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2010年 06月 21日 ( 1 )

「小野・阪大教授へのインタビュー記事より」


ロイターによる小野善康・大阪大学教授とのインタビューの内容が、ロイターのサイトに掲載された。小野善康・大阪大学教授は菅直人首相の経済ブレーンであり、菅首相が提唱する「第三の道」は小野教授による影響が大きいとみられている。

小野氏はインタビューで「第三の道は、人に働いてもらうことが目的。そのために資金が必要なら、増税しても構わない。」としており、雇用創出に向けての消費税の引き上げは、来年からでもいいと発言した。当然ながら消費税の引き上げは国民負担を大きくさせる。しかし、それによって得た資金を有効活用すれば、雇用を創出しその結果、家計も潤うとの見方である。

しかし、政府の財政支出については「必需品ではなく、政府が何もしなければ十分に供給されないが、全くの無駄ではない分野に配分する。」との意見もあった。その分野の例として「介護や教育、壊れそうな橋の修繕や自転車道の整備など社会資本整備」をあげていたが、これが果たして、景気全般を引き上げられるほどの雇用増に結びつくのであろうか。失業率を3%に引き下げるまで人を雇えるお金が必要との意見もあり、早期の消費税の引き上げを主張しているが、失業率を5%から3%に引き下げるための具体策はあるのであろうか。これには思い切った規制緩和などが必要条件と思われるのだが。

そして日銀との対応については、「いま日銀ができるのは、貨幣の信用を維持できる範囲で、できるだけ金融緩和をすることだが、すでにかなりやっている。したがって、これ以上、日銀に責任を押し付けるべきではなく、これまで通りの金融緩和の姿勢を保ってほしいと言うべきだ」と述べている。菅政権となり日銀にインフレターゲットを押し付けるのではないかとの見方もあったようだが、小野教授の発言を見る限り、そのようなことはないようである。「デフレの克服は総需要と雇用の拡大によってデフレギャップを減らすことでしか達成できない。」と小野教授は発言しており、これは日銀の白川総裁の意見などにも近い。

第三の道は財政再建と経済成長という相反するものを両立させようとの意見である。一見すると正しい方向性のようにも見えるが、これは困難を伴なう。国の財政が危機的状況にある中、政府による効率的な金の使い方が必要であり、それにより民需に働きかけ雇用と所得、そして税収そのものもを生まなければならない。そのアプローチそのものをもう少し煮詰めてゆかなければ、二兎追うものは一兎をも得ずという結果にもなりかねない。
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by nihonkokusai | 2010-06-21 11:57 | Comments(2)
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