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2010年 08月 24日 ( 3 )

「財務相会見で円高が進行した理由」

本日、外為市場では午後4時過ぎに、ドル円が84.72円を下回り、15年ぶりの安値を更新した。この円高進行を受けて、野田財務相は午後5時に記者会見を開き、「為替相場の過度な変動、無秩序な動きは経済に悪影響がある。細心の注意が必要」とし、「マーケットの動きには重大な関心をもって極めて注意深く見守っていく」と述べたそうである(ロイター)。

そして、政府としての政策対応については「マーケット動向を重大な関心をもってウオッチしていくことが肝要」と述べ、為替介入については「コメントしない」とこれまで通りの発言を繰り返した(ロイター)。

この発言を受けて、外為市場ではさらに円買いが進行し、5時10分頃にドル円は84円16銭近辺まで円高ドル安が進行した。財務相がわざわざ会見を開く以上は、何かしらの円高対策についてのコメントがあるのではないかとの期待というか警戒があったが、結局、肩透かしに会い円高を加速させることとなった。

何もしないよりも、少なくとも財務相は関心をもって市場の行方をチェックしていることを伝えることで、市場にインパクトを与えることが可能との認識での会見であったのであろうか。それならば無理に開くよりも、財務相のコメントを手短に市場に伝えるだけで十分である。わざわざ記者会見という場を設けたにも関わらず、従来の発言の繰り返しではむしろ市場の失望を招くだけである。

民主党の代表選や来年度予算に絡んで、政府が動きにくい状況にあることは確かである。さらに為替介入についても欧米との協調介入は難しく、単独介入ではむしろ円高を促進させる結果ともなりかねない。

もし会見を開くのならば、市場に向けてのアナウンスメント効果をかなり意識しての発言内容とすべきである。そのあたりのさじ加減は難しいものがあるが、日本の足元経済やデフレの状況をあらためて強調し、ドルやユーロに対して円の強さの背景には具体的な根拠が乏しいことなどを力説するという手もあるのではないか。

また、日銀との連携についても自ら進んで水面下で接触し、形式的なものだけでなく実際にも協力している姿勢を見せる必要があるのではなかろうか。
by nihonkokusai | 2010-08-24 19:01 | 景気物価動向

「動きの取れない政府と動きを見せない日銀と」

8月23日にも菅総理と白川日銀総裁が会談すると伝えられ、これが昨年12月1日の臨時の決定会合を連想させた。18日から20日にかけては、連日、日銀による臨時の金融政策決定会合開催の噂が出ており、市場は追加緩和を期待しての動きを見せた。

しかし、この会談は先送りされ、その代わりに24日にわずか15分間の電話会談が実施された。ここで気になるのは、何故、直接会って話をしなかったのか、という点である。時事通信によると会談先送りの検討理由は「独立性を持つ日銀の金融政策に政府が介入するような印象を避けるため」だそうである。

仙谷官房長官は「この段階では電話で話すことが最も適切」とコメントした。何故、直接会わずに電話で話すほうが適切なのか。市場に余計な期待感を持たせるべきでないとしたのか。それとも、この段階でトップ会談を行っても、なんや具体的な対策を出すことが難しいと判断したためなのか。

実際に民主党は代表選を控え、さらに2011年度予算の概算要求基準の締め切りを今月末に控えていることもあり、与党内部での追加経済対策の策定にもおぼつかない状況にある。 また、これで日銀が早期に追加緩和に動く可能性が後退したことも確かであろう。昨年12月1日の臨時の決定会合を開催した際の状況とは異なっており、日銀は今回、政府とやや距離を置く姿勢を見せているようにも思われる。

日銀が動くのは9月6日から7日にかけての金融政策決定会合かとの観測が強まりつつあるが、日銀からは今回の円高やそれに影響を受けての株安については、具体的なメッセージが出てきておらず、次回の会合で追加緩和が実施されるかどうかも不透明である。

海外市場ではドイツのウェーバー連銀総裁が「年末まで無制限の資金供給を維持すべき」と述べたことで、ユーロ売りが強まった。欧米での自国通貨安のための誘導策はあの手この手で行われている。通貨安競争の中にあり、日本の政府・日銀が連携も取れないと市場で見透かされると今後は円高圧力がさらに強まる可能性がある。 欧米ではバーナンキFRB議長や今回のウェーバー総裁のように中銀関係者による発言により、為替市場が反応してくることも多い。ここにきて沈黙を保っている日銀首脳も何らかの手を使う必要があるのではないか。

為替介入などの実力行使や追加の緩和策だけがその手段ではなく、日銀総裁による発言でもアナウンスメント効果により、市場に影響を与えることができるはずである。市場のセンチメントを意識して、それに働きかけることも重要ではなかろうか。
by nihonkokusai | 2010-08-24 10:50 | 日銀

「2003年の債券急落のターニングポイントは20年国債入札」

2003年6月の債券相場の急落におけるターニングポイントは20年国債の入札にあった。本日も20年国債の入札が実施される。ここにきての債券相場の上昇により、中期から超長期にかけての利回りが2003年の水準にまで低下しており、2003年6月の債券急落と同様のことが起こりうるのではとの懸念もある。

本日入札される20年国債の利率は1.6%と予想され、2003年6月17日に実施された20年国債の利率0.8%の倍ともなっていることで、まだ懸念すべき水準にあるとは思えない。ただし、この1.6%の利率はその2003年6月以来の低水準ではある。さらに、10年債利回りがすでに1%を割り込んでおり、いずれ危険水域に接近しつつある。当時と同じことがいずれ繰り返されるとも限らないことで、2003年6月17日の債券相場の様子を、当時の私の書いたコラムから再確認してみたい。

2003年6月17日の債券相場の下落は当初中期主体であった。このため銀行の中期売りがきっかけかとも言われたが、銀行が何故、このタイミングで売ったのか。それは20年国債の入札時の投資家層の変化を嗅ぎ取っていたためとも思われた。利率が0.8%と1%を割り込んでいたが、入札への懸念はまったくといってよいほどなかった。実際に落札結果も悪くない。

ところが、その20年の買い手が様変わりしていたのである。業者も在庫を抱えた。しかしセカンダリーの買いも見えない。肝心の投資家の姿が消えた。なれない超長期を買い込んでしまった投資家もいたと思われる。こうなるとあとは崩れるのを待つだけとなってしまう。債券のベンチマークとなっている先物が売られたことで、不安感が広がり、業者も致し方なくヘッジ売りを入れるが、下げがとまらない。結果としては手持ちの超長期をどこがいつどのタイミングで外しにかかるのかというだけとなってしまった。

いったん売りが出れば、売りが売りを呼ぶ。押し目買いも入るが、こういった動きの際の押し目買いはリスクが高い。これまでの上昇相場がやや異常とみれば、その上げ始めの時点あたりまで下げることは十分に考えられる。それが20年の1%台であったり、先物の142円40銭近辺であったりする。今日はその水準すら大きく割り込んでしまった。先物はストップ安近くまで下げた。しかし、この下げは過熱相場の反動であり、大きな材料があったわけではない。ただし、株価を見る限り大きな流れの変化の可能性も無視はできない。この下げの足を見る限りにおいて、日本の長期金利は底を打ったと見てもおかしくはない。それぐらいインパクトのある下落であった。
by nihonkokusai | 2010-08-24 09:12 | 債券市場
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