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2009年 06月 16日 ( 2 )

「政府と日銀の景気判断」

 政府は6月の月例経済報告で、景気の現状認識を示す基調判断から「悪化」の表現を削除する方針を決めたと報じられた。「悪化」が消えるのは2008年11月以来の7か月ぶりとなる。基調判断は2か月連続の上方修正となる。

 日銀も6月16日の金融政策決定会合で、景気の判断を「わが国の景気は、大幅に悪化したあと下げ止まりつつある」として、前回の「わが国の景気は悪化を続けているが、内外の在庫調整の進捗を背景に、輸出や生産は下げ止まりつつある」から、やはり2か月連続で景気の現状判断を上方修正させてきた。

 政府も日銀も正確には景気認識を上方修正させてきたというよりも、リーマン・ショック後の金融経済危機に伴う景気の急激な落ち込みにブレーキがかかりつつあることを示したものとみられる。

 6月16日に日銀が発表した「当面の金融政策運営」によると、「企業収益や雇用・所得環境が厳しさを増す中で、民間需要は弱まっている一方、輸出・生産は持ち直しに転じつつあるほか、公共投資も増加している」としている。

 5月22日の「当面の金融政策運営」では「今後は、国内民間需要は引き続き弱まっていくとみられるが、輸出・生産は下げ止まりから持ち直しに転じていき、公共投資も増加していくと予想される」としており、この予測に沿った動きであったことを示している。

 リスク要因に関しては、「景気については、国際的な金融経済情勢、中長期的な成長期待の動向、わが国の金融環境など、景気の下振れリスクが高い状況が続いていることに注意する必要がある」と5月22日の文面とまったく同じものとなっている。

 政府と日銀は景気判断に関しては足踏みを揃えているようだが、やや政府の方が踏み込んだものとなっているのは多少なり衆院選挙を意識したものなのかもしれない。日銀についてはまだ慎重な姿勢を崩していない。白川総裁は講演などで今年度後半以降、緩やかに持ち直していく姿が展望できるとの姿勢を示しながらも、「見通しに関する不確実性は引き続き高く、とくに下振れリスクには留意する必要があると判断している」と述べている。

 日銀が実際に景気の底打ちを意識するとすれば、7月発表の短観を見てからになるのかもしれない。大企業製造業DIは前回3月調査のマイナス58から大きく改善を示すことも考えられ、日銀の想定以上に企業経営者の景気認識が回復している可能性がある。
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by nihonkokusai | 2009-06-16 13:32 | 景気物価動向 | Comments(0)

「BRICsによる米国債市場への影響力」

 BRICs4か国は、16日にロシアのエカテリンブルクで初めての首脳会議を開催した。BRICsとはブラジル(BRAZIL)、ロシア(RUSSIA)、インド(INDIA)、中国(CHINA)の頭文字を合わせた4か国の総称である。元々はゴールドマン・サックスが2003年10月に出したレポートがきっかけで生まれた用語である。このレポートでは2039年までにBRICsのGDPの合計が、アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリアのGDP合計を上回ると指摘していた。

 現在、注目されてきているのは、BRICs諸国が保有する米国債の残高である。2009年3月現在の米国債国別保有残高によれば、中国が7679億ドル、ロシア1384億ドル、ブラジル1266億ドル、インド382億ドルと、BRICs4か国合計では1兆711億ドルの米国債を保有している。

 これに対して、日本は6867億ドル、イギリス1282億ドル、フランス271億ドル、イタリア166億ドルとこの4か国では8586億ドルしか保有していない。

 6月10日に米10年債利回りは4%に接近したが、米債が売られた要因のひとつはロシアによる米国債の売却懸念であった。ロシア中央銀行のウリュカエフ副総裁は、保有する米国債を売却し、ドル資産での運用比率を引き下げる方針を示したためである。それとともに、IMFの発行する債券については100億ドル引き受けることも示した。 さらにブラジルの財務相もロシアと同様に準備金の一部をIMF債の購入に充てる方針を示し、これも米国債売却への思惑に繋がった。

 ただし、中国は、ドルが今後も世界経済において支配的な役割を維持するとの見方も示しており、その後、ロシアのクドリン財務相が、近い将来にロシアの外貨準備の投資比率を大幅に変更する計画はないと発言したことで、BRICs諸国による米国債売却の懸念はひとまず収まった。

 また、世界第2位の米国債保有国である日本の与謝野財務・金融・経済財政相はブルームバーグとの単独インタビューにおいて「米国債に対する我々の信頼は全く揺るがない」と発言したと報じられたことも、米国債需給への不安感をやや後退させた。

 しかし、米国債の大量発行は今後も継続され、米国債の約半分を保有している海外投資家の動向がますます注目される。この中にあって巨額の米国債を保有するようになったBRICs諸国の動向が、今後も米国債市場に大きな影響を与えると思われる。
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by nihonkokusai | 2009-06-16 09:44 | 国債 | Comments(0)
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