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2009年 05月 12日 ( 3 )

「10年国債は300回に」

本日10年国債の入札が実施されたが、今回で10年国債の回号は300回となった。1972年1月からそれまで発行されていた7年国債に変わり10年国債が登場し、それから約37年と4か月で300回を数えることとなった。

 1985年から銀行のフルディーリングや債券先物のスタートにより、債券はディーリング相場を向かえ、その売買の中心となったのが10年国債であった。1985年5月に指標銘柄という売買の中心銘柄が登場した。これは直近で発行量が多くディーリング銘柄として耐えうるものが自然とマーケットで選ばれたのである。最初に登場したのが68回債である。

 1986年1月に78回債に移り、11月からは伝説ともなった89回債が指標銘柄として登場した。私が債券ディーラーとなったのが1986年10月であり、ほぼ89回債の登場とともにディーラー活動を本格化していった。その後の指標銘柄は105回、111回、119回、129回、145回、157回、164回、174回、182回、そして最後が203回となり、204回以降は直近入札された10年国債が常に指標銘柄として取り扱われ、現在に至っている。

 考えてみれば、私は途中1年間、企画室に異動していた時期と、3か月のニューヨーク滞在、そして1か月の入院以外は1986年10月以降、つまり78回から300回まで10年国債を見てきたことになる。

 このまま500回、1000回といずれ数えてゆくのであろうか。その際には果たして国債の残存額はどうなっているのか。やや気になるところでもある。なにはともあれ、10年国債も300回というひとつの節目を迎えたことも確かである。
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by nihonkokusai | 2009-05-12 13:36 | 国債 | Comments(0)

「日銀による国債買入増額の行方」

 5月8日の朝方に、4月6~7日分の日銀金融政策決定会合議事要旨が公表された。この中で、国債買入の基本的な考え方について改めて議論されたとあり、この部分について見てみたい。

 ある委員の発言として、「日銀の長期国債買入増額は、長期の資金供給手段を一層活用し円滑な資金供給を行っていくために行ったもので、FRBやBOEの長期国債買入の目的とは異なる点をよく説明する必要がある」と述べた。

 政策金利はFRBが0~0.25%、BOEが0.5%とゼロ近くにまで低下しており、短期金利に低下余地が限られることで、長期金利の低下を促すことが長期国債買入の目的とみられる。ただし、実際にニューヨーク連銀による国債買入がスタートしてから、米長期金利は低下するよりもむしろ上昇基調を強め3%台に乗せてきている。

 日銀金融政策決定会合議事要旨では、複数の委員は長期金利の変動を抑え込むために中央銀行が長期国債買入を行うと、かえって長期金利のボラティリティが高まる可能性があると指摘した。たしかに市場に介入すると、かえって相場を乱してしまうことは、かつての日本の為替介入でもあったことである。市場も押さえつけられようとするとむしろ反抗することも経験上ありうる。

 4月6~7日の決定会合では、銀行券ルールについても議論が行われた。

 「何人かの委員は、一般に銀行券ルールの内容や役割については、十分理解されているとは言えないとし、その重要性を丁寧に説明していく必要があるとの認識を示した」

 この何人かの委員には総裁なども含まれていると思われる。その日銀券ルールの根拠として次のような発言があった。

 「日本は、制度的・季節的な要因から短期資金需要が大きく変動し、それが金利の振れをもたらさないよう円滑な金融調節を行うためには、準備預金など短期的に変動する負債に対しては短期の資金供給手段を割り当てて、長期の資産である長期国債保有高が長期の負債である銀行券発行残高を超えないようにすることが必要である。つまりは、銀行券ルールは、円滑な金融調節を行うために必要というのが、日銀券ルールの根拠となっている。」

 そうは言うものの、後の国債増発に果たして市場が耐えられるのかどうか。17兆円規模というかつてない国債増発という、まさに日本国債でのストレステストが7月に始まる。年末に向けての再増発も確実視され、このストレステストの結果は年末までわからない。市場からは今後の国債需給悪化懸念に対して、今後はより一層、日銀の国債買入増額への期待が強まってくる可能性がありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-05-12 10:26 | 日銀 | Comments(0)

「ECBによるカバードボンドの買い入れ」

 欧州中央銀行(ECB)は、5月7日の定例理事会で主要政策金利を0.25%引き下げ、過去最低となる1.00%とすることを決定した。トリシェECB総裁はその後の会見で、信用向けの支援拡大を進めるための非伝統的措置を行なうことを発表した。

 まず、金融機関への資金の貸付期間を半年から1年に延長する。そして、ユーロ圏の金融機関が発行するカバードボンドと呼ばれるユーロ建て債券を買い入れることも発表した。詳細は6月4日の次回理事会後に公表される。

 参考までに、カバードボンド(covered bond)とは「担保付き債券」のことであり、欧州で発達した資産担保証券である。銀行が発行して投資家に売却しても、銀行のバランスシートからオフバランス化されず、発行銀行が担保証券の原資産であるローン回収義務を負う。オンバランスとなるが資産の裏づけがあるため高格付けが得られる。政府や地方公共団体向けの債権をバックにしたものと、住宅ローンなどを担保にしたものがあり、欧州諸国を中心に急速に拡大した。

 日経新聞では、ECBによるカバードボンドの買い入れについて、「量的緩和策」と報じていたが、トリシェ総裁はこの政策の「意図は、市場の回復、特に非常に打撃を受けている市場だ。スプレッドや流動性、債券を含む市場の存続を狙いとしている。われわれは量的緩和を開始しているわけではまったくない」(ロイター)と述べ、「量的緩和」ではなく「信用緩和」であることを主張していた。

 ECBは日銀や米FRB、英イングランド銀行と異なり、国を跨いだ特殊な中央銀行である。仮に国債を買い入れるにしても、どの国の国債をどの程度の比率で買い入れるのか、その調整だけでもかなりの労力が求められ、ある意味現実的ではない、これは社債についても同様の問題があり、日銀のように国債や社債の買い入れには簡単には踏み込みづらいこともある。

 トリシェ総裁は会見で「証券全般の中で、カバードボンドは金融危機の打撃を特に受け、他の証券よりも打撃が大きいセクターのひとつと理事会は考えている」とし、「他の(資産)買い入れについては原則としていかなる決定もしていない」とも発言し(以上ロイターより)、BOEやFRBの量的緩和策とは異なる面を強調している。

 7日にはイングランド銀行の金融政策委員会(MPC)も開催され、すでに量的緩和策を導入している量的緩和の実施時期を3か月から6か月に延長し、国債や社債の買取額を1250億ポンドと当初計画から500億ポンド増額させた。
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by nihonkokusai | 2009-05-12 10:24 | 日銀 | Comments(0)
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