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2008年 11月 26日 ( 1 )

「15年変動利付国債の個人の販売には注意が必要」

ブログをご覧いただいている方から国債に関しての問い合わせをいただいた。内容は残存15年程度の国債を100円額面のものを約96円で証券会社から買いを勧められているというである。これは個人向け国債と同じもので買っても良いのかというものであった。具体的にどのような国債なのかわからず、可能性としては20年国債の既発債かなと思い、念の為、その価格に近いものがあるのも調べてお答えした。少なくとも個人向け国債ではなく、価格変動リスクがあることなど注意を促すとともに、もう少し具体的に何年物の国債で何回債なのかも教えてほしいと返事をした。

その後、具体的な国債の内容がわかり、それを見て驚いた。それは20年利付国債などではなく「15年変動利付国債」だったのである。証券会社の担当者からは金商法の範囲内での価格変動リスクを含めて通常のリスクの説明はあったと思う。しかし、問い合わせをくれた人もどこか腑に落ちず、このため見ず知らずの私に問い合わせしてきたと思う。

この15年変動利付国債は債券市場関係者ならば、別なリスクがあることは周知の事実である。その状況は一般個人はまず知らないのではないかと思う。証券会社の現場の担当者もその状況を把握していたのであろうか。もし把握していたとしてもそのあたりの説明はあったのであろうか。

そのリスクとは、日経新聞などでも報じられていたように、15年変動利付国債と物価連動国債は需要がなく一時の投売り状態などもあって、すでに今年度の発行が途中で見送られるという「異常事態」となっていることである。来年度についてはまだはっきりはしないが、現状では来年度も見送られる可能性が高くなっている。

だからこそ証券会社が在庫処分に困り個人向けの商品としてリストアップした可能性もあるが、発行が今後も中止となれば流通市場も縮小し、それにより流動性リスクが強まり、償還まで持てば良いが、途中で売却できないといった可能性も秘めている。念の為、個人向け国債の10年変動タイプと15年変動利付国債はまったく異なる商品である。個人向け国債は一定期間後(10年変動タイプは発行してから1年経過後)であれば、財務省が額面で買い取る仕組みとなっており、売却に支障はない。

物価連動国債は個人に販売はできないが、15年変動利付国債には制限はなく通常の利付債同様に個人への販売は可能である。しかし、関係者ならば知っているものの、それが一般認識にまで広まっていないリスクについては、債券本部などが販売にあたり十分な注意を促す必要がある。ただし、その注意といっても一般個人にはたいへんわかりにくい事情でもあり、できればこのような特殊事情の存在する商品は、情報の非対象性の観点からも個人への販売は極力控えるべきものであろう。
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by nihonkokusai | 2008-11-26 13:37 | Comments(6)
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