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2007年 01月 16日 ( 2 )

「政府の日銀追加利上げへの対応」


 本日10時より閣議が開催された。外遊から帰国したばかりの安倍首相が今回の日銀の利上げに向けた動きにどのような対応を示すのかを注目していたが、閣議後の閣僚の発言内容を見る限り、政府としては議決延期請求権を行使することはない、日銀の利上げについても容認する姿勢を示したものとも受け取れるものとなった。これをはっきりと示したのが尾身財務相で、「(政府は)議決延期請求権を使う局面ではない」と述べるとともに「(金利水準の決定など具体的な金融政策については)日銀の判断だ」と述べ、政府・与党が介入すべきでないとの認識を示した(毎日新聞)。

 さらに塩崎官房長官も「日銀は政府と同じ方向性みながら政策手段は独立性もって判断」として日銀の独立性を尊重する発言をした。また、山本金融担当相も「政策金利決定は日銀の専管事項、日銀の決定を最大限尊重」と発言している。

 また、先日のテレビ番組で「今は消費が弱くなっている。金利は日銀の専管事項だが、デフレ脱却の道筋をどう描くのか、説明責任を果たしてもらいたい」とコメントし、日銀の追加利上げを牽制したとみられた大田経済財政担当相も「議決延期請求権については仮定の話なのでいえない」としながらも「利上げは日銀の専管事項」との発言があった。

 安倍首相からの日銀に対する直接の発言はなかったものの、安倍総理帰国後の金融政策決定会合前日での閣議において閣僚から上記の発言が出たということは、政府として日銀の利上げに向けての動きに対しては強く牽制することはなく、中川幹事長が政府に要望した議決延期請求権の行使の可能性が薄いことが示された。安倍首相が今回どのような対応を示すのかが気がかりでもあったが、日銀への対応は小泉政権と比較して大きな変化はどうやらないように思われる。
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by nihonkokusai | 2007-01-16 14:04 | 日銀 | Comments(2)

「国債の残高圧縮への目標」


 昨日12月26日に初めて財務省における予算の説明会に出席した。2007年度予算において、新規財源債の発行が抑えられ過去最大の4.5兆円の減額となっており、これによりプライマリーバランスも赤字幅が今年度の当初予算からは6.8兆円もの縮小する見込み(ただし、18年度補正後の数字からみると 4.2兆円の減少)となっている。

 このプライマリーバランスも赤字幅の大幅な縮小には、税収増に加えて定率減税の廃止などで1兆1千億円の税収増となるなどやや特殊要因も働いている。このため、このペースで今後もプライマリーバランスが改善していくとは予測しにくいとの財務省からの説明もあった。それでも今後もこの財政構造改革の方針を貫いていけば、2011年度よりも前倒しで黒字化される可能性は残る。

 説明会の質疑応答においても、プライマリーバランスの黒字化の目標ではなく、もう少し踏み込んだ目標を設定してはどうかといった質問も出ていたが、1月16日の日経新聞では政府は国債残高圧縮に向けて新たな目標をつくる検討に入ったと伝えている。

 プライマリーバランスの黒字化とはあくまで国の借金の増加を抑制することが目標である。その目標達成が射程距離に入ってきており、今後はさらに踏み込み、膨大な国債残高削減を図るということはある意味当然のことである。

 しかし、2011年度までのプライマリーバランスの黒字化目標は前倒しはしない見込みとも伝えられている。その代わりに「新たな増税なしで」2009年度からの基礎年金の国庫負担増を補えるとした。

 ただし、朝日新聞によるとこの内閣府の試算は、構造改革が順調に進んだ場合で、名目成長率は2011年度には約4%にまで達するとして大幅な税収増を見越したもの。さらに経済財政運営の基本方針「骨太の方針06」で掲げた11.4兆~14.3兆円の歳出削減を進めるとして、プライマリーバランスは1兆円の黒字に達するとしており、それなりの成長率が続くというものが前提にもなっている。

 もし改革が進まず、名目成長率が2011年度になっても現在と同じ2%程度にとどまり、歳出削減も11兆円台にとどまった場合には2011年度のプライマリーバランスはまだ4兆円程度の赤字になるとしている。

 まずはプライマリーバランスの黒字化を達成することが重要であることは確かであり、その流れを加速させてもさらに国債残高圧縮に向けて舵を取っていかなければ財政の健全化は望めない。なかなか難しい状況ではあるとは思うが、政府にはそれに向けての努力を引き続き行っていただきたい。
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by nihonkokusai | 2007-01-16 14:03 | 国債 | Comments(0)
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