牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

2011年 07月 13日 ( 2 )

CPI基準年改定による影響は大きなものに

 日銀は本日の金融政策決定会合で、4月に発表した展望レポートの中間評価(中間レビュー)を行うが、その際に東日本大震災の影響により、2011年度の「実質GDP」は4月見通しのプラス0.6%から下方修正されるとみられる。

 しかし、消費者物価指数(除く生鮮)の見込みについては、大きな修正はないとみられる。4月時点での消費者物価指数(除く生鮮)は前年比プラス0.7%の見込みである。ただし、これは現行の2005年基準の指数をベースにしている数値である。

 来月8月26日に発表される7月の全国消費者物価指数からは、基準年が現行の2005年から2010年に改定される。前回の2000年から2005年の改定の際と同様に0.5%近辺下方修正されるのではないかとみられていたが、その修正幅が大きくなる可能性が出てきた。

 先週7月8日に、総務省は「平成22基準 消費者物価指数ウエイト」を発表したが、これによるとエコポイントや地デジ化にともない販売額が伸び、さらに価格低下の大きな液晶テレビの影響が大きくなるため、当初想定されていた0.5%近辺のマイナス修正が、0.8%近辺のマイナス修正となる可能性が強まった。

 そうなれば展望レポートのCPI予測が基準年の変更による要因を含まずにプラス0.7%となっているだけに、マイナス0.8%近辺の修正が入れば結局、マイナス圏となる可能性がある。

 基準年の変更によるマイナスは、エコポイントなどの特殊要因も絡んだものであり、これを持ってデフレからの脱却が余計困難になると結論づけるわけにはいかないものの、なかなか物価が上昇しにくい環境が続いていることは明らかである。

 日銀は4月の展望レポートの際には、「中長期的な物価安定の理解」に基づいて物価の安定が展望できる情勢になったと判断されるにはなお時間を要するとしているが、基準年の変更によりさらに時間が必要となる可能性が高まる。

 つまり、それは現在のゼロ金利政策を続ける時間軸をさらに長期化させることとなり、これは長期金利にとり低位安定させるひとつの要因とはなろう。

 もちろん、現在の物価を取り巻く環境に大きく変化が生じないとの前提の上での見方であり、今後、資源価格の高騰といった状況などが発生すれば状況が変わる可能性はある。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
価格は税込で月額1050円です。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-07-13 11:25 | 景気物価動向 | Comments(0)

債券や国債に対する認知度

 ある程度、専門に特化してしまうとその仲間内では通じることも、外部の人が聞くと何を言っているのかわからないことがある。福島原発の事故による放射性物質の拡散についても、たとえばマイクロシーベルトといった専門用語が何を示しているのかすらさえ当初はわからないような状況にあった。

 専門用語は専門家が理解できれば通常は済むものである。専門外の人はよほどの好奇心からか、もしくは何かの必要に迫られでもしなければ、その専門知識は必要にはならない。

 それぞれの分野に精通してそれを解説する専門家が存在する。債券関係で言えば、ストラテジスト、アナリスト、エコノミストと言われる人たちであるが、その解説する対象は一般向けというよりも、その専門家向けである。

 専門分野を必要に応じて一般向けに解説しているのは、これらの専門家の話を聞いて伝えるマスコミとなるが、よほど世間で騒がれるようなことがない限り、専門的な話をマスコミが取り上げることはない。

 つまり、たとえば金融市場にあって、世間一般が注目する株式市場や外為市場の動きは、それなりに解説されることはあっても、債券や国債については原発事故前の原子力関係の知識のように、世間一般からはあまり関心をもたれるものではない。

 特に債券に関しては、その市場が存在していることすらあまり認知されていないように思われる。日本国債が暴落するとか、格下げで海外投資家が国債を売ると漠然と考えていても、それがどこでどのように売られるのかを具体的にイメージしているわけではないのではなかろうか。

 海外投資家といってもいったい誰なのか。そもそも国債暴落とはどのようなことを指すのか。それ以前に、どのような理由で国債価格が上げ下げしているのか、それすら理解せずに、国債は全く問題がないとか、国債は危険だとかを、あまり市場そのものを知らない人たちが騒ぎ立てていることも多い。

 国債のリスクも原発のリスクも、それぞれ極論が先走ってしまっている感もあるが、それを一番良く理解しているのは現場にいる人達のはずである。債券についても市場の動き、またそのリスクを一番理解しているのは、日々その売買に携わっている人たちであろう。

 現在は確かに世間一般からの債券や国債に対する認知度は低いと思う。しかし、原発のリスクが福島原発の事故で明らかになり、また国の財政に対するリスクがギリシャ・ショックなどで明らかになるなど、いずれ日本国債のリスクが何かのきっかけで顕在化する可能性がある。

 それに備えておくためには、ある程度、基礎的な債券市場そのものの知識も得て置く必要もあるのではなかろうか。デフレ解消のために国債をどんどん発行して日銀に引受させてでも、物価を上昇させれば日本経済は回復すると説く人たちがいる。しかし、その人達には巨額の国債を発行するためにどれだけ神経が使われているのか。何故、それが安定消化されているのか、そういった根本的な理解が欠如していると思う。そのような意見に惑わされず、冷静な見方をするためにも、世間一般における債券や国債に対する認知度を少しでも高められればと思っている。


*** 「牛さん熊さんの本日の債券」メルマガ配信のお知らせ ***

「牛さん熊さんの本日の債券」をメルマガで配信しております。
登録申込当月分の1か月は無料でお読み頂けます。
価格は税込で月額1050円です。ご登録はこちらからお願いいたします。
http://www.mag2.com/m/0001185491.html
[PR]
by nihonkokusai | 2011-07-13 11:22 | 国債 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー