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2010年 08月 10日 ( 2 )

「渡辺氏、日銀総裁に公開討論を求める」

ロイターによると、日銀が本日現状の金融政策を維持することを決めたことをめぐり、中川秀直、山本幸三、渡辺喜美衆議院議員は3氏の連名で、日銀の白川方明総裁に対し、早急に公開討論会を設定するよう求める文書を送付したそうである。

この3人の政治家は所属政党は自民党とみんなの党に分かれているものの、現状の日銀の金融政策については批判的な意見を繰り返し述べている。ある意味、アンチ日銀の急先鋒とも言える。この3人が所属政党を乗り越えて、手を結んだことには今後の政局の流れにも微妙な影響を与えそうである。

同文書では、3氏は「わが国経済の置かれた環境を一顧だにしない無策と判断している」と批判し、その上で「(討論会の)日時、形式は日銀の意向を尊重する。遅くとも、次回の政策決定会合までには必ず開いていただきたい」としている。

3氏は、文書を通じて「物価上昇率は依然としてマイナスのままであり、デフレ脱却の気配はみえない。こうした状況を打開するためには、CPI上昇率2%程度の物価安定目標を設定し、その達成のために20兆円規模の量的緩和が必要」と主張している。

白川総裁も以前に指摘していたように、ある意味時代遅れのインフレターゲット論者による強行意見とも言える。デフレの責任を日銀に押し付け、その効果が疑問視されている量的緩和策の再導入を提案している。20兆円の数字にどのように理由があるのか。そもそもそれでどのように物価上昇に波及そせられるのか。その意味では確かにその公開討論は面白いかもしれない。理論武装では日銀にはかなうまい。しかも、相手が「現場」とともに金融理論に精通している白川総裁である。白川総裁はここはいつものおとなしいスタイルを改め、真正面でこの3人とぶつかり合ってほしい。日銀法改正まで言及している渡辺氏だが、その意見が本当に正しいのか、この公開討論をみた国民があらためて判断を下してきるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2010-08-10 15:43 | 日銀 | Comments(2)

「金融政策は現状維持、景気認識はほとんど変化なし」

9日から10日にかけて開催された日銀の金融政策決定会合の結果は、全員一致で政策金利の現状維持を決定した。同じ日に開催される米FOMCで追加緩和策が決定されるのではとの思惑も手伝い、もしFRBが追加緩和を行ない日銀が現状維持となった際に、円高ドル安の進行などを懸念する声もあった。しかし、前回の7月15日から今回らかけて確かに円高は進行してはいるが、経済実態については大きく後退したような気配はなく、むしろ政策変更を行うこと自体に無理があったように思われる。これは米国も同様であり、政策変更をFRBが行うとするならば何を根拠に行うのであろうか。

それはさておき、それでは今回の日銀の決定会合での発表分と前回7月15日のものを比較してみたい。

(今回)わが国の景気は、海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある。すなわち、新興国経済の高成長や世界的な情報関連財需要の拡大などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。設備投資は持ち直しに転じつつある。雇用・所得環境は引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。そうしたもとで、個人消費は持ち直し基調を続けている。公共投資は減少している。この間、金融環境をみると、緩和方向の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和状態にあるもとで下落しているが、基調的にみると下落幅は縮小を続けている。

(前回)わが国の景気は、海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある。すなわち、新興国経済の高成長や世界的な情報関連財需要の拡大などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。企業収益や企業の業況感は引き続き改善しており、設備投資は持ち直しに転じつつある。雇用・所得環境は引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる。そうしたもとで、個人消費は持ち直し基調を続けている。公共投資は減少している。この間、金融環境をみると、緩和方向の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和状態にあるもとで下落しているが、基調的にみると下落幅は縮小を続けている。

もちろん、お盆休みを控えて日銀の担当者が手を抜いたわけではないと思うが、前回は短観発表後であったことで、設備投資について「企業収益や企業の業況感は引き続き改善しており、」という文面があったことを除けば、全く変化はない。

(今回)先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、回復傾向を辿るとみられる。物価面では、中長期的な予想物価上昇率が安定的に推移するとの想定のもと、マクロ的な需給バランスが徐々に改善することなどから、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小していくと考えられる。

(前回)先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、回復傾向を辿るとみられる。物価面では、中長期的な予想物価上昇率が安定的に推移するとの想定のもと、マクロ的な需給バランスが徐々に改善することなどから、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小していくと考えられる。

比較する意味すらない。まさにコピペとも言える。それだけ経済の見通しにも変化はなかったと言うことであろう。

(今回)リスク要因をみると、景気については、新興国・資源国の経済の更なる強まりなど上振れ要因がある。一方で、国際金融面での動きなど下振れリスクもある。この点、一部欧州諸国における財政・金融状況を巡る動きなどが、国際金融資本市場の動きを通じて内外の経済に与える影響に注意する必要がある。物価面では、新興国・資源国の高成長を背景とした資源価格の上昇によって、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。

(前回)リスク要因をみると、景気については、新興国・資源国の経済の更なる強まりなど上振れ要因がある。一方で、国際金融面での動きなど下振れリスクもある。この点、一部欧州諸国における財政・金融状況を巡る動きが、国際金融や世界経済に与える影響に注意する必要がある。物価面では、新興国・資源国の高成長を背景とした資源価格の上昇によって、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。

ここには微妙な差異がある今回は「一部欧州諸国における財政・金融状況を巡る動きなどが、国際金融資本市場の動きを通じて内外の経済に与える影響に注意する必要がある。」として、国際金融面では欧州以外にも存在する可能性を指摘している。ここにきての円高なども懸念要因として認識している可能性がある。「国際金融資本市場の動きを通じて内外の経済に与える影響に注意する必要がある。」として国際金融市場の動きに対する警戒心を前回よりも強めている。

(今回)日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると認識している。そのために、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。金融政策運営に当たっては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく考えである。

(前回)日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると認識している。そのために、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。金融政策運営に当たっては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく考えである。

こちらはまさに、コピーアンドペースト。以上のように政策変更する理由には全く乏しい状態と日銀は認識していることが伺える。ただし、国際金融市場には注意する必要性を認識している。日銀は足元景気の見通しについて楽観的すぎるとの意見も聞かれるが、円高進行もあるとは言えも日本経済が景気認識を改める必要があるほど悪化していることを示すようなものも出ていない。日銀の金融政策への過度な期待は毎度のことでもあるが、冷静にファンダメンタルを認識しておことも必要であろう。
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by nihonkokusai | 2010-08-10 14:18 | 日銀 | Comments(0)
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