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カテゴリ:投資( 69 )

株が波乱含みのなか米長期金利やドル円がしっかりな理由

 ここにきて米国株式市場は調整色を強め、値動きも大きくなり、波乱含みの様相を強めている。米長期金利の動向や中国の株価指数の動向、米中の貿易摩擦の行方なども懸念材料となっている。

 チャート上からは特にナスダック指数などをみるとゴルディロックス(適温)相場といわれた相場が変調をきたしているようにみえる。ただし、これで大きな上昇相場がピークアウトしたのか、それとも一時的な調整なのかは判断しづらい。

 これを確認するためには、11月6日の米国の中間選挙、さらにブエノスアイレスで11月30日~12月1日に開かれるG20会合の動向などもひとつの焦点となろう。

 11月6日の米国の中間選挙も、その結果は蓋を開けるまではわからない。与党共和党が優位かとも伝えられているが、トランプ大統領の支持率がここにきて低下するなどしている。

 株式市場にとっては共和党が結果として勝利したほうが、好材料と捉えるのではなかろうか。そうとなれば、トランプ政権はあらためて中国との関係改善を図る可能性も多少ながらありうるか。11月のG20で米中首脳会談が開催されるのかどうかも試金石となる。

 このようなイベントリスクを控えて、東京株式市場を含めて世界的な株式市場は調整局面を向かえているのだが、外為市場では円に関してみるとリスク回避による円買いとはそれほどなっていない。

 ドル円は10月3日につけた114円台半ばから10月26日には111円台半ばあたりに確かに下落したものの、そこから切り返して113円台を回復してきた。

 この背景としては米長期金利の底堅さがある。米10年債利回り(長期金利)は、10月5日に3.2%台に乗せたあと26日に3.07%あたりまで低下した。これは確かにリスク回避による米国債への買いが要因であろうが、3%台は維持していた。その後、再び3.1%台に戻している。この背景にはFRBの利上げ継続姿勢等もあろうが、その根拠ともなる米国経済の拡大傾向が維持されているとの見方もできる。

 日本の長期金利はほぼ0.1%あたりに抑えられている手前、日米の長期金利差は米長期金利の動向次第となる。米長期金利が3%台を維持している以上、この金利差は大きくは縮まらず、金利差という面からはドル円が底堅い動きとなることになる。

 外国為替市場は金利差だけで動くわけではない。しかし、米長期金利とドル円の動きをみると、それほどリスク回避の動きとはなっていないことがわかる。もしこの動きが継続するのであれば、今回の米国市場を主体とした株価の下落は一時的な調整とみることもできるのだが。


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by nihonkokusai | 2018-11-01 10:05 | 投資 | Comments(0)

米国株式市場の指標の違いからみた今回の株価の調整

 株式市場、債券市場そして外為市場などには、その市場動向を見るためのベンチマーク(指標)が存在している。たとえば米国株式市場の代表的なベンチマーク(指標)というべき株価指数が3つ存在している。ダウ平均とS&P500種、そしてナスダック総合指数である。

 最も目にするのはダウ平均株価であろう。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している指標であり、ダウ工業株30種平均、ダウ輸送株20種平均、ダウ公共株15種平均の3種類と、これらをあわせたダウ総合65種平均がある。通常、ニューヨークダウと呼ばれているものはこのうちのダウ工業株30種平均である。

 1884年以降に公表されている歴史ある指標であり、その銘柄は時代の産業構造を反映して入れ替えられている。わずか30銘柄で全体の動きを示せるのかという問題はあるかもしれないが、トレンドは捉えることができているとみられ、その歴史に加えて指標としての使い勝手の良さなどから、米国株式市場の代表的な指標となっている。

 これに対してS&P500種もS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している代表的な株価指数となる。代表的な500銘柄の株価を基に算出され、機関投資家の運用実績を測定するベンチマークとして利用されている。こちらは1957年から算出されているものであり、ダウ平均に比べると歴史は浅い。銘柄数が多い分、全体の動向を把握しやすいが、ダウ平均に比べると一般の知名度は低い分、ダウ平均の動向の方が注目されやすい。

 もうひとつの代表的な指標が、ナスダック総合指数となる。ナスダックに上場している3000以上の銘柄の全てを対象に時価総額加重平均で算出した指数となる。ナスダックにはアップル、フェイスブック、アマゾン、ツイッター、マイクロソフトなどいわゆる大手ハイテク企業、つまりそれは現在の米国経済を牽引している企業が多く含まれている。ダウ平均にもナスダック上場銘柄が含まれているが、ナスダック総合指数の方がハイテク株による影響を受けやすい。ダウ平均とナスダックの動きの違いなども、米国株式市場を見る上での参考となる。

 ということを前提に今回の米国株式市場の調整についてみてみると、ダウ平均に比べてナスダックの方がチャートからみると大きな上昇トレンドが崩れた格好となっている。これからみると主要ハイテク株を中心に上昇してきた米国株式市場が、そのハイテク株主体に崩れてきたことが窺える。

 それが果たしてFRBの利上げによるよるものなのか。それよりも米国と中国の貿易摩擦による影響がアップルなどを中心にじわりじわりと影響しつつあると見た方が良いのではないかと思われる。


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by nihonkokusai | 2018-10-26 09:49 | 投資 | Comments(0)

原油先物価格にみる適温相場の変調

 ここにきて米国の株式市場を中心に、ゴルディロックス(適温)相場といわれた相場が変調をきたしている。今回は今回の調整について、株式市場そのものではなく、原油先物市場の動きからみてみたい。

 原油先物のベンチマークといえるWTI先物のチャートをみてみると、今年7月3日に75ドル台まで上昇したあと調整売りが入り、8月中旬に65ドル近辺まで下落した。これには米国による対中追加関税措置の発動なども影響していたと思われる。中国が米国産原油に関税を課すことなどへの懸念も出ていた。

 しかし、その後は米国株式市場の上昇に歩調を合わせるような格好となり、原油先物もじりじりと回復し、WTI先物は70ドル台を回復した。10月3日に77ドルに接近したところで、いったんピークアウトした。米国株式市場のダウ平均も10月3日に27000ドルに接近したところで同じくピークアウトしている。

 その後のWTI先物はダウ平均と同様に下落し、23日には66ドル台に下落した。チャート上からは、このあたりが正念場となる。8月につけた65ドル近辺を大きく割り込むようであれば、上昇トレンドがいったん崩れる格好となる。

 ここにきてイタリアの財政問題や英国のEU離脱問題などに加え、サウジアラビアの問題も出てきており、特にサウジの問題は原油価格にも大きな影響を与えかねない。とはいえ、今回の原油先物の調整はダウ平均などと歩調を合わせているところをみると、世界経済そのものの行方も意識した動きのようにもみえる。

 東京株式市場もだいぶ遅れを取ったものの、日経平均は10月1日に2万4245円とバブル崩壊後に株安が進んだ1991年11月以来の高値を付けた。しかし、このあと米国のダウ平均と原油先物が目先のピークをつけたことで、日経平均株価も調整を余儀なくされている。

 今後の株価などの動向を占う上でも、原油先物価格の動向も多少ながら意識しておいた方が良さそうである。


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by nihonkokusai | 2018-10-25 09:34 | 投資 | Comments(0)

米国株式市場の上昇トレンドは終了したのか

 5日に発表された9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は13.4万人増と予想の18.5万人増を下回り、注目された平均時給は前年比2.8%増と8月の2.9%増からは伸びが鈍化していた。しかし、失業率は3.7%と1969年12月以来の低水準となったことで、労働需給の引き締まりが物価上昇圧力につながるとの見方から、この日の米10年物国債利回りは一時3.24%に上昇した。

 原油先物価格は先週、代表的な指標となっているWTIが一時76ドル台にまで上昇した。さらに中国からの輸入品への関税による物価上昇圧力なども意識されて、米10年債利回りは3.11%の節目を超えてから、3.2%台に上昇した。

 米長期金利の上昇は、それに伴う長期と短期の金利差の拡大などから、銀行株など買われて米国株式市場では買い材料と認識されていた。しかし、3.1%を上回ったあたりから、金利上昇によるコストや配当利回りなど意識しての相対的な魅力の低下なども意識されて、むしろ売り材料となってきている。

 米国向けハード機器に中国製のスパイ半導体が組み込まれたとの報道も嫌気されて、米国株式市場の上昇を先導してきた主力ハイテク株などに売りが入り、特にナスダックの下落が大きくなっていた。

 米中の貿易摩擦の問題はあっても「とりわけ輝かしい局面にある米経済」(パウエルFRB議長)を背景にダウ平均など過去最高値を更新してきたが、米長期金利の上昇とともに、米国と中国との関係悪化による影響が表面化しつつあり、米国株式市場の先行きを不透明にさせている。

 中国政府が米向けハード機器に「スパイ」を埋め込んだとの報道について、不審な半導体の存在に気づきFBIらと協力しているとされたアップルやアマゾンは否定コメントを出した。

 知的財産権侵害をめぐりトランプ米政権が中国に対して制裁を発動したのは、ハイテク産業における米中両国の覇権争いが背景にあるとされる。もし仮にハード機器に「スパイ」が埋め込まれていたのが事実となれば、自由貿易に反すると批判も多いトランプ大統領による保護貿易主義だが、それが正当化される懸念もありうる。

 予算案を巡ってのイタリア政府とEUとの対立、英国のEU離脱問題なども気掛かりながらも、今回の米国株式市場を主体とする大きな調整は、米国の長期金利と物価の動向、さらには米中の貿易問題が影響を与えている。再び楽観的な見方が強まり、今回の調整は一時的なものとなるのか、それとも上昇トレンドそのものが変化してくるのか。特にナスダックの日足チャートが下に抜けてきたようにも思われ、チャート上からも注意してみておく必要がある。


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by nihonkokusai | 2018-10-10 09:53 | 投資 | Comments(0)

米雇用統計をきっかけに金融市場の地合いが好転か、日本は注意

 9日に発表された2月の米雇用統計で、非農業雇用者数は前月比31.3万人増と、20万人あたりとされた市場予想を大幅に上回った。失業率は4.1%と前月と同水準、平均時給は前年比2.6%%と伸びが鈍った。

 雇用は予想以上に拡大していたが、時給の伸びが抑制されていたことで、インフレ加速懸念が後退し、FRBによる緩やかな利上げ観測が強まり、これらを米国株式市場は好感した。9日のダウ平均は440ドル高と大幅に上昇し、ナスダックは132ポイント高となりこちらは1月26日に付けた過去最高値を久しぶりに更新した。12日にダウ平均は下落したが、ナスダックはしっかり。日足チャートをみるとダウ平均はまだダブルボトムを抜けてはいないが、ナスダックは綺麗に上昇トレンドを描くかたちになりつつある。

 今回の雇用統計を結果からも、3月20、21日のFOMCでの追加利上げの可能性は強まったというか、市場はほぼ確実視している。ただし、時給の伸び鈍化により年4回の利上げの可能性については幾分か後退したのではないかと思われる。

 9日の米債は雇用の予想以上の伸びから米10年債利回りは一時2.91%まで上昇したが、時給の伸び鈍化もあり押し目買いも入ったことで、結局、2.89%となっていた。12日には2.87%に低下している。

 米朝首脳会談の可能性も出てきたことにより、市場にとってひとつの懸念材料であった北朝鮮リスクが後退した。少なくとも軍事衝突の恐れはかなり後退したといえる。ドイツの政局不安は後退し、イタリアの政局については不透明化ながらもユーロという体制を脅かすほどのものになるとは思えない。

 これらのリスクの後退により、いわゆるリスクオンの相場が復活してくる可能性があり、米株は再度高値を更新し、米10年債利回りは緩やかながら上昇し3%を目指すことになり、原油先物も再度上昇基調となる可能性も出てきた。外為市場でも円高が修正される可能性がある。

 ただし、いまのところ金融市場では大きく材料視してはいないものの、森友問題が現政権を揺るがす懸念も出ている。今後の動向次第では金融市場が動揺を示す懸念もあるため注意しておきたい。


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by nihonkokusai | 2018-03-13 09:46 | 投資 | Comments(0)

米雇用統計をきっかけに金融市場の地合いが好転か、日本は注意

 9日に発表された2月の米雇用統計で、非農業雇用者数は前月比31.3万人増と、20万人あたりとされた市場予想を大幅に上回った。失業率は4.1%と前月と同水準、平均時給は前年比2.6%%と伸びが鈍った。

 雇用は予想以上に拡大していたが、時給の伸びが抑制されていたことで、インフレ加速懸念が後退し、FRBによる緩やかな利上げ観測が強まり、これらを米国株式市場は好感した。9日のダウ平均は440ドル高と大幅に上昇し、ナスダックは132ポイント高となりこちらは1月26日に付けた過去最高値を久しぶりに更新した。12日にダウ平均は下落したが、ナスダックはしっかり。日足チャートをみるとダウ平均はまだダブルボトムを抜けてはいないが、ナスダックは綺麗に上昇トレンドを描くかたちになりつつある。

 今回の雇用統計を結果からも、3月20、21日のFOMCでの追加利上げの可能性は強まったというか、市場はほぼ確実視している。ただし、時給の伸び鈍化により年4回の利上げの可能性については幾分か後退したのではないかと思われる。

 9日の米債は雇用の予想以上の伸びから米10年債利回りは一時2.91%まで上昇したが、時給の伸び鈍化もあり押し目買いも入ったことで、結局、2.89%となっていた。12日には2.87%に低下している。

 米朝首脳会談の可能性も出てきたことにより、市場にとってひとつの懸念材料であった北朝鮮リスクが後退した。少なくとも軍事衝突の恐れはかなり後退したといえる。ドイツの政局不安は後退し、イタリアの政局については不透明化ながらもユーロという体制を脅かすほどのものになるとは思えない。

 これらのリスクの後退により、いわゆるリスクオンの相場が復活してくる可能性があり、米株は再度高値を更新し、米10年債利回りは緩やかながら上昇し3%を目指すことになり、原油先物も再度上昇基調となる可能性も出てきた。外為市場でも円高が修正される可能性がある。

 ただし、いまのところ金融市場では大きく材料視してはいないものの、森友問題が現政権を揺るがす懸念も出ている。今後の動向次第では金融市場が動揺を示す懸念もあるため注意しておきたい。


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by nihonkokusai | 2018-03-13 09:46 | 投資 | Comments(0)

9日に日経平均が乱高下、これはピークアウトを示唆したのか

 11月9日の東京株式市場は商いを伴って乱高下した。8日の米国株式市場は主要3指数が過去最高を更新し、9日の東京株式市場は買いが先行し、日経平均は75円高で寄った。その後、さらに上げ幅を拡大させて日経平均は400円を越す上昇となった。ただし、これだけ上昇するほどの材料は見当たらなかった。これは勢いに乗って株価をつり上げるような動きにもみえた。

 午後に入り地合は急転する。12時過ぎに利益確定売りに押され、いったん切り返したものの戻り切れず、13時過ぎあたりから再び売りが持ち込まれ、日経平均は高値から800円を超す下げとなった。

 その後、引けにかけては買い戻しの動きも入ったことで、日経平均の引けは45円安となった。9の東京株式市場の売買代金は5兆円近くとなり、2014年11月以来の高水準となった。

 9日の東京株式市場の動きは、何かしらの相場を動かす材料があってのものではなく、売り買いのポジションがぶつかり合う展開となっていた。相場上昇を牽引してきた海外投資家、特に短期売買を中心に行っているヘッジファンドによる仕掛け的な動きも絡んでいたものとみられる。

 相場が大きく動いているときには、相場感そのものがぶつかり合う。特に上昇相場が長く続き、25年ぶりの水準を更新となれば、新たなトレンド入りが意識される。それとともに、高値警戒も当然出てくる。このあたりの不安心理を突くような仕掛け的な動きと言えなくもない。

 9日の米国株式市場では、米上院共和党が税制改革案で法人税減税を2019年に先送りすると報じられ、米税制改革の先行き不透明感が強まり、米国株式市場は利益確定売りに押された。こちらはそれなりの材料があっての売りとなっていた。

 外為市場では9日の日経平均の急反落でドル円が下落し、日経平均は少し戻していたが、ドル円は戻り切れていない。これもあって10日の東京株式市場は売りが先行した。

 しかし、今回の日経平均の乱高下は相場のピークアウトを示すものとは思えない。9月初めから始まった日経平均の上昇トレンドであるが、途中の調整がほとんど入っていなかった。その意味では今回の下落は買い方がいったん売却を行って一息つく、いわゆる調整局面とみられる。

 外部環境は特に大きな変化はない。米国の法人税減税についても、これが相場を持ち上げる主要因となっていたわけではない。今回の米国株式市場の上昇はトランプ相場と呼ぶ人もいるが、トランプ政権はいまだ公約すら実現していない。トランプ政権の政策が景気の回復をもたらしたわけではなく、景気の回復期にトランプ政権がたまたま誕生しただけとみた方が良い。

 米国の景気は雇用を主体に回復基調が継続している。これが続いている限りはまだ上昇相場は継続すると思われる。インフレの兆候がほとんど見えないことも、日米欧の中銀による緩和効果も意識され、今回の相場上昇が長続きする要因になっている。


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by nihonkokusai | 2017-11-11 15:08 | 投資 | Comments(0)

予想下回る米雇用統計受けても買われた米国株式市場、この強さの背景とは

6月2日に発表された5月の米雇用統計では非農業雇用者数は13.8万人となり、予想の18.5万人を大きく下回った。さらに雇用者数は過去2か月分も下方修正された。失業率は0.1%低下の4.3%と2001年5月以来の低い水準となったが、平均時給は前年同月比で2.5%増と予想をやや下回った。

これを受けて2日の米国市場では米長期金利は低下し、10年債利回りは一時2.14%に低下した。ドルも円やユーロに対して下落した。ところが米国株式市場も上昇し、ハイテク株など主体に買われダウは62ドル高、ナスダックも58ポイント高となり、S&P500種株価指数も含めて、3指数ともに連日の最高値更新となったのである。

6月1日には本来あまり材料視はされないはずのADP雇用レポートが材料視されて、ダウ平均は3月1日以来の過去最高値更新となった。実際にADP雇用レポートはさほど雇用統計とリンクしていておらず、非農業雇用者数は予想を下回った。それにも関わらず失業率の低下や、FRBの利上げペースは緩やかになりそうとの期待が2日の買い要因となったとされる。

ADP雇用レポートで非農業雇用者数が市場予想を大幅に上回ったことを好感して米株は買われたが、現実にはそんなに良くなかった米雇用統計の非農業雇用者数を受けても買われた米国株式市場が続伸となったのは、それだけ地合が良いというか、ある意味バブル相場の様相を呈しているといえるかもしれない。この場合のバブル相場はどのような材料が出ても、買い要因に変換して買い材料にしてしまうような地合を示す。2日の買いの主役がこれまで相場を引き上げていたハイテク株であり、アマゾン・ドット・コムやフェイスブックなどが上場来高値を付けていた。この地合に変化がない限りは米国株式市場の上昇基調は継続されるとみられる。

5日の米国株式市場では、今週の英国の総選挙やECB理事会、コミー前FBI長官の議会証言なども控え様子見気分強まるなか、利益確定売りに押されたが、ダウ平均の下げは22ドル安程度に収まっていた。グーグルの持ち株会社アルファベットが節目の1000ドルを突破するなどこの日もハイテク株は買われていた。

5月の雇用統計を受けて、FRBの金融政策の行方についても緩やかな利上げが意識されたようだが、それはどの程度の緩やかさなのであろうか。市場では今回の雇用統計を受けても年内3回の利上げ予想に大きな変化はない。3月に続いて今月6月のFOMCでも利上げは確実視されている。ただし、その次は9月か12月かの判断は分かれているようである。また、保有資産の償還の乗り換え分の縮小についても年内開始するであろうとされている。

さらにその後の利上げのペースまで市場は意識しているのであろうか。イエレン議長は今年1月18日の講演で、米雇用の回復とインフレ基調の継続を受け、「2019年末まで、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を年2、3回のペースで引き上げる」との見通しをFRB内でおおむね共有していると述べた。政策金利が長期の中立金利見通しである3%に近づくとの見方も示した(日経新聞電子版の記事より)。

2018年と2019年も0.25%刻みでそれぞれ3回引き上げるとすれば2019年末までには3%に届く計算になるが、このペースがもう少し緩慢になるのではとの認識も市場で出ているということなのであろうか。


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by nihonkokusai | 2017-06-06 09:46 | 投資 | Comments(0)

バブルの様相強めつつある米国株式市場

 ここにきて米国株式市場では、ダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数がそろって過去最高値を更新している。ダウ平均は2万ドルが節目となっていたが、そこを抜けたこともあり、上昇圧力が強まったようにみえる。


 この米国株式市場の上昇にはいくつか背景がある。そのひとつを象徴するのがゴールドマン・サックスの上場来高値更新であろうか。ゴールドマン・サックスなど金融株の上昇の要因にFRBの利上げ観測がある。イエレン議長は14、15日の議会証言で利上げに前向きの姿勢を示した。


 15日に発表された1月の米消費者物価指数は前月比で0.6%もの上昇となった。前年比では2.5%の上昇、コアCPIは前年比2.3%の上昇となるなど物価も利上げを後押しする要因となる。


 ゴールドマン・サックスの上場来高値更新の要因としては、トランプ政権の閣僚に何人もの人材を送り込んだこともあるのではなかろうか。そのトランプ政権下で金融規制の緩和が進む事への期待や減税などの期待も株価上昇の要因となっている。


 トランプ氏はIT企業とはやや距離を置いているようだが、アップルも上場来高値を更新している。新型iPhoneへの期待やトランプ政権が米企業が国外の資金を国内へ持ち帰る際にかかる税金の引き下げを提案しているとの報道なども材料視されているようだが、米景気の好調さも米国を代表する企業の株価を押し上げているのではなかろうか。


 しかし、絶好調に見える米国株式市場の上昇に対し、利上げがその根拠のひとつとなっているにも関わらず、米長期金利やドルの上昇が鈍いことが気になる。米長期金利は2.5%台に乗せる場面はあっても押し返されている。ドル円も115円近辺に上昇しても押し返されて113円台に下落するなどしている。


 こうなるとほとんど調整らしき調整もなく上昇してきている米株の動きの方が妙に見えてくる。米長期金利やドルの動きを見てそろそろ米株も注意しなければならないとしても、ここでショート(空売り)を仕掛けるのもリスクがある。もうはまだなりで相場上昇が続くことも当然予想される。これはこれで日本のバブル時のような様相にも近いように見えてくる。いずれにしても、ここからの米株の動向は注意してみておく必要がありそうである。



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by nihonkokusai | 2017-02-17 10:00 | 投資 | Comments(0)

個人向け国債と個人向け劣後債の違い

 日経新聞によると、損害保険ジャパン日本興亜は8月にも「劣後債」を個人投資家向けに1千億円発行するそうである。保険会社による個人向け社債は国内で初めてとなる。また、機関投資家向けも含め計2千億円規模を調達し、大型買収など将来の成長投資に振り向けるとか。

 これは日銀のマイナス金利付き量的質的緩和策の効果とも言えるものとなり、企業の投資を促進させていると言えなくもない。個人にしても預貯金金利はさすがにマイナスとはなっていないが、ほとんどゼロに近い。しかし、劣後債となれば金利も比較的高めに設定されると予想され、日経新聞によると利率は年1%程度が予想されているそうである。これは売れ行きは好調となると予想され、瞬間蒸発となるのではなかろうか。

 利率は個人向け国債の最低保証金利の0.05%を大きく上回るものの、注意すべきは同じ個人向けとはいっても個人向け国債と個人向け劣後債とは性格が異なる点となる。

 個人向け国債は1万円単位、今回の劣後債は100万円単位となる。特に気をつけなければいけないのが途中売却の際で、個人向け国債については1年間売却できないが1年経過すると財務省が額面で買い取る仕組みとなっている。これに対して劣後債だけでなく通常の債券を途中売却する際は、発行する証券会社が時価から手数料相当分を差し引いた価格で買い取る仕組みとなっている。個人向け社債などは極めて流動性が低いため、その買い取り価格が安くなり、債券市場の動向次第では思わぬ損失を被る懸念が存在する。また、劣後債は繰り上げ償還があるため、満期まで持てない可能性も意識しておく必要がある。

 少なくとも途中売却の可能性は低く、お金が100万円単位あり、証券会社の担当者を通じて購入が出来そう、という方は今回の劣後債は投資対象としては面白いと思われる。

 しかし、現在の金利水準が極めて異常とみている方とかにはむしろ個人向け国債をお薦めしたい。もちろん銀行預金に置いておくという選択肢もあるが、将来の金利上昇に備えるというのであれば、個人向け国債の10年変動タイプがお薦めである。長期金利がもし上昇に転じるとそれに応じて利率が動くのが個人向け国債の10年変動タイプとなるためである。

 この個人向け国債の販売額が伸びているそうである。NHKはニュースで今月発行分の個人向け国債の応募額が去年の同じ月の1.5倍になったと報じている。6月募集分は3105億円と前月の2104億円から増加した。ボーナス月でもあったことで増えた面もあったかもしれないが、個人向け国債特有ともいえる最低保証利率の0.05%が効いており、また流動性リスクと価格変動リスクもない面が多少でも認識されつつあるのではなかろうかと思われる。

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by nihonkokusai | 2016-07-08 09:56 | 投資 | Comments(0)
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