牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

2008年 06月 24日 ( 3 )

「インフレーション・ターゲティングについての白川総裁の見解」


 6月13日の記者会見において、インフレーション・ターゲティングについての質問を受けた白川総裁は次のように答えている

 「その人によってインフレーション・ターゲティングという言葉でイメージしている内容がかなり違っているということです。ですから、インフレーション・ターゲティングの是非を議論しても、実はその議論している対象自体が違っていることもあるわけです。そういう意味で、多少誤解を招きやすい議論であると思っています。」

 欧州の中央銀行が採用しているインフレーション・ターゲティングなどに対しては次のように説明している。

 「本来のインフレーション・ターゲティングというのは、中央銀行の金融政策の目的が物価安定のもとでの持続的な成長であるということを意識した上で、金融政策を説明していくための透明性を高めていく枠組みの1つだと思います。」(白川総裁)

 それに対して、以前の日本でも騒がれたインフレーション・ターゲットを採用すべきとの主張は、デフレ時など手段はかまわず何が何でもでも物価を上昇させるべきといったものであったかと思う。

 現在は、「供給ショックで物価が上がる、しかし消費国にとってそれは景気の下押し圧力に働くという状況」にあり、こういった状況下にあって金融政策を説明するには、インフレーション・ターゲットという枠組みの中での説明も難しくなると白川総裁は指摘した。

 さらに白川総裁は「こうした景気・物価についての複雑な動きがある中で、インフレーション・ターゲティングという枠組みの中で金融政策を説明することはもちろん可能ですが、その説明が時として難しいことがあります。」としており、米国の学者がこの問題を提起している点を指摘している。

 そして白川総裁はインフレーション・ターゲティングの問題について次のように結論付けている。

 「インフレーション・ターゲティングを採用する場合でも、しない場合でも、供給ショックのもとでは、金融政策の判断それ自体が難しいわけですし、説明も難しいものになります。しかし、最後は判断する必要がありますし、説明しなければなりません。そのために、各国は、各国の置かれた枠組みの中で説明の努力をしているということだと思います。」

 このように白川総裁は、金融政策の枠組みは違えども、FRBやECB、さらにイングランド銀行や日銀の金融政策が、現在かなり難しい局面に置かれている状況を説明している。
[PR]
by nihonkokusai | 2008-06-24 09:49 | 日銀 | Comments(0)

「日銀の物価上昇に対するその背景と政策対応についての討議内容」


 6月18日発表された議事要旨によると5月19、20日金融政策決定会合では、物価上昇に対するその背景と政策対応についての討議が行なわれたようである。少し古い資料となるが2001年10月に日銀が発表した「物価の安定を巡る論点整理」(http://www.boj.or.jp/type /release/zuiji/kako02/data/spri03e.pdf)と比較しても面白いかもしれない。ちなみにこの「物価の安定を巡る論点整理」を著したのは白川方明企画室審議役(当時)と門間一夫企画室政策調査課長(当時)となっている。もちろん現在の白川日銀総裁と門間調査統計局長である。

 「ある委員は、一次的な供給ショックについては、インフレ予想の変化を通じて二次的な影響が生じないのであれば、必ずしも金融政策で対応する必要はないというのが教科書的な回答であるが、現在は、持続的で複合的なショックが生じているため、政策対応は難しくなっていると述べた。」 「物価の安定を巡る論点整理」では「一時的か持続的かの分類が難しいのは、原油価格や為替相場、さらにそれらに大きく左右されやすい輸入物価、輸入関連品価格、などの変動である。」としているが、これが持続的な性格の強い供給要因ならば「物価の基調判断、ひいては金融政策にとって、重要な意味を持つ物価変動要因である」としている。

 議事要旨では、ある委員の発言として「一次産品価格の上昇は、相対価格の変化をもたらし、資源配分の調整を促すが、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動次第では、一般物価水準の大きな変動につながるリスクもあるので、これらの動向に注意しながら、金融政策運営を行う必要があると述べた。」 6月13日の金融政策決定会合後の会見で白川総裁は「わが国経済の状況は、実体経済面では、交易条件の悪化に伴う所得形成の弱まりが国内民需の下振れをもたらすリスク、物価面では、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動を含め、先行きの上振れリスクについて、注意深くみていく必要があると考えています。」と発言し、景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえて金融政策を運営する姿勢を示している。

 いまのところ軸足をどちらかに移すといったことは考えづらく、日銀の金融政策は当面、現状維持となるとみられるが、物価の動向に対して今後も日銀は注視する姿勢を強めてくるものと思われる。
[PR]
by nihonkokusai | 2008-06-24 09:20 | 日銀 | Comments(0)

「FRBの歴史」


 米国では米国は連邦制を採用し東部と西部、北部と南部といった地域的な対立があり中央銀行の設立には大きな抵抗があったことで、中央銀行を設立しようとする動きがあったものの、州政府の反対などによって2度にわたり失敗に終わりました。しかし19世紀から20世紀にかけて幾度も恐慌が発生し深刻な不況が生じ、このため「金融システムの安定化」が求められ、中央銀行設立の機運が高まったのです。

 1913年に12の地区連邦準備銀行と、これを監督する連邦準備委員会がワシントンに設立されました。全米の12の地域に地区連邦準備銀行を設立し、それぞれの地区で銀行券である連邦準備券が発行され、各行ごとに公定歩合が設定されることとなりました。しかし、設立直後の大恐慌により、地方分権型ではなく中央集権的な金融政策の運営が求められたことから1933年に機構改革があり理事会の権限が強化されました。金融政策を決定するための組織として連邦公開市場委員会(FOMC)が設けられました。1935年の銀行法制定の際に連邦準備委員会は連邦準備制度理事会(FRB)と名称が改められました。
[PR]
by nihonkokusai | 2008-06-24 09:19 | 日銀 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー