「日銀総裁人事」
読売新聞は9日に、日銀「武藤総裁」で最終調整へ、副総裁に白川京大教授と報じた。これに対して町村官房長官は、日銀総裁昇格報道に対してて事実無根とコメントした。今回の日銀総裁人事はねじれ国会も絡んでピリピリしており、民主党も事前報道あったら認めないと言っていただけに、官房長官は、今後日銀総裁人事については一切答えないと発言したものとみられる。
報道の自由もあるかもしれないが、今回の報道については日銀総裁人事そのものに影響を与える可能性もあることで、正式な発表があるまで報道は控えるべきものではなかったろうか。マスコミとしてはトップ人事を抜くということは、その影響はさておいても、ひとつの名誉なのかもしれない。しかし、仮にこの報道の結果、総裁空席の期間とか出来てしまった際には金融市場そのものに大きな影響も与えかねない。
読売の報道の内容自体は、日銀理事であった白川氏の副総裁就任観測というのも違和感はあまりない。むしろもう一人の民間人からとみられる副総裁人事の方が個人的には興味があるが、それを早めに知ったとしてもあまり意味のないものでもあろう。
今回の日銀総裁人事は日銀法改正時には想定していなかったような衆参のねじれ状態となり、その人事を巡ってのステップは微妙な変化もあるはずである。どういったかたちで日銀総裁が決定されるのか。その過程はクリアーではないが、結果が出てからはそのステップも明らかにしてほしいものでもある。