(1)

またまた少数派となったイングランド銀行のキング総裁

 イングランド銀行は20日に、6月6~7日の金融政策委員会(MPC)の議事要旨を発表しており、これによりこのMPCの際、資産買い入れ枠を3250億ポンドに据え置いたのは5対4の賛成多数による決定であったことが明らかとなった。しかも、キング総裁は、マイルズ委員、ポーゼン委員がとともに500億ポンドの増額を主張しており、フィッシャー委員の250億ポンドの増額の主張と合わせ、現状維持に対しての反対票を投じていたのである。キング総裁が少数派になるのは2009年8月以来だとか。

 2009年8月のMPCでは6対3で資産買取枠の500億ポンド増額が決定されたが、反対票(750億ポンドの増額主張)を投じた3名にキング総裁が含まれていた。 結果として少数派となっていたのである。

 2007年6月のMPCではキング総裁は0.25%の利上げに一票入れたものの、結局5対4で利上げは見送りとなった。2005年8月のMPCでも、5対4とこのときもキング総裁は少数派となっていた。

 このように現在のイングランド銀行の金融政策の決め方では、総裁が少数派となることがある。これについては1997年のイングランド銀行の改革の際、当時のジョージ総裁が次のような発言をしていた。

 「(新設されたMPCでは)学識のある9人の個人がそれぞれ結論を出す。そのプロセスが重要なのであって、たまたま(委員会)の議長(総裁)だからといって、1人が「こうでなければいけない」と仕切るのはプロセスの意図に逆らうこと。原則として、議長が考えを通そうとするのは間違いだと思ったからだ」(2005年5/3・10週刊エコノミスト「ロンドンで見たイングランド銀行 華麗なる改革史」より)

 まさに委員会制度をとるのであれば、このような決め方はたいへん透明性がある。ただし、日銀ではこのように議長である総裁が少数派に回ることは考えづらい。確かに2008年10月の0.5%から0.3%への利下げに際しては、利下げ幅を巡り水野委員、中村委員、亀崎委員そして須田委員が議長案に反対した。票決は4対4と真っ二つに別れ可否同数となったため議長が決するという異例の事態となったことはある。それでも議長案を出す際には、ある程度それが通るという見通しのもとで行われているようで、議長が少数派になりにくい決め方となっている。

*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。

BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp




[PR]
by nihonkokusai | 2012-06-25 09:49 | 中央銀行 | Comments(0)

イングランド銀行はいつどうして、インフレ・ターゲッティングを導入したのか

 2012年は米国と日本の中央銀行が揃って、実質的なインフレ目標値を採用したとして歴史に刻まれるのかもしれない。そこに至る経緯については、リーマン・ショックや欧州の信用不安により、中央銀行への期待がかつてないほど高まり、そのひとつの結果としてFRBも日銀も中長期的な物価目標を設定することになったと言えるのではなかろうか。

 インフレ目標とインフレ・ターゲッティングでは、言葉の上では目標達成への強制力の違いを感じるものの、実際には同じような意味の用語である。これは元々、ニュージーランドが導入したものを参考に、そののちイギリスでも導入したものである。

ここには現イングランド銀行総裁のマービン・キング氏も大きく関わっている。そして、その背景にはブラック・ウェンズデー(暗黒の水曜日)とも呼ばれたポンド危機があったのである。

 今回も2005年5/3・10週刊エコノミスト「ロンドンで見たイングランド銀行 華麗なる改革史」を元に、そのあたり探ってみたい。

 ブラック・ウェンズデーとは、英国ポンドがジョージ・ソロスらの投機筋により売り叩かれ、この結果、イギリスは1992年9月16日にEMRから離脱させられることになったまさに不名誉な日である。ジョージ・ソロスはこれにより「イングランド銀行を破産させた男」とも呼ばれた。

 しかし、この日をきっかけに英国は長期にわたる経済成長や低失業率とともに、歴史的にも低いインフレ率を享受するようになる。さらにこれをきっかけとして、イギリスはインフレ・ターゲッティングを導入することになる。

 ERM離脱により英国ポンドは変動相場制に移行し、ドイツマルクという大きなアンカーを失うことになる。さらに金融政策面ではインフレファイターとも呼ばれたブンデスバンクに追随することで間接的に得ていた物価安定の道標を失うこととなった。これはブンデスバンクからの楔から解き放たれたという見方もできるかもしれない。このため新しいよりどころを探る動きが英国財務省とイングランド銀行に出てきたのである。

 当時、イングランド銀行のチーフエコノミストとなっていたのが、マービン・キング氏であり、キング氏はもともとインフレ・ターゲッティングに意欲的で、ニュージーランドの事例を研究していた。

 ブラック・ウェンズデーから一週間もたたないうちに、導入の基本路線が固まり、時間を置かずに新政策が生まれた。1992年10月29日に当時のラモント財務相がインフレ・ターゲッティング導入に伴う新政策の内容を発表したのである。この際のインフレ目標は年率1~4%とした。

 1997年5月に英国ではブレア政権が誕生し、ブラウン財務相は就任わずか4日目に金融政策の大転換を行い、財務省から中央銀行であるイングランド銀行に金融政策の決定権を移し、独立性を高めるという大胆な改革に踏み切ったが、あらためてこの際にインフレ・ターゲッティングの土台も築かれた。インフレーション目標は政府が設定し、イングランド銀行はこれを達成するために必要な政策手段を決定するという役割となったのである。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。

BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp




[PR]
by nihonkokusai | 2012-06-24 12:18 | 中央銀行 | Comments(0)

1997年のイングランド銀行改革の背景

 これまで本やコラムを書くために中央銀行の歴史を調べてきたが、ひとつ気になっていたことがあった。それは1997年のイングランド銀行の改革に関してである。これについては以下のように私は本の原稿でまとめていた。

 「1997年5月にブレア政権が誕生し、ブラウン財務相は就任わずか4日目に金融政策の大転換を行い、財務省から中央銀行であるイングランド銀行に金融政策の決定権を移し、独立性を高めるという大胆な改革に踏み切ったのです。この改革とは、イングランド銀行総裁、副総裁、理事、外部らの委員で構成される金融政策委員会へ政策運営権限を委譲すること、外国為替市場介入権限を部分的にイングランド銀行へ委譲すること、準備預金制度の法制化、銀行監督権限をイングランド銀行から分離し新設された金融監督庁へ移管すること、そして国債管理業務の財務省への移管などでした。」(「金融」のことがスラスラわかる本、秀和システム)

 しかし、実際になぜ、このときにイングランド銀行の改革が進められ、それは誰がどのようなことを背景に企画していたのか。もう少し具体的なことが知りたかった。これについて、毎日新聞の福本容子論説委員が、以前、週刊エコノミストに投稿された記事に詳しくまとめられていたことをご本人から教えていただいた。今回はその記事を元に、当時何が起きたのかを振り返ってみたい。

 1997年5月6日、18年ぶりに労働党が勝利した総選挙から6日目に開かれたゴードン・ブラウン新財務相(のちに首相)の初会見では、記者が皆、利上げの発表と予想していたようであるが(当時の金融政策の決定権は財務相)、実際に利上げも発表されたが、それと同時に発表されたのが、上記にもあるように金融政策決定権を財務相からイングランド銀行に移譲するというものであった。これは記者達も度肝を抜かれたそうである。

 この世紀の大改革のシナリオはすでに5年前に書かれていたそうで、その著者は当時25歳の若さでブラウン氏から顧問に起用された「フィナンシャル・タイムズ」の記者、エド・ボールズであった。「万年野党に甘んじていた労働党が政権党として信頼を得るには、経済界、特に金融市場の信用が不可欠だとボールズ氏は考えていた・・・金融政策を政治から切り離し、イングランド銀行に任せることで、労働党は独自の経済政策に専念できると訴えていた。訴えは、そのままブラウン氏の政策方針となった。」(2005年5/3・10週刊エコノミスト「ロンドンで見たイングランド銀行 華麗なる改革史」より)

 これが1997年のイングランド銀行における改革が行われたそもそもの背景であった。しかし、この改革のシナリオを若干25歳の若者が作り上げたのは驚きであった(エド・ボールズ氏はのち議員となり、影の財務相となっている)。

 金融市場の信任を得るために中央銀行の独立性をはかるということは、長らく市場を見てきたものとしても正しい認識であると考える。これに対し日本では、長らく野党に甘んじていた民主党が政権を担ったあと、その民主党内から日銀の独立性を縛りかねない日銀法改正のような動きが出るというのは何事であろうか。ましてや自民党からも同様の動きが出ている。この動きは市場からの信任をも失いかねないことを、果たして日本の国会議員達は理解しているのであろうか。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。

BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp
[PR]
by nihonkokusai | 2012-06-20 09:49 | 中央銀行 | Comments(0)

来年までのFOMCはすべて2日間の日程にする理由

 FRBは16日に今年の6月以降と来年のFOMCの開催予定を発表した。それによると議論のための十分な時間を確保するため、この間の会合はすべて2日間の日程で行うことが明らかとなった。

 FOMCは、毎年8回開催されている。これまでは主に1月、3月、4月、6月、8月、9月、10月、12月の開催となっていた。このうち3月、8月、9月、12月の開催については1日開催の場合が多かったが、これが2日間の開催予定となる。

 2009年には金融危機の影響などから、すべてのFOMCを2日間にするという異例の措置をとった。ただし、2010年にはこれまで通りの2日開催と1日開催の組み合わせに戻していた(日経新聞ネット版ネット)、しかし、2011年9月のFOMCについては、より十分な議論を可能にするためとの理由で、1日開催の予定が2日間に変更されていた。

 また、FRB議長の記者会見のスケジュールについても今回あらためて発表された。2011年4月から開始されたFRB議長による記者会見は、これまで最新の経済見通しを示す年4回の会合後に行われる予定となっていたが、今後は四半期末の会合、つまり3月、6月、9月、12月の会合後に行われることとなった。

 ちなみに日銀の金融政策決定会合は、原則として2日間の開催となる。ただし、4月と10月は月2回の開催となることで、それぞれ2回目の会合は1日開催となっている。日銀総裁の会見は毎回行われている。

 今後のFOMCと日銀の金融政策決定会合のスケジュールを確認してみたい。

5月は22日から23日が日銀、FOMCはなし。
6月は14日から15日が日銀、19日から20日がFOMC。
7月は11日から12日が日銀、7月31日から8月1日がFOMC。
8月は8日から9日が日銀、FOMCはなし。
9月は18日から19日が日銀、12日から13日がFOMC。
10月は4日から5日と30日が日銀、23日から24日がFOMC。
11月は19日から20日が日銀、FOMCはなし。
12月は19日から20日が日銀、11日から12日がFOMCとなっている。

 この間に果たして日米の中央銀行はどのような金融政策を決定してくるのか。FOMCの日程がすべて2日としたのは、2009年に金融危機に備えていたように、今後の世界的な金融危機の可能性を意識したものかどうかは不明ではあるが、そのリスクに備えた動きであろうとも推測される。これにより日銀が決定会合のスケジュール等をすぐに変更するような可能性は少ないと思われるが、危機対応として何らかのかたちで今後、スケジュールを含め見直される可能性もありそうである。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。

BLOGOS版「牛さん熊さんの本日の債券」
まぐまぐ版「牛さん熊さんの本日の債券」

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp






[PR]
by nihonkokusai | 2012-05-18 09:27 | 中央銀行 | Comments(0)

英国のインタゲとは

 以前から1997年にブレア政権が誕生した直後のイングランド銀行の改革に関心があったのだが、あらためてネットで調べたところ1999年に立脇和夫氏が書かれたレポートがアップされており、このレポートも参考に、イングランド銀行の改革を振り返ってみたい。

 1997年5月にブレア政権が誕生し、それからわずか4日目に金融政策の大転換を行い、財務省から中央銀行であるイングランド銀行に金融政策の決定権を移し、「独立性」を高めるという大胆な改革に踏み切った。

 この改革とは、イングランド銀行総裁、副総裁、理事、外部らの委員で構成される金融政策委員会(MPC)へ政策運営権限を委譲すること、外国為替市場介入権限を部分的にイングランド銀行へ委譲すること、準備預金制度の法制化、銀行監督権限をイングランド銀行から分離し新設された金融監督庁へ移管すること、そして国債管理業務の財務省への移管などである。

 なぜブレア政権は誕生直後にこのような大胆な改革に踏み切ったのか。それは、中央銀行の独立を強化する目的で中央銀行法を改正する国が相次いでいたこともあるが(参考までに改正日本銀行法施行は1998年4月)、将来、英国が欧州通貨統合に参加する場合に必要とされる中央銀行の独立性確保を念頭においたもの、との見方もあった。

