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ほどよい米国の物価指数

 米労働省が11日発表した9月の消費者物価指数(CPJ)は前年同月比2.3%上昇となった。伸び率は前月から0.4ポイント下がり、市場予測も下回った。変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は2.2%上昇し、伸び率は前月から横ばいとなった(日経新聞電子版)。

 米国の消費者物価指数の前年同月比伸び率は6月と7月に前年比2.9%増となっていたが、8月は同2.7%増、9月が同2.3%と前年比の伸び率は縮小した。これはエネルギー価格が前月比0.5%低下したことによる影響が大きかった。また中古車価格が3.0%と大幅に下落したことも影響した。

 労働市場の逼迫を背景にした賃金上昇やトランプ政権による中国からの輸入品に対する追加関税が物価を押し上げる可能性が指摘されているが、足元の消費者物価指数を見る限り、それらによる影響はみられない。

 原油先物価格は10月に入り上昇してきたが、ここにきての米株の大幅な下落もあり、原油価格も下落しており、10月の消費者物価指数に与える原油価格の影響もそれほど大きくはなさそうである。

 いまのところ米国の消費者物価指数はまさに、ほどよい状況にあるといえよう。FRBの物価の目安はこの消費者物価指数ではなく、個人消費支出(PCE)デフレーターであるが、こちらも8月は2.2%上昇、コア指数も2.0%上昇とFRBの物価の目安近くにある。

 FRBは程良い物価に合わせての中立金利とされる3%あたりまでの政策金利の引き上げを目指している。

 今回の米国株式市場の大幅な調整と、それによる11月の中間選挙への影響を危惧してか、FRBの利上げに対してトランプ大統領からの風当たりが強まっている。しかし、政府の意向を組んで金融政策を変更するようなことは、FRBに関してはしてこないと思われる。


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by nihonkokusai | 2018-10-13 10:55 | Comments(0)

日銀の柔軟化にる長期金利の上昇は一時的で、その後低下してしまったのは何故なのか

 日銀は7月31日の金融政策決定会合で「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決定した。タイトルは一見すると、さらなる緩和策に踏み込んだように見えなくもない。政策金利のフォワードガイダンスも導入した。

 31日の債券市場ではこれを受けて、先物主体にショートカバーの動きを強め、債券先物は150円80銭まで上昇し、引けは25銭高の150円69銭となった。10年債利回りも0.090%から0.045%に低下した。

 日銀が金融政策の柔軟化を検討していることが、7月20日の夜11時頃に時事通信やロイターが報じ、債券市場はこれを受けて臨戦態勢に入っていた。30日に10年債利回りは後場に入り10年債利回りが0.110%に上昇。これに対し日銀は指し値オペをオファー。このときの応札額・落札額は1兆6403億円もあった。

 31日の債券相場の反発はこのショートカバーとの見方もあったが、それよりも債券先物にHFTと呼ばれるAIなどを使った仕掛け的な買いが入った可能性が高い。AIが勘違いして追加緩和のように解釈したのであろう。

 8月1日には31日の日銀の調整はやはり柔軟化であろうとの認識も強まり、あらためて10年債利回りの上限を試すような動きとなった。10年債利回りは0.120%に上昇した。また、日銀の国債補完供給(国債売現先)の状況などからみて、30日の指し値オペ1.6兆円はその多くは空売り(ショート)とみられた。

 このため2日の10年国債入札は大きなショートカバーも入ったはずであったが、入札結果そのものはやや低調となった。このため10年債利回りは0.145%まで上昇。14時に日銀は指し値オペではなく、通じよう形式の臨時の国債買入をオファーしてきた。これは長期金利の上昇ピッチの速さに対応したとみられるが、結局、この日につけた10年債利回りの0.145%が直近で最高値となった。市場では日銀はこの水準で上昇を止めたいのではとの見方も出ていたが、あくまで少しブレーキを掛けたかっただけと想われる。

 その後の債券相場は値を戻す展開となり、10年債利回りは0.1%近辺でのもみあいとなっていた。債券先物は150円台を回復し、じりじりと買い戻された。この債券先物の買い戻しの要因としては、米国債の利回りが低下していたことが要因としては大きかった。

 米中貿易摩擦の拡大懸念やトルコリラの下落により、リスク回避の動きが起きており、それによって米国債が買い進まれ、円債もジリ高基調となっていた。13日に日本の10年債利回りは0.1%を割り込み、17日には0.085%まで低下した。

 債券市場の商いは次第に低迷し、27日の債券先物の日中値幅は3銭と6月28日以来の過去最低値幅となった。日銀は7月31日の金融政策決定会合で長期金利の操作目標を拡大させたものの、結局、それ以前の動かない相場に戻ってしまった格好となった。

 日銀の柔軟化に対しての債券の反応は一時的なものとなっていた。今後は円債に売り材料が出た際にあらためて日銀の長期金利のレンジを探ることも予想されるものの、当面は膠着感を強めることが予想される。


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by nihonkokusai | 2018-09-03 09:57 | Comments(0)

今年は注目度の低いジャクソンホール

 FRBは16日、パウエル議長が8月24日にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムで講演すると発表した。変化する経済情勢における金融政策について講演するそうである(ロイター)。

 この記事を読んで、そういえばジャクソンホールの季節なのかと思い出した。というよりも、ジャクソンホールのことをすっかり忘れていた自分に驚いた。市場でもほとんど話題にならなかったこともあるが、市場における金融政策への関心度が、ここにきてかなり低下してしまったのであろうか。

 米国ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀主催のシンポジウムは、本来であれば市場参加者にとり大きな注目材料となる。

 ジャクソンホール (Jackson Hole) とはワイオミング州北西部に位置する谷のことを意味する。このシンポジウムには著名学者などとともに、日銀の黒田総裁など各国の中央銀行首脳が多数出席することで、金融関係者によるダボス会議のようなものとなっている。

 ロシア危機とヘッジファンド危機に見舞われた1998年に、当時のグリーンスパンFRB議長がこのカンザスシティ連銀主催のシンポジウムの合間に FRB理事や地区連銀総裁とひそかに接触し、その後の利下げの流れをつくったとされている。

 2010年8月27日にはバーナンキ議長(当時)がQE2を示唆する講演をジャクソンホールで行った。2014年8月22日のジャクソンホール会議でECBのドラギ総裁は、資産購入プログラムの導入を示唆したとされた。

 今年のカンザスシティ連銀主催のシンポジウムは8月23日から25日にかけて開催される。

 FRBに関しては、今年は年4回程度の利上げが予定されているが、その後の利上げについては限界があるとの見方も出ている。ECBも年内に資産買入は停止し、ある程度の期間を置いてから利上げを模索する。イングランド銀行も出口戦略をとしつつあるが慎重である。日銀は政策の柔軟化を決定した。

 むろん、市場もこれらの中央銀行の動向を無視しているわけではない。しかし、それ以上に米国と中国との貿易摩擦やトルコの状勢、英国のEU離脱、イタリアの政局などの動向の方が気掛かりとなり、リスクオフとリスクオンの相場が交互にやってくるような状況になっている。

 市場はその時々で注目すべき材料とその材料に対する比重が変化する。その変化を感覚で見極められるかどうかも市場での生き残るためには必要なものとなる。それにはある程度の経験の積み重ねが必要となり、それが勘として機能するようになれば、マーケットでサバイバルすることも可能となる。

 少し話しが逸れてしまったが、いまのところ注目度は低いとはいっても、8月23日から25日にかけて開催されるジャクソンホール会議が突如、注目されるかもしれない。念のためそこからの当局者からの発言内容についても注意する必要がある。もしかすると何かしらの示唆があるかもしれない。


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by nihonkokusai | 2018-08-19 10:51 | Comments(0)

原油先物価格が3年7か月ぶりの高値をつけ、80ドルが視野に

 6月29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所で原油先物相場は4日続伸となった。WTI先物8月限は70セント高の74.15ドルとなった。一時74.46ドルと期近物として約3年7か月ぶりの高値を連日で更新した。

 原油先物は5月21日に72ドル台に乗せ、2014年11月以来の高値をつけた。これは米国によるイラン制裁再開に加え、米国がベネズエラに対し制裁を発動する確率が高まったとの観測が影響した。これに対して主要産油国のサウジアラビアとロシアのエネルギー担当相が協調減産の緩和を巡り協議したことをきっかけに原油先物価格はいったん下落し、調整局面入りした。

 その減産協議が行われたのが6月22日のOPEC総会となった。OPEC総会では、昨年始めた協調減産を7月から弱めることで合意したものの、実際の増産は緩やかに進むとの見方が強まった。これを受けて22日の原油先物は大幅反発し、WTI先物8月限は前日比3.04ドル高の65.58ドルとなった。これをきっかけに原油先物は再び上昇基調を強めることになる。

 米政府がイラン産原油の輸入を停止するよう日本などに要求していることやカナダやリビアの減産懸念なども加わり、26日の原油先物も大きく上昇し、WTI先物7月限は2.45ドル高の70.53ドルとあっさりと70ドルの大台を回復した。

 27日には米国の原油在庫が約2年ぶりの大幅減となったことから原油先物は大幅続伸となり、WTI先物8月限は2014年以来の73ドル台に上昇した。

 イラン産原油の問題だけでなく、カナダのオイルサンド施設の操業停止が続いていることや、リビアの原油輸出が滞る可能性などもあり、需給の引き締まりも意識されている。これらが今回の原油価格の大幅反発の要因ではあるが、米国を中心に世界的な景気拡大が続いていることでの需要の強さも背景にあろう。

 WTIのチャートをみると2014年7月に100ドルを割り込んでから、2015年1月に50ドル割れとなるまで、ほぼ一本調子で下落した。2016年2月に26ドル台まで下落したところで底打ちとなり、そこからじりじりと値を戻している。このためチャート上からは90ドルあたりまでは節目らしい節目がない。ひとまず75ドルを抜いてくるのは時間の問題となり、80ドルが視野に入りつつある。

 米中の通商問題などを含め、トランプ政権の動向などが引き続きリスク要因となってはいるものの、原油先物価格の上昇圧力が再び強まりつつある。これによりガソリン価格の上昇などから物価にも影響を与えることが予想される。


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by nihonkokusai | 2018-07-01 18:08 | Comments(0)

日銀の政策委員からも国債市場の機能低下を危惧する声が。日銀はコミットメントよりも副作用を注視すべき

 日銀は6月14、15日に開催された金融政策決定会合における主な意見を公表した。このなかから「金融政策運営に関する意見」をみていきたい。

 「現在の金融市場調節方針のもとで、強力な金融緩和を粘り強く進めていくことが適当である。」

 との毎度の意見はさておき、

 「物価の伸び悩みの理由は、単純な需要不足とは考え難いことから、短期間で需要を無理に押し上げるような政策は適当ではない。現在の緩和的な金融環境を粘り強く維持していくことが 重要であり、そのためには、経済・金融環境に深刻な歪みが生じることがないよう注意しながら、持続性に十分配慮した政策運営がなされるべきである。」

 「短期間で需要を無理に押し上げるような政策」とはサプライズも意識した異次元緩和そのものを指しているようにもみえなくもないが、さらなる追加緩和については反対のようである。そして、注目すべきワードは「深刻な歪み」と「持続性」となる。いまの政策が持続不可能なほど深刻な歪みが生じるリスクを意識し始めたか。

 「金融機関では、保有有価証券の評価損益の悪化に加え、低収益店舗の減損リスクも生じてきている。金融政策の継続にあたっては、その効果と副作用の二つの時間軸を意識し、副作用が顕在化する前から対応を検討しておくことが必要となる。」

 こちらでは経済・金融環境に深刻な歪みとされるものが具体的に示されている。この危惧は時間の経過とともに強まっていく。

 「低金利が銀行経営の悪化を通じて金融仲介機能を低下させ、却って金融緩和効果を削ぐという議論がある。こうした金融仲介機能の中核は、預金を集めて返済可能性を考慮しながら貸し出すことであるが、国内銀行の平均預貸率は7割以下であり、残りは債券運用である。この点を考慮すれば、銀行の金融仲介機能にはそもそも改善の余地があるのではないか。」

 例によって「という議論がある」という発言をする方の意見であるが、これは金融政策決定会合という場の金融政策運営に関して発言すべき意見であるのであろうか。

 「足もとの国債市場では、米国金利等の動きに対する感応度が低下しているほか、新発債の業者間取引が不成立となる日もみられる。本来の市場機能をできるだけ維持する観点から市場調節を運営していくことが重要である。」

 日銀の長短金利操作付き量的・質的緩和の副作用の指摘であるが、どの委員による意見なのであろうか。佐藤委員と木内委員が任期を迎えたあとは、債券市場関係者は政策委員にはいない。これは債券村の住人はリフレ派の意見を理解していないためかどうかはしらないが、このようななかにあって、債券市場動向を気にしてくれる委員がいるのは心強い。日銀の国債買入について何らかの修正が入るかもしれないという期待をしても良いのであろうか。

 「ETFなどリスク性資産の買入れは、「物価安定の目標」を実現するための政策パッケージの一要素として行っているが、政策効果と考え得る副作用についてあらゆる角度から検討を続けるべきである。」

 こちらも副作用に関する指摘であり、ターゲットは国債ではなくETFなどリスク性資産の買入に関するものである。この環境下で日銀が株価を買い支える必要性はない。事前に市場にしっかり織り込ませるかたちで、ETFなどの買入は早めに停止すべきと個人的には思っている。

 「他の先進国では、2%程度の物価上昇が当然とされ、そのもとで3~4%程度の名目成長が達成されてきた。2%の「物価安定の目標」は、国際社会に対して日本が他国並みの名目成長を実現するという決意の表れである。」

 何を言っているのかわからない。

 「予想物価上昇率がなかなか上がらない現状を考えると、場合によっては、民間主体の期待形成に働きかけるべく、2%に向けたコミュニケーションと広い意味でのコミットメントを改善する工夫を講じることが望ましい。」

 広い意味でのコミットメントの改善とは具体的などのようなものなのかの説明がほしい。

 「足もとの物価上昇率が高まっていないため、予想物価上昇率も伸びにくくなっている。予想物価上昇率に働きかける追加的なコミットメントが必要である。」

 予想物価上昇率に働きかける追加的なコミットメントって何だろうか。

 「共同声明で謳われた政府・日本銀行のコミットメントに揺らぎがないと理解されることが大切である。」

 コミットメントと言う用語が乱発されており、どうやら日銀の金融政策は精神論に走りつつあるようにも思われるのだが。それよりも現実の副作用に目を向けたほうが良いと思う。


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by nihonkokusai | 2018-06-26 09:43 | Comments(0)

ドル円は110円の壁を突破できるのか

 外為市場での円の動きについては、ドルやユーロに対して円が買われた際を円高、反対に円が売られた際を円安と呼んでいる。ただし、例えば円安が進み、ドルは円に対して売られドル/円(以下、ドル円)は110円台をつけたとニュースなどでは報じられる。しかし、数字上からみると例えばドル円が109円80銭から110円台に上昇することを円安が進行すると表現することになり、数字の高い安いという方向性と言葉の表現が異なることになる。このため個人的には、円安ではあるものの、あくまで円に対するドルの価値として、ドル円は110円に上昇したとの表現を使っている。

 これについては債券の利回りと価格の表現も同様に混乱してしまうものではある。債券の場合は、利回りをベースに見ることになるため、債券は売られ10年債利回りは上昇したとの表現となる。このあたり、多少の慣れも必要なところとなる。それはさておき、ここにきてドル円が110円手前で足踏み状態にある。

 東京時間外でドル円は110円を超す場面はあったが、東京時間ではいまのところ110円は突破していない。だからといって、ここでドル円がピークアウトして、下落トレンドに転じたわけでもなく、109円台でのもみ合いとなっている。

 ドル円が動く理由としては、いろいろな要因が絡み合うが、為替を動かしている市場参加者がどの要因に比重を置いて見ているのかを捉える必要がある。政治なのか物価なのか、特定の経済指標なのか、中央銀行の動向なのか、株や債券の動きなのか。

 いまのドル円の動きをみると、とりあえず北朝鮮の問題はリスク回避からの状況から、その後巻き戻しに転じ、ドル円にとっての売り要因(円高)から、買い戻し(円安)の要因とされた。米朝首脳会談が大きなイベントとなるが、ドル円の買い戻しの動きはとりあえず一巡した可能性はある。

 ここにきてドル円を110円近くまで押し上げたのは、米国の長期金利の上昇による影響が大きい。日本の長期金利がほぼ固定されているので、米長期金利の上昇による日米金利格差の拡がりによってドル円も買われたとの見方ができる。その米長期金利が3%台に一時乗せたものの、3%が壁のようになり、いったん跳ね返され、ドル円も同様に110円が壁となったようにみえる。

 米長期金利の上昇の背景としては、FRBの正常化に伴う利上げもあるが、これは相当程度織り込んでおり、利上げが加速されるのかどうかが焦点となっている。いまのところFRBが利上げを急ぐような姿勢は見せていないが、市場は年4回の利上げを織り込みつつある。

 そして、注意すべきは原油価格の動向となるのではなかろうか。WTIは70ドル台に上昇し、この原油価格の上昇に伴う物価上昇観測が、ここにきての米長期金利の押し上げ要因のひとつとなっている。それがドル円の押し上げ要因ともなっていた。このため、このままWTIが70ドルを大きく超えて80ドル台に向けて上昇してくるとなれば、それをひとつのきっかけとして米長期金利が3%の壁を大きく抜けて、ドル円も110円の壁を大きく抜けて可能性が出てくる。


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by nihonkokusai | 2018-05-15 09:45 | Comments(0)

日銀の総裁副総裁人事が国会で承認

 16日に衆参両院の議院運営委員会は日銀正副総裁などの同意人事案を本会議で採決、日銀の正副総裁人事が国会で承認された。

 学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書書き換え問題で、国会が停滞し、日銀総裁と副総裁の国会同意人事にも影響が出ている可能性があった。副総裁の任期は3月19日まで、総裁の任期は4月8日までとなっている。もし国会での承認が4月8日以降まで得られないとなれば、日銀の総裁と副総裁が不在となり、その際の総裁代行は原田審議委員となるという事態もあり得た。

 しかし、野党側も国会の停滞で日銀の重要人事を採決させない事態が続けば、国民生活に影響を及ぼし、自らも世論の批判を浴びかねないとの判断から本会議開催を了承したようである(日経QUICKニュースより)。

 これにより3月20日に日銀副総裁として、若田部昌澄氏と雨宮正佳氏が就任する。4月9日から黒田総裁が続投となる。

 市場にとっては不透明要因がこれでひとつ後退したことになるが、それほど懸念材料視されていたわけでもない。次回の金融政策決定会合は4月26、27日の開催となることで、日銀の金融政策の決定に影響が出る可能性もそれほど高くはなかった。ただし、それまでに承認が遅れ、もし原田審議委員が議長となったら、とのような決定を下すのかというのも、恐いながらも見てみたい気がした。

 ただし、来週、アルゼンチンで開催される20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に麻生財務相が出席できない事態となり、、G20における日本の発言力の低下なども危惧されている。今回、日本からは黒田日銀総裁と木原稔副財務相が出席する。すでにG20での古株もなっている麻生氏の欠席による影響は大きいとみられる。


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by nihonkokusai | 2018-03-19 14:38 | Comments(0)

2017年の米国債保有高、中国が前年比で1265億ドル増と大きく増加

 今年1月に中国当局が米国債の購入縮小もしくは停止を検討していると報じられたが、その後、中国当局が米国債購入の縮小または停止を検討しているとの報道について、誤った情報に基づいている可能性があるとの見解を示した。

 中国の米国債保有に何かしら動きがあったのか。米財務省が2月15日に公表した米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)を確認してみたい。

 これによると、昨年12月の国別の米国債保有高のトップは引き続き中国となっている。昨年12月時点の中国の米国債保有額は1兆1849億ドルとなり、11月比では83億ドル増加していた。年末ということで前年比と比較すると1265億ドルの増加となっていた。

 これに対して今回も2位となっていた日本は昨年12月の米国債保有額は1兆615億ドルとなり、前月比では226億ドルの減少となっていた。前年比では293億ドルの減少となる。

単位、10億ドル、()内は前年比増減

中国(China, Mainland)1084.9、+126.5

日本(Japan)1061.5、-29.3

アイルランド(Ireland)326.5、+38.3

ケイマン諸島(Cayman Islands )269.9、+6.2

ブラジル(Brazil)256.8、-2.4

英国(United Kingdom)250.0、+32.8

スイス(Switzerland)249.6、+19.6

ルクセンブルグ(Luxembourg )217.6、-6.7

香港(Hong Kong)194.7、+3.3

台湾(Taiwan)180.9、-8.4

 この数字を見る限り、中国が政策的に米国債保有額を減少させているとは言えない。2月7日に中国人民銀行が発表した今年1月末の外貨準備高は216億ドル増の3兆1600億ドルとなった。中国の外貨準備は12か月連続で増加しており、その結果、米国債の保有高が増加しているともいえそうである。

 昨年5月までは米国債保有高のトップは日本となっていたが、昨年6月に中国に逆転されて、その差が広がっている。米国債相場は今年の1月以降は下落トレンド(米長期金利は上昇)となっており、日本などはさらに保有額を減少させてきた可能性がある。

 米国の2018会計年度(2017年10月~2018年9月)と2019会計年度の歳出上限は合計3千億ドル程度引き上げられた。これにより米国の債券市場では米国の財政への懸念に加え、FRBの米国債保有額の減少も加わっての需給への懸念も出てきている。

 今後の中国や日本の米国債投資のスタンスが米長期金利の動向に影響を与える可能性もある。今のところ米長期金利が3%を大きく超えてくることは考えづらいが、サブシナリオのひとつとして考えておく必要があるのかもしれない。


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by nihonkokusai | 2018-02-26 09:57 | Comments(0)

物価目標の呪縛から日銀を解き放つ必要も、見えない我々への負担も意識すべき

 新年早々の東京株式市場は米国主体にロケットスタートとなっており、日経平均株価があっさりと23000円台に乗せて、上げ幅を拡大させてきている。この背景にあるのは、世界的な景気の回復である。リーマン・ショックやギリシャ・ショックに代表される世界的な金融経済危機が終焉し、新たなステージに入ってきたとも言えよう。

 2度の世界的な金融経済危機に際して、日米欧の中央銀行は過去に例のない大規模な金融緩和策を講じてきた。米国の中央銀行であるFRBはすでに正常化に着手しているものの、それも極めて慎重に行っている。英国の中央銀行のイングランド銀行も同様であり、欧州中央銀行(ECB)も正常化に向けた動きは極めて慎重である。日銀は表面上は向きさえ変えていないものの、とりあえず追加緩和に目を向けることはなくなりつつある。

 いずれにしても日米欧の積極的な金融緩和策により、大量の資金が金融市場で渦巻いており、その資金が米国の株式市場に向けられ、日本の株式市場にも入り込んでいる。もしかすると今後はコモディティと呼ばれる商品にも向けられる可能性もあり、原油価格が思わぬ上昇となる可能性もないとはいえない。

 見方によればこの状況はバブルの様相に見えなくもない。しかし、特に日本をみると来年の新元号のスタートや2020年の東京でのオリンピック・パラリンピックの開催なども控え、国内景気がさらに拡大し、株価はこれから本格的に上昇トレンドを迎える可能性も十分にありうる。

 あまり楽観的な見方も禁物であり、北朝鮮の地政学的リスクや中東リスク、欧州の政治動向などリスク要因にも目を配る必要はある。しかし、2007年あたりから2012年あたりにかけての世界的な危機的状況が再来する可能性は極めて低いことも確かである。

 このような好環境にあって、実は景気そのものの足を引っ張りそうなのが、日銀の異次元緩和ではなかろうか。経済・物価動向に沿った金利水準を市場で形成させず、日銀が無理矢理金利を押さえ込む必然性がますます見えてこない。国民に金利を与えずその分が我々の負担ともなっており、結局、日銀の異次元緩和政策は膨大な債務を抱えた国の財政には貢献する格好となっている。この状態で本当に良いものなのか、我々がよく考える必要があろう。もし金利が動けば金融機関も資金運用がやりやすくなり、その結果収益が改善し、これが金融株の上昇要因となり、株価をさらに上昇させる要因にもなりうる。潤沢な資金を抱える企業も多く、金利の上昇は以前に比べてそれほどのマイナス要因にならない。

 もしかすると今年は順調に物価が上昇してくる可能性もありうる。そうなれば、日銀は2%という物価目標に固執せずに、柔軟に政策金利、つまり長短金利の目標水準を変更させ、それにより景気や物価に好影響を与えるようにすべきではなかろうか。非常時の対策を現在のような好況時まで続けるのは極めておかしい。その分の負担がどこかに掛かることになり、それが実は我々国民に掛かっていることも認識すべきである。そろそろ物価目標の呪縛から日銀を解き放つ必要がある。今年は意外にそのチャンスなのではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2018-01-07 11:13 | Comments(0)

もし原油先物が100ドル台回復となれば日銀の物価目標達成も?

 1月3日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は大幅反発となり、中心限月の2月限は前日比1.26ドル高の1バレル61.63ドルで引けた。中心限月ベースでは2014年12月初旬以来、約3年1か月ぶりの高値を付けた。この水準は新たなシェール掘削が正当化されるために必要とされる水準の61ドルを上回っているとされる。

 ここにきての原油価格の上昇は、米北東部を寒波が襲っているためにヒーティングオイルの需要が高まったことなどによる短期的な要因も背景にあるものの、世界的な景気拡大による需要増加などが大きな要因である。

 それだけでなく過剰供給の緩和も当然ながら背景にある。石油輸出国機構(OPEC)とOPEC非加盟国のロシアなどの主要産油国による協調減産の効果が出ている。また、イラクのルアイビ石油相が、世界の原油在庫が減少している一方で、中国とインドの需要が増加していることから、2018年に原油価格が上昇すると楽観視していると述べていた(ブルームバーグ)。

 WTI先物のチャートをみるとすでに4日に62ドル台を付けて、節目とされる2015年につけたの目先の高値を抜けてきた。ただし、原油の需要が急激に増加したわけではなく、ここにきてややショートカバー的な動きも出たとみられ、いったんはこの水準が目先高値となる可能性も高いとみている。

 それでも、もしこのまま原油先物の上昇基調が止まらないとなれば、次の節目は100ドルあたりまで特にない。チャートを見る限りにおいてWTIの100ドル台回復は十分ありうる。ただし、シェールオイルとの兼ね合いなどもあり、WTIが100ドル台を回復する理由はいまのところ見い出せない。それでも2017年12月の世界の製造業購買担当者景気指数(PMI)が、約7年ぶりの水準になるなど、さらに世界的に景気が拡大する可能性もあり、WTIの100ドル台回復が絶対にないとも言い切れないことも確かである。

 景気の回復とそれに伴う原油価格の上昇となれば、日本の物価にも当然影響が出てくる。日銀の物価目標である消費者物価指数(除く生鮮食料品)は、日銀の金融政策などよりも原油価格の影響を受けやすい。原油価格の上昇などを背景に11月の消費者物価指数(除く生鮮食料品)は、すでに前年比プラス0.9%まで上昇してきている。

 ちなみにWTIが100ドルを超えるとなれば2014年7月以来となる。2014年7月の日本の消費者物価指数(除く生鮮食料品)は前年比プラス1.3%、同じ年の4月に直近のピークとなる前年比1.5%をつけていた。これには急激な円安調整、さらにはこの年4月の消費増税を控えての駆け込み需要や便乗値上げなども影響していたことも確かである。

 ただし、今回は2017年のような原油価格の高止まり状態継続ではなく、100ドルに向けた上昇基調となれば、消費者物価指数(除く生鮮食料品)の「前年比」への影響はさらに大きくなる。円安などにはあまり期待はできないものの、世界経済の回復により国内景気も好調を持続し、雇用のタイト化などの物価上振れ可能性要因もあり、これによって日銀の物価目標が達成される可能性もないとは言い切れなくなってきている。。

 そうは言っても、いまのところWTIの100ドル台を正当化しうる材料も見当たらないため、あくまでこれはいまのところ初夢というか、仮定・想定の話ではある。ただし、この点だけは強調しておきたいが、もし仮に原油価格の上昇を背景に日銀の物価目標が達成されたとしても、日銀の異次元緩和が主要因ではない。


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by nihonkokusai | 2018-01-05 10:17 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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