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2011年 05月 30日 ( 1 )

プラスに浮上したCPIの今後の動向

 総務省が27日に発表した4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)は前年比プラス0.6%となり、2008年12月以来2年4か月ぶりにプラス転換した。ただし、市場予想もプラス0.6%であり、これは想定されたとおりのものであった。

 3月のコアCPIは同年同月比でマイナス0.1%であったのが、何故プラスに転じたのかといえば、4月分からは公立高校授業料無料化の影響が剥落したためである。実際に授業料無償化の影響を除けば、上昇幅はゼロ程度となっていた。

 今後のCPIの動向について注意しなければいけないのが、消費者物価指数の基準年の変更による影響である。2005年から2010年への基準年の変更は、今年の夏に行われ、8月に発表される7月分からは2010年基準が公表される。

 一般に消費者物価指数の前年比は、基準年から先に進むほど実勢よりも強めに算出されやすく、こうした統計上の歪みは、基準改定の際に修正される傾向があると言われる。つまり、夏の基準改定で、消費者物価指数の前年比が下方に改定される可能性が高い。

 2006年8月の消費者物価指数の基準年の変更に結果的には0.4%から0.5%の下方修正が行われた。今回も同様の下方修正が予想され、その結果、他の大きな変動要因がなければ、ゼロに近いものの若干のプラスとなることが予想される。さらに10月からタバコの増税によるプラス寄与が剥落してさらに0.2%下方シフトするため、再びマイナスに陥ることも想定される。

 今後については日銀の展望レポートで次のような記述もある。

 「先行きの物価を巡る環境を展望すると、個別の財やサービス市場では、震災の影響による供給制約が、ボトルネック状況などにつながり、これが物価上昇圧力となる可能性はあるものの、マクロ的な需給バランスは、震災の影響により供給面での制約が厳しくなると同時に、需要も減退するとみられるため、その変動については、短期的には不確実性が高い」

 やや長い目でみれば、景気が緩やかな回復経路に復していくに従って、マクロ的な需給バランスは徐々に改善していくと考えられ、その結果、中長期的な予想物価上昇率は、安定的に推移すると想定しているようである。ただし、原油価格の動向など国際商品市況の動きには注意しておく必要もある。

 その結果、政策委員の大勢見通しは2011年度でプラス0.7%、2012年度でもプラス0.7%となっている。この見通しについては公立高校授業料無料化の影響は除いており、さらに現行の 2005年基準の指数をベースにしている点に注意したい。つまり、2010年基準で見れば、若干のプラスとの予想とみられる。

 このように消費者物価指数については、震災の影響、商品市況の影響などにより若干の変動はあるとみられるが、総じてゼロ近傍での推移となることが予想される。日銀による「中長期的な物価安定の理解」においては「消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、中心は1%程度である。」としており、1%に届くにはかなりの時間を要することも予想され、現在の実質ゼロ金利政策は今年から来年にかけても継続されることが、これからも予想される。


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by nihonkokusai | 2011-05-30 11:25 | 景気物価動向 | Comments(0)
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