 第二次大戦後イングランド銀行は,アトリー政権下に制定された「1946年イングランド銀行法」によって国有化され、同時に政策運営の独立性を失った。同法はイングランド銀行に対する大蔵大臣の指示命令権を規定し、実質的に大蔵省の付属機関と位置付けていたのである。ちなみに1988年4月のニュージーランドが初めてインフレーション・ターゲティングを導入後、1992年10月に英国も導入した。

 新設された金融政策委員会は「政策運営上の独立性」(Operational Independence)を与えられた。ただし、ここでいう政策運営上の独立性とは政府が定めるインフレーション目標を達成するための政策手段の決定を行う権限を意味しており、政策方針そのものの決定は政府の手に留保されている点を見落してはならないと、立脇氏は指摘している。

 イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会(MPC) は、毎月上旬の水曜日の午後と木曜日の午前中に開かれる。MPCのメンバーは総裁1名、副総裁2名、理事2名と、財務大臣により任命された外部委員4名の合計9名である。イングランド銀行総裁及び財務大臣の任命する委員(任命委員)6名の任期は3年で毎年2名ずつ交替する。財務省代表は政策委員会へ出席し発言はできるが議決権は有していない。

 イギリスにおける金融政策の目標は、物価の安定を維持すること及び、成長及び雇用目的を含む政府の政策を支持することと規定されている(改正法第11条)。そして財務省が「物価の安定」の内容を決定し、政府の経済政策を具体化する責任を負っている。量的緩和策の導入やその拡大にあたっても財務相の了承が必要とされる。

 インフレ目標値から1ポイント以上乖離した際にイングランド銀行総裁は、金融政策委員会の議長として財務相あて公開書簡を作成しなければならない。改正法にはインフレーション目標に関する詳細な規定が設けられ、それによれば財務省は一年に1回、物価安定目標値及び政府の経済政策に関するステートメントを公表しなければならない。具体的にはインフレーション目標は毎年の予算教書で明示されている。それは、2004年1月以降は消費者物価指数(CPI)で2%とされている。

 財務省は金融政策に関し、イングランド銀行に対して指示を行う権限を留保しているが、これはそれが公共の利益に照らし、かつ「異常な経済情勢」の下でそれが必要であると財務大臣が判断した場合に限られる、と改正法では規定されている。いわば緊急時の対応ということになろう。

 以上がイングランド銀行の改革に伴った動きとともに、英国でのインフレ目標の状況である。これを見る限り、FRBによる物価に対するゴールとイングランド銀行の物価目標には違いがあることがわかる。1月25日のFOMCの終了後に発表された「長期目標と政策戦略」という声明文において、FRBは物価に対して特定の長期的な目標(ゴール)を置くこととし、それをPCEの物価指数(PCEデフレーター)の2%とした。しかし、その目標から乖離しても何ら罰則等が設けられているわけではない。ただし、イングランド銀行もあくまで書簡を作成すれば良いだけとも言えるし、キング総裁は何通も書簡をすでに送っている状態にある。このあたりあまり厳格化してしまうと、金融政策の舵取りが難しくなる面もあろう。ちなみに9日、イングランド銀行のMPCでは、資産買い取りプログラムの規模を500億ポンド拡大することを決めた


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp


[PR]
by nihonkokusai | 2012-02-10 09:45 | 中央銀行 | Comments(0)

FRBが物価目標としたPCEデフレーターとは何か

 1月25日のFOMCの終了後に発表された「長期目標と政策戦略」という声明文において、FRBは物価に対して特定の長期的な目標(ゴール)を置くこととし、それをPCEの物価指数(PCEデフレーター)の2%とした。このPCEとはそもそも何であるのか、拙著「ネットで調べる経済指標」などを元にしてまとめてみたい。

 米商務省が発表している個人所得(Personal income)、個人消費支出(Personal consumption expenditures)、PCEデフレーター(Personal Consumption Expenditure Deflator)は米国の経済指標の中にあって、注目されるもののひとつである。公表日時は毎月下旬の東部時間午前8時30分(夏時間:日本時間午後9時30分、冬時間:日本時間午後10時30分)である。

 ネットでチェックするには、下記米国商務省経済分析局のサイトにある「National」をクリック、その中の「Personal Income and Outlays」に最新データがアップされる。

http://www.bea.gov/national/index.htm

 これは米国の個人の所得と消費について調査した指標であるが、このうち個人所得とは、社会保険料を控除し実際に個人が受け取った所得のこととなる。この個人所得は消費動向を決定付ける大きな要因ともみられている。賃金給与・賃貸・利子配当等といった所得の構成項目や、可処分所得・貯蓄率なども同時に発表される。

 個人消費支出(PCE)とは1か月間に実際に米国の個人が消費支出した金額について集計したものであり、米国のGDPの7割を占める個人消費の動向は米経済にも大きな影響を与えることで注目されている。特に名目個人消費支出の前月比などが注目される。

 名目個人消費支出(名目PCE)を実質個人消費支出(実質PCE)で割ったものが、個人消費支出(PCE)物価指数もしくはPCEデフレーターと呼ばれるものであり、これも同時に発表される。PCEデフレーター変化率がプラスであれば物価上昇、マイナスであれば物価下落と捉える。

 特に価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたものを「コアPCEデフレーター」と呼び、FRBが物価指標の中で最も重要視している指標のひとつとなっている。その理由としては消費者物価指数に比べて、バイアスが生じにくいためといわれている。

 2007年11月にFRBは金融政策の透明性を高めるための追加措置を発表して、この中で、経済見通し(Economic Projections)の発表回数をこれまでの年2回から年4回に増やし、予測の対象期間も2年間から3年間に拡充し、物価に関してさらに新たな指標として、「個人消費支出(PCE)」の全体価格指数を加えている。これにより、PCEのうち食料とエネルギーを除いたコアPCEでみたFRBの物価見通しも発表されることになった。

 さらに今回、FRBは物価の目標(ゴール)を、PCEデフレーター(前年比)の2%に置いた。今回、FRBがコア指数ではなく総合指数を使ったのは、足下物価動向を見るにはコア指数が良いが、長期的に見ると総合指数が適切と判断したものと思われる。

 参考までに昨日発表された12月のPCEデフレーターは前年比でプラス2.4%となり、FRBが目標(ゴール)とする2.0%を上回っている。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp


[PR]
by nihonkokusai | 2012-01-31 09:48 | 中央銀行 | Comments(0)

今年のFOMCの新メンバーとFF金利誘導目標予想の開始の影響

 本年もよろしくお願いいたします。

 1月3日に公表された米国のFOMC議事要旨(12月13日開催分)によると、1月24日から25日にかけて開催される今年最初の会合でフェデラルファンド(FF金利)誘導目標に関するそれぞれの予想が初めて公表されるそうである。

 最初に2012年のFOMCの開催予定日をFRBのサイトから確認したい。2012年は1月24日~25日、3月13日、4月24日~25日、6月19~20日、7月31日、9月12日、10月23~24日、12月11日が開催予定日となっている。

 FOMCにおいて投票権を持つメンバーは、理事会からの7名の理事全員と地区連銀から5名の連銀総裁の12名によって構成される。地区連銀についてはニューヨーク連銀総裁は常に参加するが、他の11の連銀についてはそのうち4名が参加することで、投票権を持つメンバーが毎年入れ替わる仕組みになっている。

 理事会からはバーナンキ議長、イエレン副議長、デューク理事、ラスキン理事、タルーロ理事の5名が参加する。

 12月27日にオバマ大統領は、空席となっているFRB理事に、ハーバード大教授のジェレミー・スタイン氏と、プライベートエクイティの元幹部ジェローム・パウエル氏を指名すると発表した。両氏の指名が議会で承認されれば、2006年4月以来初めて理事7名の全ポストが埋まる。デューク理事の任期は今月末で切れるが、後任が承認されるまで職務を継続することが可能となっているようである。

 連銀からのメンバーにはニューヨーク連銀に加え、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ連銀が加わる。つまり今月のFOMCからはニューヨーク連銀のダドリー総裁とともに、クリーブランドのピアナルト総裁、リッチモンドのラッカー総裁、アトランタのロックハート総裁、サンフランシスコのウィリアム総裁が加わる。

 タカ派とされるラッカー総裁以外は、中立からハト派と認識されているようであるが、このメンバー交代がFRB金融政策に及ぼす影響は限定的とみられる。

 そして1月3日に公表された米国のFOMC議事要旨によると、1月24日から25日の今年最初の会合では2012年、向こう数年間、さらに長期に分けてFF金利誘導目標の予想を示すことが明らかになった。さらにFF金利誘導目標を引き上げるタイミングに関する見通しも示すそうである。

