本日の牛さん熊さん
本日の牛熊です。
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2008年10月10日(金曜日)
・・・・・・・・・・まずは、朝方
東証EVS、寄138円47銭、高138円55銭、安138円01銭、引138円05銭、1844億円
LIFFE、寄138円08銭、高138円15銭、安137円54銭、清算値137円85銭、327億円
CME日経平均先物、引け8615円
熊「株が下げ止まらない」
牛「昨日の米株式市場では、ダウは7日続落となり、前日比687.91ドル安となり2003年5月以来の安値に」
熊「ナスダックも95.21ポイント安の1645.12と、こちらは2003年8月以来の安値をつけた」
牛「世界の中銀の協調利下げが実施され、米政府も金融機関への資本注入することを示唆するなど」
熊「金融不安の解消に向けた対策が講じられているものの、株価は下げ止まらないどころか、さらに下げ足を加速したようにも
牛「昨日の米株式市場の下げの一因としては、金融関連株への空売り規制が解除されたことも指摘されていたが」
熊「短期金融市場での混乱は続いており、金融株主体に大きく売られ」
牛「またファンドなどによる換金売りなども、相場下落の大きな要因となったとみられる」
熊「米債券市場では、2年債はしっかりながら10年債は売られ、カーブはスティープ化している」
牛「米政府による対策は結果として米財政の悪化要因ともなる可能性があり、また8日からの2日続いての入札も控え」
熊「米10年債利回りは前日比+0.15%の3.79%と下落し」
牛「質への逃避による買いの巻き戻しから一時売られた2年債は、株安など買いが入り、結局利回りは前日比-0.01%の1.54%に」
熊「外為市場では、ドル円は今朝のオセアニア時間で99円50銭台の動きに」
牛「CMEの日経平均先物は米株安を受けて、8615円と昨日の大証引けから大きく下落しており」
熊「今日の東京株式市場は朝方から大きく値を下げてきそうだ」
牛「ついにREITの初の破綻というニュースも飛び込んできたが」.
熊「ニートを取り巻く環境は、不動産市況の低迷や資金の出し手となっていた欧米の大手金融機関の資金引き揚げなどから悪化しており」
牛「今回のREIT初の破綻は、不動産不況のさらなる深刻化に加えて、銀行の融資姿勢の厳格化が一段とはっきりしてきたとも指摘されている」
熊「日本では欧米に比べて金融機関は比較的健全とされているものの、それでも貸し出しなどは慎重になりつつありとも」
牛「また地方の中小金融機関について、政府は公的資金を資本注入する新たな枠組みを整備する方針を固めたと今朝の日経などが報じている」
熊「日本政府は、また日本などの外貨準備を使ってIMFを通じて、財政難に陥った新興国に対する融資制度を作るようにG7で提案するとか」
牛「日本も過去の経験なども生かして、積極的に今回の世界的な金融危機に対応していく必要があるが」
熊「政府も、なんかこのときとばかりに、経済対策を積極的に打ち出そうとしている」
牛「景気後退期にあり、そのための対策は必要と思われるものの、いつかのように何でもありという対策でも困る」
熊「さらなる財政悪化は、国債への信認に対しても影響を及ぼす可能性もある」
牛「円債はここにきて、海外投資家からとみられるポジション調整の動きに大きく影響を受けているとみられ」
熊「昨日の長期、超長期債の売りもそういった換金売りではなかったかとも」
牛「国内の投資家さんは、ここでは積極的には動きづらいとみられ、利食い売りなどもなかなか入れにくいんやないか」
熊「今日も引き続き、海外のファンドなどの動きによって債券相場は動かされそうだ」
猫「米国の新聞によると、今回の同時利下げの舞台裏では、BOEのキング総裁、FRBのバーナンキ議長、ECBのトリシェ総裁の3人組ががんばったようね」
熊「キング総裁とバーナンキ議長はマサチューセッツ工科大学で同時期に在籍するなど、元々の知り合いだったとかで協議もしやすかったのかな」
猫「記事からは、今回の協調利下げには政府からの圧力はあまり感じられなかったようね」
牛「今回、日銀は動きづらかったと思うけど、できれば今後はこの3人組に白川総裁も加わって4人組になってほしいような」
・・・・・・・・・・昼に続く、
・・・・・・・・・・昼、
前場
長期先物2008年12限月
寄138円20銭、高139円05銭、安136円47銭、引136円69銭(-1円77銭銭)
15742億円
2年273回 0.860%(+0.065%)
5年75回 1.100%(+0.080%)
10年296回 1.535%(+0.080%)
20年105回 2.070%(+0.010%)
30年28回 2.175%(0.000%)
熊「米国では銀行への公的資金注入が具体化してきたが、米債は財政への影響なども危惧され10年債は下落した」
牛「ただ昨日のイブニングセッションで債券先物は138円05銭まで下落していたことから」
熊「138円15銭の買い気配後、前日比では26銭安の138円20銭で寄り付いた」
牛「現物は10年296回は寄り前に前日比+0.045%の1.500%ちょうどで出合ったのち1.505%が打たれたが」
熊「先物の寄り付き後に今度は前日比変らずの1.455%が買われるなど、板薄の中引き続き値動きの激しい展開に」
牛「そして、ふと日経平均先物を見ると前日比1010円安という表示が」
熊「米国市場でダウは600ドル以上の下落となり、その後の時間外取引でも米株は下落しており」
牛「ややパニック的な売りが入ったものとみられ、日経平均先物はサーキットブレーカーが発動し15分間の売買停止となった」
熊「9時過ぎに大和生命が有価証券の損失が拡大などから経営破たんに追い込まれたことが報じられ」
牛「昨日のREITの初の破綻というニュースもあったが、市場心理がさらに悪化していたことも確かか」
熊「これを受けて、債券先物はやはり参加者も限定的で板薄の中、今度は急激な買戻しが入り」
牛「一時139円05銭まで急反発したんやが」
熊「日経平均先物は一時前日比600円安の7840円まで下落後、急速に値を戻し8450円をつけ」
牛「今度は、債券先物戻り売りに押される結果となり、朝方寄り付き水準まで売られ」
熊「10時半過ぎ辺りから、今度はまとまった売りが入り、一気に値を下げて」
牛「引け際には、一時、前日比1円99銭安の136円47銭まで下落」.
熊「136円47銭をつけた時間は引けまで15分を切っていたから、仮に136円46銭の2円安をつけてもサーキット・ブレーカーは発動しなかったとはいえ」
牛「今度は債券先物がサーキット・ブレーカーの発動水準にまで急落した」
熊「その売りの背景としては内外投資家さんによる、キャッシュ化の動きなどが指摘されている」
牛「平時ならば、債券は質への逃避などから本来買いが入りやすいはずやが」
熊「今は金融危機という非常時ともなり、日本国内の投資家さんも保有する国債などを売って現金化してきていたと」
牛「先日、物価連動国債の入札が中止されたが、今日は都債の起債も見送りと発表された」
熊「新生銀行とあおぞら銀行も5年債の発行を見送られるなど、債券の発行市場にも影響が及んでいる」
牛「現物は中長期主体に売られ、2年273回は前日比+0.065%の0.860%、5年75回同+0.080%の1.100%がヒット」
熊「乱高下していた10年296回も前日比+0.080%の1.535%まで利回りが上昇」
牛「先物の板も薄いが現物市場も同様で、そこそこまとまった売りで値が大きく飛んでしまうようや」
熊「ただし、仕組み債でのヘッジ絡みなどからスワップ金利での超長期ゾーンに低下圧力から超長期ゾーンは比較的しっかりとの指摘もあり」
牛「20年105回は同+0.010%の2.070%、30年28回変わらずの2.175%の出合いに」
熊「債券先物は結局、前場は前日比1円77銭安の136円69銭で引けている」
猫「今日の東京市場はまさにパニック状態ね」
熊「それだけ今回の世界的な金融危機は根が深いということか」
猫「G7でもいろいろと対策が検討されると思うけど」
牛「なかなかこの不安心理が解消されるまでには、時間もかかりそうや」
・・・・・・・・・・引け後に続く、
・・・・・・・・・・引け後
後場
長期先物2008年12限月
寄136円19銭、高137円68銭、安135円80銭、引137円35銭(-1円11銭)
13967億円
2年273回 0.850%(+0.055%)
5年75回 1.100%(+0.080%)
10年296回 1.515%(+0.060%)
20年105回 1.990%(%)
30年28回 %(%)
熊「相場は壊れてしまったのか」
牛「前場に日経平均先物が急落してサーキット・ブレーカーが発動したのに続き」
熊「今度は、後場に入り債券先物でサーキット・ブレーカーが発動した」
牛「債券先物は後場に入り、売り気配でのスタートとなり」
熊「そのまま前日比2円安の136円46銭をつけて、サーキット・ブレーカーが発動し、15分間の売買停止となった」
牛「債券先物で初めてサーキット・ブレーカーが発動されたのは、今年4月25日に先物が急落した際と」
熊「その後、9月16日にリーマン・ショックでストップ高をつけたとき以来」
牛「しかし、株先と債先が同じ方向、つまり今回は売りで、同じ日にサーキット・ブレーカーが発動というのも極めて異例」
熊「今回の欧米を中心とする世界的な金融危機が、さらに深刻化し」
牛「市場参加者もリスクを取りづらくなっており、買い手も限られる中にあって、株先はまとまった売りが入った」
熊「大和生命が有価証券の損失が拡大などから経営破たんに追い込まれたことや」
牛「REITの初の破綻なども、不安材料となったとみられ」
熊「投資家の不安心理の高まりにより、それが株の売りに繋がったとみられるが」
牛「債券市場でも、参加者は限られ、板薄の中、そこそこの売買でも値が振れやすくなっている」
熊「たとえば今回の金融危機の影響により、必要に迫られての換金売りなども入ったとみられ」
牛「また、三連休を控えて、業者などによるポジション調整の売りなどが入った可能性もある」.
熊「先物は現物との連動性が薄れており、さらにレポ市場もあまり機能しておらずヘッジ手段にも乏しいことも影響か」
牛「またスワップ絡みでの動きなど、それぞれの要因で値が飛びやすくなっており」
熊「今日は超長期が比較的しっかりしていたが、それでも20年105回は後場一時2.090%まで売られていたのが」
牛「引けにかけては、なんと前日比-0.070%の1.990%が買われるなど、なんか滅茶苦茶な動きともなっていた」
熊「参加者少なく、板も本当に薄そうだ」
牛「現物は20年はちょっと異常な動きながらも、全般に押し目買いの動きも入り」
熊「10年296回は後場に入り一時1.580%が打たれたが、その後前日比+0.050%の1.505%まで買われ」
牛「1.150%が打たれた5年75回にも、一時前日比+0.065%の1.085%と押し目買いが入った」
熊「債券先物は、サーキットブレーカー発動後、前日比2円27銭安の136円19銭で後場寄り付いたあと」
牛「一時2円66銭安の135円80銭まで下落したが、現物に押し目買いがはいったことで引けにかけて買戻しも入り」
熊「一時137円68銭まで戻して、結局、大引は前日比1円11銭安の137円35銭となった」
牛「日経平均は、結局、前日比881.06円安の、8276.43円で引けている」
熊「さてさて今日はG7、そして三連休あとの相場はどうなるのだろうか」
猫「麻生首相は、緊急サミットを提案と報じられたけど、首脳が集っても現在の金融危機への有効な対策を講じるのは難しいんじゃない」
熊「それよりも、より金融の専門家が集る今日のG7で、対応策を煮詰めることの方が重要だと思うぞ」
猫「首相就任中に、なんとしてもサミットに出席したいから、かしらねえ」
牛「こらこら」
・・・・・・・・・・お疲れ様でした。