「GDI」
4-6月期は、原油価格の上昇などの影響から交易条件はさらに悪化し所得流出は拡大した。所得流出を示す交易損失は1-3月期の25.9兆円から28.0 兆円に拡大。GDPにこの所得流出分を加えた国内総所得(GDI)は前期比マイナス1.0%と2001年7-9月期以来の下落幅となった。GDIとは Gross Domestic Incomeと略したもので、国内総所得と呼ばれるものである。
GDPそのものに加え、原油や穀物など輸入原材料価格高騰に伴う交易条件の悪化による海外への所得流出を加味したGDIの動向には今後も注意が必要か。原油価格はここにきて下落基調となり、一時のインフレ圧力は後退しているものの、当面、交易損失が続くものとみられる。このような「稼いでも儲からない」という日本経済の現状が改善されない限り、日本の景気もなかなか改善されないものとみられる。