 これは金融政策の透明性の拡大をはかったものと思われる。景気や物価の予想に合わせて、金融政策そのものの予想があってもおかしくはないが、それを市場参加者などはどのように捉えるのであろうか。あくまで金融政策の予想は、FRBの景気や物価の予想を基にしての市場参加者の予想に任せたほうが良いのではなかろうか。

 金融政策を変更する際、引き締めの際は市場への影響を抑えるため、それを事前に織り込ませることも必要であり、その意味ではFF金利誘導目標の予想は効果的かもしれない。しかし、緩和時においてはサプライズ効果も必要とされることもあろう。また、自らの予想に縛られてしまうような懸念もないとは言えないのではなかろうか。

 中央銀行の金融政策には市場との対話もたいへん重要である。しかし、金融政策の予想まで、その政策決定者が予想して正式に発表するということは、対話というよりも予想の押しつけともなりかねない。金融市場を取り巻く環境は大きく変化することもありうることで、市場が判断する余地をある程度与えておくことも、むしろ必要ではないかと思われるのである。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp




[PR]
by nihonkokusai | 2012-01-05 08:57 | 中央銀行 | Comments(0)

ECBに見る市場との対話の難しさ

 8日に欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で、政策金利であるリファイナンス・オペ金利を0.25%引き下げて年1.0%にすると決定した。また、上限金利である限界貸出金利と、下限金利である中銀預金金利もそれぞれ0.25%引き下げた。総裁会見によれば、利下げについては全会一致ではなく多数決での決定だったようである。

 さらに非標準的手法として、流動性を供給するため期間36か月の長期リファイナンス・オペ(LTRO)を新設する。また、ファインチューニングオペの再開、支払い準備率の2%から1%への引き下げ、適格担保要件の緩和なども行われるようである。

 ただし、証券市場プログラム(SMP)を通じた国債等の買入については、物価安定の使命を外れたことはできない、とドラギ総裁は否定的とも言えるコメントをした上、IMFへの融資を通じた域内国債の買い支え案についても、EU条約に触れるとして応じられないと発言した。

 12月1日にドラギ総裁はブリュッセルの欧州議会で「新たな財政協定が、信頼を回復させ始めるための最重要の要素であることは間違いない」とし「その後には他の要素もあるかもしれないが、順序は大切だ。共有される共通の財政協定を整えることが、何よりも重要だ」と語った(産経新聞)。

 債券購入は「限定的にのみ可能だ」と述べたとも伝えられたが、市場ではこのドラギ総裁の発言から、かなりの期待も込めてか、ECBによる国債買入拡大の可能性ありと判断していたようである。

 ただし、昨日の会見でドラギ総裁は、EU首脳会議で財政規律の強化策に合意すれば、ECBとして積極的に国債を買い入れると言った観測について「答えはノーだ」と言い切り、理事会で議論しなかったと明言した(日経新聞)。

 つまりは市場が勝手に期待してしまったとも言えるものではあろうが、この発言等により欧米の株式市場は大きく下落し、ユーロ圏の債券市場では、イタリア・スペイン国債の利回りが急上昇するなどしてしまった。

 このあたり、ドラギ総裁による欧州議会での発言に考慮が必要であったように思われる。ECBの政策への期待感を出すつもりはなかったのかもしれないが、特に国債買入拡大についてはもう少し明確に否定しておくべきであったと思われる。ドラギ総裁にとって、言わずもがな、であったとしても。

 まだ、ドラギ氏はECB総裁となって日も浅く、マーケットとのコミュニケーションの難しさを今回、かなり認識したのではなかろうか。今後は発言等により気を配ってくる可能性もあるが、とにかく総裁が誰であれ、ECBはあくまでブンデスバンクの血を引いているという事実をマーケットも認識すべきである。

 ちなみにECBは再び政策金利を史上最低水準に戻した。この動き、どこかで見たことを思い出す方もいるのではなかろうか。

 2006年3月に量的緩和政策を解除した日本銀行は、7月にゼロ金利政策を解除し政策金利を0.25%に引き上げ、2007年2月に政策金利を0.50%に引き上げた。しかし、2008年10月に政策金利を0.5%から0.3%に引き下げ、12月には0.3%から0.1%に引き下げた。

