「7月機械受注は前月比+17.0%」
「内閣府」が昨日発表した7月の
機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、6月前月比-10.4%の後、7月は同+17.0%の1兆1235億円とか月ぶりに増加した。このうち、製造業は同+10.8の4898億円、非製造業(除く船舶・電力)は同+19.4%の6372億円となった。鉄道車両や船舶を発注した「運輸業」が+80.6%、「通信業」や「金融・保険業」からの受注増も寄与したとみられる。製造業では半導体製造装置の発注を増やした「電気機械」が+34.4%、「化学工業」などからの受注も伸びた。
前月比+17.0%というのは、市場予想(+6.0%)も上回っていたものの、元々振れの大きい指標ということもあり、市場への影響は限られたものとなった。4-6月GDP第2次速報値が設備投資の下方修正などにより、3四半期ぶりのマイナス成長となったが、機械受注を見ても設備投資の低迷は一時的な要因の可能性も高そうである。
機械受注統計は、内閣府の経済社会総合研究所が月次で発表している指標で、主要機械等製造業者280社を対象とし、それらの企業の受注額を集計した統計である。
各企業が設備投資のための機械を機械メーカーに発注する段階をとらえるので、納品や据え付けなどに先行するため、設備投資の動向をしることができる。この機械受注は、実際の設備投資より6か月から9か月先行する指標だといわれ、設備投資の先行きを占う指標とされている。振れが大きい「船舶」と固有の事情で動きやすい「電力」を除いた「船舶・電力を除く民需」を見るのが一般的であり、「船舶・電力を除く民需」の受注額の前月比が注目されている。
ただし、この機械受注は振れが大きい指標でもあり、単月の数字だけでは傾向が捉えにくい。米国の雇用統計などとともに事前予想が実際の数値と大きく乖離することも多い。