牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

2009年 05月 25日 ( 2 )

「長期金利の2%の壁」

 日本の長期金利は1999年に2.440%まで上昇した以降は2006年に2.005%をワンタッチしたものの、それ以外は現在に至るまで2%を上回ったことがない。市場では2%が長期金利の当面の天井として意識されてきた。ちなみに長期金利は通常、10年国債の利回りを指しており、日本では10年国債カレント物の利回りを指している。

 ここにきて米国や欧州の長期金利の上昇基調が鮮明になってきている。昨年末に一時2%近くまで低下していた米国の長期金利は先週末に3.45%まで上昇した。ドイツの長期金利も3.46%と、こちらもじわりじわりと上昇し、そして英国の長期金利も同様で、先週末は3.7%近辺に上昇している。日本の長期金利の上昇は欧米ほどではないものの、年末の1.2%割れから直近では1.5%近くにまで上昇した。

 この日米欧の長期金利の上昇の背景としては、リーマン・ショックによる世界的な金融・経済ショックが緩和してきたことがある。また、日銀が景気の現状判断を小幅に上方修正しており、加えて、政府も5月の月例経済報告において、景気の基調判断を2006年2月以来3年3カ月ぶりに上方修正するなど、日本では景気の底打ちの可能性も出てきており、それは欧米についても同様であり、この景気回復期待も長期金利上昇の背景にある。

 さらに日本も米国、そして英国も積極的な財政政策を実施しており、国債発行額が大幅に増加し、国債への需給悪化懸念が債券への売り圧力となり、その結果長期金利が上昇している面もある。特にS&Pによる英国債の格付け見通しの変更が、米国債の格下げ懸念へと繋がった。

 日本では7月から、かつてない規模の国債増発がスタートする。特に投資家層が薄いとみられる10年国債の一回あたり1.9兆円から2.1兆円の増額には注意が必要となる。10年国債の一回あたりの発行額2兆円というのはこれまで避けられてきたものの、さすがに17兆円規模の増額となれば、10年国債の増額は避けられなかったとみられる。

 数字合わせになってしまうが、発行額の2兆円の壁が破られる以上、長期金利の2%の壁が破られる可能性は否定できない。今後、景気がこのまま回復基調に向かうかどうかは確かに不透明ではある。しかし、国債の発行額が増額され、需給への警戒が今後ますます強まっていくことは確かである。このため増発がスタートする7月に向けて、欧米の長期金利と比較して極端に低く見える日本の長期金利が、2%に向けて上昇してくる可能性もありそうである。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-05-25 10:34 | 債券市場 | Comments(0)

「長期金利、日米欧で上昇」

 25日の日経新聞一面(13版)トップは、長期金利、日米欧で上昇、という記事だった。大きなニュースがなかったこともあるかもしれないが、長期金利が一面トップに来るにも珍しい。それだけ、ここにきての長期金利の動きが気になってきたとも言える。

 特に昨年末に一時2%近くまで低下していた米国の長期金利は先週末、3.45%に上昇した。ドイツの長期金利も3.46%と、こちらもじわりじわりと上昇し、そして英国の長期金利も同様で、先週末は3.7%近辺に上昇している。日本の長期金利の上昇は欧米ほどではないものの、年末の1.2%割れから直近では1.5%近くにまで上昇した。

 この日米欧の長期金利の上昇の背景としては、リーマン・ショックによる世界的な金融・経済ショックが緩和してきたことがある。特に金融不安に関しては、日米欧の中央銀行の積極的な施策によってさすがに収まりつつある。日本でもやや格付の低い社債が発行され順調に消化されるなど、クレジット市場も機能を回復しつつあることも確か。

 さらに、先週、日銀が景気の現状判断を小幅に上方修正しており、加えて、政府も5月の月例経済報告において、景気の基調判断を2006年2月以来3年3カ月ぶりに上方修正した。

 このように日本では景気の底打ちの可能性も出てきており、それは欧米についても同様である。景気の先行きについては、まだまだ警戒する必要はあるものの、過度に悲観的な見方をすることにもリスクが出てきており、これが株式市場への買戻し圧力となって、東京株式市場も堅調地合となっている。この景気回復への期待が日米欧の長期金利の上昇のひとつの要因となっている。

 そして、日本も米国もそして英国も積極的な財政政策を実施し、国債発行額が大幅に増加してきており、それが、S&Pによる英国債の格付け見通しの変更へのつながり、米国債の格下げ懸念へと繋がった。ただし、日本国債については何故かムーディーズが格上げしていた。これは米国債の格下げを避けるためではないかとの見方もあったが、米国債の動向はさすがに世界の金融市場への影響も大きい。このように財政拡大による国債需給への懸念が、日米欧の長期金利上昇のもうひとつの背景となっている。

 日本国債などと異なり、米国債のうち市場で売買可能なもの(市場性国債)の残高のうち6割が海外投資家が保有しており、特に最大保有国の中国の動向次第では、先行き米国債の需給への懸念が強まりかねず、米国債市場が動揺すると世界の金融市場にも影響を与えかねない。今後は特に米国の長期金利の動向に注意が必要となりそうである。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-05-25 10:04 | 債券市場 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー