「ROADSHOW、休刊に」
中学生の頃、「ロードショー」か「スクリーン」のどちらかを発売日に買うのが楽しみだった。当時の映画スターは自分にとってまさにスターだった。スティーブ・マックィーン、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロスなどがお気に入りであった。映画館に頻繁にいけるほどの小遣いはなく、主にテレビでの映画鑑賞が多かった。当時は水曜ロードショーや金曜ロードショーなど、ほぼ毎日のように映画がテレビで放映されており、もちろんビデオなどない時代であっただけに、食い入るように画面を見つめていた。
そして「ロードショー」か「スクリーン」に好きな映画スターが載ると、切り抜いて大事にしまっておいた。最新映画の情報も、この2誌から得ることが多かった。当時はインターネットなどはなく、情報を得るには本に頼るしかなかったこともある。
しかし、いつ頃からだろうか、「ロードショー」も「スクリーン」も買わなくなってしまった。映画を嫌いになったわけではない。映画館にもそこそこ足を運んでいた。ただテレビで映画を見る機会も次第に減っていたことも確かである。映画スターについても関心はなくなり、アカデミー賞の受賞シーンを見ても、名前を知らない映画スターが多くなっていた。しかし、それでも映画は好きであるし、その原点には「ロードショー」があった。ここにきていろいろな雑誌の休刊のニュースが出ているが、「ロードショー」の休刊は自分の中の大切な部分が消えてしまうような感覚であった。