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「米国市場動向次第の相場展開か」


 まず、今週の動きを振り返ってみたい。21日の東京株式市場は日経平均が先週末比500円を超す下げ、アジアの株式市場も総じて大幅な下落ともなり、それは欧州市場にも飛び火し、22日の日経平均は前日比700円以上の下げとなった。世界的な株安連鎖による市場の混乱に対し、22日に米FRBは0.75% の緊急利下げを実施した。これを受け米2年債は一時2.00%に、10年債は3.43%へと利回りは大きく低下した。

 23日の東京市場はこの米緊急利下げを好感し、日経平均先物が前日比520円高の13030円と大幅に反発し、債券先物は寄付こそ前日比 17銭安の138円65銭となったが、中期主体の現物買いなども入り138円94銭に戻すなど値動きの荒い展開となった。この日、2年264回は一時 0.490%まで買われ政策金利を下回った。5年69回も0.765%に利回りが低下、反面、超長期は重く30年27回は2.285%に後退するなど日銀の利下げへの思惑もあってかイールドカーブはスティープニング圧力を強めた。22日の日銀の金融政策決定会合では全員一致で現状維持となったが、特に相場への影響はなかった。

 週末にかけて東京株式市場は買い戻しの動きを強めたことで、25日の債券先物は戻り売り圧力を強め138円を大きく割り込んだ。12月全国消費者物価指数(除く生鮮)は市場予想も上回って、前年同月比+0.8%と発表されたこともあり、債券はやや買われ過ぎの反動の動きともなり、10年債利回りも1.4%台後半まで上昇し、23日に0.765%まで利回りが低下していた5年債も0.9%台に利回りが上昇するなど、値動きの荒い展開ともなった。

 次に来週の動きを予想してみたい。引き続き米国市場動向の影響を受けやすい相場となりそうである。29日から30日にかけて開催される米 FOMCでは追加利上げが予想されている。米国市場は、これまで売り材料に敏感に反応しやすい地合となっていたが、ここにきて好材料に反応しやすい地合に変化しつつあるともみられ、予想通りとなれば米株式市場にとっては好感材料となりそうである。米債もやや買われ過ぎの反動といった動きが週初は強まりそうである。

 円債も2年債利回りが一時0.5%を割り込むなど日銀の追加利上げを意識したところまで買い進まれていたことで、株式市場の動向を見ながらその反動の動きがさらに出るともみられる。しかし、まだ株の底打ち感といったものは出ておらず、地合が再び悪化してくることもありうるため、警戒も必要か。

 米国ではFOMCとともに、28日の12月新築住宅販売件数、29日の1月消費者信頼感指数と12月耐久財新規受注、そして30日の米 2007年10-12月期GDP速報値に週末の雇用統計と注目の指標発表も相次ぐことで、これらの数字如何では相場が大きく揺れ動く可能性もある。モノラインの問題などを含めて、米国市場は引き続き神経質な展開となりそうである。28日の流動性供給入札や31日の2年国債入札の動向などにも注意が必要か。
by nihonkokusai | 2008-01-25 10:15 | 債券市場
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