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2008年 06月 12日 ( 2 )

「白川日銀総裁会見への過度の期待(懸念)は禁物か」


米国ではニューヨークで記録的な猛暑となるなど、異常気象となっており、」米中西部では洪水の影響でトウモロコシの生産に大きな被害を受け、先物価格が上昇している。原油価格の上昇ばかりでなく、こういった穀物などの商品価格の上昇も物価上昇圧力となっているが、米FRBも米国景気動向が不透明な中、そう簡単には利上げまで踏み込めないのも確かとみられる。

 これは日本も同様とみられ、特に4-6月期についてはGDPもマイナス成長との予測が多く、景気先行きも引き続き不透明感も強い。利上げを示唆したトリシェ発言や、インフレへの警戒を強めたバーナンキ議長に続いて、13日の白川日銀総裁の会見の内容が注目されているが、あまり過度の期待 (懸念)は禁物かと思う。

 白川日銀総裁は5月20日の会見で、物価についてはどちらかといえば上振れのリスクを見ているとし、また経済全体でみた場合に景気については下振れリスクの方にウエイトを置いているとしていた。13日の会見についても、同様に物価の上昇リスクについて言及はするとみられるが、景気についてはまだ霧は晴れていないと下振れのリスクについても引き続き言及してくる可能性が高い。

 市場参加者の一部では、より物価上昇を意識した発言をしてECBやFRBに協調するような発言をしてくるとの見方もあるが、実際には物価と景気の料睨みというバランスの取れた発言をして、利上げを意識させるような発言は避けてくると思われる。

 とはいうものの、市場ではまだ警戒感も強く、12日の債券市場では2年269回は一時、前日比+0.005%の1.000%ちょうどがヒットされた。13日からのG8財務相会合も開催されるが、ここにきて日銀総裁が物価上昇に軸足を置く発言をするとか、さらに利上げについて踏み込んだ発言をするといったことは考えづらい。むしろマーケット参加者にそういった言質を取られないように、より慎重な発言をしてくる可能性が高いとみられる。
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by nihonkokusai | 2008-06-12 16:24 | 日銀 | Comments(0)

「欧米金融当局者による物価上昇抑制への牽制球(まとめ)」


 FRBのバーナンキ議長は、6月4日にハーバード大学の卒業式の講演で「インフレは我々が望む水準をかなり上回る、ここ数ヶ月の長期インフレ期待の上昇はかなりの懸念」と発言、ただし「物価上昇率が2ケタまで達した70年代半ばや1980年よりはかなり低い水準にある、と指摘した。

 そして、ECBのトリシェ総裁は、5日の定例理事会後の記者会見において、「次回会合で小幅な利上げを実施する可能性を排除しない」と発言。「本日、数名のメンバーは利上げを主張」とも発言し、すでに5日の会合で即時利上げを求める意見も出ていたことを示した。 

 5日にECBが発表したユーロ圏の物価上昇率の予想は、2008年の予想の中間値は3.4%(予測幅は3.2%~3.6%)と3月時点の見通し2.9%(予測幅は2.6%~3.2%)から0.5ポイントもの引き上げとなり、よりインフレへの警戒を強めた格好となった。

 このようにバーナンキFRB議長に続いて、トリシェECB総裁もインフレ警戒への姿勢を強めたが、欧米の中銀はこれまでのサブプライム問題による金融不安や景気への影響といったものから、軸足をインフレ懸念へと移しつつある。

 ECBによる利上げの可能性も高まってきているが、さらに今度は米FRBによる年内利上げの思惑も強まってきた。9日にニューヨーク連銀のガイトナー総裁は「世界的なインフレ抑制にはおそらく引き締めが必要」と発言し、ダラス連銀のフィッシャー総裁も「ガイトナーNY連銀総裁の引締め策が必要とする意見に賛同」と発言したのである。

 さらに9日にポールソン米財務長官は「為替介入含めいかなる措置も排除せず」と発言した。NY連銀のガイトナー総裁も「連銀はドルを非常に注視している、通貨に無関心でいられる中銀はない」と発言、ダラス連銀のフィッシャー総裁も、「弱いドルは商品価格に反映される可能性を指摘」と発言し、為替介入に対する質問を受けた際「どのような選択肢も排除しない」と発言している。

 原油先物への投機的な動きの背景のひとつとしてドル安が影響していることも確かであり、物価上昇抑制策としての金融引き締めだけでなく、ドル安への対応も金融当局者は意識しており、ここにきて口先介入という牽制球を投じてきたものと思われる。

 ポールソン米財務長官は、米財務省と連銀は緊密に協力と発言していたが、欧米の金融当局者はインフレへ警戒を強めており、その要因のひとつでもある原油先物や為替市場での投機的な動きを抑制しようといった動きを強めてきている。
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by nihonkokusai | 2008-06-12 12:49 | Comments(0)
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