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2008年 06月 11日 ( 2 )

「日本の長期金利にも上昇圧力」


11日の朝方に発表された1~3月期国内GDP改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比+1.0%、年率換算で+4.0%と改定値より上方修正され、同じ時間に発表された5月の国内企業物価は前年同月比で4.7%もの上昇となった。これらの指標を見る限り、日本でも足元経済はとりあえずそこそこしっかりしているが、物価には上昇圧力も強まっているとも言える。しかし、4-6月期GDPに関してはゼロ成長もしくはマイナス成長か、といった見通しなどもあり、白川日銀総裁が言うところの、霧はまだ晴れてきた感じではないことも確かである。

 そうはいうものの、ここにきて欧米の金融当局者からはインフレを懸念する発言も相次ぎ、米国にとってインフレ要因としてドル安も懸念され、財務長官はドル買い介入も示唆していた。

 日本もここ数年、為替介入は実施していないが、米国もブッシュ政権になってからの為替介入も実施しておらず、日本の為替介入について、以前は当時のグリーンスパンFRB議長やスノー財務長官などが批判する発言もしていたぐらいである。それにも関わらず、今回の米財務長官の為替介入示唆は、余程ドル安を阻止したいとの意識の現れとも言そうである。

 昨年夏以降のサブプライム問題が深刻化した際に、まず動いたのはFRBやECBといった中央銀行であった。金融不安といったものも意識されての大量の資金供給や、FRBによる利下げといったものが実施されたが、政府そのものの動きはないわけではなかったが比較的遅く、どちらかといえば中銀主導といったようにも見えた。

 しかし、今回の対応は今週末のG8も絡んでいるのか、政府も全面に出てきたのが印象深い、もちろんFRBやECBといった中銀からも、インフレへの対応として利上げを示唆するような発言も出ていたが、なんとか原油をはじめ穀物など含めて商品市況の高騰を阻止し、ドル安も阻止しようとの意気込みも見え隠れしている。

 その背景としては、思いのほか米経済の大きな落ち込みといったものも回避されるとの見方もあるのか。ただ米国も決して霧は晴れたわけではないが、それでも真っ暗闇から少し日が挿しつつあるのも確かか。

 そういった中で、さて日本はどうするのだろうか。現実には、今の中銀の体制で、協調利上げといったものも考えづらい。サブプライム問題により金融不安が強まった際など、利上げではなく協調利下げを市場では意識する場面もあったが、結局、それぞれの中銀が独自の判断で実施していた。このように中銀同士の連絡は密にするものの、協調して何かをするというのは現実としては考えづらいとも思われる。それでも日銀としても物価上昇を放っておくわけにも、いずれはいかなくなるとも思惑も手伝ってか、ここにきて日本の長期金利なども上昇圧力を強め、11日に現物10年293回は一時1.845%が打たれ、2年269回0.995%と一時1%に接近、5年72回も1.510%がヒットされそれぞれ直近での最高利回りをつけてきている。
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by nihonkokusai | 2008-06-11 16:04 | 債券市場 | Comments(0)

「マネーストック統計とCI重視の景気動向指数」


 6月発表の分から、日銀が発表しているマネーサプライ統計はマネーストック統計に名称が変わりと内容も改まった。さらに内閣府の発表している景気動向指数についても採用する指標がDIからCIに変った。

 マネーストック統計は以前のマネーサプライ統計の呼称が変更されたもので、世の中に流通している貨幣の量を示す。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体等が保有する貨幣で、金融機関、証券会社、短資会社、非居住者と中央政府の保有する預金は含まれない。

 これまで注目されていたのはM2+CDだが、マネーストック統計ではM2+CD 対象預金と郵便貯金・系統金融機関預貯金を統合し、全預金取扱機関の預金を包含する新「M3」が作成され今後は通貨指標としてこちらが注目されてくるとみられる。

 新M2はこれまでの「M2+CD」から非居住者預金を除外したものであるが、この「M2+CD」が通貨指標としての利用される可能性も残っている。しかし、新M2は郵便貯金を含まないこともあり、新M3が注目指標となる可能性が高いのではなかろうか。

 9日に日銀が発表した5月のマネーストックの新M3は前年比+0.7%となり、4月の同+0.5%より伸び率は拡大した。また新M2は前年比+2.0%、広義流動性は同+0.9%となった そして内閣府が発表している景気動向指数については、採用指標がDIからCIにシフトされた。これまで景気動向指数はDI(Diffusion Index)を正式な指数として公表してきたが、DIは景気の方向性は分かるものの、景気の勢いは分からないという欠点があった。

 これに対して、景気の強弱を示す「合成指数」(CI=Composite Index) は採用している景気指標の変化率に着目したものである。

 CIは景気に敏感な指標の量的な動きを合成した指標で、主として景気変動の大きさや量感を測定することを目的としているものである。CIは一般的に一致指数が上昇している時が景気の拡張局面とされ、低下している時が後退局面となる。

 景気動向指数は6月9日発表分よりCIが正式指数になった。4月の景気動向指数速報CI(速報値・平成17 年=100)は、先行指数92.8、一致指数101.7、となり、先行指数は前月比2.0ポイントの上昇、前月比0.7ポイントの低下と発表された。

 内閣府はCI指数の基調判断を「景気動向指数(CI一致指数)によれば、景気はその局面が変化している可能性もあるとみられる。」と下方修正した。
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by nihonkokusai | 2008-06-11 08:58 | 景気物価動向 | Comments(0)
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