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「急速な景気悪化」


12月1日に、民間の非営利団体で米景気循環を正式に認定する機関である全米経済研究所(NBER)は米経済が2007年12月から景気後退局面に入ったとの判断を発表した。これにより、2001年11月からの米景気拡大は73カ月で終わったことになる。

12月1日の九州における講演で日銀の白川総裁は、本年夏以降は、国際金融資本市場や米欧金融システムの緊張が高まる中で、海外経済の減速が明確化し、これを反映して輸出が減少に転じ、これらの影響が重なり、このところ、景気の停滞色が「急速に」強まっている点を指摘している。

11月20日に発表された10月の貿易統計(速報、通関ベース)では、輸出額が前年同月比マイナス7.7%と2001年12月以来の大幅な減少となった。輸出は米国や欧州だけでなく、これまで好調さを保っていたアジアや中国向けも落ち込んでいる。

11月28日に発表された10月鉱工業生産速報値は前月比マイナス3.1%と2か月ぶりの低下となった。鉱工業生産予測値では11月が前月比マイナス6.4%、12月が同マイナス2.9%とさらなる悪化を見込んでいるなど、先行きについても厳しい見方となった。

そして、白川総裁は国内物価についても状況が大きく変化していると指摘した。コアCPIは約1年前には前年比でゼロ%近傍であったが、その後石油製品や食料品を中心にかなり急テンポで上昇し、今年の夏に一気に2.4%にまで上昇した。しかし、ごく最近は、国際商品市況反落の影響から前年比伸び率は低下に転じ、この先、前年比上昇率は「かなり急速に」低下すると見込まれるとしている。

11月28日に発表された10月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比+1.9%となっていたが、今後について白川総裁は、「需給バランスについては、当面、潜在成長率を下回る成長が続くと見込まれ、2009 年度中には一時的に物価上昇率がマイナスとなる局面も予想されます」とし、コアCPIが再びマイナスに転じる可能性を指摘した。 白川総裁は今後の日本経済について、「本年第2四半期、第3四半期と連続してマイナス成長となった後も、当面、停滞色が強い状態が続くとみられます。」との表現に留めているが、与謝野経済財政担当相は2009年度の日本の経済成長率について、「プラスとなる自信は現時点ではない」と発言しており、景気停滞が長期化する可能性がある。これに加えて物価下落が伴い再びデフレ観測も強まるようであれば、日銀も今後さらなる金融緩和策を取らざるを得ないとみられ、量的緩和政策への回帰も選択肢に上がるものとみられる。
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by nihonkokusai | 2008-12-02 10:09 | 景気物価動向 | Comments(0)
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