「4月の展望レポートと10月の展望レポートの違い」
展望レポートでは、2007年度見通しは、GDPで4月の2.1%から1.8%に、コアCPIは、4月の+0.1%から0.0%に下方修正した。GDPに関しては、4-6月期がマイナスにり、6月の建築基準法改正の要因で住宅着工に影響があったためである。これについて10月の展望レポートには、「住宅投資の振れが、2007年度の成長率を幾分下押しする一方」という表記があった。CPIについては、原材料高などの価格転嫁は企業間取引ほどには進んでいない、との文面も10月には入っている。ただし、より長い目でみると、(CPIの)プラス幅が次第に拡大するとみられる、との文面は4月同様に10月も残っていた。展望レポートでの、他の箇所の4月と10月の違いを見てみると設備投資については、「資本ストック循環の観点からみて、伸び率は昨年度までよりは低いものになると考えられる」、「米国サブプライム住宅ローン問題やこれに端を発する国際金融資本市場の変動がわが国の金融環境に及ぼす影響は限定的、との文が加わった。「CP、社債の発行環境も引き続き良好である」ともしているが、これは8月あたりからサブプライム問題の影響が広まり、それに関してのコメントが加わったものとみられる。そして、「金融環境は極めて緩和的であり、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長軌道を辿るのであれば、金利水準は引き上げていく方向にある」との文が10月にあったが、4月では「金利水準の調整」としていたところが「金利水準は引き上げていく方向にある」としているところも微妙に変わっていた。