 日銀も金融緩和からの方向転換は一時的であり、再び実質的なゼロ金利政策に戻ってしまった。今回のECBの動向を見ても、どうやら歴史は繰り返されるようである。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp


[PR]
by nihonkokusai | 2011-12-10 10:34 | 中央銀行 | Comments(0)

日米欧の中央銀行による協調対応策はあくまで時間稼ぎ

 11月30日にカナダ銀行、イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行(ECB)、米国連邦準備制度(FRB)およびスイス国民銀行は、国際金融システムに対する流動性支援提供能力を拡充するための協調対応策を公表した。

 日銀は30日の夜に臨時の金融政策決定会合を開き、上記の欧米の中央銀行と協調し、最近の国際短期金融市場の緊張に対応するための措置を講じることになった。具体的には、現在日銀が実施している固定金利方式の米ドル資金供給オペレーションの貸付金利を0.5%引き下げ、12月5日以降のオペレーションから適用する。この引き下げにより、新たな貸付金利は、貸付期間に応じたドル・オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場の実勢金利に0.5%上乗せしたものとなる。

 加えて、現在FRBとの間で締結している米ドル・スワップ取極、およびこれを原資とする米ドル資金供給オペレーションの期限を、2013年2月1日まで6か月延長することとした。さらに、上記中央銀行との間で、2013年2月1日を期限とする為替スワップ取極を締結する。これにより、日銀は5つの中央銀行が必要とする場合に円資金を供給することが可能となるとともに、日銀が必要とする場合に現行の米ドルを含む5通貨の調達が可能となる(日銀、「国際短期金融市場の緊張への中央銀行の協調対応策」より)。

 欧州危機は深刻化し、ユーロ圏周縁国だけでなく中核国の長期金利も上昇しつつあった。これらユーロ圏国債を大量に保有する欧州系の銀行は、資金の取り入れに困難をきたし、ドル資金の調達コストがじわりじわりと上昇してきていた。

 そんな矢先、格付会社ムーディーズは29日、欧州15か国87銀の行の債務格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。さらに30日にS&Pは主に欧米の銀行15行の格付けを引き下げた。これらにより欧州の銀行などのクレジット・クランチ(信用逼迫)も意識されつつある中、緊密に連絡を取り合っていたとみられる日米欧の中央銀行が、FRBを中心に協調策を緊急協議し、臨時のFOMCや決定会合などの開催を経て、それを発表したものとみられる。

 欧州の信用不安の強まりによる国債価格の下落は、ユーロ圏の金融機関の経営を悪化させ、新たな金融危機に発展するのではとの懸念もあった。もしそうなれば2008年のリーマン・ショックと同様にそれが米国や日本経済に多大な影響を与えかねず、リーマン・ショックの際と同様に、すばやく中央銀行が連携して動きを見せた格好である。

 しかし、これはあくまで対処療法であり時間稼ぎにすぎず、根本的な解決にはならない。これについては日銀の白川総裁も「時間を買う政策」とコメントしていた。一時的に欧州の金融機関はドルの資金繰りが楽になるかもしれないが、ユーロ圏の国債価格の下落が止まらない限り、危機は収まらない。その問題解決は中央銀行の仕事ではなく、政治家の仕事となる。

 ECBが無限大に国債を買い入れれば問題解決するという意見も出ているが、日銀による国債直接引き受け同様のリスクがあり、財政規律はさらに緩むことになりかねない。イタリアなどのユーロ圏の国債価格の下落を取り戻すためには、あらためてユーロ圏の財政規律を確立するとともに、危機に陥っているギリシャやイタリアなどへのしっかりした支援策を講ずるほかはない。つまりユーロ圏の国債の信用回復こそが、問題解決の糸口となるはずである。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ、通称、牛熊メルマガでは毎営業日の朝と引け後に、その日の債券市場の予想と市場の動向を会話形式でわかりやすく解説しています。10年以上も続くコンテンツで、金融市場動向が、さっと読んでわかるとの評判をいただいております。昼にはコラムも1本配信しています。毎営業日3本届いて、価格は税込で月額1050円です。登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html

講演、セミナー、レポート、コラム執筆等の依頼、承ります。
連絡先:adminアットマークfp.st23.arena.ne.jp


[PR]
by nihonkokusai | 2011-12-02 10:08 | 中央銀行 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー