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国債の種類を知ろう

 新年度入りしたことで、初めて債券や金利関係の部署に配属された方もいるのではないかと思う。今回は国債の種類について解説してみたい。

 日本国債には期間に応じた種類分けに加え、発行根拠法に基づいた種類分けが存在している。期間による種類分けとしては、1年以下の政府短期証券(FB)及び割引短期国債(TB)は2009年2月より国庫短期証券(TDB)として統合発行されている。

 償還期間が2年以上のものは長期国債と呼ばれ、2年、5年、10年、20年、30年、40年の利付国債が発行されている。さらに10年物価連動債が発行されている。既存の国債を再発行する流動性供給入札という発行形式もある。

 発行根拠法に基づいた国債については、まずは建設国債と赤字国債がある。財政法を発行根拠法としているのが建設国債である。財政法の四条に記載されているため、四条国債とも呼ばれている。建設国債は公共事業などの財源となり、国の資産を形成するために発行される。

赤字国債は特例国債とも呼ばれ、特例措置として財政法4条に対する特例法を制定し、特例により発行されるものである。特例国債は建設国債の発行をもってしてもなお歳入が不足すると見込まれる場合に、公共事業等以外の歳出に充てるための資金調達を目的として新規に発行される国債となる。

 建設国債と赤字国債には60年償還ルール呼ばれるルールが存在している。1965年度に戦後初めて発行された国債(7年債)は、その満期が到来する1972年度に全額現金償還されたが、1966年度以降に発行された建設国債については、発行時の償還期限にかかわらず、すべて60年かけて償還される仕組みが導入された。

 たとえば10年国債が発行されても、10年後に現金で償還されるのは六分の一だけで、残りについては借換債と呼ばれる国債が発行される。これにより60年かけては建設国債と赤字国債償還される仕組みとなっている。60年償還ルールが作られたのは1968年5月なので、当時に発行された国債も未だ完全には償還されていない。60年というのは公共事業によって建設された物の平均的な効用発揮期間、つまり使用に耐えられる期間が、概ね60年と考えられたためである。これが何故か赤字国債にも適用されている。

 2001年度から特別会計に関する法律(第62条第1項)を発行根拠法とした財政融資資金特別会計国債、一般には財投債と呼ばれる国債が新たに発行された。財投債は国がその信用に基づいて発行するものであるため、建設国債や特例国債と同様に発行限度額について国会の議決を必要とする。財投債には60償還ルールは適用されない。


by nihonkokusai | 2019-04-08 08:57 | Comments(0)

米国ではキャッシュレス決済に反発する動きも

 4月4日付けの日経新聞によると、米国で買い物や飲食の代金支払いに現金を使わないキャッシュレス決済に反発する動きが広がってきたそうである。ニュージャージー州は3月18日、小売店に対し、米ドルなど現金での支払いを受け付けることを義務化する法律を制定したとか。

 米国の都市部ではクレジットカードやスマートフォン(スマホ)を使った決済しか使えない店舗が増えているそうである。これに対し現金で払う頻度が高い低所得層が新しい金融サービスの恩恵を受けられずに排除されるとの声も出始め、そのため自治体が動きを見せたようである。

 現金を使わないキャッシュレス決済には、クレジットカードや銀行口座を介在するケースが多く、それを持たない人が排除される懸念はある。ただし、現金をプールするかたちでのFeliCaを使ったカードは使えると思われるが、米国では「Apple Pay」などはあっても、カード形式のものはあまり普及はしていないようである。

 キャッシュレス決済の普及により、店舗側としては現金を銀行口座に振り込むなどの作業は軽減できる上に、データの集計も楽になり、現金を保有することによる盗難などのリスクも軽減できる。これに対して、キャッシュレス決済には一定の手数料が掛かることも導入にあたりネックとなっていようが、すべての利用者がキャッシュレス決済を利用できない点もやはり配慮する必要はありそうである。

 日本では大きな震災なども経験し、停電時にはキャッシュレス決済が利用できなくなるというリスクもある。さらに国内では現金の利用がどこでもできることで、どうしても現金の利用も多くなり、財布には現金を入れておかないと不安となる。

 日本のキャッシュレス化についても、その拡大にはやはり限界は出てくるとみられるが、それ以前にひとつ気になるのは、日本のキャッシュレス決済にはどうしてもクレジットカードが介在している点である。

 銀行口座に紐付けされてデビットカードのように直接、口座から現金が引き落とされれば、必要とされる手数料も軽減できるのではなかろうか。QRコードを利用した個人同士や個人と店舗との口座間での現金振替なども可能となれば、利便性は高まると思うのだが。


by nihonkokusai | 2019-04-07 13:43 | Comments(0)

債券市場の平成の30年間を振り返る

 平成元年は1989年。この年に消費税導入され、年末に日経平均は38915円の過去最高値を記録した。つまりここからバブル崩壊が始まり、物価は低迷し金利も低下基調となる。  

 1990年に東京証券取引所に先物オプションが上場される。1991年に10年債入札結果が即日発表となる。1994年に国債資金同時受渡システム(国債DVPシステム)の稼働を開始。1995年に日銀は短期市場金利の誘導を重要な金融政策運営手段と明確に位置付けた。1996年には国債取引(割引短期国債を除く)の決済方式を5・10日決済からT+7のローリング決済へ移行。1997年には消費税を5%に引き上げ。国債取引の決済方式をT+3に。

 1998年に金融政策決定会合が開始。そして改正日本銀行法施行。金融システム不安などから長期金利が初の1%割れに。ムーディーズは日本国債をAaaからAa1に引き下げた。年末には運用部ショックと呼ばれる債券市場の急落が発生。これに対処するため1999年に日銀はゼロ金利政策を開始。同年に政府短期証券(FB)と割引短期国債(TB)1年物の公募入札開始。30年利付国債の発行が開始された。

 2000年に5年利付国債発行、15年変動利付国債の公募入札が開始。日銀はゼロ金利政策を解除。国債市場懇談会の開催が開始。

 2001年に日銀により即時グロス決済(RTGS)化開始。日銀は公定歩合をロンバート化した。さらに無担保翌日物コールレートから日銀当座預金残高に操作目標を変更(量的緩和政策)。2002年には10年国債入札で初の札割れが発生。

 2003年には国債ペーパレス化、ストリップス債の導入、国債バイバック、個人向け国債発行などがスタート。2004年に国債WI(入札前取引)、物価連動国債の発行が開始。国債市場特別参加者制度がスタート。

 2005年にペイオフ全面解禁。日銀、地域経済報告(さくらレポ―ト)の公表開始。国債清算機関の業務開始。

 2006年に日銀は量的緩和政策を解除。2007年にパリバショック発生、40年国債発行開始。2008年にリーマンショック。2009年に日銀による残存期間による区分別の国債買入れ実施。2010年にギリシャ・ショックによる欧州の信用不安が発生。2012年に国債取引の決済期間がT+3からT+2に短縮された。

 2013年日銀は2%の物価目標の導入を決定。さらに量的・質的金融緩和を導入。2014年に日銀は量的・質的緩和の拡大を決定。2016年に日銀はマイナス金利付き量的・質的緩和の導入決定。日本の長期金利が初のマイナスに。長短金利操作付き量的・質的金融緩和を決定。

 2018年に国債取引の決済方式はT+1となった。


by nihonkokusai | 2019-04-01 09:59 | Comments(0)

プレミアム「キャッシュレス」フライデーを始めるとか

 経済産業省とキャッシュレス推進協議会は13日にキャッシュレス決済の認知や利用を拡大するための施策を始めると発表した。3月29日の「プレミアムフライデー」に合わせて、プレミアム「キャッシュレス」フライデーと位置付け、キャッシュレス推進協議会に参加する各社が、「キャッシュレス決済」の周知・告知を店頭のポスターなどを通じて行うそうである。

 4月26日の「プレミアムフライデー」と4月27日からはじまる10連休を「キャッシュレスウィーク」と位置付け、各社が一斉にキャンペーンを実施するとか。キャンペーンの内容は、別途発表されるようである。

 そもそもプレミアムフライデーが浸透しているのかどうかも不透明なところ、その不透明なプレミアムフライデーを浸透させるためにもキャッシュレスを組ませてきたようである。

 経済産業省の永井武彦消費・流通政策課課長によると、現金決済インフラを維持するためにATM設置費用で4120億円、レジ締めの人件費で5000億円など、年間1兆6000億円を超えるコストが発生しているとか。キャンペーンを通じて、消費者にキャッシュレス決済のお得さを伝えるとともに、人手不足に悩む事業者の生産性向上につなげたい」とか(流通ニュースの記事より引用)。

 すでにPayPayなどが大規模なキャンペーンを行っているが、プレミアムフライデーの認知度の向上や大型連休に合わせて、経済産業省とキャッシュレス推進協議会があらたな仕掛けを行うようである。

 キャッシュレス推進協議会の福田好郎事務局長も「キャッシュレスという言葉は知られてきたが、実際に利用するところまで至らない人も多い。全国で一斉に積極的なキャンペーンを行うことで『やってみよう』と思わせることができれば」とコメントも紹介されていた(IT Media NEWS)。

 日本ではそれほどキャッシュレスの認知度は低いのであろうか。老若男女を問わず、財布のなかにはクレジットカードやコンビニ・スーパーなどで使える電子マネーカードが数枚は入っていると思われる。電車を使うためには定期などでも交通系カードを使い、駅の売店でも利用しているのではなかろうか。お年寄りも電車を使うときに切符を買うよりも交通系カードを使う機会が多いはず。

 給与所得者の給与、フリーランスの報酬、年金生活者の年金も銀行振り込みが中心のはず。その銀行口座からアマゾンなどでのネットストアーで買い物した代金がクレジット会社経由で引き落とされる。給与所得者は年金や健康保険の料金も自動的に支払っており、公共料金も引き落としで行っている人も多いはず。

 たしかに日本人の現金保有高は異常に高いとされている。消費財の購入の際の現金決済比率もそこそこ高い。災害時も意識して一定の現金保有をしていることも確かである。しかし、だからといってキャッシュレス決済が普及していないわけではない。

 災害時や停電時にも使える現金のありがたさ、現金の持つ匿名性なども知らずに意識されて、現金決済が残っている面もある。その現金決済を少しでもキャッシュレスに振り向けようとのキャンペーンのようではあるが、訪日観光客まで意識したものだとすれば、今後、日本でいったいどのようなキャッシュレス化を促進していきたいのかという具体的な姿も見えてこないのも事実である。


by nihonkokusai | 2019-03-15 10:11 | Comments(0)

日本経済のぬるま湯状態はいつまで続くのか

 米商務省が11日発表した1月の小売売上高は前月比0.2%増となった。12月が1.6%減(今回1.2%限から下方修正)と大きく落ち込んでいたが、そこから回復し、市場予想も上回っていた。昨年12月の減少は政府機関の閉鎖や季節要因が影響した可能性が高いとされており、米経済は引き続きしっかりとの見方もできなくもない。

 これに対して欧州や中国の昨年あたりからの景気減速は続いている。ドイツの1月の鉱工業生産指数は前月比0.8%低下と、予想外のマイナスとなった。自動車生産の落ち込みが響いたようであるが、ストライキが発生するなど特殊要因が影響したとの見方もある。

 それでもECBは今年の成長率を前回12月における1.7%から1.1%に大きく下方修正し、これを受けて年内に利上げを予定しないことをガイダンスで示し、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO3)を2019年9月に開始することも決定した。これらは政策変更ではないものの、より緩和的な姿勢を示したともいえる。

 FRBも年内利上げ観測を後退させ、保有資産の圧縮計画を早期に切り上げることも検討している。こちらも正常化にブレーキを掛け、緩和効果を醸し出そうとしている。

 国内の経済指標をみてみると内閣府が8日発表した2018年10~12月期GDP改定値は、物価変動を除いた実質で前期比0.5%増、年率換算では1.9%増となっていた。ただし、このプラスは前期の7~9月期に自然災害の影響で落ち込んだ反動が出た面もあることで、経済成長が力強さを欠く状況は変わらないとされている。

 内閣府は7日に発表した1月の景気動向指数では「下方への局面変化」があったと指摘しており、景気のピークは数か月前に過ぎ下り坂に入っていた可能性を示した(8日付東京新聞)。

 国内景気は欧州や中国の景気減速影響もあり、同様に減速傾向にある可能性が高い。そもそもが息の長い景気回復と呼ばれているものは、オリンピック需要などもあったろうが、世界経済の回復基調による影響が大きかったとみられる。

 日本では息の長い景気回復なか物価も抑制され、物価目標の達成はほぼ困難な状況となり、大胆な緩和策は継続せざるを得ない。国債の買入の量そのものは縮小させてはいるものの、マイナス金利は継続している。これは金融機関の体力をじりじりと奪っていることも確かであり、このため日銀としても副作用にも目を配らざるを得ない。

 日本経済のぬるま湯状態はいつまで続くのか。そして、日銀の異次元緩和もいつまで続けるのか。時間が何かを解決するというよりも、時間が日本経済や金融の潜在リスクをじわりじわりと高めているとの見方もできなくもない。


by nihonkokusai | 2019-03-13 09:31 | Comments(0)

2019年度の国債発行計画

 12月21日に2019年度予算が閣議決定され、2019年の国債発行計画も発表された。来年度の新規国債の発行額は今年度当初と比べて1兆324億円減らし、32兆6598億円となる。国債依存度は32.2%と2.3ポイント低下した。

 新規国債32兆6598億円の内訳は、建設国債が6兆9520億円、特例国債(赤字国債)が25兆7078億円となる。今年度当初に比べて建設国債は8580億円増となるが、特例国債は1兆8904億円減となる。

 復興債の発行は9284億円(今年度当初比279億円減)、財投債が12兆円(同変わらず)、借換債は103兆1404億円(同967億円減)となる。これによりトータルの国債発行総額は148兆7286億円となり、今年度当初の149兆8856億円からは1兆1570億円の減額となった。

 個人向け販売分は4兆7000億円(今年度当初比1兆4000億円増)、公的部門(日銀乗換)が2兆2000億円(同3000億円減)となり、この分を差し引くと国債の市中発行分は141兆8286億円(同2兆2570億円減)となる。さらに第2非価格競争入札等分の8兆5640億円(同640億円増)、前倒し発行などによる年度間調整分が3兆8646億円(同2兆4790億円)あり、カレンダーベースでの市中発行額は129兆4000億円と今年度当初の134兆2000億円に比べて、4兆8000億円減となる。

 この4兆8000億円の減額を受けて、カレンダーベースでの市中発行額は40年と30年は変わらず、20年は毎月1兆円が9000億円となり、年間で1.2兆円の減額となる。10年債も毎月2.2兆円が2.1兆円に減額されて年間1.2兆円減、5年債も2.0兆円が1.9兆円に減額されて年間1.2兆円減、2年債も2.1兆円が2.0兆円となって年間1.2兆円減。この4本とも1.2兆円減額されることで都合4兆8000億円の減額となる。

 カレンダーベースの平均償還年限は9年1か月と今年度当初と変わらずとなり、長期化に歯止めを掛けた格好となった。また来年度の前倒債の発行限度額は53兆円となり、今年度の55兆円から減額された。

 カレンダーベースでの市中発行額については、ほぼ予想通りであり、この発表を受けての市場への影響はほとんどなかった。この減額に伴い、日銀による国債買入額も今後、さらなる減少が予想されるが、これも市場はほぼ織り込み済みとみられる。

 確かに数字上は国債発行額が減少しているように見える。カレンダーベースの市中消化額の修正は前倒し分の修正を受けてのものであり、いずれにしても年間の国債発行額は150兆円近くなっている。新規財源債も減額はされたとはいえ32兆円台にある。本来であれば現在のように国債の安定消化が可能なうちに国債発行額を減少させるべきであるが、そのような動きはない。


by nihonkokusai | 2018-12-30 09:33 | Comments(0)

ほどよい米国の物価指数

 米労働省が11日発表した9月の消費者物価指数(CPJ)は前年同月比2.3%上昇となった。伸び率は前月から0.4ポイント下がり、市場予測も下回った。変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は2.2%上昇し、伸び率は前月から横ばいとなった(日経新聞電子版)。

 米国の消費者物価指数の前年同月比伸び率は6月と7月に前年比2.9%増となっていたが、8月は同2.7%増、9月が同2.3%と前年比の伸び率は縮小した。これはエネルギー価格が前月比0.5%低下したことによる影響が大きかった。また中古車価格が3.0%と大幅に下落したことも影響した。

 労働市場の逼迫を背景にした賃金上昇やトランプ政権による中国からの輸入品に対する追加関税が物価を押し上げる可能性が指摘されているが、足元の消費者物価指数を見る限り、それらによる影響はみられない。

 原油先物価格は10月に入り上昇してきたが、ここにきての米株の大幅な下落もあり、原油価格も下落しており、10月の消費者物価指数に与える原油価格の影響もそれほど大きくはなさそうである。

 いまのところ米国の消費者物価指数はまさに、ほどよい状況にあるといえよう。FRBの物価の目安はこの消費者物価指数ではなく、個人消費支出(PCE)デフレーターであるが、こちらも8月は2.2%上昇、コア指数も2.0%上昇とFRBの物価の目安近くにある。

 FRBは程良い物価に合わせての中立金利とされる3%あたりまでの政策金利の引き上げを目指している。

 今回の米国株式市場の大幅な調整と、それによる11月の中間選挙への影響を危惧してか、FRBの利上げに対してトランプ大統領からの風当たりが強まっている。しかし、政府の意向を組んで金融政策を変更するようなことは、FRBに関してはしてこないと思われる。


by nihonkokusai | 2018-10-13 10:55 | Comments(0)

日銀の柔軟化にる長期金利の上昇は一時的で、その後低下してしまったのは何故なのか

 日銀は7月31日の金融政策決定会合で「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決定した。タイトルは一見すると、さらなる緩和策に踏み込んだように見えなくもない。政策金利のフォワードガイダンスも導入した。

 31日の債券市場ではこれを受けて、先物主体にショートカバーの動きを強め、債券先物は150円80銭まで上昇し、引けは25銭高の150円69銭となった。10年債利回りも0.090%から0.045%に低下した。

 日銀が金融政策の柔軟化を検討していることが、7月20日の夜11時頃に時事通信やロイターが報じ、債券市場はこれを受けて臨戦態勢に入っていた。30日に10年債利回りは後場に入り10年債利回りが0.110%に上昇。これに対し日銀は指し値オペをオファー。このときの応札額・落札額は1兆6403億円もあった。

 31日の債券相場の反発はこのショートカバーとの見方もあったが、それよりも債券先物にHFTと呼ばれるAIなどを使った仕掛け的な買いが入った可能性が高い。AIが勘違いして追加緩和のように解釈したのであろう。

 8月1日には31日の日銀の調整はやはり柔軟化であろうとの認識も強まり、あらためて10年債利回りの上限を試すような動きとなった。10年債利回りは0.120%に上昇した。また、日銀の国債補完供給(国債売現先)の状況などからみて、30日の指し値オペ1.6兆円はその多くは空売り(ショート)とみられた。

 このため2日の10年国債入札は大きなショートカバーも入ったはずであったが、入札結果そのものはやや低調となった。このため10年債利回りは0.145%まで上昇。14時に日銀は指し値オペではなく、通じよう形式の臨時の国債買入をオファーしてきた。これは長期金利の上昇ピッチの速さに対応したとみられるが、結局、この日につけた10年債利回りの0.145%が直近で最高値となった。市場では日銀はこの水準で上昇を止めたいのではとの見方も出ていたが、あくまで少しブレーキを掛けたかっただけと想われる。

 その後の債券相場は値を戻す展開となり、10年債利回りは0.1%近辺でのもみあいとなっていた。債券先物は150円台を回復し、じりじりと買い戻された。この債券先物の買い戻しの要因としては、米国債の利回りが低下していたことが要因としては大きかった。

 米中貿易摩擦の拡大懸念やトルコリラの下落により、リスク回避の動きが起きており、それによって米国債が買い進まれ、円債もジリ高基調となっていた。13日に日本の10年債利回りは0.1%を割り込み、17日には0.085%まで低下した。

 債券市場の商いは次第に低迷し、27日の債券先物の日中値幅は3銭と6月28日以来の過去最低値幅となった。日銀は7月31日の金融政策決定会合で長期金利の操作目標を拡大させたものの、結局、それ以前の動かない相場に戻ってしまった格好となった。

 日銀の柔軟化に対しての債券の反応は一時的なものとなっていた。今後は円債に売り材料が出た際にあらためて日銀の長期金利のレンジを探ることも予想されるものの、当面は膠着感を強めることが予想される。


by nihonkokusai | 2018-09-03 09:57 | Comments(0)

今年は注目度の低いジャクソンホール

 FRBは16日、パウエル議長が8月24日にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムで講演すると発表した。変化する経済情勢における金融政策について講演するそうである(ロイター)。

 この記事を読んで、そういえばジャクソンホールの季節なのかと思い出した。というよりも、ジャクソンホールのことをすっかり忘れていた自分に驚いた。市場でもほとんど話題にならなかったこともあるが、市場における金融政策への関心度が、ここにきてかなり低下してしまったのであろうか。

 米国ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀主催のシンポジウムは、本来であれば市場参加者にとり大きな注目材料となる。

 ジャクソンホール (Jackson Hole) とはワイオミング州北西部に位置する谷のことを意味する。このシンポジウムには著名学者などとともに、日銀の黒田総裁など各国の中央銀行首脳が多数出席することで、金融関係者によるダボス会議のようなものとなっている。

 ロシア危機とヘッジファンド危機に見舞われた1998年に、当時のグリーンスパンFRB議長がこのカンザスシティ連銀主催のシンポジウムの合間に FRB理事や地区連銀総裁とひそかに接触し、その後の利下げの流れをつくったとされている。

 2010年8月27日にはバーナンキ議長(当時)がQE2を示唆する講演をジャクソンホールで行った。2014年8月22日のジャクソンホール会議でECBのドラギ総裁は、資産購入プログラムの導入を示唆したとされた。

 今年のカンザスシティ連銀主催のシンポジウムは8月23日から25日にかけて開催される。

 FRBに関しては、今年は年4回程度の利上げが予定されているが、その後の利上げについては限界があるとの見方も出ている。ECBも年内に資産買入は停止し、ある程度の期間を置いてから利上げを模索する。イングランド銀行も出口戦略をとしつつあるが慎重である。日銀は政策の柔軟化を決定した。

 むろん、市場もこれらの中央銀行の動向を無視しているわけではない。しかし、それ以上に米国と中国との貿易摩擦やトルコの状勢、英国のEU離脱、イタリアの政局などの動向の方が気掛かりとなり、リスクオフとリスクオンの相場が交互にやってくるような状況になっている。

 市場はその時々で注目すべき材料とその材料に対する比重が変化する。その変化を感覚で見極められるかどうかも市場での生き残るためには必要なものとなる。それにはある程度の経験の積み重ねが必要となり、それが勘として機能するようになれば、マーケットでサバイバルすることも可能となる。

 少し話しが逸れてしまったが、いまのところ注目度は低いとはいっても、8月23日から25日にかけて開催されるジャクソンホール会議が突如、注目されるかもしれない。念のためそこからの当局者からの発言内容についても注意する必要がある。もしかすると何かしらの示唆があるかもしれない。


by nihonkokusai | 2018-08-19 10:51 | Comments(0)

原油先物価格が3年7か月ぶりの高値をつけ、80ドルが視野に

 6月29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油先物相場は4日続伸となった。WTI先物8月限は70セント高の74.15ドルとなった。一時74.46ドルと期近物として約3年7か月ぶりの高値を連日で更新した。

 原油先物は5月21日に72ドル台に乗せ、2014年11月以来の高値をつけた。これは米国によるイラン制裁再開に加え、米国がベネズエラに対し制裁を発動する確率が高まったとの観測が影響した。これに対して主要産油国のサウジアラビアとロシアのエネルギー担当相が協調減産の緩和を巡り協議したことをきっかけに原油先物価格はいったん下落し、調整局面入りした。

 その減産協議が行われたのが6月22日のOPEC総会となった。OPEC総会では、昨年始めた協調減産を7月から弱めることで合意したものの、実際の増産は緩やかに進むとの見方が強まった。これを受けて22日の原油先物は大幅反発し、WTI先物8月限は前日比3.04ドル高の65.58ドルとなった。これをきっかけに原油先物は再び上昇基調を強めることになる。

 米政府がイラン産原油の輸入を停止するよう日本などに要求していることやカナダやリビアの減産懸念なども加わり、26日の原油先物も大きく上昇し、WTI先物7月限は2.45ドル高の70.53ドルとあっさりと70ドルの大台を回復した。

 27日には米国の原油在庫が約2年ぶりの大幅減となったことから原油先物は大幅続伸となり、WTI先物8月限は2014年以来の73ドル台に上昇した。

 イラン産原油の問題だけでなく、カナダのオイルサンド施設の操業停止が続いていることや、リビアの原油輸出が滞る可能性などもあり、需給の引き締まりも意識されている。これらが今回の原油価格の大幅反発の要因ではあるが、米国を中心に世界的な景気拡大が続いていることでの需要の強さも背景にあろう。

 WTIのチャートをみると2014年7月に100ドルを割り込んでから、2015年1月に50ドル割れとなるまで、ほぼ一本調子で下落した。2016年2月に26ドル台まで下落したところで底打ちとなり、そこからじりじりと値を戻している。このためチャート上からは90ドルあたりまでは節目らしい節目がない。ひとまず75ドルを抜いてくるのは時間の問題となり、80ドルが視野に入りつつある。

 米中の通商問題などを含め、トランプ政権の動向などが引き続きリスク要因となってはいるものの、原油先物価格の上昇圧力が再び強まりつつある。これによりガソリン価格の上昇などから物価にも影響を与えることが予想される。


by nihonkokusai | 2018-07-01 18:08 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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