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2018年 10月 09日 ( 2 )

日銀短観にみる日本経済の現状と先行き

日銀が10月1日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)では、ヘッドラインとして注目される大企業製造業DIがプラス19となり、前回6月のプラス21から悪化した。3四半期連続での悪化となり、先行きについてはプラス19と現状維持を見込んでいる。

 全産業でみてみると9月のDIはプラス15となり、6月のプラス16から悪化、先行きについてもプラス13とさらなる悪化を見込んでいる。

 原油先物価格はすでに4年ぶりの水準に上昇しており、この原油高による原材料の価格高騰による影響も出ているようである。さらには西日本豪雨や、台風21号による影響、北海道での地震などの自然災害による影響なども大きいとみられる。また、人手不足による影響もあろう。

 米国と中国を中心とした貿易摩擦への懸念も大きい。日本車を巡り、トランプ政権が検討していた追加関税は、日米が新たな通商協議入りすることで、ひとまず回避されたが懸念は残る。11月の米国の中間選挙に向けてトランプ政権が更に揺さぶりをかけてくる懸念もありうるか。

 ただし、注意すべきは日銀短観での事業計画の前提となっている想定為替レートが2018年度で107円40銭となっている点である。通常でも慎重に、実勢よりは円高においている数字ではあるが、ドル円は10月2日に114円台を回復しており、7円近く想定を上回っている。円安による日本経済への影響は昔ほどは大きくはないにしても、想定以上の円安による好影響を受ける可能性はありうる。

 さらに米国株式市場の動きをみると、米中の貿易摩擦が懸念されているにもかかわらず、上昇トレンドを形成していた。米トランプ政権の保護主義政策については、いまのところ米経済には大きな影響は与えていないとの見立てなのか。日本の企業経営者のほうがやや悲観的に見ているとの見方もできるかもしれない。

 短観の大企業製造業DIと日経平均株価はトレンドの変化が似たようなタイミングで起きることが良くある。しかし、今回は短観の数字と日経平均はトレンドとしては方向が異なっている。米国株式市場の上昇とドル円の上昇などを背景に、日経平均は約27年ぶりにバブル崩壊後の高値を更新した。

 果たして日銀短観の大企業製造業DIと日経平均のトレンドの違いはいずれどのように修正されていくのか。あまり楽観視はいけないかもしれないが、短観の数字がやや慎重すぎるのではないかと個人的には見ているのだが。


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by nihonkokusai | 2018-10-09 10:45 | 景気物価動向 | Comments(0)

9日から24時間365日「即時振込」のサービスが開始、それを可能にしたモアタイムシステムとは

 全国銀行協会(全銀協)は9日から、24時間365日いつでも他行口座にお金を即時に振り込める新システムを稼働させる。全銀協に加盟する全国の金融機関の約500行が参加する(毎日新聞)。

 我々は銀行などの窓口、もしくはATM、さらにネットを使って自分の口座のお金を他行の口座に振り込むことができる。これを可能にしているのが1973年4月に稼働した「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」である。全銀システムは国内の金融機関相互の内国為替取引をコンピュータと通信回線を用いてオンライン処理を行えるようにしたものであり、現在では銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合などのほとんど全ての民間金融機関を網羅している。

 ただし、このシステムには時間的な制限があった。各金融機関からのシステムへの接続時間は、民間金融機関の営業する営業日の日中のみとなっている。それ以降の時間帯や土日祝日の振り込みは翌営業日の朝8時30分になるまで振込処理は完了しない。

 これに不便を感じていた方は多いのではなかろうか。特に平日の15時30分~18時あたりまでのニーズは法人、個人を問わず高いとされている。さらにネット通販の普及などもあって即時入金のニーズは高まっている。

 そこで開発されたのが「モアタイムシステム」と呼ばれるものである。全銀システムを運営している一般社団法人全国銀行資金決済ネットワークが、全銀システムの「現行の稼動時間帯」(平日8時30分~15時30分、12月を除く月末営業日7時30分~16時30分)以外の時間帯をカバーするために本体システムとは別に構築した新たなサブシステムである。

 これにより「平日夕方~朝」と「土日祝日」の他行宛振込のリアルタイム着金を可能とし、24時間365日の即時振込のサービスが可能となる。

 これが9日の15時30分から開始されるのだが、注意点もある。新たに拡大する時間帯において、リアルタイム着金が可能となるのは、我々が振込を依頼する銀行と振込先の銀行の双方が、振込を依頼された時間にモアタイムシステムに接続している場合となる。

 9日からモアタイムシステムに参加するのは大手や地方、ネット系銀行、信用金庫、信用組合などとなるが、全銀システムに参加しているすべての金融機関ではない点にも注意が必要となる。

 「準備が整った三菱UFJ銀行や三井住友銀行など一部で24時間365日即時振り込みが実現する。他の地方銀行などは準備が整うまで受付時間を夜間に延長するなどして対応する。みずほ銀行は自行システムの更新作業中で当面参加を見送る。」(毎日新聞)

 参加する金融機関とその稼働時間は下記の「全国銀行資金決済ネットワーク」のサイトで確認することができる。また、企業などで平日にのみ入金されることを想定している場合に業務の見直しが必要となることなどの注意点については「全銀システム稼動時間拡大に係る周知・広報用チラシ」の内容なども確認していただきたい。

「モアタイムシステム参加金融機関の全銀システムの接続予定時間一覧」

(参考)全銀システム稼動時間拡大に係る周知・広報用チラシ]

 振り込みの24時間365日化は英国など各国で導入され、携帯電話の番号を入力するだけで決済できるサービスなどキャッシュレス化を促している(毎日新聞)。日本でもこのシステムの稼働がキャッシュレス化の促進を促すための基盤のひとつとなる可能性がある。


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by nihonkokusai | 2018-10-09 09:17 | 金融 | Comments(0)
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