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「中国、インドの経済動向に注意が必要か」


 中国の税関総署が発表した今年1-6月期の貿易黒字は、前年同期に比べ11.8%の減少となった。日経新聞の報道などによると、原油価格の上昇などにより輸入が31.0%増加した反面、米国など世界経済の減速で輸出の伸びが17.6%に止まったことで、貿易黒字が大きく減少した。特にこの輸出の減速は注意が必要となりそうである。特に6月以降、対米輸出の伸びが鈍化し、今後も予想以上に貿易黒字の減少が進む可能性がある。

 また、日経が報じたところによると香港紙が消息筋の話として17日ごろに発表予定の4-6月期の中国のGDP伸び率が9.8%に止まると報じているとか。これが事実となれば2005年10-12月期以来の1桁成長となる。それでもまだ10%近い成長とも言えるが、トレンドとして伸び率鈍化の方向に転じてくる可能性もあり、特に北京オリンピック後に伸び率鈍化が顕著となってきたとしてもおかしくはない。

 インドでもインフレ圧力の強まりなどもあり、新車販売が減速するなどこちらもこれまでの高成長を維持してくるのが難しくなってくる可能性がある。米国経済の減速、さらに日本も景気減速が顕著となりつつあり、アジア地域の新興国経済だけが高成長を維持することも難しい状況となりつつある。

 中国やインドの景気減速が明らかになると、今度は世界的な原油需要の後退懸念によって、やや投機的な動きも入っている原油先物価格だが、投機筋が先を読んで急落するといった事態も今後は考えられる。これはこれでインフレ圧力が抑えられることになるが、今度は原油価格など商品市況の上昇により、ある意味原油バブルに潤っていた資源国がその利益を享受できなくなるとなれば、いずれあらたな問題も出てくることも考えられる。今後の世界経済の動向にも細かな注意も必要となりそうである。
by nihonkokusai | 2008-07-11 08:59 | 景気物価動向
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