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2010年 04月 20日 ( 2 )

「GSショックによる債券市場への影響」

 米証券取引委員会(SEC)は、ゴールドマン・サックスをサブプライム住宅ローン関連金融商品の販売で、投資家を欺いたとして提訴した。

 ゴールドマンが組成し、販売したサブプライム住宅ローン債券を原資産とする債務担保証券(CDO)は、サブプライム逆張り王として知られる大手ヘッジファンドのポールソン&カンパニーが、そのCDOのポートフォリオの中身の選別などの組成に大きく関わっていた。この際にポールソン氏は、CDOの価格下落に賭けるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)契約を結んでおり、結果はご承知のとおり。米SECはこの金融商品を販売する際にポールソン氏の関与を示さず、重要情報を開示しなかったとして、ゴールドマン・サックスを提訴したのである。

 これを受けて4月16日の米国株式市場では、政府による金融規制強化に繋がるとの見方から金融株主体に下落し、ダウ平均株価は前日比125.91ドル安の11018.66ドルと大幅に下落し、ナスダックも同34.43ポイント安の2481.26で引けた。

 リスク回避の動きにより、米債は買われ10年債利回りは前日比0.07%低下の3.76%となり、米2年債利回りも前日比0.06%低下の0.95%と節目とみられた1%を割り込んだ。

 ニューヨーク外為市場では、リスク回避による円買いに加え、中国による元切り上げが近いのではないかとの観測も加わり、ドル円は、一時92円を割り込んだ。ポルトガルの財政懸念やギリシャの発行するドル建て債への需要懸念なども加わり、ユーロ円は124円40銭近辺でニューヨークを引けたかその後123円台をつけた。

 これらを受けて週明け4月19日の東京市場では日経平均株価は11000円の大台を大きく割り込んだ。また、債券先物は3月17日以来の139円台を回復し139円36銭まで買い進まれた。現物10年306回債は先週末比-0.035%の1.305%が買われ、5年88回債は同-0.020%の0.490%と3月17日以来の0.5%割れとなった。

 しかし、19日の米国市場ではリスク回避の動きが一服しダウは73ドル高、米10年債利回りは先週末比0.04%高い3.80%に上昇したが、果たしてGSショックは一過性のものに終わるのであろうか。

 確かにGSショックがなくとも19日の東京株式市場は下落し債券は買われていた可能性がある。日経平均の11000円台が次第に重くなり調整が入りそうな動きをすでにしていたためである。GSショックによりその下げが加速され、むしろ調整局面は早めに終了する可能性もある。

 債券相場はGSショックにより若干の水準訂正が起きたが、10年債利回りでの1.3%は割り込まず、心理的な壁と意識されそうである。5年債利回りも0.5%割れでは戻り売りも入った。

 そしてここにきて気になる動きとして、債券先物の建て玉増加がある。債券先物中心限月である6月限の建て玉は2009年8月27日以来の7兆円台乗せとなり、直近ではかなり高い水準にあるため、今後の波乱要因ともなりうる。

 GSショックにより若干の地合の変化はあったが、国内景気は回復基調を続けるなど日本のファンダメンタルズに変化はない。ただし、GSショックを受けて先物などのポジションが予想外に膨れ上がった可能性もあり、その揺り戻しなどに注意も必要か。
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by nihonkokusai | 2010-04-20 10:47 | 債券市場 | Comments(0)

「低迷続ける個人向け国債の販売」

 4月15日発行の「2010年春の個人向け国債」の販売額は5年固定金利型と10年変動金利型を合わせて1903億円となり、一回あたりの販売額としては前回の2412億円を下回り、過去最低を更新した。

 5年固定金利型の販売額は1427億円と前回の1866億円を下回り、2006年1月の発行開始以来の最低水準となった。10年変動金利型も476億円と低迷した。

 今回の5年固定金利型の利率は年率税引き前で0.48%となり、前回の0.44%は上回ったものの、5年固定金利型の利率としては過去最低水準に近い。

 また10年変動金利型の初期利子は0.53%となり、今回も前回同様に5年固定型の利率を上回った。これを受けて10年変動金利型の販売額の落ち込みはさほど大きくはなかったが、販売額そのものは低迷している。

 長期金利の低位安定が続き、これはこれで国債価格が安定していることになるが、個人向け国債の販売については利回り重視であることで販売額が回復していない。

 国債投資家層の裾野拡大のためには、この個人投資家と海外投資家の保有額拡大が必要であろう。しかし、日銀の資金循環統計から見た国債の投資家別の保有状況からは、2009年12月末現在、海外が35兆6664億円で5.2%、家計が35兆0250億円で5.1%に過ぎない。2009年9月末現在では海外が39兆4403億円で5.8%、家計が35兆4713億円で5.2%となっており、特に海外投資家は日本国債の残高を減少させている。

 海外向けIR活動や個人向け国債の発行など財務省の国債販売努力により、全体に占める海外と家計の比率は伸びてきていたが、ここにきてブレーキがかかっている。その背景には銀行などの国債保有が伸びている面もあろう。しかし、今後の国債需給を考えれば海外や家計の比率を伸ばす必要がある。

 次回の個人向け国債の発行は7月となるが、この7月から3年固定金利型の発行がスタートする。

 個人投資家は国債投資に対して、なるべく期間の短いものを求める傾向があるため、3年固定金利型の販売額に期待したい。しかし、現在の利回り水準からは3年固定金利型利率が0.2%台となるため、この水準で果たしてどれだけ売れるかは疑問である。

 景気回復やデフレの解消などに伴う良い金利上昇により、多少でも個人向け国債の利率が上昇し、販売額が増加してくれると良いのだが、いまのところそういった動きにもなく、当面は個人向け国債の販売額は伸び悩みとなりそうである。今年度の個人向け国債の販売額は、国債発行計画によると2兆円となっている。
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by nihonkokusai | 2010-04-20 10:46 | 国債 | Comments(0)
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