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2010年 04月 13日 ( 2 )

「日銀の追加緩和の可能性」

 日銀は4月27日に展望レポートを公表する。展望レポートでは実質GDP、企業物価指数、消費者物価指数(除く生鮮食料品)の政策委員の大勢見通しが発表される。

 今年1月の中間レビューにおいて、それぞれ10月時点の見通しから、実質GDPは2.1%から2.1%と変化はなかったが、企業物価指数はマイナス0.7%からマイナス0.4%、消費者物価指数(除く生鮮食料品)がマイナス0.4%からマイナス0.2%に修正されていた。

 そして今回4月の見通しについて、実質GDPが上方修正され、また消費者物価指数(除く生鮮食料品)はゼロ近辺に上方修正される可能性が出てきたと13日付けの日経新聞が報じた。

 4月1日に発表された日銀短観では日本の景気回復が示された。追加緩和の決定した3月16日から17日分の金融政策決定会合でも、経済情勢に関しては輸出や生産の増加や、個人消費の持ち直しを背景に、わが国の景気は持ち直しているとの認識で一致していた。

 やや長めの金利の低下を促す措置を決定した理由としては、景気が持ち直し物価の下落幅が縮小しているこの段階で追加的な緩和措置を実施することは効果的なことを上げていたが、政府の意向を意識しての追加緩和との見方も強かっただけに、やや無理のある理由のように思われる。

 実際、複数の委員から「足もとの各種経済指標は概ね想定どおりに推移しており、日本経済は現在持ち直しの過程にあることなどから、今回、追加の緩和措置を講じることは不適当」との意見も出されており、こちらが正論であろう。

 今後も政府から追加緩和へのプレッシャーが強まることも考えられる。しかし、日本の景気回復傾向が鮮明となり、物価についても前年比プラスに向けての動き強まる中、追加緩和の必要性には疑問符も付く。前回の追加緩和も実質的な緩和効果よりも、追加緩和を行なったというアナウンスメント効果を意識したものであった。今後も、もし追加緩和を行なうとしても、同様にアナウンスメント効果を意識したものとなる可能性がある。たとえば、いったん増額してしまうと減額することが難しい国債買入の増額の可能性はむしろ低いのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2010-04-13 10:22 | 日銀 | Comments(0)

「避けられない消費税の引き上げ」

 菅直人副総理兼財務相は12日の東京都内の講演で、「増税しても、使う道を間違わなければ景気が良くなる」と述べ、今国会への提出を目指している財政健全化法案に増税を盛り込む方向で政府内で議論を進める姿勢を示した。

 また、菅氏は「人気のあった小泉さんでさえ、自分が総理の間は消費税を上げないと言って、この(増税)問題を避けた」と指摘し、「日本の政治家には、増税すると選挙に負けるというトラウマがある」として、税制改革についての与野党協議の必要性を強調した(毎日新聞)。

 13日付日経新聞によると、財務省と総務省の予測によると2009年度の国と地方の法人税収が9.7兆円と32年ぶりの水準に落ち込む見通しであることが伝えられた。2008年度の実績が18.4兆円となっており、その約半分近くに落ち込み、1977年度の8.7兆円以来の低さになる見込み。

 すでに2009年度の新規国債の発行額は第二次補正予算後に53.9兆円に膨らみ、税収が36.9兆円規模になるとの見通しとなり、新規国債の発行額が税収を上回るという1946年以来、63年ぶりの異常事態となることは伝えられていたことでこれによる債券市場への影響は限定的とみられる。

 しかし、景気変動の影響を受けやすい法人税頼みには限界があり、今後の財政再建に向けては消費税引き上げは避けられないことが今回の法人税収見通しで再確認されたことも事実である。世界的に見て日本の法人税の実効税率(40.69%)は中国(25%)や韓国(24.2%)に比較して高い。全体の税収に占める割合も高い割りに、消費税の割合が欧州(付加価値税)などに比べて極めて低いのも特徴である。

 法人税率の引き下げにより日本企業の国際競争力を高めることで、それは景気回復の原動力にもなりうる。また、日本の財政再建には景気動向に左右されにくい消費税の引き上げは避けては通れないはずである。しかし、鳩山首相は任期中には引き上げないと言い続けている。

 日本経団連の政府の成長戦略に対する提言の中で、経済成長には財政や社会保障制度の安定が不可欠とし、財源として消費税率を2011年度から段階的に引き上げ、また、2020年代半ばに10%台後半とすることなどを盛り込んだ。法人税は現行の約40%を国際水準の30%まで早期に引き下げることを求めた(毎日新聞)。

 財政再建と経済成長という相反することを成し遂げるためにも、消費税の引き上げとともに法人税の引き下げの流れは避けては通れないものと思われる。
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by nihonkokusai | 2010-04-13 10:22 | 国債 | Comments(0)
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