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2008年 11月 18日 ( 2 )

「国債の増発の行方」

18日の日経新聞によると、物価連動国債と15年変動利付国債の発行を年内だけでなく、年度内も見送る方針を固めたと伝えられた。来年2月に合計で1兆1千億円の発行を予定していたがこれを中止し、不足する財源については「流動性供給入札」や需要が見込める銘柄の発行で代替するとしている。

これにより、今年度ばかりでなく来年度に関しても、物価連動国債と15年変動利付国債については発行が見送られる公算が高まったと見ざるを得ない。 両銘柄の発行停止に伴い20日の20年国債の入札分から一回あたりの発行額が8千億円から9千億円に増額される。

二次補正や来年度予算に絡んでは、今後はさらに国債への増発圧力が強まると見ざるを得ない。特に今年度の税収見積もりの下方修正分や、個人向け国債の発行予定額に満たない分などを考慮すると、数兆円規模での増発が必要となる可能性がある。

ちなみに個人向け国債については今年度の発行予定額は6.2兆円だが、10月までの今年度発行額は10年変動で2,093億円、5年固定で1兆57,90億円と合計で1兆78,83億円に止まっており、1月の発行分が余程増加しない限りは、今年度の予定額には達しないものとみられる。ただし、昨年10月からスタートした新窓販国債発行額が今年9月までに、9000億円弱発行されており、これを考慮する必要がある。

国債の増発に関しては、11月14日に開催された国債市場特別参加者会合では多様な意見が出されていたが、流動性供給入札の増額に加え、主にTBや2年、5年など中短期ゾーン主体の増発余地を指摘する声が多かった。また、超長期ゾーンでは、30年や40年にも増発余地があるのではないかとの声もあった、

18日の国債投資家懇談会では、特に超長期ゾーンの増発への要望が出される可能性もあるが、10年債に関しては投資家ニーズの乏しさから、増発の可能性を指摘する声は少なかった。

いずれにしても、来年度の国債発行に関しては、投資家需要が見込める銘柄の増発は避けられないとみられ、来年度予算編成の行方とともに国債発行計画の動向も材料視されてくる可能性がある。ただし、国債が増発されても需給そのものが大きく崩れることは想定しづらい。1998年の運用部ショック当時に比べ国債管理政策も整備されており、仮に増発に絡んだ売りが入ったとしても一時的なものに止まるのではないかと予想される。
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by nihonkokusai | 2008-11-18 14:49 | 国債 | Comments(5)

「超過準備に対しての付利と債券相場への影響」

16日から超過準備に対しての付利が実施された。正式には「補完当座預金制度」と呼ばれるもので、適用利率は0.1%、11 月の準備預金積み期(11月16 日~12月15 日)から来年3月の同積み期(3 月16 日~4 月15 日)まで実施される、導入時の日銀の発表文では次のようになっていた。

「日本銀行は、金融市場の安定確保のため、年末および年度末に向けて積極的な資金供給を行っていく方針である。このような積極的な資金供給の下では、日本銀行の政策金利である無担保コールレートがその誘導目標から大きく下方に乖離する可能性がある。」

「本制度の導入によって、コールレートを目標水準に適切に誘導しつつ、積極的な資金供給を一層円滑に行い得るようになり、金融調節面での対応力の強化につながるものと考えている。」

この中で、「積極的な資金供給」や「無担保コールレートがその誘導目標から大きく下方に乖離する可能性」などの文面が意識されたのか、市場の一部では付利が実施されたことで、日銀が大量の資金供給を実施し、無担保コール翌日物金利の低下を促すのではないかとの見方が出ていた。

しかし、17日の短期金融市場における無担保コール翌日物金利は誘導目標値である0.3%近辺での推移となり、大きく金利が低下するようなことはなかった。

すでに超過準備に付利を実施している米国では、政策金利であるFF金利が誘導目標を大きく下回って推移しているが、これは大きな資金の出し手の存在や、FRBが日銀の手形売出オペのような機動的に資金を吸収する手段を持っていないことでの技術的な要因などによるものと見られる。

日本では政策金利が変更されるか、もしくは「なお書き」対応で一時的な低下も容認することがない限り、無担保コール翌日物金利が誘導目標値を大きく下回っての誘導は考えづらい。

日銀はここにきてツイストオペを実施して、特にターム物の金利の跳ね上がりを押さえ込もうとしており、これでややレポレートの低下もみられた。しかし日銀がどれだけ資金供給を行なっても、特にターム物と呼ばれる長めの金利の本格的な低下を促すには、金融機関同士の信用の回復が不可欠となる。

大量の資金供給に加え、利下げなども行なうなど日銀は積極的な金融危機対応を行なってきているが、債券市場では投資家、業者ともにリスク許容度は低下したままとなっている。超過準備に付利が実施されても、相場のマインドを変化させるまでには至らないとみられ、これによる債券相場への影響は限定的と見ざるを得ない。
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by nihonkokusai | 2008-11-18 14:48 | 日銀 | Comments(0)
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