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2011年 11月 07日 ( 2 )

牛熊ゼミナール金融の歴史第28回 日本国債のルーツの御用金

 江戸時代には江戸や大阪の商人から半ば強制的に御用金と呼ばれるものを徴収していました。御用金とは幕府が慢性的な財源不足や臨時の支出を補填するために発令したもので、江戸や大阪の商人などから半ば強制的に金銀を徴収していたものです。利子付きであり、元金返済を前提としているので強制的な「公債」という性格を持っていました。その利子も年利2~3%という超低利であり、現在の国債と同様のものとなっていました。

 1761年大坂の商人205名に対し170万両を命じたのが最初です。当初は大坂や江戸の豪商に対して課せられたものでしたが、その後は堺、兵庫、西宮などの富裕町人、さらには一般町人や農村の富裕層にも命じられるようになりました。幕末に近づくほど頻繁に発令されました。特に1866年第2次幕長戦争の際には、大坂・兵庫・西宮の商人に700万両の御用金が指定されました。ただし、利子がしっかり支払われたのは最初の数年間のみで、幕末になるにつれ、利子はもちろん元金もほとんど償還されなくなっていったようです。 明治政府も当初、財政確保のためしばしば御用金を課したのですが1869年に廃止され、国債制度に切り替えられたのです。

 牛熊ゼミナール金融の歴史は今回で第28回目を迎え、これにて中世・近世における金融(日本編)が終了です。これで掲載予定のもののおおよそ半分が終了しました。次回からは、再び海外に目を向け、時代も近代へと移ります。もしよろしければ牛熊ゼミナール金融の歴史のご感想などいただけるとうれしいです。


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by nihonkokusai | 2011-11-07 18:08 | 金融の歴史 | Comments(0)

ロゴフ教授の予見

 10月27日にハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は講演で、「基本的にこれまでと大差ないと私は感じた。数か月の時間をどう稼ぐかを考え出しただけだ」と述べたと伝えられた。これは26日の長時間にわたる協議の末に、やっとのことでまとめたギリシャの債務問題に対する包括戦略への感想であった。さらにロゴフ教授は市場の動きについて、「市場はまだ生きていると喝采を受けたというのが、私の解釈だ」と述べ、「かなり短期間のうちにも疑念は再び広がり始めるだろう」と予想した。

 ロゴフ教授といえば、カーメン・ラインハート教授とともに「国家は破綻する」、原題「This time is different」という著書を出版していることでも知られている。2001年から2003年までIMFの経済担当顧問兼調査局長を務めた。そのロゴフ教授は、米大手金融機関の破綻をリーマン・ショック前に予見していた。その後、政府が経済を守ろうとして銀行を救済すると、今度は公的部門がダメージを受けると指摘し、今回の欧州の債務問題も予見していたことでも知られる。

 このように予言めいたものを的中させ、それが評判になり一躍、時の人となってしまうと、次の予言が的外れなものとなってしまうことはよく見かけることである。実は10月27日のロゴフ教授のコメントを見たときも、これが頭の中を過ぎった。

 ところが今回もロゴフ教授の予見はとりあえず的中してしまう。ギリシャのパパンドレウ首相は31日に突然、ヨーロッパ連合が合意したギリシャの債務削減などを柱とする信用不安への包括戦略について、それを受け入れるかどうか国民投票を行うという考えを示し、欧州の債務問題は振り出しどころか、さらに事態を悪化させかねないような状況に陥りさせたのである。

 ロゴフ教授は、27日にギリシャは今後10年以内に少なくとも80%程度の確率でユーロ圏を離脱するとの見方を示したそうであるが、今年初めには欧州連合(EU)と国際通貨基金の救済を受けた後も、ギリシャのデフォルトの可能性を指摘しており、ギリシャのユーロ離脱についても以前から指摘していた。

 今後もこのロゴフ教授の予見が的中するかどうかはわからない。ロゴフ教授の予見の背景には、過去の国のデフォルト事例を膨大なデータを元にしてまとめ、それが拠り所となっている点にも注意しておく必要がある。

 過去の金融の歴史を見る限り、今回のリーマン・ショックという金融危機が起こりえることは予見できた。それは例が適切かどうかはわからないが、過去の大地震の痕跡を辿れば、3・11のような巨大地震が起きることは予見できた(時期の予見は難しいにせよ)。さらに、それによる津波の被害、つまりリーマン・ショック後のギリシャ・ショックも歴史をたどれば予見ができたということになろうか。

 ロゴフ教授は下記のような発言もしている。巨額の財政赤字を抱えた国民としては無視してはいけない警告であろう。

「日本の状況はさらに悪く、その比率は200%を超えている。しかも日本は、巨額の災害復興費用の負担だけでなく、人口減少にも直面している。これらの問題に対する簡単な解決策は見当たらない。当面、低金利で債務返済の増加は抑制されている。しかし、債務は長期にわたって徐々に削減することしかできないが、インフレ調整後の実質金利は急激に上昇する可能性がある。債務危機は晴天の霹靂(へきれき)のごとく襲ってくるのだ。債務が増加している国には、想定外の事態悪化に対応するだけの余裕はなく、金利上昇の影響が直撃することになるだろう」(2011年6月7日の東洋経済オンラインの記事より引用)


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by nihonkokusai | 2011-11-07 08:24 | Comments(0)
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